手に入れたいのは君だけだ

これが現実？

僕が美少女を見かけてから今日で1週間
全校生徒が集まる集会。

ここでなら、彼女を探すことが出来るかもしれない。
僕は少し、浮かれていたのは事実。

生徒会のお手伝いで、壇上にも上がるし？
フロアから探すより絶対確率高いよね？
なんて思いながら…。


集会が始まるのは午後から。
今日の授業は午前中のみ。

生徒会の準備があるので、集会が始まるのは午後の授業が始まるより1時間遅れての開催になっていた。


シーヴェルに連れられて生徒会室に入る。
すでに、それぞれ準備に取り掛かっていた。

そんな中…

「よく来てくれたね。ありがとう。
さぁ、準備してくれ。
あまり時間がないからね。」

生徒会長に笑顔で迎え入れてもらう僕。

「わかりました。」

と返事をしたものの…
結局僕は、何をすればいいのかな？

隣に立つシーヴェルに視線を送る。

「今日のルッツはお姫様だよ。僕と一緒にね。」

「それ、どういうこと⁉」

「僕と一緒に、舞台にあがってそばにいればいいだけ。
ほら、時間がないから急いで？」

シーヴェルに連れられて更衣室ように仕切られた部屋に連れていかれる。
目の前には女性もののドレス。
といっても、簡素なものだ。

その服を見て、僕は違和感を覚えた。

(なんだろう…？ どこかで見た…？)

「ルッツのはこっちね。」

僕に手渡されたのは金色の髪のかつら
薄い水色のシンプルなドレス
水色のローヒール

「ドレスなんか着たことないし、どうやって着るんだよ？」

「大丈夫、手伝ってくれる人がいるから。」

シーヴェルの声が終わるか終わらないかっていうときに、誰かが部屋に入ってきた。

「僕たちが手伝いますから。」

同じ2年生の男子が、手際よくドレスやアクセサリーを用意していく。
1時間後には、メイクも施され…
僕もシーヴェルも完全に女性に見えた。


そして…

シーヴェルの姿に僕は愕然としてしまったのだった。