自由に生きていいですか

青い縞猫

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調理場へ入ります

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我が家は領地をもたない子爵家です。
後ろ盾となるようなものはありません。

旨味のない貴族家からの嫁入りは、余程のことがない限りあり得ないのです。


そこで、生活の基本である食事。
これを1人でできるように、厨房に入ります。

我が家の厨房は料理人が1人
屋敷といっても、家族と使用人を合わせても10人に満たない程度。
そこまで調理はむつかしくありません。


調理を担当している フレイド・ベルノへ声を掛けます。

「フレイド、今日から私も厨房へはいることになったの。
貴方の邪魔はしないからよろしくね。」

にっこり笑って挨拶をすると苦笑いされてしまいました。


実は…
私には人に言えない秘密がありまして。

そこにある品物を”鑑定”すると作れる料理のレシピや作り方がわかるのです。
そして、その料理というのがどうもこの世界の物とは違っているようで…

見た目、調理方法、味付け…
すべてにおいて初めてのものが多く、私はたびたび厨房を訪れてはフレイドを質問攻めにしたのです。
しかし、私しか見ることもできないレシピ
フレイドがわからないのも当然の事なのですが…

ましてや4歳の私の言うことが、そもそも理解できていないだけ
という事もあったのでした。

その時よりはずいぶんしっかりしてきたと思いますが、まだ5歳児。
自分だけの力で料理が完成するわけもありません。

カンタンなおやつから取り掛かろうと、頑張ってみることにしたのです。
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