幸せにしてもらわなくても、自分で幸せになります

青い縞猫

文字の大きさ
6 / 38

王妃様の企み

しおりを挟む
ルグリアは少し納得がいきません。
如何して今、私は夫から責められているのでしょう?
私が何をしたというのでしょうか?
あまり素行の宜しくない息子を少し大人しくさせる為に、餌をまいただけなのに…
勿論、息子の好みを考慮して人選致しましたわよ?
そうしなければ、罠をはる意味がございませんもの。

「私はただ、実家が後見した令嬢をお茶会へ招待しただけですわ。
そこへヴァーミリアンがたまたま来ただけで…」

「そなたの実家である侯爵家のものをわざわざ王城に招く必要性を感じないのだがね。」

国王様の目に、冷たい光が増していきます。
すこし、部屋の温度が下がった気がいたします。

「私にお茶会の自由もないというのですか⁉」

王妃様がお怒りのようですが国王様には、まったく響いていないようです。

「侯爵家の娘と2人だけで、王城の公的なスペースでお茶会をひらく意味が分からん、と言っている。」

そして…

「そこに、偶然を装ってヴァーミリアンを呼び出す意味もな。」

王妃様のお顔は真っ青です、
そして… 何故かお父様も同じでした。

「ヴァーミリアンから、婚約解消の理由を聞いた。 オルタナと一緒になりたいそうだ。
爵位もいらないそうだよ。ヴァーミリアンは。もともと第3王子だからな。」

「それはっ… どういうことでしょうか!!」

身分的には平民とならなくても良いはずです。納得がいかないとばかりにルグリア様が国王様に詰め寄ります。

「婚約の解消を了承、オルタナを伴侶にすることを認める代わりに、王族から除籍、身分は平民とする。」

「そんな……」

「ヴァーミリアンはすでに了承しておる。 オルタナには自分から話をすると言っていたよ。
これで、そなたの思い通りに事が進んだわけだな。 ……サミュエルよ。」

「…国王陛下っっ!!」

「わかっている。 サミュエルはルグリアの企みに乗っただけ。 
何もしない。
という形の手助けをしただけだ。 ヴァーミリアンに娘をやるのが惜しかったのだろう?」

「えっ…⁉」

思わず、お父様を凝視してしまいました。
一体なぜ⁉ そのようなことを…

大きなため息を一つついて、さらに深呼吸してからお父様は話始めました。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...