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第2話 【ミルククラウン】~王様の涙~
第3章 勝敗の行方
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出自は定かではないが、王様の涙は、セブン・ブリッジを変形させた、とてもスピード感が重要視されるカードゲームだ。
練習の成果か、藤井は勝ちに勝った。これでもかと勝った。
マスターの指示通りに、二週間置きに裏カジノへ通い詰めては、連戦連勝を飾った。
何故か他のゲームはせず、王様の涙のみをやれという指示は変わらなかった。
ところが、裏カジノに通い詰める内、最初はにこやかだったスタッフ達も、どんどん険しい顔になっていくのを感じた。
「おかしいな。何で険しい顔になってるんだ?」
首をかしげながらもプレイを続けていると、背後から黒服のスタッフに声をかけられた。
「ちょっとよろしいですか?」
それは、裏カジノに入り浸ってから三ヶ月後のことだった。
「あなた、三ヶ月前から不正をしてますよね?」
「え?不正だなんてとんでもない。私はお宅のオーナーに頼まれて、勝ち役をしていただけなのですが・・」
「今うちのオーナーは、香港にいるが・・」
「ええ?」
「あなたの戦法は、イカサマ集団がよく使う手口とよく似ている。」
藤井はまんまとはめられていた。
喫茶店のマスターは、裏カジノのオーナーでもなんでもなく、詐欺集団の指令役だった。
手数料を差し引いた勝ち金の入金を続けていた口座には、当然一円も残されていなかった。
―― 一瞬でも輝けたでしょう? 王冠状の雫のように。――
トランプに触っていたときは、世界の全てが自分のもののように思えていた。王様の涙・・実際は裸の王様だった。
王様の涙にはルールの抜け道があり、藤井はグレーゾーンすれすれの戦法を徹底的に叩き込まれていた。
そのやり口があまりに絶妙であったため、運営側も取り締まるに取り締まれなかったが、ついにそのトリックに気づき捕まってしまった。
死を選ぶか、王様の涙をやりつづけるか。
藤井は、その腕前を認められ、裏カジノのディーラーの職を得た。とは言え、一生タダ働きである。
しかし、自分の才能に気づいた藤井に不満はない。衣食住は裏カジノを運営する組織から提供されており、食い扶持の心配をする必要もないのだ。
その後、東京湾で謎の水死体が見つかった。
「そういえば、あのバーのマスターは元気かなぁ。」
藤井は、今日もトランプを切り続ける。
練習の成果か、藤井は勝ちに勝った。これでもかと勝った。
マスターの指示通りに、二週間置きに裏カジノへ通い詰めては、連戦連勝を飾った。
何故か他のゲームはせず、王様の涙のみをやれという指示は変わらなかった。
ところが、裏カジノに通い詰める内、最初はにこやかだったスタッフ達も、どんどん険しい顔になっていくのを感じた。
「おかしいな。何で険しい顔になってるんだ?」
首をかしげながらもプレイを続けていると、背後から黒服のスタッフに声をかけられた。
「ちょっとよろしいですか?」
それは、裏カジノに入り浸ってから三ヶ月後のことだった。
「あなた、三ヶ月前から不正をしてますよね?」
「え?不正だなんてとんでもない。私はお宅のオーナーに頼まれて、勝ち役をしていただけなのですが・・」
「今うちのオーナーは、香港にいるが・・」
「ええ?」
「あなたの戦法は、イカサマ集団がよく使う手口とよく似ている。」
藤井はまんまとはめられていた。
喫茶店のマスターは、裏カジノのオーナーでもなんでもなく、詐欺集団の指令役だった。
手数料を差し引いた勝ち金の入金を続けていた口座には、当然一円も残されていなかった。
―― 一瞬でも輝けたでしょう? 王冠状の雫のように。――
トランプに触っていたときは、世界の全てが自分のもののように思えていた。王様の涙・・実際は裸の王様だった。
王様の涙にはルールの抜け道があり、藤井はグレーゾーンすれすれの戦法を徹底的に叩き込まれていた。
そのやり口があまりに絶妙であったため、運営側も取り締まるに取り締まれなかったが、ついにそのトリックに気づき捕まってしまった。
死を選ぶか、王様の涙をやりつづけるか。
藤井は、その腕前を認められ、裏カジノのディーラーの職を得た。とは言え、一生タダ働きである。
しかし、自分の才能に気づいた藤井に不満はない。衣食住は裏カジノを運営する組織から提供されており、食い扶持の心配をする必要もないのだ。
その後、東京湾で謎の水死体が見つかった。
「そういえば、あのバーのマスターは元気かなぁ。」
藤井は、今日もトランプを切り続ける。
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