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50.新たな嫌がらせ
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リリーが去った後の学園での日々が始まる…。
ついに一人ぼっちになった俺はまた嫌がらせが始まるかと思ったが、意外にも俺をよく思わない生徒たちは何もしてこなかった。
どうも、この学園にも日本においての生徒会のようなものがあるのだが、その会長にシリルがなったことにより、新しく制度が作られたのが大きな変化となった。それは見回り制度だ。これにより、学園内での暴力行為などが起きなくなった。
宰相を父に持つシリルの発言力は強く、学園側はすぐにその制度を取り入れた。
理由は、以前あった学園襲撃事件の対策らしい。
あれからそういった事件はないが、この見回り制度により俺の周りの治安も良くなって、むしろ助かった。
──だが、俺の危機は今度は思いもよらない所から現れた。
学園での生活が平穏になった途端、俺は寮での生活が苦しくなった。
寮への行き帰りの道で、何者かに襲われることが多くなったのだ。
学園の建物から寮は目と鼻の先だが、それでも広い敷地内の端から端に行くこととなる。その道中は、学園の警備の目も無ければ、寮の管理人の目もない。
そんな僅かな時間を狙って、特に夜に狙われた。
何者かは姿を見せなかったが、確実に俺が1人きりの時に魔法を使って俺に暴力を振るった。
学園での嫌がらせが可愛く思えるほど、何者かの攻撃は的確に俺の体にダメージを与え、かつ、目立たない傷を与えた。必ず、服で隠れる場所を狙ってくるのだ。しかもその怪我は血が出るほどのものではなく、ぶつけたような痣ができる程度。それが地味に辛く、毎日筋肉痛のようになってしまった。
どうも、この世界の人なら、この程度の怪我は自然に自己治癒魔法が働き、治りが早いらしいのだが、俺にはその力はない。
赤水晶の力も、ここに使っていてはすぐに体力が尽きてしまうのは分かったので、俺はこれらの怪我を限界まで耐え、救護室で治してもらうことが増えた。
これには俺も耐えかねて、一度救護室の人に治癒してもらった後相談したことがある。
しかし、救護室には以前いた優しいおばさんが居なくなってしまって、後任の人は俺に好意的ではなく、話を聞いても素っ気ない反応しかしてくれなかった。結局、救護室の人も先生も、「学校の敷地外でのことだから」と何も取り合ってくれなかった。俺と関わると厄介だと思われたのかもしれない。
今唯一話せるリリーにも心配をかけたくなくて言えなかったし、ブラッド伯爵に言うとまた屋敷に連れ戻されそうで嫌で言えなかった。俺はまだブラッド伯爵のことを信じ切れていないのだ。
そんなわけで、クラウスはまた悪い癖を発揮して誰にも頼ろうとせず、このことは誰一人気が付くことはなかった。
夜道の襲撃者がそれほどまでに闇討ちのプロだったということでもある。
(俺の想像だと、やはり反ゼト信者の者たちな気がする…)
彼らはかなりの魔法使いたちだった。宮廷官職者レベルの。俺を敵視する人々は、そんなところにもいるのかもしれない…。
そう考えると、クラウスはどんどん暗い気持ちになるのだった。気分が沈むのは、体調にも起因していたが…。
ついに一人ぼっちになった俺はまた嫌がらせが始まるかと思ったが、意外にも俺をよく思わない生徒たちは何もしてこなかった。
どうも、この学園にも日本においての生徒会のようなものがあるのだが、その会長にシリルがなったことにより、新しく制度が作られたのが大きな変化となった。それは見回り制度だ。これにより、学園内での暴力行為などが起きなくなった。
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理由は、以前あった学園襲撃事件の対策らしい。
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そんな僅かな時間を狙って、特に夜に狙われた。
何者かは姿を見せなかったが、確実に俺が1人きりの時に魔法を使って俺に暴力を振るった。
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どうも、この世界の人なら、この程度の怪我は自然に自己治癒魔法が働き、治りが早いらしいのだが、俺にはその力はない。
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これには俺も耐えかねて、一度救護室の人に治癒してもらった後相談したことがある。
しかし、救護室には以前いた優しいおばさんが居なくなってしまって、後任の人は俺に好意的ではなく、話を聞いても素っ気ない反応しかしてくれなかった。結局、救護室の人も先生も、「学校の敷地外でのことだから」と何も取り合ってくれなかった。俺と関わると厄介だと思われたのかもしれない。
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