ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)

mizumori

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41話 夜会へGO 3 

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 母上のお茶会は盛況だった。俺が母上をエスコートして現れるとそこにいた3,40人の貴族の若者たちが立ち上がり一斉にお辞儀をする。美少女の大群だ。男は、まあ1/3ぐらいで、いつもおじさんと話すことが多い俺は仲良くしたいのだが、女の子に話しかけられたら・・・そちらを優先するだろう、普通は。
 7個のテーブルを順番に回りお話をする。でも座っていると膝の上で組んだ腕に押し上げられて・・・それから身を乗り出して話されると・・・が強調されて、俺は紳士だがつい目が行ってしまうのは・・・いかんともしがたい。

  そうそう母上もお美しいです。身動きするたびに鎖についている石が輝く髪飾りが人目をひいている。

  そうなんだ。これは俺が母上の派閥のために仕掛けた流行の第2弾だ。この世界の女性の髪は長い、だから現代に較べて髪飾りは宝飾品としての地位が高い。
それで花を模した宝石から長さの違う何本もの小石がついた鎖が垂れ下がるデザイン(現代で見たことがある)の髪飾りを差し上げた。藤の花を模したものもあるので、今度夜会でお使いください。

  そして鎖を作る技術は高度だということを知っているかな。何気なく使っている現代の品物はどれもこれも侮りがたいものがある。土魔法で簡単に作れるのではないか?そう思う人がいるかもしれない。いやいや男としては官吏か立派な建物を作るほうにいきがちなもんだ。それに宝石を扱う人間、貴族に売りに行く人間に較べて収入は低い。宝石を扱うので最初に大金が要るのもネックだと思う。

  兄上にお願いして、資金が枯渇して、デザインがいまいちな工房を探してもらうと。あったよ、ありました。男爵家の次男が経営する宝飾工房、デザインのダサさで売れていなかったそこの権利を金を多めに渡して無事譲ってもらえた。ギルドに新たに入るのは気が遠くなるほどめんどうで実績もいるので、これが簡単でいいよね。

  またしても近衛騎士を投入。ビンセント2号は、婚約したばかりの伯爵家の次男。手頃な屋敷がないと嘆いていた君に目をつけたのは俺だ。小ぶりの屋敷をプレゼントすることで二つ返事でOKをもらえた。これでアルバトロス商会宝飾部門の出来上がりだ。

  ビンセントも早く観念すればいいのに。

  兄上推薦の3人の商人たちには今回エドラド王国に寄って宝石の原石を買い付けてもらうように頼んである。一人だけでも良かったのだが、3人の熱意に押されてそのままお願いした。
きっと彼らは販売も引き受けてくれるだろう。なんたって国内外に伝手を沢山持っているから。
ビンセント2号のアラミス君、良かったね。君は事務仕事だけで済みそうだ。


  さて、最初のテーブルだ。ここには4人の令嬢がいる。公爵家3人に、侯爵家の元婚約者殿だ。一人は13歳、もう一人は14歳・・・無しだな、人道上16歳以下の女性は遠慮したい。だって出産で命を落とされたら、辛いだろう。それに白い結婚を2年も3年も続けるのはこの世界的に回りが納得しないだろう。俺?俺に我慢が出来ると思うか?自分に自信がない・・・いや、きっとやらかす案件は却下だ。
 最後の公爵令嬢は・・・〇〇は揉めば育つと言うし、俺はなだらかな丘は割りと好きだぞ。スイカよりメロンより桃を選ぶ性質だしな。それに大きければいいというのは都市伝説だ、好みは人により様々だ。手のひらに収まる桃の感触は・・・

  元婚約者殿、俺を睨むなよ。俺はさっきからにこやかに微笑んでいるだけだろう。俺の内心は分からないはずだ。男共の顔をみても・・・あれ、渋い顔をしている。・・・ばれた?ばれてないよな。俺は昔から初対面の男女がいると男共に遠巻きにされる。女たちがぐいぐいくるのが原因だと思うけど・・・慣れればそれ程でもなくなるんだけれど・・・微妙に傷つく。顔の善し悪しなんか気にすんなよ、気合で行けば好きな子は落とせるぞ、多分。俺は唯一人の女の子に好かれればいい、という主義だ。


 ***************

  皆様にもお分かりだろう。こいつは顔が良いせいで、エロ話には入れてもらえても、女の子との遊びにはあまり誘われない。男同士でつるむのに慣れている彼は自業自得とはいえ、微妙に不憫だ。
そして逆恨みする男共は常にいた。前世でも今世でも護衛がいてよかったね。

 ****************


  ペトロネラ・マイヤー公爵令嬢は母上の髪飾りを褒めてくれた。お父上は典礼庁の長官をされており、堅物だが穏やかな人物だとされている。

 「とてもお似合いですわ。風に揺れてしゃらりしゃらりと鳴るようで、目が離せません」

 「わたくしも素敵だと思います。お召し物といい、髪飾りといい、王妃殿下はますます輝かれているようで」

 「ダンスを拝見するのが楽しみですわ。シャンデリアの光に輝くさまが目に浮かぶようです」

  ありがとう。今後の売り上げを考えると笑いが止まらないよ。
 
 全部のテーブルを回ると、かなりの時間がたっていた。俺はご挨拶をして退席だ。ちょっと母上の宮の花でも眺めていこうかな。セバスチャンが花びらを沢山持ってきてくれるのは嬉しいけれど、元の形も知りたい。

  護衛騎士を2人連れて、前庭から奥へとどんどん歩いていく。う~む、これってあの花びらの元かな~。まさか木に咲いているとは思わなかった。木に咲いている花が多いのは母上の趣味だろうか。あそこの水色の花びらは・・・と。

「きゃっ」

 小さな叫び声が聞こえた。生垣の側で金髪のノッテンボーム子爵令嬢が困った顔で立ち止まっていた。

「どうなされたのですか?」

「髪が・・・」

 綺麗な緑の瞳が困ったように揺れている。

「あぁ、綺麗な髪がもつれて絡み付いていますね」

 俺は生垣に絡まっている髪を丁寧にはずすと(2,3本千切れたようなのは気のせいだろう)彼女に問いかけた。

「侍女はどちらにいますか」

「あの、はぐれてしまって・・・」

 彼女は少し目を潤ませると心もとなげに首を傾げる。俺はにっこり笑ってそれに答えた。

「それではお茶会の会場までお送りしましょう」

 彼女は宝石、それも瞳の色と同じエメラルドが好きだと言うので、エメラルドにまつわるエピソード(前世由来のもの)を話してあげた、クレオパトラの話だ。そして会場手前まで連れ立って歩く。

「噂になって貴女のご迷惑になったら大変です。ここまできたら安全だと思います。それでは」

 俺は微笑むときびすを返した。


 そして俺はまた庭園の奥に進んでいく。今度は別の道を歩こう。

 ぼそぼそと声が聞こえる。俺は護衛を制して一人で進んでいく。
男女があれこれ言い合いながら、茂みの奥に入っていった。
あぁ、そういうことね。


 俺はその後ハンカチを落とした伯爵令嬢ペトラ・メンベルゲルクの手伝いをして、会場まで送った。

 庭園は意外とにぎやかだ。

 
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