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2章 攻略対象者(仮)
お誕生日会
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そうこうしているうちに日々は過ぎ去り、私は7歳になった。7歳は節目の年で、他家の人たちを呼んでお祝いをする。そういうわけで2ヶ月前から大騒ぎして用意されたドレスはシフォンとレースでできたピンク!普段は元アラサーOLとしてピンクのかたまりになるのがつらいので、避けていたんだけれど今日は特別。この色以外周りが認めてくれなかった。子供だから、子供だからと呪文を唱えて着るドレスは私にとても似合っていた。子供だからね。
「お嬢様、とてもよくお似合いです」
「お可愛らしいですわ、リゼル様がおっしゃられたようにピンクにされてよかったです」
大きな鏡の前に立つ私を侍女とメイドが口々に、やりきった感を漂わせながら褒め称える。美幼女は何を着ても可愛い・・・目出度いことです。
迎えに来てくださったお父様とお母様にも褒めていただいて、私はパーティー会場に向かう。お二人とも私の姿に満足そうでなによりです。
舞踏会を催す為の大広間が会場となっており、侍従が開けた扉を抜けるとそこには大勢の人たちが集まっていた、100?200人を超えているのではないかな。
あふれんばかりに花が盛られた背の高い花瓶があちらこちらに飾られ、ビュッフェ形式で整えられた会場の片隅ではカルテットが音楽を奏でている。そして人々が楽しそうに談笑しているその中を私は微笑みながら歩いていく。花々に飾られた一角にたどり着いたお父様、私、お母様は3人仲良く並んでご挨拶をする。こういうときにテンプレだと素晴らしく流暢な挨拶をしてみんなの度肝を抜くんだけれど、それって何のフラグ建て?やりませんよ、私は子供らしく普通に見られたい。
「この緑あふれる美しい日に、リュシエンヌが7歳の誕生日無事に迎えられたことを感謝し、また皆が・・・・・」
お父様の挨拶が始まった。ちょっとどきどきする。200人からの人の目が一斉にこちらを向くのはすごい迫力だ。少しだけ手足が震えるのは気のせい?うん、気のせいです。
「それではリュシエンヌ、ご挨拶を」
「はい、お父様」
皆様の顔をしっかり見て、
「ローヴェリア公爵家の長女リュシエンヌ・フォン・ローヴェリアです。皆様仲良くしてください」
軽くお辞儀をして顔を上げにっこりと微笑む。これでよし。女は愛嬌だよね、今日はとりあえず笑っていよう。
お父様とお母様に挟まれた私の元に最初にいらしたのは王子様でした。白金の髪にアッシュモーブの瞳、素晴らしく綺麗な子供は私を見て微笑んだ。
「お久しぶりです、ローヴェリア公爵、公爵夫人。このたびはおめでとうございます。
初めまして、ローヴェリア嬢。私は第一王子のジルベルト・ファン・デ・ラ・アークシュタインです。お会いできて嬉しく思います」
そして王子は私にさっと近づくと、ピンクのバラの花束を差し出した。7本のバラの周りをかすみ草とアスパラガスの細かい緑の葉で取り囲んだ可愛らしい花束。意外だ、王子様だからバラを3,40本束ねたいかにもな花束をどんと渡されるのかとおもいきや、この可愛らしさ。我知らず笑顔がこぼれる。
しかしその王子はすっと身を寄せると耳元でささやいた。
「ピンクのドレスを着た妖精さん、お誕生日おめでとう」
いやー、王子様はすごいね。お子様から歯が浮くような言葉をかけられて、私は唖然としてしまった。可愛い花束も素敵な言葉も、あと20年後に聞きたかったよ。
そのあとも挨拶は続く。お客様に気を使える、できる大人の私は「きゃー、ありがとうございます」と笑顔で贈り物にお礼を言いつつ、攻略対象者(仮)を探す。この世界には顔の良いお坊ちゃまが多い、だけれどお子様な時点で私はノーセンキューだ。本当は30歳ぐらいの平凡で誠実そうな男性が好みなんだけれど、彼らは7歳児の私の相手をしてくれるだろうか。お子ちゃまと話が合うとも思えないので今後がつらい・・・・・
体感時間で2時間は経っている。私はがんばった。そしてこれならという子を2人見つけた。騎士団長であるタイラー子爵の息子、ジャスティン様10歳。赤レンガ色の髪に茶色の瞳、赤っぽい髪がテンプレっぽくて、候補にあげました。そして魔術師長であるサリューン侯爵の息子、ロベルト様9歳は緑がかった黒髪に緑の瞳、こちらもきれいに整った線の細い顔立ちをしている。神経質そうとも言うけれど。
とりあえず王子プラス2人、計3人の攻略対象者(仮)が見つかったので、今日はお終いにしたい、疲れました。そんな私の前にきらきらしい一人の男の子が。濃い金髪に青い目の彼は侍従が持っていた赤いバラの花束を受け取り、私に渡してくれた・・・重い。
「始めまして、ローヴェリア嬢。第2王子のレオパルド・ファン・デ・ラ・アークシュタインです。7歳のお誕生日おめでとうございます」
そしてにっこりと笑う。この国は綺麗な子が多すぎない、ついでに王子様はもういらないんですけれど。・・・でもがんばらなくては。
「ありがとうございます。ローヴェリア公爵の長女リュシエンヌ・フォン・ローヴェリアです。お目にかかれて光栄です」
「そうか、よかったら少し話をしないか」
「で、でも・・・」
私はお父様を見上げる。私はお話をしたくないんです。でもお父様はにこやかにうなずいています。お母様は?これまたにこやかに笑っています。近くにいた侍従に案内された私たちはテラス席に着かされました。目の前の王子様は機嫌が良さそうにしていますが、親しくしたくないなー。
「そんなに緊張しなくてもいいよ、ローヴェリア嬢。気楽にね」
笑いながら第2王子は話しかけてくれますが、どうしよう。とりあえず笑顔にならないと。
「ありがとうございます」
声がかすれてしまいました、2時間も立っていたのでのどが渇きました。侍従が用意してくれたジュースがおいしそうです。でも王子の前で勝手に飲むのははばかられます。
「そう・・・貴女はいつも何をしているの?」
「・・・あの刺繍とかお勉強とか・・・」
つい、うつむいてしまうので声はかすれたままだし、疲れているので頭が働きません。王子の問いにぼそぼそと答えましたが、話は全くはずみません。しばらくがんばっていた王子は、にっこりと笑うと立ち上がりました。私もと立ち上がるも膝の上においていたバラの花束は重いし緊張しているはで、ふらついてしまいました。するととっさに私の腕を掴んで支えてくれた彼は、
「そのままで・・・また今度ね」
私の耳元でささやくと、立ち去った。・・・耳元でささやかなくたって聞こえると言うのに、なんなの、あの兄弟は!思わず笑いがこみ上げてきそうになったので、必死でがまんする。女の子をくどくハウツー本が王室にはあるんだろうか。第2王子にも言ってあげたい、後20年してからおいでと。途中で振り返った第2王子はそんな私を見てにこやかに笑っている。
王子が立ち去ると、私はへたへたと椅子に座り込んだ。私もそれなりに緊張していたようだ。7歳児に2時間のご挨拶、とどめが王子との歓談・・・私のHPは尽きそうだ。
「ベアトリス、わたくしはもう無理です。お部屋に帰りたいです」
後ろを振り返りもせず侍女に訴えるとそのままテーブルに懐いた。
「リュシエンヌ様、皆様の目があります。姿勢を正してくださいませ」
途端に飛んでくる侍女の注意。でもね、無理なものは無理なの。
「直ぐにお部屋に帰れるのならがんばるわ・・・」
しぶしぶと起き上がりながら私は返事をする。ベアトリスのため息が聞こえてきそうだ。でも私を可哀そうに思ってくれたのだろう、お許しが出た。
「わかりました。このままいったん部屋に戻りましょう」
やりー!私はすくっと立ち上がった。途端に、
「リュシエンヌ様!」
器用に抑えた声でベアトリスが注意をする。でも早く帰りたい。赤いバラの花束をそのままに最後の力を振り絞った私は、足を踏み出した後つま先から着地する、音をたてないで歩く、優雅な妖精歩きで(私命名)素早く部屋に戻った。
「あーぁ、疲れたー!」
ソファーに転がるともう動けない。いつもの家族3人だけの誕生日が良かったよ。
「あっ、お嬢様!ドレスにしわがよります!」
メイドのマリーが悲鳴をあげているけれど、知らんものね。
「もう戻らないからいいじゃない。挨拶のために2時間も立っていたし、その後王子様のお相手もしたのよ。がんばったわたくしを褒めてください!」
「リュシエンヌ様、ご挨拶は1時間ほどで終りましたし、第2王子との歓談もほんの数分でした」
私の主張はベアトリスによって瞬殺された。体感時間と実際は違うのね。最近の彼女は家庭教師みたいにわたしに注意をしてくる、お母様に何か言われているのかな。それでもマリーに頼んでお父様に尋ねてくれるぐらいには私に甘い。その後お父様の了解を貰った私は軽く湯を浴びて、そのままベッドへもぐりこんだ。
「お嬢様、とてもよくお似合いです」
「お可愛らしいですわ、リゼル様がおっしゃられたようにピンクにされてよかったです」
大きな鏡の前に立つ私を侍女とメイドが口々に、やりきった感を漂わせながら褒め称える。美幼女は何を着ても可愛い・・・目出度いことです。
迎えに来てくださったお父様とお母様にも褒めていただいて、私はパーティー会場に向かう。お二人とも私の姿に満足そうでなによりです。
舞踏会を催す為の大広間が会場となっており、侍従が開けた扉を抜けるとそこには大勢の人たちが集まっていた、100?200人を超えているのではないかな。
あふれんばかりに花が盛られた背の高い花瓶があちらこちらに飾られ、ビュッフェ形式で整えられた会場の片隅ではカルテットが音楽を奏でている。そして人々が楽しそうに談笑しているその中を私は微笑みながら歩いていく。花々に飾られた一角にたどり着いたお父様、私、お母様は3人仲良く並んでご挨拶をする。こういうときにテンプレだと素晴らしく流暢な挨拶をしてみんなの度肝を抜くんだけれど、それって何のフラグ建て?やりませんよ、私は子供らしく普通に見られたい。
「この緑あふれる美しい日に、リュシエンヌが7歳の誕生日無事に迎えられたことを感謝し、また皆が・・・・・」
お父様の挨拶が始まった。ちょっとどきどきする。200人からの人の目が一斉にこちらを向くのはすごい迫力だ。少しだけ手足が震えるのは気のせい?うん、気のせいです。
「それではリュシエンヌ、ご挨拶を」
「はい、お父様」
皆様の顔をしっかり見て、
「ローヴェリア公爵家の長女リュシエンヌ・フォン・ローヴェリアです。皆様仲良くしてください」
軽くお辞儀をして顔を上げにっこりと微笑む。これでよし。女は愛嬌だよね、今日はとりあえず笑っていよう。
お父様とお母様に挟まれた私の元に最初にいらしたのは王子様でした。白金の髪にアッシュモーブの瞳、素晴らしく綺麗な子供は私を見て微笑んだ。
「お久しぶりです、ローヴェリア公爵、公爵夫人。このたびはおめでとうございます。
初めまして、ローヴェリア嬢。私は第一王子のジルベルト・ファン・デ・ラ・アークシュタインです。お会いできて嬉しく思います」
そして王子は私にさっと近づくと、ピンクのバラの花束を差し出した。7本のバラの周りをかすみ草とアスパラガスの細かい緑の葉で取り囲んだ可愛らしい花束。意外だ、王子様だからバラを3,40本束ねたいかにもな花束をどんと渡されるのかとおもいきや、この可愛らしさ。我知らず笑顔がこぼれる。
しかしその王子はすっと身を寄せると耳元でささやいた。
「ピンクのドレスを着た妖精さん、お誕生日おめでとう」
いやー、王子様はすごいね。お子様から歯が浮くような言葉をかけられて、私は唖然としてしまった。可愛い花束も素敵な言葉も、あと20年後に聞きたかったよ。
そのあとも挨拶は続く。お客様に気を使える、できる大人の私は「きゃー、ありがとうございます」と笑顔で贈り物にお礼を言いつつ、攻略対象者(仮)を探す。この世界には顔の良いお坊ちゃまが多い、だけれどお子様な時点で私はノーセンキューだ。本当は30歳ぐらいの平凡で誠実そうな男性が好みなんだけれど、彼らは7歳児の私の相手をしてくれるだろうか。お子ちゃまと話が合うとも思えないので今後がつらい・・・・・
体感時間で2時間は経っている。私はがんばった。そしてこれならという子を2人見つけた。騎士団長であるタイラー子爵の息子、ジャスティン様10歳。赤レンガ色の髪に茶色の瞳、赤っぽい髪がテンプレっぽくて、候補にあげました。そして魔術師長であるサリューン侯爵の息子、ロベルト様9歳は緑がかった黒髪に緑の瞳、こちらもきれいに整った線の細い顔立ちをしている。神経質そうとも言うけれど。
とりあえず王子プラス2人、計3人の攻略対象者(仮)が見つかったので、今日はお終いにしたい、疲れました。そんな私の前にきらきらしい一人の男の子が。濃い金髪に青い目の彼は侍従が持っていた赤いバラの花束を受け取り、私に渡してくれた・・・重い。
「始めまして、ローヴェリア嬢。第2王子のレオパルド・ファン・デ・ラ・アークシュタインです。7歳のお誕生日おめでとうございます」
そしてにっこりと笑う。この国は綺麗な子が多すぎない、ついでに王子様はもういらないんですけれど。・・・でもがんばらなくては。
「ありがとうございます。ローヴェリア公爵の長女リュシエンヌ・フォン・ローヴェリアです。お目にかかれて光栄です」
「そうか、よかったら少し話をしないか」
「で、でも・・・」
私はお父様を見上げる。私はお話をしたくないんです。でもお父様はにこやかにうなずいています。お母様は?これまたにこやかに笑っています。近くにいた侍従に案内された私たちはテラス席に着かされました。目の前の王子様は機嫌が良さそうにしていますが、親しくしたくないなー。
「そんなに緊張しなくてもいいよ、ローヴェリア嬢。気楽にね」
笑いながら第2王子は話しかけてくれますが、どうしよう。とりあえず笑顔にならないと。
「ありがとうございます」
声がかすれてしまいました、2時間も立っていたのでのどが渇きました。侍従が用意してくれたジュースがおいしそうです。でも王子の前で勝手に飲むのははばかられます。
「そう・・・貴女はいつも何をしているの?」
「・・・あの刺繍とかお勉強とか・・・」
つい、うつむいてしまうので声はかすれたままだし、疲れているので頭が働きません。王子の問いにぼそぼそと答えましたが、話は全くはずみません。しばらくがんばっていた王子は、にっこりと笑うと立ち上がりました。私もと立ち上がるも膝の上においていたバラの花束は重いし緊張しているはで、ふらついてしまいました。するととっさに私の腕を掴んで支えてくれた彼は、
「そのままで・・・また今度ね」
私の耳元でささやくと、立ち去った。・・・耳元でささやかなくたって聞こえると言うのに、なんなの、あの兄弟は!思わず笑いがこみ上げてきそうになったので、必死でがまんする。女の子をくどくハウツー本が王室にはあるんだろうか。第2王子にも言ってあげたい、後20年してからおいでと。途中で振り返った第2王子はそんな私を見てにこやかに笑っている。
王子が立ち去ると、私はへたへたと椅子に座り込んだ。私もそれなりに緊張していたようだ。7歳児に2時間のご挨拶、とどめが王子との歓談・・・私のHPは尽きそうだ。
「ベアトリス、わたくしはもう無理です。お部屋に帰りたいです」
後ろを振り返りもせず侍女に訴えるとそのままテーブルに懐いた。
「リュシエンヌ様、皆様の目があります。姿勢を正してくださいませ」
途端に飛んでくる侍女の注意。でもね、無理なものは無理なの。
「直ぐにお部屋に帰れるのならがんばるわ・・・」
しぶしぶと起き上がりながら私は返事をする。ベアトリスのため息が聞こえてきそうだ。でも私を可哀そうに思ってくれたのだろう、お許しが出た。
「わかりました。このままいったん部屋に戻りましょう」
やりー!私はすくっと立ち上がった。途端に、
「リュシエンヌ様!」
器用に抑えた声でベアトリスが注意をする。でも早く帰りたい。赤いバラの花束をそのままに最後の力を振り絞った私は、足を踏み出した後つま先から着地する、音をたてないで歩く、優雅な妖精歩きで(私命名)素早く部屋に戻った。
「あーぁ、疲れたー!」
ソファーに転がるともう動けない。いつもの家族3人だけの誕生日が良かったよ。
「あっ、お嬢様!ドレスにしわがよります!」
メイドのマリーが悲鳴をあげているけれど、知らんものね。
「もう戻らないからいいじゃない。挨拶のために2時間も立っていたし、その後王子様のお相手もしたのよ。がんばったわたくしを褒めてください!」
「リュシエンヌ様、ご挨拶は1時間ほどで終りましたし、第2王子との歓談もほんの数分でした」
私の主張はベアトリスによって瞬殺された。体感時間と実際は違うのね。最近の彼女は家庭教師みたいにわたしに注意をしてくる、お母様に何か言われているのかな。それでもマリーに頼んでお父様に尋ねてくれるぐらいには私に甘い。その後お父様の了解を貰った私は軽く湯を浴びて、そのままベッドへもぐりこんだ。
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