異世界を最強スキル『スマホ』と『ゲーム』で無双する

旅立ち

刺せないなら叩け！

刺せない硬さの皮膚を持つ手強い相手。

こいつをどうしようかを考え出す。

もちろんもう相手からは目を離さない。

そうだ、刺せないなら、叩けば良いんだ。

いちど地面に降り、白いビックスパイダーから距離をとる。スキル『錬金術』を使って土のハンマーを創り出す。
少しだけ、体から何かが抜けるような気がする。これがMPだろう。スキル『魔法作製』により10歳で初めて作った魔法『軽量化』を使う。土で作ったハンマーがみるみる軽くなる。スズと目を合わせ
ると、俺がやりたいことをわかったようだ。スズが囮になってちょこまかと動く。
白いビックスパイダーが後ろを向いた瞬間、俺はそのハンマーを全力で振り下ろした。胴体からわずかにそれるかそれだけでも大丈夫だった。凹んで血が吹き出た白いビックスパイダーは命を失った。

10分間動き回り俺もスズも汗をかいていた。
このビックスパイダーの死骸は、どうすればいいんだろうと思いスマホ先生に聞いてみる。

（ご主人様のしたいことを確認しました。

スキル『ゲーム』から、空間術の情報を抽出しました。
空間術により、異空間収納を使用します。
異空間収納とは異空間に生き物以外のものを収納することができ、さらに中の時間を止めたり早めたりすることができます。
似たようなアイテムでアイテムボックスと言うものがありますが、アイテムボックスは容量が決まっています。
しかし異空間収納には容量の上限がありません。生き物以外なら無限に収納することができます。中で解体する事もできます。
ビックスパイダーとグレートポイズンスパイダーの死骸を収納しました。
解体を実行しますが良いですか？）

すごいことを一瞬でしてしまった。
まさかゲームにこんなすごい能力があったとは。もちろんオーケーと言う。

いきなり消えたしビックスパイダーとグレートポイズンスパイダーの死骸にびっくりしたスズに説明しておく。

「どんなめちゃくちゃな能力よ、容量無限のアイテムボックスなんて聞いたことないよ。」
少し説明が悪かったようだ。

「違うよ、アイテムボックスじゃなくて異空間収納と言うスキルだよ。空間術により別空間を作るんだってさ。」

「それがどんだけMPを使うかわかってるの。はー、やっぱりあなたって凄いわね」

それにしても白いビックスパイダーは、やはり種族が違ったようだ。名前からしておそらく上位種だろう。

汗と返り血で汚れた俺とスズの体に
神聖魔法『清潔』を使って綺麗にして、俺たちは、また街に向かうのだった。