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2章 変わる日常
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和弥くんは転校して来てから、あっという間にクラスの人気者になった。というのも彼は誰にでも優しかったからだ。
ある日、体育の授業で校庭を走っていた時、運動が苦手な女子、佐伯さんが転んでしまった。佐伯さんの膝からはかなり血が出ていた。
担任の三浦先生はオロオロと慌てるばかり。それもそのはず、三浦先生は教師になってまだ一年目の若い先生。しかも血を見るのが苦手な女性の先生だった。
みんなが困ったような顔をしている中、和弥くんが佐伯さんをおんぶしてスタスタと保健室に行ってしまった。
しばらくして戻ってきた佐伯さんの膝には、大きめの絆創膏が貼られていた。みんなが佐伯さんの元に駆け寄り、「大丈夫だった?」「病院行かなくていいの?」とか口々に彼女を心配していた。
三浦先生は和弥くんに「和弥くん、ありがとう。先生慌てちゃって何も出来なかった、ごめんね。和弥くんはすごいわ。」と話しかけていた。
僕は、和弥くんにおんぶされた佐伯さんが少し羨ましかった。この頃から僕は和弥くんに対する感情が、他の男子への感情と違う気がしていた。和弥くんが近くにいると安心だったし、不思議と和弥くんと仲良くなってからいじめや酷い言葉を言われることも減っていた。
和弥くんの醸し出す優しくて明るい雰囲気がいつの間にかクラスの雰囲気も変えていた。和弥くんが転校してきてからの僕はと言うと、相変わらず女子とがほとんどだったけどファッションの話題や人気のモデルさんの話題で盛り上がったりするようになって一人ぼっちでいることが減っていた。
そんなある日、和弥くんからの誘いで公園に遊びに行くことになった。嫌々ながらも久しぶりに行った公園はとても楽しくて、2人で夕方になるまで遊びまくった。僕が疲れてベンチに座っていると和弥くんに「ほいっ」と何かを投げられた。受け取ってみると冷たい缶ジュースで和弥くんのさり気ない優しさがとても嬉しかった。
和弥くんも僕の隣に座ってジュースを飲み始めたので自分の悩みを打ち明けてみることにした。
「あのさ…」
「どうしたの?」
「僕、実は小さい頃からいじめられてて…」
「確かに、僕が転校してきたばっかりの頃葵はいつも一人ぼっちだったから、何かあったのかなとは思ってたけど…。でも何でいじめられてたの?」
「実は僕、小さい頃から女の子っぽい見た目で、可愛い物にしか興味を示さない性格で。だから他の男の子達から気持ち悪い、お前が近くにいると病気になるって言われて…。」
気づいたら僕の目から涙がポロポロとこぼれていた。いじめられていた理由を話すのは怖かった。だけど、和弥くんが優しく真剣に話を聞いていてくれたから、ちゃんと話すことができた。
「それは辛かったよな。だけどもう大丈夫!僕はいつでも葵の味方だし、葵のことが大好きだ!」
「本当に…?」 「当たり前だろ!これからは僕が葵のことを守ってあげる!」
そう言って和弥くんは僕のことを抱き締めてくれた。
「ありがとう和弥くん。」
僕は和弥くんにお礼を言いながらも、涙が止まらなかった。いじめられていた僕の過去を和弥くんに受け入れてもらえたのが嬉しかったのと、僕の中にある和弥くんに対する「好き」という気持ちと、和弥くんの僕に対する「好き」という気持ちはきっと同じ意味じゃない。そんな気がしたからだった。
こうして僕たちは改めてお互い信頼しあえる親友としての一歩をスタートさせたのだった。僕の和弥くんに対する気持ちはこれから一体どうなるんだろうか…。そんな不安を抱えながら。
ある日、体育の授業で校庭を走っていた時、運動が苦手な女子、佐伯さんが転んでしまった。佐伯さんの膝からはかなり血が出ていた。
担任の三浦先生はオロオロと慌てるばかり。それもそのはず、三浦先生は教師になってまだ一年目の若い先生。しかも血を見るのが苦手な女性の先生だった。
みんなが困ったような顔をしている中、和弥くんが佐伯さんをおんぶしてスタスタと保健室に行ってしまった。
しばらくして戻ってきた佐伯さんの膝には、大きめの絆創膏が貼られていた。みんなが佐伯さんの元に駆け寄り、「大丈夫だった?」「病院行かなくていいの?」とか口々に彼女を心配していた。
三浦先生は和弥くんに「和弥くん、ありがとう。先生慌てちゃって何も出来なかった、ごめんね。和弥くんはすごいわ。」と話しかけていた。
僕は、和弥くんにおんぶされた佐伯さんが少し羨ましかった。この頃から僕は和弥くんに対する感情が、他の男子への感情と違う気がしていた。和弥くんが近くにいると安心だったし、不思議と和弥くんと仲良くなってからいじめや酷い言葉を言われることも減っていた。
和弥くんの醸し出す優しくて明るい雰囲気がいつの間にかクラスの雰囲気も変えていた。和弥くんが転校してきてからの僕はと言うと、相変わらず女子とがほとんどだったけどファッションの話題や人気のモデルさんの話題で盛り上がったりするようになって一人ぼっちでいることが減っていた。
そんなある日、和弥くんからの誘いで公園に遊びに行くことになった。嫌々ながらも久しぶりに行った公園はとても楽しくて、2人で夕方になるまで遊びまくった。僕が疲れてベンチに座っていると和弥くんに「ほいっ」と何かを投げられた。受け取ってみると冷たい缶ジュースで和弥くんのさり気ない優しさがとても嬉しかった。
和弥くんも僕の隣に座ってジュースを飲み始めたので自分の悩みを打ち明けてみることにした。
「あのさ…」
「どうしたの?」
「僕、実は小さい頃からいじめられてて…」
「確かに、僕が転校してきたばっかりの頃葵はいつも一人ぼっちだったから、何かあったのかなとは思ってたけど…。でも何でいじめられてたの?」
「実は僕、小さい頃から女の子っぽい見た目で、可愛い物にしか興味を示さない性格で。だから他の男の子達から気持ち悪い、お前が近くにいると病気になるって言われて…。」
気づいたら僕の目から涙がポロポロとこぼれていた。いじめられていた理由を話すのは怖かった。だけど、和弥くんが優しく真剣に話を聞いていてくれたから、ちゃんと話すことができた。
「それは辛かったよな。だけどもう大丈夫!僕はいつでも葵の味方だし、葵のことが大好きだ!」
「本当に…?」 「当たり前だろ!これからは僕が葵のことを守ってあげる!」
そう言って和弥くんは僕のことを抱き締めてくれた。
「ありがとう和弥くん。」
僕は和弥くんにお礼を言いながらも、涙が止まらなかった。いじめられていた僕の過去を和弥くんに受け入れてもらえたのが嬉しかったのと、僕の中にある和弥くんに対する「好き」という気持ちと、和弥くんの僕に対する「好き」という気持ちはきっと同じ意味じゃない。そんな気がしたからだった。
こうして僕たちは改めてお互い信頼しあえる親友としての一歩をスタートさせたのだった。僕の和弥くんに対する気持ちはこれから一体どうなるんだろうか…。そんな不安を抱えながら。
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