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第弐部-Ⅱ:つながる魔法
117.紫鷹 遠くに聞く声
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2階の窓から、裏庭を見下ろした。
日向と亜白(あじろ)がモグラを探すために掘り起こした裏庭は、ところどころ土色が残るものの、薄い緑が広がって柔らかな草を敷き詰めている。
その草の上を、水色の頭がぴょこぴょこと跳ねていた。
時折、あはは、と掠れた声が聞こえて、小さな体が草の中を転がる。
「あずま、りす、あっち、木のところ、ちょろちょろ、って、」
「ホントだ。どうします、」
「さわり、たい、」
「分かりました、」
草の上に日向を残して東(あずま)が駆けると、日向は嬉しそうに手を叩いて喜んだ。数回幹を蹴るだけで東が木の上に登ってしまうと、感心した声を上げて何度もその名を呼ぶ。
ほどなくして木の上から東が戻れば、文字通り草の上を転がって東の元へと近づいた。
「り、す、」
「意外と大きいんですね。あと毛はもっと長いんだと思ってました、」
「みじかい、」
「ね、でも手触りはいいですよ。そっとですよ、」
「ふわふわ、」
「うん、気持ちよくてびっくりしました、」
「びっくり、」
あはは、と日向の笑い声が裏庭に響いた。
その声に、元気になって来たな、と安堵するとともに、こうして気配を隠して盗み聞くのでなければ、その声を聞くことさえできないのかと、胸が苦しくなる。
今も、日向は俺に対して扉を開かない。
母上が少しずつ日向の心を解して、こうして裏庭で遊ぶようにもなった今もだ。
日向は俺に怯えるし、俺の声には何も答えてはくれない。
物言わない箪笥の隠れ家を前にするたびに、自分の中から何かが抜け落ちていくのを感じた。
夜中、腕の中に温もりがないのを感じれば、焦って目が覚めるのに、いないのが当然だと理解して、心がすり減っていく。
俺のいない場所で、俺がいないからこそ笑う日向を見ると、自分の存在や意味が、俺の中からぼろぼろと零れて、崩れていくような気がした。
日向に拒まれることが、こんなにも苦しくて痛い。
だけど、同じ苦しみを日向に与えたのは俺だ。
何度も何度も、俺にこの痛みを突きつけられて、日向は耐えられなくなった。
「ごめんね、りす、」
「ありがとな、もう行きな、」
「りす、ばいばい、」
ひとしきり毛並みを確かめた後で、東が草の上にりすを放つ。
「…行きませんね、」
「りす、行かない?…ん、わ、あずま、わ、わ、りす!」
草の上で日向を見上げていたリスが、小さな体を駆けあがって、水色の頭に乗った。
日向は驚いて東に助けを求めたが、リスが自分の頭の上でちょこんと座ったのに気づくと、嬉しそうに草の上をくるくると回り出す。
嬉しいことがあって、良かったな。
リスも、お前が優しくて、世界で一番綺麗な心の持ち主だと、分かったんだよ。
誰よりも痛みに敏感で、リスにだって怖くないかと心配するんだもんな。
自分だって痛いのは怖いくせに、自分が傷つくより、俺や誰かが傷つくのを嫌がるのが日向だ。
日向が俺の感情に呼応して無意識の魔法を使った時もそうだった。
兄上が怖くて、飲み込まれそうだった俺を守るために、日向は魔法を使った。
俺が不安になれば、それさえ癒そうとし、怪我を負えば治そうと無意識に魔法を使う。
その魔法に俺が恐怖した時も、ボロボロの体で、魔力干渉を受け、無意識の魔法を抑制しようと必死になった。
無意識かも知れない。けれど、守るためなら魔力が枯渇するのも、魂が疲弊するような介入を受けることも、自分自身ですり減らしていくことも厭わないのが日向だ。
日向を守ると言って、その優しさに甘えてきたのは、いつだって俺の方だった。
『お前が強くならないと、ひなは多分もたないぞ』
そう言って、友は泣いたな。
あの時、日向が俺の感情に敏感に反応するのは、嫌と言うほど理解したのに。
その言葉に頷いて、強くなったつもりで、結局俺は何も変わらなかった。
日向は心を壊してしまうほど、自分の恐怖と闘った。
俺は、すぐには強くなれないと、闘うことを先延ばしにして逃げを作っただけだ。
「りすは、登る、が上手、」
草の上に座った日向の体を、リスが器用に駆け回る。
時々くすぐったそうに笑って肩をすくめたり、リスの動きに合わせてゆらゆら揺れるのが、愛おしかった。
「こんな小さな手でよく登りますよね。いつも不思議に思います、」
「あずまも、上手、」
「…まあ、一応、」
「登り、たい、」
「じゃあ、一緒にりすを送っていきますか?」
「うん、」
両手を広げた日向を東が抱き上げる。
日向の肩越しにちらりとこちらを見た東が、小さく会釈した。
まあ、俺が気配を隠したところで、お前には気づくよな。
小さな水色を抱えて木の上に登っていく日向の護衛を見送ると、いろいろな感情が込み上げてくる。
今、日向の側に寄れるのは、日向を刺激しないように、己の感情を制御し心を律することができる者だけだ。
俺はそこに含まれない。
だが、一つ年下の護衛はそこにいる。
「草」だから、と言ってしまえばそうなのだろう。
けれど、その草を抜けてまで、日向の護衛になった東は、日向に関して言えば、心配性だし、過保護で感情は豊かになる。まして、俺よりも年下だ。
それでも、そこにいる。
「りす、ばいばい、」
葉の繁る場所から、日向の声がする。
掠れた声が愛しくて、本当は今すぐ駆けて、抱きしめたかった。
だが、東にはできて、俺にはできない。
何が番いだ。
何が生涯一緒の約束だ。
窓枠を握る手に力が籠った。ミシッと鳴ったのが窓枠か、俺の骨かは知らない。
後悔と、みじめさと、自分への怒りの片隅に、東への嫉妬があるのが分かって、余計に自分に腹が立つ。
日向を隠れ家の奥へ追いやったくせに。
理由が分かった今でさえ、簡単に感情を乱して日向を怯えさせるから、こんな場所にいるくせに。
守ると決めたものを、俺自身で壊したんだ。
転移魔法など関係なかった。俺が自分で日向を失った。
「殿下、」
窓のすぐ下から声がして、我に返る。
日向を腕に抱いた東がこちらを見上げていた。
くたり、と日向の全身から力が抜けているのは、眠ったからだろう。
「顔を見ていかれますか、」
見たいに決まっている。今だって、東の肩に乗った水色の頭から目が離せない。
だけど、俺がそこへ行けば、多分日向はそんな風に眠っていられないだろう?
首を振る以外の選択肢は、初めからないんだよ。
「隠れ家の中では、よく眠れないそうです。」
「…そうか、」
「食欲もあまり芳しくありません。一人で食べるのでは、上手くいかないんだそうです、」
「…うん、」
「かと言って、僕たちが膝に乗せても、日向様は食べてはくれませんよ、」
東が小さな体を抱き直すと、水色の髪がはらりと流れて、白い横顔が覗く。
頬がこけた。倒れた時のようなひどい顔色ではないけれど、目の下の隈がひどい。ぴくぴくと動くまつ毛の下から雫が零れて、東の肩を濡らしていた。
「何で泣くんだ…、」
「眠るといつも泣きます。怖い夢を見るそうです。蔵の中で、いつも一人ぼっちだと言っていました。」
「…そうか、」
「太陽の神様が助けに来るのを、蔵の中で待っているんだそうです、」
年の割に鋭い瞳と視線が合った。
俺にはない、日向を惑わさないほどの強さを持つ年下の護衛。
その男が言わんとしていることを分からないほど、俺は馬鹿じゃない。
「…わかった、」
頷けば、東は小さく会釈し、日向を大事そうに抱えて離宮の中へと消えていく。
水色が見えなくなったのに、俺の視界には、いつまでも日向の姿が映っていた。
窓枠を握る手に雫が落ちる。
日向の側にいたい。
寝ぐせの跳ねた頭でおはようと笑うのを、見たい。
ぐちゃぐちゃで構わない。上手に食べられなくていいから、膝の上に日向を抱いて一緒に食事がしたい。おいしい、と一緒に笑って、日向にたくさん食べさせたい。
俺が怖くさせた。ごめん。
でも、日向が不安な時も、怖い時も、それを溶かせるのは俺でいたい。
あの薄い腹を抱いて、温もりを感じたい。
図鑑に集中した時の綺麗な横顔を、すぐ近くで眺めて見惚れたい。
寝相が悪い日向に蹴られて、何度も布団の中に戻してやりたい。
あちこち行って、日向の望むままに世界を広げてやりたい。
何ができても、できなくてもいい。
今のままの日向で十分なのに、ごめんな。
――俺はただ、日向と笑って、生きていきたい。
強くならなければならない。
日向の側にいるために。
日向を守るために。
日向と亜白(あじろ)がモグラを探すために掘り起こした裏庭は、ところどころ土色が残るものの、薄い緑が広がって柔らかな草を敷き詰めている。
その草の上を、水色の頭がぴょこぴょこと跳ねていた。
時折、あはは、と掠れた声が聞こえて、小さな体が草の中を転がる。
「あずま、りす、あっち、木のところ、ちょろちょろ、って、」
「ホントだ。どうします、」
「さわり、たい、」
「分かりました、」
草の上に日向を残して東(あずま)が駆けると、日向は嬉しそうに手を叩いて喜んだ。数回幹を蹴るだけで東が木の上に登ってしまうと、感心した声を上げて何度もその名を呼ぶ。
ほどなくして木の上から東が戻れば、文字通り草の上を転がって東の元へと近づいた。
「り、す、」
「意外と大きいんですね。あと毛はもっと長いんだと思ってました、」
「みじかい、」
「ね、でも手触りはいいですよ。そっとですよ、」
「ふわふわ、」
「うん、気持ちよくてびっくりしました、」
「びっくり、」
あはは、と日向の笑い声が裏庭に響いた。
その声に、元気になって来たな、と安堵するとともに、こうして気配を隠して盗み聞くのでなければ、その声を聞くことさえできないのかと、胸が苦しくなる。
今も、日向は俺に対して扉を開かない。
母上が少しずつ日向の心を解して、こうして裏庭で遊ぶようにもなった今もだ。
日向は俺に怯えるし、俺の声には何も答えてはくれない。
物言わない箪笥の隠れ家を前にするたびに、自分の中から何かが抜け落ちていくのを感じた。
夜中、腕の中に温もりがないのを感じれば、焦って目が覚めるのに、いないのが当然だと理解して、心がすり減っていく。
俺のいない場所で、俺がいないからこそ笑う日向を見ると、自分の存在や意味が、俺の中からぼろぼろと零れて、崩れていくような気がした。
日向に拒まれることが、こんなにも苦しくて痛い。
だけど、同じ苦しみを日向に与えたのは俺だ。
何度も何度も、俺にこの痛みを突きつけられて、日向は耐えられなくなった。
「ごめんね、りす、」
「ありがとな、もう行きな、」
「りす、ばいばい、」
ひとしきり毛並みを確かめた後で、東が草の上にりすを放つ。
「…行きませんね、」
「りす、行かない?…ん、わ、あずま、わ、わ、りす!」
草の上で日向を見上げていたリスが、小さな体を駆けあがって、水色の頭に乗った。
日向は驚いて東に助けを求めたが、リスが自分の頭の上でちょこんと座ったのに気づくと、嬉しそうに草の上をくるくると回り出す。
嬉しいことがあって、良かったな。
リスも、お前が優しくて、世界で一番綺麗な心の持ち主だと、分かったんだよ。
誰よりも痛みに敏感で、リスにだって怖くないかと心配するんだもんな。
自分だって痛いのは怖いくせに、自分が傷つくより、俺や誰かが傷つくのを嫌がるのが日向だ。
日向が俺の感情に呼応して無意識の魔法を使った時もそうだった。
兄上が怖くて、飲み込まれそうだった俺を守るために、日向は魔法を使った。
俺が不安になれば、それさえ癒そうとし、怪我を負えば治そうと無意識に魔法を使う。
その魔法に俺が恐怖した時も、ボロボロの体で、魔力干渉を受け、無意識の魔法を抑制しようと必死になった。
無意識かも知れない。けれど、守るためなら魔力が枯渇するのも、魂が疲弊するような介入を受けることも、自分自身ですり減らしていくことも厭わないのが日向だ。
日向を守ると言って、その優しさに甘えてきたのは、いつだって俺の方だった。
『お前が強くならないと、ひなは多分もたないぞ』
そう言って、友は泣いたな。
あの時、日向が俺の感情に敏感に反応するのは、嫌と言うほど理解したのに。
その言葉に頷いて、強くなったつもりで、結局俺は何も変わらなかった。
日向は心を壊してしまうほど、自分の恐怖と闘った。
俺は、すぐには強くなれないと、闘うことを先延ばしにして逃げを作っただけだ。
「りすは、登る、が上手、」
草の上に座った日向の体を、リスが器用に駆け回る。
時々くすぐったそうに笑って肩をすくめたり、リスの動きに合わせてゆらゆら揺れるのが、愛おしかった。
「こんな小さな手でよく登りますよね。いつも不思議に思います、」
「あずまも、上手、」
「…まあ、一応、」
「登り、たい、」
「じゃあ、一緒にりすを送っていきますか?」
「うん、」
両手を広げた日向を東が抱き上げる。
日向の肩越しにちらりとこちらを見た東が、小さく会釈した。
まあ、俺が気配を隠したところで、お前には気づくよな。
小さな水色を抱えて木の上に登っていく日向の護衛を見送ると、いろいろな感情が込み上げてくる。
今、日向の側に寄れるのは、日向を刺激しないように、己の感情を制御し心を律することができる者だけだ。
俺はそこに含まれない。
だが、一つ年下の護衛はそこにいる。
「草」だから、と言ってしまえばそうなのだろう。
けれど、その草を抜けてまで、日向の護衛になった東は、日向に関して言えば、心配性だし、過保護で感情は豊かになる。まして、俺よりも年下だ。
それでも、そこにいる。
「りす、ばいばい、」
葉の繁る場所から、日向の声がする。
掠れた声が愛しくて、本当は今すぐ駆けて、抱きしめたかった。
だが、東にはできて、俺にはできない。
何が番いだ。
何が生涯一緒の約束だ。
窓枠を握る手に力が籠った。ミシッと鳴ったのが窓枠か、俺の骨かは知らない。
後悔と、みじめさと、自分への怒りの片隅に、東への嫉妬があるのが分かって、余計に自分に腹が立つ。
日向を隠れ家の奥へ追いやったくせに。
理由が分かった今でさえ、簡単に感情を乱して日向を怯えさせるから、こんな場所にいるくせに。
守ると決めたものを、俺自身で壊したんだ。
転移魔法など関係なかった。俺が自分で日向を失った。
「殿下、」
窓のすぐ下から声がして、我に返る。
日向を腕に抱いた東がこちらを見上げていた。
くたり、と日向の全身から力が抜けているのは、眠ったからだろう。
「顔を見ていかれますか、」
見たいに決まっている。今だって、東の肩に乗った水色の頭から目が離せない。
だけど、俺がそこへ行けば、多分日向はそんな風に眠っていられないだろう?
首を振る以外の選択肢は、初めからないんだよ。
「隠れ家の中では、よく眠れないそうです。」
「…そうか、」
「食欲もあまり芳しくありません。一人で食べるのでは、上手くいかないんだそうです、」
「…うん、」
「かと言って、僕たちが膝に乗せても、日向様は食べてはくれませんよ、」
東が小さな体を抱き直すと、水色の髪がはらりと流れて、白い横顔が覗く。
頬がこけた。倒れた時のようなひどい顔色ではないけれど、目の下の隈がひどい。ぴくぴくと動くまつ毛の下から雫が零れて、東の肩を濡らしていた。
「何で泣くんだ…、」
「眠るといつも泣きます。怖い夢を見るそうです。蔵の中で、いつも一人ぼっちだと言っていました。」
「…そうか、」
「太陽の神様が助けに来るのを、蔵の中で待っているんだそうです、」
年の割に鋭い瞳と視線が合った。
俺にはない、日向を惑わさないほどの強さを持つ年下の護衛。
その男が言わんとしていることを分からないほど、俺は馬鹿じゃない。
「…わかった、」
頷けば、東は小さく会釈し、日向を大事そうに抱えて離宮の中へと消えていく。
水色が見えなくなったのに、俺の視界には、いつまでも日向の姿が映っていた。
窓枠を握る手に雫が落ちる。
日向の側にいたい。
寝ぐせの跳ねた頭でおはようと笑うのを、見たい。
ぐちゃぐちゃで構わない。上手に食べられなくていいから、膝の上に日向を抱いて一緒に食事がしたい。おいしい、と一緒に笑って、日向にたくさん食べさせたい。
俺が怖くさせた。ごめん。
でも、日向が不安な時も、怖い時も、それを溶かせるのは俺でいたい。
あの薄い腹を抱いて、温もりを感じたい。
図鑑に集中した時の綺麗な横顔を、すぐ近くで眺めて見惚れたい。
寝相が悪い日向に蹴られて、何度も布団の中に戻してやりたい。
あちこち行って、日向の望むままに世界を広げてやりたい。
何ができても、できなくてもいい。
今のままの日向で十分なのに、ごめんな。
――俺はただ、日向と笑って、生きていきたい。
強くならなければならない。
日向の側にいるために。
日向を守るために。
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