悪役令嬢になんかなりません

コイケ

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本当に馬鹿だわ。

「申し訳ありません!エレーナ様」

土下座をするマルルカに直ぐに立つようお願いする。
何故彼女が土下座をするのか…前回のゼロスとのやり取りが湾曲された噂が流れた。
イザベルが暴発させたのは事実だが、それを利用して怪我人を出し、自らも傷つき罪を深くさせた者としてエレーナを貶める噂。

「出所は…やはり」

「ピンポーン、王子様です」

ハンナがウキウキとやって来る。

「そう、確かにね砕くよりあの場に居た全員を個々にガードすれば問題が無かった。でも、30人もの人のガードするなんて無理だわ」
「お察し致します」

ドーム型のガードは維持さえ出来れば簡単だけど個々のガードは小さく維持どころかコントロールも重要になる。
いくらなんでも買いかぶりすぎだ。

「だいたい、個々にガードって近衛魔術師でも魔力保有量が高く、隊長クラスでない限りと無理な話です。ドーム型の結界も魔力保有量の高さと大きさはほぼ比例しますし固まっていなかっだろうあの時は得策ではないでしょう、なら、逃がす事を考えて砕くという選択は正しいと判断します。それにあの時あの場に居た生徒は例えかすり傷がエレーナ様に着けられたものでも、エレーナ様の行動が無ければ大怪我で大惨事だった事を思えば感謝し、非難はしませんよ」

ハンナはそう、説明すると
「ちなみに、あの場にいた先生が暴発で吹っ飛ばされてガードしたものの気絶したものだから、噂を消してまわってるそうですよ。」
何も出来なかった代わりをしてくれたエレーナ様の為にね。と、手を振り去って行く。

「ねぇ、ハンナは私の味方なのかしら?わざわざ言いに来ることでもなかったでしょうに」
「多分ですが、中立な彼女にとって今回の噂は非道ととれたのでしょう」
「なんにしても、私の…」

ジュリエッタが私の質問に答えると、マルカを慰めるように背中を叩いている。

「隊長クラスの実力、まさかゼロス様も出来たとかで判断されたのでしょうか」

ノーブルの言葉に、魔術に長けてるけどまさかね。と、皆で乾いた笑いをしながら、それでも私は王子は王城で訓練なども見ているからこその思い込みなのか、

まさか、王子が私を悪役に仕立て上げようとしている?と、思い当たる節があるだけにもうすぐある試験と、その後の舞踏会にげんなりした。

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