【完結】愛に堕ちる

さか様

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未来

ハロウィン(2)(本編:愛を刻んで「ハロウィン」その後)

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ハロウィンパーティの喧騒を抜けて帰宅した2人。

ハルが部屋の明かりを点けると、陸は白衣をハンガーに掛けようとした。

「ふぅ……やっと脱げる」

ネクタイを緩め、くつろごうとした背中にハルの声がぶつかる。

「ねぇ、診察して?先生、」

振り返った先で、ハルはまだナース服姿のまま、ソファに脚を組んで座っていた。

網タイツに包まれた白い脚を、わざとらしく指で撫でて見せる。

いたずらに細められた瞳が挑発の色を帯びていた。

「ハル、」

陸は言葉を詰まらせた。
頭では「脱がせて普通に抱きたい」と思うのに、ナース服姿の恋人の余裕がその理性を追い詰めていく。

「せっかく衣装まで作ったんだから、使わなきゃ損でしょ?」

ハルは立ち上がり、ゆっくり陸に歩み寄る。
白衣を掛けようとした陸の手を取って、胸元へ押し当てた。

「ねぇ、先生。どこから診てくれるのかしら?」

熱を帯びた囁きに、陸は喉を鳴らす。

内心では戸惑いながらも、白衣の裾を掴み直し、恋人の思惑通りに「医者」を演じるしかなかった。

「……はぁ。それじゃあ問診から」

短い声が部屋に落ちる。
ハルの唇がいたずらっぽく歪んだ。

白衣を着たままの男が、ぎこちなく「先生」を名乗る。
その真面目さが、余計に可愛く見えてしまう。

「じゃあ……患者さんはここに」

(こんな患者いてたまるか、)

「はーい!」

ハルはわざと大げさにソファへ腰を下ろし、脚を組み替えた。
網タイツを脱ぎかけたその仕草に、陸の視線は引き寄せられる。

「症状は?」

「そうね……からだが熱くて、落ち着かないの」

「……熱か……」

陸は咳払いをして、ハルの額に手を当てた。
指先はわずかに震えている。

「……確かに、熱いな」

「じゃあ、どうすればいいの?先生」

ハルの挑発的な声。
陸は返事をせず、指先を首筋へ滑らせた。
白く滑らかな肌が触れただけで、確かに熱を持っている気がした。

「ここは……どうだ」

「ん……触られると、余計に熱くなるわね」

「……ここは」

ハルの胸元に陸の指が触れ、布地越しに撫でる。
ナース服のボタンをひとつ外すとハルは身震いした。

「っ……そこも……熱いわ、」

「……じゃあ。こっちは?」

陸は膝の上に手を置き、太腿を指でなぞった。

「っ……あっ……」

声が自然に漏れ、ハルは笑みを崩す。

(……あぁ、これ……)

思っていたよりも、ずっと「診察」に翻弄されている自分に気づいてしまうハル。

一方陸は真剣そのものだった。

「ここも……敏感か?」
「……えぇ……陸が触れるなら、どこでも」

息が乱れ、ナース服の裾がめくれていく。

陸の指はさらに奥深くを探り、ハルの身体から素直な反応を引き出していった。

「……これはかなり、治療が必要だな」

(くそ、俺は何を…)

「っ……ふふ……先生にしか、できないものね……」

ハルの声は甘く濡れて、ベッドに見立てたソファの上はでその体はすっかり熱を帯びていた。

――

陸の手が腿の奥をなぞるたび、ハルは思わず腰を揺らす。網タイツ越しに指が滑る感触がくすぐったくて、じれったい。

「……ここは、どうだ」

低く落ちた声が、余計に熱を煽る。

「っ……そこは……だめ……診察なのに……あぁ……」

「だめじゃないだろ、診察なんだから」

陸は真顔で答え、タイツの編み目を指で押し広げるように触れる。

その真剣さが可笑しくもあり、同時に容赦なく体を暴いていくようで、ハルの喉から甘い声が零れた。

「んっ……あ……」

陸はわざと一つひとつ確かめるように問いかける。

「ここは?」

「……気持ち……いいわ」

「こっちは?」

「っ……や、あ……そこ……もっと……」

返答を強いられるたび、羞恥と快楽がないまぜになって、ハルの息は乱れていく。

「ちゃんと分かってるんだな、」

「……ふふ…えぇ、…」

ナース服のボタンが次々外され、露わになったハルの胸元へ陸は唇を落とす。

舌で円を描き、硬くなった先端を吸い上げると、ハルの指が陸の髪を強く掴んだ。

「んんっ……だめ……そんな、されたら……」

「診察してる、」

陸は真剣な顔でそう言いながら、すでに白衣の下は熱で張り詰めている。

ハルはそれを見つけ何か言ってやろうと思ったが、与えられる快楽を奪われたくなくて見て見ぬふりをした。

陸の指先がナース服の裾をめくり上げ、タイツの中へ潜り込む。

熱と濡れがはっきりと伝わってきて、陸は短く呼吸を整えた。

「……あぁ、もう……濡れてる」

「先生に、診察、されちゃったから……んっ……」

陸は思わず笑って、ハルの後ろへ指を深く滑り込ませる。

ハルは声を押し殺そうとしたが、結局耐え切れず甘く喘いだ。

「っ……あ、あぁ……そこ、だめ……!」

「ここが一番……良くない。」

ゴツゴツした指がいやらしくリズムを刻むたび、濡れた音が部屋に響く。

白衣姿で黙々とする陸の姿は、滑稽なほど真面目で、けれどもその分、余計にハルの心を煽った。

「……これは、長引きそうだ」

「ふふ……先生、最後まで診てくれるのよね?」

「もちろん。……治療は、ちゃんとする」

次の瞬間陸はハルを抱き上げベッドと移動し、そのまま押し倒した。

「もっとよく診せてほしい」

陸は白衣を乱したまま、ハルの足を肩にかける。
網タイツが破れ、なんとも言えない感触が広がる。

「ま、待って……そんな格好で……先生……っ」

「あ、こら…患者が暴れてどうする」

低い声にぞくりと背筋が震える。

次の瞬間、熱く硬いものが押し当てられ、一気に奥まで突き込まれた。

「っん、あああぁっ!!」

「……きつっ………」

陸は汗を滲ませながら、それでも真剣にハルの反応を観察するように視線を逸らさない。

浅く、深く、角度を変えながら律動を刻むたび、ハルの声が高くなる。

「……ここは?」

「ひぁっ……そこ……いい、もっと……っ」

「じゃあ、ここは?」

「っだめ、だめっ……そこ……出ちゃう、……!」

問診のように問われるたび、ハルは理性を削られて答えを搾り取られる。陸を受け入れた後ろがきゅっと締まるのが自分でもわかり、恥ずかしくなった。

陸の白衣の裾が揺れ、ハルのナース服の胸元が乱れる。そうして、じわじわと快楽に支配されていく。

「……はぁ……もう、こんなに濡らして……治療が必要だな」

「っん……治して、陸……ぜんぶ……っ」

陸はハルの腰を強く引き寄せ、奥へ奥へと突き上げる。

ベッドが荒く軋み、乱暴なほど深い律動に、ハルの声が喉の奥で震えた。

「だ、め……もう、っ……!」

「我慢するな。……ハル、出すぞ」

最後の一突きで陸は熱を注ぎ込み、同時にハルも震え、果てた。

熱が奥で弾ける感覚に、涙混じりの吐息がこぼれる。

「……っ、あ……あつ……っ」

「これでよくなる、」
(なんだったんだ、これは…いつもより、まずいな…)

――

白衣の胸にすがるハルの髪を、陸は大きな手でゆっくり撫でた。

「……ねぇちょっと、ひどい診察……」

「俺は真面目にやっただけだ」

最初は毒づいていたわりに、悪くないと思える自分に少し目眩を覚える陸は、それを悟られないようにぶっきらぼうに答えた。

「……ふふ、こんな治療、また受けたくなっちゃうわね?」

「来年か?」

「いやね、来年はまた別の格好よ!」

額を合わせ、笑い合う二人の影を、秋の夜風がやさしく揺らしていた。
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