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第八話 世話のやけるやつ。
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部室へと戻ると中からは楽しそうな会話が聞こえてきた。
「明日太か」
「やあ、どうも」
ジャージ姿の明日太、それに蕩け顔の芙美がいる。
「遅かったじゃない、何してたの?」
むしろ遅かったほうがよかったのではなかろうか。
二人は楽しそうな時間を過ごしていたようで、芙美は俺には中々見せない笑顔を浮かべていやがった。
「周子さんと話をしてたんだよ」
「姉さんと?」
明日太の眉がふにゃりと曲がる。
どんな話をしていたのか、さあ話せと言わんばかりの顔。
俺は一先ず紙コップにコーヒーバッグを入れてお湯を注いだ。
喫茶店ほどの味ではないもののこういった安いコーヒーも中々いいものだよな。
というか暖かいものであればなんでもよかったりする。
「思い切ってお前のこと、話してみたよ」
「何……? どう、だった?」
「驚いてた」
「それだけか?」
「そのうち何かあっちから話をしてくるかもな。あと、家庭環境について少し……周子さんから話を聞いたよ」
「……そうか」
「その、なんだ……」
こういう時はなんて言えばいいのだろう。
言葉を探していると、先に明日太から口を開いた。
「まったく、一度は別れたっていうのにさ……五年前に母さんが亡くなって、それで父さんが引き取った結果がこれだ。あっちはとっくの昔に別の家族と一緒になっているもんだから複雑な家庭環境になっちゃったんだ」
「そりゃあすごく複雑な家庭だな……」
「だろう? 要するにこっちは浮気でできた子なのさ。そりゃあ明日香だってストレスを抱える」
「その時に……明日太が?」
「そうだね、その時に僕が誕生した。祝えるものではないけどね」
「……芙美、こういう時はどんな言葉を投げかけるべき?」
「わたしに聞かないでよ」
「そんなに気を遣わないでいいよ」
明日太は微笑んでそう言う。
「なんか、ごめん……」
一歩踏み込んだ結果――二歩三歩とどんどん踏み込んでいってしまった。
「いいんだ、謝るなよ。姉さんもお前は知っておくべきだと思って話したんだと思うし」
「うん……」
「明日香は未だに姉さんや母さん、親父とも打ち解けていない。まあ、それでも……姉さんとは少しずつ距離は縮まってはいるように思えるけどね」
「周子さんも明日香のことは何かと気にかけている感じだよな」
「あの人もあの人で不器用なんだよ」
「それと、なんかこの部室は見逃してくれるようだぜ。部を作るためならって話ではあったけど」
「あらそうなの? じゃあ、本格的に何か部を設立しちゃおうかしら」
「部活か――」
その時、しゅるしゅると明日太が縮んでいった。
明日香に戻っていくようだ。
「部活……」
「興味があるのかい?」
「何か、楽しい部を作りたい、かな」
「みんなで考えましょ」
このままただこの部室でこうしてお茶するだけというのもアリだとは思う。
その場合はどういう部になるんだ? 茶道部? 茶道部は違うか、くつろぎ部?
「あっ……」
すると、明日香はやや頬を赤くして胸を押さえて更衣室へと駆けていった。
この部室、更衣室があるのは明日香にとって便利だよな。
「ちょ、ちょっと待っててね。明日太ったら……」
ノーブラ。
おそらくそうだったのだろう。
「なあ芙美」
やや声を潜めて芙美に問う。
「何?」
「芙美は明日香の家庭環境、知ってたのか?」
「うん、知ってた」
「そうか……」
「……」
「……」
「……ちょっと、黙らないでよ」
「そっちこそ」
なんというか、気まずさというのがついてまわる。
「……あの子が喧嘩した時は時々うちに泊めてあげてたの」
「そうなんだ」
「その時によく明日太とも話してたわ」
「なるほど、それで明日太に恋心を密かに抱いていたってわけか」
「こ、なっ、何を言ってんのよ⁉」
「事実だろ?」
「ち、違うし……」
芙美は視線を逸らして、頬を赤く染めてそう言う。
なんというか色っぽい。恋は人を変えるもんだね、嘘をついているのがバレバレだ。
「おまたせ」
ブラをつけおえた明日香が更衣室から出てきた。
ジャージ姿は変わらず。やはりいつ入れ替わってもいいように、ここではジャージ姿は固定なのだ。
「スポーツブラとスポーツパンツにしてみたの、これなら明日太に切り替わってもあんまり違和感ないし」
「へえ、いいわね」
「ちょ、男がいる中でそんな会話するなよっ」
「大丈夫よ、京一は喋るたんぱく質なだけだから」
「少しは男として見てほしいな……」
女子二人、けらけらと笑う。
全然男として見てもらっていないようだな、悲しいね。
「あっ、さっきの話に戻るけど、部を作るとしたらどんな部がいいかな?」
「んー……ま、そのうち考えよう。今日は帰ろうぜ」
ここで三人頭を悩ませていても多分、ただコーヒーを飲んで時間を潰すだけだ。
「……」
「おいおい、またなのか」
「うん……」
下駄箱を見てみると、芙美の下駄箱にはまた紙屑が入れられていた。
それ以外にもゴミが放り込まれている。
また、あいつら――明子達に違いない。
「芙美、もしかして……いじめられてるの?」
「そんな大げさなことじゃあないわよ、ただの嫌がらせ程度」
「でもこれって……」
そう――。
芙美はおおごとに捉えてはいないけれど、いじめと変わらない。
「どうせそのう――」
「いつもそのうちそのうちって言ってもうずっとだろうに」
「ねえ芙美、朝日奈さんのグループ絡み……でしょ」
「ん、まあね。気にしなくていいよ、カースト上位のグループ達って横のつながりもあるから、あんまり刺激したくはないでしょ?」
「でも……」
「わたしは別にいいの。あんたがわたしのために動いてグループ間で居心地が悪くなるのは、わたしが嫌」
「……」
やれやれ。
これだからカースト上位様のグループっていうのは嫌なんだ。
どこぞのグループと仲が良い悪いとかでつるんだりして、お互いに顔色を窺って学校生活を無難に過ごそうとする。
中学時代だってそうだった。
おかげでカースト下位はちょっと気に入らないと思われれば何かとこうして目をつけられる。
だからなのか、俺は誰彼とこう群れるのはあんまり好きじゃない。
つるむのも芙美くらいだ。
明日香だって明日太の件が無ければ接点なんて無かっただろう。
といってもまあ、高嶺の花である彼女には是非ともお近づきになりたいと思う自分もいたけれども。
ぶっちゃけ好みだったし。
ぶっちゃけ結構好きだし。
「ほら、帰ろうよ」
慣れた手つきでポケットから出したビニール袋にゴミを入れてしまう芙美。
こういう時のために持参しているのだろう。用意のいいやつだ。
「う、うん……でもどうしてこんな目に……?」
「別に。大したことじゃあないよ。朝日奈が好きだった男子がわたしを好きだっただけ」
「んで、振ったと?」
「ん、まだ返事はしてない。何度か手紙はよこしてるけど、御覧のあり様」
それがこの手紙だった紙屑のようだ。
「そういうことね……」
「意外とモテるんだな」
「意外とね」
頬を掻いてやや照れて芙美はそう言う。
「でもこれは、エスカレートする前にどうにかしないといけないんじゃないかしら」
「いいわよ、別に」
楽観視しているのかは分からないが、まったくこいつはもう少し現状を重く受け止めたほうがいいと思う。
俺ならすぐに先生なり何なり報告するんだがな。
結局芙美は何事も無かったかのようにビニール袋をゴミ箱へと放り投げて外に出た。
靴にはまだ紙屑がついていたので取ってやるとする。
世話のやけるやつだ。
「明日太か」
「やあ、どうも」
ジャージ姿の明日太、それに蕩け顔の芙美がいる。
「遅かったじゃない、何してたの?」
むしろ遅かったほうがよかったのではなかろうか。
二人は楽しそうな時間を過ごしていたようで、芙美は俺には中々見せない笑顔を浮かべていやがった。
「周子さんと話をしてたんだよ」
「姉さんと?」
明日太の眉がふにゃりと曲がる。
どんな話をしていたのか、さあ話せと言わんばかりの顔。
俺は一先ず紙コップにコーヒーバッグを入れてお湯を注いだ。
喫茶店ほどの味ではないもののこういった安いコーヒーも中々いいものだよな。
というか暖かいものであればなんでもよかったりする。
「思い切ってお前のこと、話してみたよ」
「何……? どう、だった?」
「驚いてた」
「それだけか?」
「そのうち何かあっちから話をしてくるかもな。あと、家庭環境について少し……周子さんから話を聞いたよ」
「……そうか」
「その、なんだ……」
こういう時はなんて言えばいいのだろう。
言葉を探していると、先に明日太から口を開いた。
「まったく、一度は別れたっていうのにさ……五年前に母さんが亡くなって、それで父さんが引き取った結果がこれだ。あっちはとっくの昔に別の家族と一緒になっているもんだから複雑な家庭環境になっちゃったんだ」
「そりゃあすごく複雑な家庭だな……」
「だろう? 要するにこっちは浮気でできた子なのさ。そりゃあ明日香だってストレスを抱える」
「その時に……明日太が?」
「そうだね、その時に僕が誕生した。祝えるものではないけどね」
「……芙美、こういう時はどんな言葉を投げかけるべき?」
「わたしに聞かないでよ」
「そんなに気を遣わないでいいよ」
明日太は微笑んでそう言う。
「なんか、ごめん……」
一歩踏み込んだ結果――二歩三歩とどんどん踏み込んでいってしまった。
「いいんだ、謝るなよ。姉さんもお前は知っておくべきだと思って話したんだと思うし」
「うん……」
「明日香は未だに姉さんや母さん、親父とも打ち解けていない。まあ、それでも……姉さんとは少しずつ距離は縮まってはいるように思えるけどね」
「周子さんも明日香のことは何かと気にかけている感じだよな」
「あの人もあの人で不器用なんだよ」
「それと、なんかこの部室は見逃してくれるようだぜ。部を作るためならって話ではあったけど」
「あらそうなの? じゃあ、本格的に何か部を設立しちゃおうかしら」
「部活か――」
その時、しゅるしゅると明日太が縮んでいった。
明日香に戻っていくようだ。
「部活……」
「興味があるのかい?」
「何か、楽しい部を作りたい、かな」
「みんなで考えましょ」
このままただこの部室でこうしてお茶するだけというのもアリだとは思う。
その場合はどういう部になるんだ? 茶道部? 茶道部は違うか、くつろぎ部?
「あっ……」
すると、明日香はやや頬を赤くして胸を押さえて更衣室へと駆けていった。
この部室、更衣室があるのは明日香にとって便利だよな。
「ちょ、ちょっと待っててね。明日太ったら……」
ノーブラ。
おそらくそうだったのだろう。
「なあ芙美」
やや声を潜めて芙美に問う。
「何?」
「芙美は明日香の家庭環境、知ってたのか?」
「うん、知ってた」
「そうか……」
「……」
「……」
「……ちょっと、黙らないでよ」
「そっちこそ」
なんというか、気まずさというのがついてまわる。
「……あの子が喧嘩した時は時々うちに泊めてあげてたの」
「そうなんだ」
「その時によく明日太とも話してたわ」
「なるほど、それで明日太に恋心を密かに抱いていたってわけか」
「こ、なっ、何を言ってんのよ⁉」
「事実だろ?」
「ち、違うし……」
芙美は視線を逸らして、頬を赤く染めてそう言う。
なんというか色っぽい。恋は人を変えるもんだね、嘘をついているのがバレバレだ。
「おまたせ」
ブラをつけおえた明日香が更衣室から出てきた。
ジャージ姿は変わらず。やはりいつ入れ替わってもいいように、ここではジャージ姿は固定なのだ。
「スポーツブラとスポーツパンツにしてみたの、これなら明日太に切り替わってもあんまり違和感ないし」
「へえ、いいわね」
「ちょ、男がいる中でそんな会話するなよっ」
「大丈夫よ、京一は喋るたんぱく質なだけだから」
「少しは男として見てほしいな……」
女子二人、けらけらと笑う。
全然男として見てもらっていないようだな、悲しいね。
「あっ、さっきの話に戻るけど、部を作るとしたらどんな部がいいかな?」
「んー……ま、そのうち考えよう。今日は帰ろうぜ」
ここで三人頭を悩ませていても多分、ただコーヒーを飲んで時間を潰すだけだ。
「……」
「おいおい、またなのか」
「うん……」
下駄箱を見てみると、芙美の下駄箱にはまた紙屑が入れられていた。
それ以外にもゴミが放り込まれている。
また、あいつら――明子達に違いない。
「芙美、もしかして……いじめられてるの?」
「そんな大げさなことじゃあないわよ、ただの嫌がらせ程度」
「でもこれって……」
そう――。
芙美はおおごとに捉えてはいないけれど、いじめと変わらない。
「どうせそのう――」
「いつもそのうちそのうちって言ってもうずっとだろうに」
「ねえ芙美、朝日奈さんのグループ絡み……でしょ」
「ん、まあね。気にしなくていいよ、カースト上位のグループ達って横のつながりもあるから、あんまり刺激したくはないでしょ?」
「でも……」
「わたしは別にいいの。あんたがわたしのために動いてグループ間で居心地が悪くなるのは、わたしが嫌」
「……」
やれやれ。
これだからカースト上位様のグループっていうのは嫌なんだ。
どこぞのグループと仲が良い悪いとかでつるんだりして、お互いに顔色を窺って学校生活を無難に過ごそうとする。
中学時代だってそうだった。
おかげでカースト下位はちょっと気に入らないと思われれば何かとこうして目をつけられる。
だからなのか、俺は誰彼とこう群れるのはあんまり好きじゃない。
つるむのも芙美くらいだ。
明日香だって明日太の件が無ければ接点なんて無かっただろう。
といってもまあ、高嶺の花である彼女には是非ともお近づきになりたいと思う自分もいたけれども。
ぶっちゃけ好みだったし。
ぶっちゃけ結構好きだし。
「ほら、帰ろうよ」
慣れた手つきでポケットから出したビニール袋にゴミを入れてしまう芙美。
こういう時のために持参しているのだろう。用意のいいやつだ。
「う、うん……でもどうしてこんな目に……?」
「別に。大したことじゃあないよ。朝日奈が好きだった男子がわたしを好きだっただけ」
「んで、振ったと?」
「ん、まだ返事はしてない。何度か手紙はよこしてるけど、御覧のあり様」
それがこの手紙だった紙屑のようだ。
「そういうことね……」
「意外とモテるんだな」
「意外とね」
頬を掻いてやや照れて芙美はそう言う。
「でもこれは、エスカレートする前にどうにかしないといけないんじゃないかしら」
「いいわよ、別に」
楽観視しているのかは分からないが、まったくこいつはもう少し現状を重く受け止めたほうがいいと思う。
俺ならすぐに先生なり何なり報告するんだがな。
結局芙美は何事も無かったかのようにビニール袋をゴミ箱へと放り投げて外に出た。
靴にはまだ紙屑がついていたので取ってやるとする。
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