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第一章
Karte.009 ルォウ
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「ん、んー。本当に次元病処置したらしいわねぇ」
レイコを待つべく、そして注目から逃れるべく端のテーブル席へと腰を下ろして暫しの時間が過ぎた頃、横から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
その声を聞くと自然と眉間にしわが寄ってしまう。
「ルヴィンは前々から治療士として才能があったし、優秀な治療士補佐もいれば処置できない病気はないかもしれないさねぇ」
溜息一つ。
そんなに担がされても困るのだが。
足音が近づいてくる。カラン、コロン、といった独特の足音。
誰かは分かっている、そのほうへと顔を向けはしない。視界に入ってくるのを待ち、腕を組んだ。
というのも……単純に疲れているのであまり無駄に動きたくないのだ。別に嫌っているわけじゃあない。少し苦手ではあるけれど。
「……ルォウ、過大評価しすぎだよ」
「そうかしらねぇ」
ようやく彼女――ルォウ・フェニファが俺の視界へと入ってきた。
女性の中では長身のほうであり、加えて下駄によるかさ増しで相変わらず頭の位置は高い。
彼女は薄らを笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。
「相変わらず、高いところから見下ろしてくるなお前」
「ん、んー。お褒めの言葉ありがとう」
「別に褒めてないけど」
この長身に加えて腰まで伸びる白い髪は何処にいてもすぐに目に留まってしまう。
出るところも出てるので尚更だ。
それにしても……いつ見ても、見た目は異質。
背中につけられている魔力式機工治療具――通称、魔工具と呼ばれるものからは機械の腕が六本生えている、まるで蜘蛛女だ。
この異質な治療具は彼女の特注品であり、一本一本彼女の意思で動かせる。
おかげで一人で数人分の仕事をこなせるのが彼女の売りであり、治療士補佐もいないんだとか。
東和国の服が彼女は好きらしく、東和服といってこちらの大陸ではあまり浸透していない絹という素材を使ったものらしい。
前開き服形式で、紺を基調とした色に白の花模様は鮮やか。
背中はほぼ丸見えに近く、それは彼女の魔工具を付けたまま着れるようにするためだとか。
ルォウは腕の一本を使って器用にキャンディーを口に運んでいた。
本来ならば一本だけでも扱いが難しいらしいのに、たいしたもんだ。
「それで、俺に何か?」
「先ずは次元病の処置おめでとうと言いたくてねぇ」
「わざわざどうも、白金三級治療士であるあんたでもきっと処置できただろうよ。それも一人で」
「さあ、どうだか。次元病はあたしも治療した事がないからねぇ。ぶっつけ本番でやり遂げるというのは、あんたが思ってる以上にすごい事さね。胸を張りなよ」
「ん、おお……」
俺よりも遥かに高い階級の治療師からお褒めの言葉を頂けるというのは、素直に嬉しい。
決して顔には出さないけれど。
銅級・銀級・金級・白銅級・白銀級・白金級――それら階級には更に三級から一級と設けられていて、改めて階級順で見れば銀三級の俺とは天と地の差だ。
「治療中はどうだった?」
「相当きつかったよ、体力は持ってかれるわ方向感覚すら崩されそうになるわ、指先の感覚はなくなっていくわでさ。数時間掛かったね」
「あたしも是非とも処置してみたいもんさね。次の発病は何年後になるやら。ん、んー……それで、だ」
彼女は体を少しかがめて、目線の高さを俺に合わせた。
「出てきたんでしょう?」
「何がだ?」
「ほら、次元病の穴から、人がさあ。君が連れてきたあの黒髪の少女なんじゃあないの?」
彼女の背についている六つの腕がうずうずといった表現を示すかのような動きをしていた。
分かりやすい人だ、表情も仕草も然り、六つの腕も加わるとなると本当に分かりやすい。
「そんなのただの噂だろ。あいつは……旅人。食い扶持もないから雇ってやろうかと思ってね」
そういう話にしておかなくてはならない。
しかし急遽見繕った理由で、長い付き合いである彼女を騙せるのかどうか。
「へー? あんたのチームに? ちょいと前に一人雇ったばかりじゃない」
「また人手が欲しくなってね」
「ふぅん、そう。それはそれで気になるさね。待たせてもらおうかしら」
彼女は向かい側へ周り腰を下ろした。
パレードの開催を今か今かと待つ無垢な子供のような表情を浮かべてやがる。
「なんだよ、ごく普通の女の子だぞ」
「そうさねぇ。でも一目見ておきたくって」
しかしながらこの状況、注目をまた一点に浴びてしまっているな。
彼女自体が人目を引きつけてしまう。
何人かはルォウに話しかけたいとそわそわしている連中もちらほら。
白金三級となるとちょっとした有名人だね。俺もその枠には片足を突っ込んでいる状況ではあるのだが。
「あの子、名前は?」
「レイコ、それだけだ。なんか頭部を打ったのか、記憶が曖昧らしい」
彼女はふんふんと頷きながらメモを取っていた。
勿論、後ろの腕を使って。
「記憶喪失?」
「かもな。それで……今は、そう、検査をしてもらってる。あんまりにも不憫だから、雇おうって話になったわけさ」
「ふぅん? そういう事ね……お話、してみたいわねえ」
「今日はやめといたほうがいいんじゃねえかな。検査もあって疲れてるだろうから、少しはゆっくりさせないとよ」
「ん、んー……それもそうね~」
ルォウくらいならばレイコについては話してもいいのではないかと思っている自分がいる。
口が軽い人物ではないし。
けれどギルドに言われているのだから、今は話さないでおこう。
「それ、次元病の報酬?」
「ん? ああ、どうだよ。すごいだろ」
「すご~い! 今日は奢ってくれるのかしらん?」
「え~……?」
白金三級様が銀三級にたかるかね普通。
「昇級の話は出たのかい?」
「あー、その辺は詳しく聞いてなかったな。そのうち通知でも来るんじゃないかな」
「これでルヴィンも白金級さねえ」
「そこまでいかないだろ」
しかしある程度の昇級は期待している。
昇級すれば受けられる依頼の幅も広がるし、報酬も変わってくる。生活に余裕ができてくるかも。
「論文の提出予定はある? いや、書かされるでしょうねえ。といっても手術内容を記載する程度のものでしょうけど」
「……まあ、なんとか書いてみるよ」
ちなみに俺はこれまで論文なんて書いた事がない。そういうのとは無縁な治療士人生を歩んできた。
小物の魔物や病魔で論文を書く治療士などいないのだ。
どうすりゃいいんだろ。ライザックさんに教えてもらおうかな。
「どこで論文出すかってのも、絡んでくるわよう」
「どこ――っていうと?」
「派閥、あるじゃない」
ああ……なるほどね。
「次元病を治した治療士が無所属なら話くるかなって思ってねぇ」
「くるかなあ?」
「くるんじゃないかしら。だって派閥に入ってくれて論文提出もしてもらえればその派閥にも論文内容について吟味できるし、論文を見てもらって派閥の人間が指導員として名前を載せてもらえれば派閥の評価にも繋がるさね、もう勧誘の準備をしてる奴らもいるかもねえ」
「あんたはどっか入ってたっけ?」
「あたしは別に一人でやってけるわ、誰かの下について援護求められたらすぐに走るとか、資金繰りやら情報交換やらする必要もないさね」
この街はいくつか派閥がある、支部によっては二つ、三つほど。
大体は白金級が上に立っていて、彼らの下につけば依頼をまわしてもらえたり治療技術やこれまでの診療録を見せてもらえたりと特典はある。
しかし緊急時や援護要請等に従う必要も出てくるので、質より数で依頼を受けているこちらの身としてはちょいと考えさせられる。
誰かの下につくか否かで昇級の依頼の推薦なども絡んでくるが……無所属ってのは気楽にやれるからいい。
「じゃあ俺もあんたと同じだ。まあしかし、あんたが白金特級になったらあんたの下につくとしようか」
最高位である白金特級はギルド支部を任せてもらえる。
ギルドのルールを作るのもよし、依頼も自由に選んでギルドの掲示板へ送る事ができる。
ギルド本部への就任も視野に入るし、本部勤務となれば一生安泰だ。
「ん、んー。それは悩むわねぇ。ちょいと目指しちゃおっかしら」
数日後には、なっちゃった♪ とか言いそうだから怖い。
レイコを待つべく、そして注目から逃れるべく端のテーブル席へと腰を下ろして暫しの時間が過ぎた頃、横から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
その声を聞くと自然と眉間にしわが寄ってしまう。
「ルヴィンは前々から治療士として才能があったし、優秀な治療士補佐もいれば処置できない病気はないかもしれないさねぇ」
溜息一つ。
そんなに担がされても困るのだが。
足音が近づいてくる。カラン、コロン、といった独特の足音。
誰かは分かっている、そのほうへと顔を向けはしない。視界に入ってくるのを待ち、腕を組んだ。
というのも……単純に疲れているのであまり無駄に動きたくないのだ。別に嫌っているわけじゃあない。少し苦手ではあるけれど。
「……ルォウ、過大評価しすぎだよ」
「そうかしらねぇ」
ようやく彼女――ルォウ・フェニファが俺の視界へと入ってきた。
女性の中では長身のほうであり、加えて下駄によるかさ増しで相変わらず頭の位置は高い。
彼女は薄らを笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。
「相変わらず、高いところから見下ろしてくるなお前」
「ん、んー。お褒めの言葉ありがとう」
「別に褒めてないけど」
この長身に加えて腰まで伸びる白い髪は何処にいてもすぐに目に留まってしまう。
出るところも出てるので尚更だ。
それにしても……いつ見ても、見た目は異質。
背中につけられている魔力式機工治療具――通称、魔工具と呼ばれるものからは機械の腕が六本生えている、まるで蜘蛛女だ。
この異質な治療具は彼女の特注品であり、一本一本彼女の意思で動かせる。
おかげで一人で数人分の仕事をこなせるのが彼女の売りであり、治療士補佐もいないんだとか。
東和国の服が彼女は好きらしく、東和服といってこちらの大陸ではあまり浸透していない絹という素材を使ったものらしい。
前開き服形式で、紺を基調とした色に白の花模様は鮮やか。
背中はほぼ丸見えに近く、それは彼女の魔工具を付けたまま着れるようにするためだとか。
ルォウは腕の一本を使って器用にキャンディーを口に運んでいた。
本来ならば一本だけでも扱いが難しいらしいのに、たいしたもんだ。
「それで、俺に何か?」
「先ずは次元病の処置おめでとうと言いたくてねぇ」
「わざわざどうも、白金三級治療士であるあんたでもきっと処置できただろうよ。それも一人で」
「さあ、どうだか。次元病はあたしも治療した事がないからねぇ。ぶっつけ本番でやり遂げるというのは、あんたが思ってる以上にすごい事さね。胸を張りなよ」
「ん、おお……」
俺よりも遥かに高い階級の治療師からお褒めの言葉を頂けるというのは、素直に嬉しい。
決して顔には出さないけれど。
銅級・銀級・金級・白銅級・白銀級・白金級――それら階級には更に三級から一級と設けられていて、改めて階級順で見れば銀三級の俺とは天と地の差だ。
「治療中はどうだった?」
「相当きつかったよ、体力は持ってかれるわ方向感覚すら崩されそうになるわ、指先の感覚はなくなっていくわでさ。数時間掛かったね」
「あたしも是非とも処置してみたいもんさね。次の発病は何年後になるやら。ん、んー……それで、だ」
彼女は体を少しかがめて、目線の高さを俺に合わせた。
「出てきたんでしょう?」
「何がだ?」
「ほら、次元病の穴から、人がさあ。君が連れてきたあの黒髪の少女なんじゃあないの?」
彼女の背についている六つの腕がうずうずといった表現を示すかのような動きをしていた。
分かりやすい人だ、表情も仕草も然り、六つの腕も加わるとなると本当に分かりやすい。
「そんなのただの噂だろ。あいつは……旅人。食い扶持もないから雇ってやろうかと思ってね」
そういう話にしておかなくてはならない。
しかし急遽見繕った理由で、長い付き合いである彼女を騙せるのかどうか。
「へー? あんたのチームに? ちょいと前に一人雇ったばかりじゃない」
「また人手が欲しくなってね」
「ふぅん、そう。それはそれで気になるさね。待たせてもらおうかしら」
彼女は向かい側へ周り腰を下ろした。
パレードの開催を今か今かと待つ無垢な子供のような表情を浮かべてやがる。
「なんだよ、ごく普通の女の子だぞ」
「そうさねぇ。でも一目見ておきたくって」
しかしながらこの状況、注目をまた一点に浴びてしまっているな。
彼女自体が人目を引きつけてしまう。
何人かはルォウに話しかけたいとそわそわしている連中もちらほら。
白金三級となるとちょっとした有名人だね。俺もその枠には片足を突っ込んでいる状況ではあるのだが。
「あの子、名前は?」
「レイコ、それだけだ。なんか頭部を打ったのか、記憶が曖昧らしい」
彼女はふんふんと頷きながらメモを取っていた。
勿論、後ろの腕を使って。
「記憶喪失?」
「かもな。それで……今は、そう、検査をしてもらってる。あんまりにも不憫だから、雇おうって話になったわけさ」
「ふぅん? そういう事ね……お話、してみたいわねえ」
「今日はやめといたほうがいいんじゃねえかな。検査もあって疲れてるだろうから、少しはゆっくりさせないとよ」
「ん、んー……それもそうね~」
ルォウくらいならばレイコについては話してもいいのではないかと思っている自分がいる。
口が軽い人物ではないし。
けれどギルドに言われているのだから、今は話さないでおこう。
「それ、次元病の報酬?」
「ん? ああ、どうだよ。すごいだろ」
「すご~い! 今日は奢ってくれるのかしらん?」
「え~……?」
白金三級様が銀三級にたかるかね普通。
「昇級の話は出たのかい?」
「あー、その辺は詳しく聞いてなかったな。そのうち通知でも来るんじゃないかな」
「これでルヴィンも白金級さねえ」
「そこまでいかないだろ」
しかしある程度の昇級は期待している。
昇級すれば受けられる依頼の幅も広がるし、報酬も変わってくる。生活に余裕ができてくるかも。
「論文の提出予定はある? いや、書かされるでしょうねえ。といっても手術内容を記載する程度のものでしょうけど」
「……まあ、なんとか書いてみるよ」
ちなみに俺はこれまで論文なんて書いた事がない。そういうのとは無縁な治療士人生を歩んできた。
小物の魔物や病魔で論文を書く治療士などいないのだ。
どうすりゃいいんだろ。ライザックさんに教えてもらおうかな。
「どこで論文出すかってのも、絡んでくるわよう」
「どこ――っていうと?」
「派閥、あるじゃない」
ああ……なるほどね。
「次元病を治した治療士が無所属なら話くるかなって思ってねぇ」
「くるかなあ?」
「くるんじゃないかしら。だって派閥に入ってくれて論文提出もしてもらえればその派閥にも論文内容について吟味できるし、論文を見てもらって派閥の人間が指導員として名前を載せてもらえれば派閥の評価にも繋がるさね、もう勧誘の準備をしてる奴らもいるかもねえ」
「あんたはどっか入ってたっけ?」
「あたしは別に一人でやってけるわ、誰かの下について援護求められたらすぐに走るとか、資金繰りやら情報交換やらする必要もないさね」
この街はいくつか派閥がある、支部によっては二つ、三つほど。
大体は白金級が上に立っていて、彼らの下につけば依頼をまわしてもらえたり治療技術やこれまでの診療録を見せてもらえたりと特典はある。
しかし緊急時や援護要請等に従う必要も出てくるので、質より数で依頼を受けているこちらの身としてはちょいと考えさせられる。
誰かの下につくか否かで昇級の依頼の推薦なども絡んでくるが……無所属ってのは気楽にやれるからいい。
「じゃあ俺もあんたと同じだ。まあしかし、あんたが白金特級になったらあんたの下につくとしようか」
最高位である白金特級はギルド支部を任せてもらえる。
ギルドのルールを作るのもよし、依頼も自由に選んでギルドの掲示板へ送る事ができる。
ギルド本部への就任も視野に入るし、本部勤務となれば一生安泰だ。
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