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第17話 メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦③
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止まった円盤を見て、うちの寮は絶句していた。
その理由は1つだった。
前哨戦の登場が、4番目であったからだ。
「あっれ~、おかしいな目がおかしいのかな~、もしかしたらこれ機器が壊れたのかも~」
トウマがそんな事を言いつつ、機器に近付こうとすると、他の次期寮長候補生が全員で羽交い締めにした。
その後、トウマはうちの寮生たちへと投げ渡され、4番を当てた事ことをズタボロに責められ、張り付けにされていた。
他の寮生たちは、自分たちの順番に備え、誰が出るかを決めて準備し始めていた。
するとそこへ、黒服の正装で眼鏡をかけた、オールバックの成人男性がやって来る。
「諸君、状況はどのようになっているかな?」
「これは審査委員長、順番まで決まりこれから準備を行い、各寮の発表です」
その男性に、ライオン寮のダンデが敬語で答えると、その男性はステージ前に準備された机に座った。
「ねぇ、あれは誰?」
「あれは、うちの学院の副学院長だよ。名はデイビッド。毎回前哨戦の審査委員長をやってくれてるんだ」
私の問にシンリが返してくれたが、何故副学院長がこんなイベントの審査委員長をやっているのか、疑問だったが、そこはアルジュが答えてくれた。
過去の学院長に、直々に命令されてから、やるならば全力で公平に判断すると言い出し、見苦しいものを見せる訳にはいかないと言う理由で、毎年審査委員長をやっているらしい。
そこから、その地獄イベントもコンテスト内でも注目される様になったんだと。
それと、審査は審査委員長ともう1人の計10点で評価され、高いペアが出場決定する。
もう1人は、前年の出場したペアのどちらかが行う事になっているらしく、アルジュも権利があったが、思い出したくもないのでガウェンに頭まで下げて、お願いしたらしくガウェンがその審査員として、今座っていた。
その時、うちの寮ではトウマを縛り張り付けにし終えてから、1つの箱を用意しそこに部屋の数分の球を入れていた。
「もうこうなったら、代表者も運で決めるぞ。どの部屋番号が出ても恨みっこなしな」
中心にいたライラックが、そう言うと周囲の皆も頷いた。
「そう言えば、アルジュとガウェンの部屋番号は抜いたか?」
「もちろんだ。うちの寮の鉄則ルール。前年度出場者は、今年の出場枠から外すはもう、実施済みだ!」
リーガの問いかけに、ライラックが意気揚々に答える。
聞いた事がない、謎の鉄の掟に片手を顎に当て、私には関係がないかの様に他人事の様に、それを見つめていた。
そんなルールがあるんだ、まぁ確かに去年辛い思いをして、次の年もやる確率があると気が狂いそうだよね。
そうか、だからアルジュも普通にこの場にいるのか。
やる可能性が少しでもあるなら、あんな普通にしてる訳ないもんな、あんな動揺を見せられたら。
その時私は、悶絶していたアルジュの姿を思い出していた。
同時に、ライラックが箱の中へと手を突っ込んだ。
箱の中でグルグルと何度も腕を回して、取り出す球を選び終えるとピタッと動きが止まる。
寮の皆は、それを息を呑んで見守った。
そして、一気に頭上へと取り上げた球を掲げた。
球に書いていた部屋番号は、207と書かれているように見え、私はその番号を見て少しほっとしていた。
なんせ、私の部屋は202だからだ。
207は、マックスとケビンの部屋であり、先程の2人がいる方を見つめてファイトのエールの気持ちだけ送った。
暫く、アルジュたちと雑談をしていると突然、リーガが大きな声を上げる。
「おい、ライラック! その球よく見たら、7の書き方変じゃないか」
その言葉に、うちの寮生たちが駆けよって、じっくりみるとリーガの言う通りであった。
「これ7じゃなくて、2だな。てか、この癖のある書き方、トウマだろ!」
「へぇ?」
張り付けのままライラックの言葉に反応したトウマは、理解が追い付いていなかった。
私はトウマに説明するライラックやリーガを見ながら、ゆっくりと立ち上がり、誰にも気付かれない様に立ち去ろうとした。
だが、アルジュがそんな事をさせなかった。
「クリス~逃げようとしても無駄だよ。もう決まった事だ。素直に受け入れて、やるんだ」
「絶対に、いや!!」
私は、駆け足でその場から逃げようとしたが、目の前にマックスが立ちはだかった。
「っと、ダメダメクリス。こればかりは、もう決まった事だから見逃せないよ。それに逃げるのは絶対に無理だよ」
と、軽く指さされた方を見ると、うちの寮生たちが怖い目つきで、私を覆い囲う様に迫って来ていた。
何、あの目!? えっ、ちょ、ちょっと待ってよ! あの人たちは何で、あそこまで怖い目をしながら近づいて来るの!?
私が戸惑っている一瞬に、寮の皆に確保されロープで身動きが取れない様にされてしまう。
口もテープでふさがれ、担ぎ上げられどこかへと運び始めた。
視線の先には、同室のトウマが張り付けのままこちらを真顔で見ていた。
私が物凄い勢いで訴えかけたが、口が塞がっているので何も伝わらなかった。
しかし、トウマは何かを察したのか一度目を瞑った直後開き、私にまたしても真顔で言葉を発した。
「俺にももうどうしようもできない。だから、腹をくくろう、クリス」
何故か最後は、物凄い笑顔だったが、私はそんな事受け入れられないので、物凄い勢いで塞がれた口で叫んだ。
数十分後、遂にメルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の幕が上がった。
まず、ステージ上のカーテン裏から現れたのは、ライオン寮代表ペアであった。
その姿は、完全に笑いを取りに来ていると分かり、半袖短パンと女性生徒制服も同様にしたものを着て、完全に黙ったまま筋肉を見せつけに来ていた。
だが、その筋肉がどれほど凄いのか分からず、ほとんどの生徒たちはポカーンとしていた。
そして点数が出され、ガウェンが3点で審査委員長が2点を表示して5点となり、暫定1位となった。
ライオン寮生たちは、最初なのでそこまで反応してはいなかったが、他の寮生たちは、大きな舌打ちをしていた。
前哨戦順位
1位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
2番目に出て来たのは、スネーク寮であった。
スネーク寮の代表者は、紫色を主体に女性像を創り上げて、何故か男性側も同じ色合いで統一した感じで登場していた。
どこか体調が悪そうにも見え、不気味そうな雰囲気も醸し出していたが、意外としっかり女装されていた。
点数が表示されると、ガウェンが3点で審査委員長も3点を表示し6点となり、ライオン寮を抜いて1位になった。
順位変動にて、ライオン寮が歓声を上げて、スネーク寮は絶句していた。
ロムロスは、頭を抱えて首を横に振っていた。
前哨戦順位
1位 イルダ寮(スネーク寮) 6点
2位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
3番目に現れたのは、カモメ寮であり、出て来て突然女装した男と、普通の男と言う役で掛け合いを始めた。
初めの方は、全く笑う生徒がいなかったものの、独特な世界観が伝染し始め、クスクスも笑う人が増えて行き、掛け合いが終わる。
すると、ガウェンが3点だったが審査委員長が、笑いを耐えながら4点を表示し7点となり、さらにスネーク寮を抜いて1位になる。
まさかの結果にカモメ寮生たちは、棒立ちしていた。
スバンが、何が面白いのか全く分からず叫んだ直後、気が遠くなり後ろへと倒れそうになるが、カモメ寮生たちが支えていた。
前哨戦順位
1位 エメル寮(カモメ寮) 7点
2位 イルダ寮(スネーク寮) 6点
3位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
そして、大取の4番目に先に現れたのは、オオカミ寮のトウマであった。
その姿は、何故か物語に出てきそうなお姫様の再現度や完成度が高い女装であり、寮生たちが驚いていた。
すると突然、芝居が始まる。
「あっいたい! イタタタ…もう、何でこんな所に石ころがあるのよ! 全くぷんぷん!」
トウマの高い声と、ぎこちない演技に寮生たちの大半が噴出した。
そのまま自己紹介や設定など、1分程トウマが話していると、突然ステージ裏から、かっこいい声が聞こえてくる。
「おや? もしかして、そこにいるのは、トウマ姫かい?」
そう言って颯爽と現れたのは、少しメイクをして凛々しい王子様を彷彿させるクリスであった。
その理由は1つだった。
前哨戦の登場が、4番目であったからだ。
「あっれ~、おかしいな目がおかしいのかな~、もしかしたらこれ機器が壊れたのかも~」
トウマがそんな事を言いつつ、機器に近付こうとすると、他の次期寮長候補生が全員で羽交い締めにした。
その後、トウマはうちの寮生たちへと投げ渡され、4番を当てた事ことをズタボロに責められ、張り付けにされていた。
他の寮生たちは、自分たちの順番に備え、誰が出るかを決めて準備し始めていた。
するとそこへ、黒服の正装で眼鏡をかけた、オールバックの成人男性がやって来る。
「諸君、状況はどのようになっているかな?」
「これは審査委員長、順番まで決まりこれから準備を行い、各寮の発表です」
その男性に、ライオン寮のダンデが敬語で答えると、その男性はステージ前に準備された机に座った。
「ねぇ、あれは誰?」
「あれは、うちの学院の副学院長だよ。名はデイビッド。毎回前哨戦の審査委員長をやってくれてるんだ」
私の問にシンリが返してくれたが、何故副学院長がこんなイベントの審査委員長をやっているのか、疑問だったが、そこはアルジュが答えてくれた。
過去の学院長に、直々に命令されてから、やるならば全力で公平に判断すると言い出し、見苦しいものを見せる訳にはいかないと言う理由で、毎年審査委員長をやっているらしい。
そこから、その地獄イベントもコンテスト内でも注目される様になったんだと。
それと、審査は審査委員長ともう1人の計10点で評価され、高いペアが出場決定する。
もう1人は、前年の出場したペアのどちらかが行う事になっているらしく、アルジュも権利があったが、思い出したくもないのでガウェンに頭まで下げて、お願いしたらしくガウェンがその審査員として、今座っていた。
その時、うちの寮ではトウマを縛り張り付けにし終えてから、1つの箱を用意しそこに部屋の数分の球を入れていた。
「もうこうなったら、代表者も運で決めるぞ。どの部屋番号が出ても恨みっこなしな」
中心にいたライラックが、そう言うと周囲の皆も頷いた。
「そう言えば、アルジュとガウェンの部屋番号は抜いたか?」
「もちろんだ。うちの寮の鉄則ルール。前年度出場者は、今年の出場枠から外すはもう、実施済みだ!」
リーガの問いかけに、ライラックが意気揚々に答える。
聞いた事がない、謎の鉄の掟に片手を顎に当て、私には関係がないかの様に他人事の様に、それを見つめていた。
そんなルールがあるんだ、まぁ確かに去年辛い思いをして、次の年もやる確率があると気が狂いそうだよね。
そうか、だからアルジュも普通にこの場にいるのか。
やる可能性が少しでもあるなら、あんな普通にしてる訳ないもんな、あんな動揺を見せられたら。
その時私は、悶絶していたアルジュの姿を思い出していた。
同時に、ライラックが箱の中へと手を突っ込んだ。
箱の中でグルグルと何度も腕を回して、取り出す球を選び終えるとピタッと動きが止まる。
寮の皆は、それを息を呑んで見守った。
そして、一気に頭上へと取り上げた球を掲げた。
球に書いていた部屋番号は、207と書かれているように見え、私はその番号を見て少しほっとしていた。
なんせ、私の部屋は202だからだ。
207は、マックスとケビンの部屋であり、先程の2人がいる方を見つめてファイトのエールの気持ちだけ送った。
暫く、アルジュたちと雑談をしていると突然、リーガが大きな声を上げる。
「おい、ライラック! その球よく見たら、7の書き方変じゃないか」
その言葉に、うちの寮生たちが駆けよって、じっくりみるとリーガの言う通りであった。
「これ7じゃなくて、2だな。てか、この癖のある書き方、トウマだろ!」
「へぇ?」
張り付けのままライラックの言葉に反応したトウマは、理解が追い付いていなかった。
私はトウマに説明するライラックやリーガを見ながら、ゆっくりと立ち上がり、誰にも気付かれない様に立ち去ろうとした。
だが、アルジュがそんな事をさせなかった。
「クリス~逃げようとしても無駄だよ。もう決まった事だ。素直に受け入れて、やるんだ」
「絶対に、いや!!」
私は、駆け足でその場から逃げようとしたが、目の前にマックスが立ちはだかった。
「っと、ダメダメクリス。こればかりは、もう決まった事だから見逃せないよ。それに逃げるのは絶対に無理だよ」
と、軽く指さされた方を見ると、うちの寮生たちが怖い目つきで、私を覆い囲う様に迫って来ていた。
何、あの目!? えっ、ちょ、ちょっと待ってよ! あの人たちは何で、あそこまで怖い目をしながら近づいて来るの!?
私が戸惑っている一瞬に、寮の皆に確保されロープで身動きが取れない様にされてしまう。
口もテープでふさがれ、担ぎ上げられどこかへと運び始めた。
視線の先には、同室のトウマが張り付けのままこちらを真顔で見ていた。
私が物凄い勢いで訴えかけたが、口が塞がっているので何も伝わらなかった。
しかし、トウマは何かを察したのか一度目を瞑った直後開き、私にまたしても真顔で言葉を発した。
「俺にももうどうしようもできない。だから、腹をくくろう、クリス」
何故か最後は、物凄い笑顔だったが、私はそんな事受け入れられないので、物凄い勢いで塞がれた口で叫んだ。
数十分後、遂にメルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦の幕が上がった。
まず、ステージ上のカーテン裏から現れたのは、ライオン寮代表ペアであった。
その姿は、完全に笑いを取りに来ていると分かり、半袖短パンと女性生徒制服も同様にしたものを着て、完全に黙ったまま筋肉を見せつけに来ていた。
だが、その筋肉がどれほど凄いのか分からず、ほとんどの生徒たちはポカーンとしていた。
そして点数が出され、ガウェンが3点で審査委員長が2点を表示して5点となり、暫定1位となった。
ライオン寮生たちは、最初なのでそこまで反応してはいなかったが、他の寮生たちは、大きな舌打ちをしていた。
前哨戦順位
1位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
2番目に出て来たのは、スネーク寮であった。
スネーク寮の代表者は、紫色を主体に女性像を創り上げて、何故か男性側も同じ色合いで統一した感じで登場していた。
どこか体調が悪そうにも見え、不気味そうな雰囲気も醸し出していたが、意外としっかり女装されていた。
点数が表示されると、ガウェンが3点で審査委員長も3点を表示し6点となり、ライオン寮を抜いて1位になった。
順位変動にて、ライオン寮が歓声を上げて、スネーク寮は絶句していた。
ロムロスは、頭を抱えて首を横に振っていた。
前哨戦順位
1位 イルダ寮(スネーク寮) 6点
2位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
3番目に現れたのは、カモメ寮であり、出て来て突然女装した男と、普通の男と言う役で掛け合いを始めた。
初めの方は、全く笑う生徒がいなかったものの、独特な世界観が伝染し始め、クスクスも笑う人が増えて行き、掛け合いが終わる。
すると、ガウェンが3点だったが審査委員長が、笑いを耐えながら4点を表示し7点となり、さらにスネーク寮を抜いて1位になる。
まさかの結果にカモメ寮生たちは、棒立ちしていた。
スバンが、何が面白いのか全く分からず叫んだ直後、気が遠くなり後ろへと倒れそうになるが、カモメ寮生たちが支えていた。
前哨戦順位
1位 エメル寮(カモメ寮) 7点
2位 イルダ寮(スネーク寮) 6点
3位 ダイモン寮(ライオン寮) 5点
そして、大取の4番目に先に現れたのは、オオカミ寮のトウマであった。
その姿は、何故か物語に出てきそうなお姫様の再現度や完成度が高い女装であり、寮生たちが驚いていた。
すると突然、芝居が始まる。
「あっいたい! イタタタ…もう、何でこんな所に石ころがあるのよ! 全くぷんぷん!」
トウマの高い声と、ぎこちない演技に寮生たちの大半が噴出した。
そのまま自己紹介や設定など、1分程トウマが話していると、突然ステージ裏から、かっこいい声が聞こえてくる。
「おや? もしかして、そこにいるのは、トウマ姫かい?」
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