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第110話 合流
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「我が妹。珍しいな、外で会うなんて」
「そうだねお姉ちゃん。今日は、ウィルちゃんとお出かけ?」
「うん。さっきまでジュリルとルーク様が居たが、ちょうど別れた所だ」
そこにトウマが割り込んで来る。
「ちょ、ちょっとターイム! タイムタイム! え? 2人姉妹なの?」
「えーと、我が妹。こちらは?」
「こっちは、トウマって言う人。それでトウマ、こちらが私のお姉ちゃん」
するとトウマは、「これは丁寧に」と言いながら頭を下げ挨拶をした。
マートルもトウマの挨拶の後に、自己紹介をした。
「へ~同じ学年なのに、姉妹なのか。珍しいな」
「ほとんどの人は知ってるけど、知らない人はシルマちゃん見たいな反応になるの」
トウマがシルマの方を向くと、ポカンと口が開いていた。
「あたい知らなかった……ミュルテと学年TOP3のマートルが姉妹だったなんて……」
「フルネーム聞いたらで普通分かるんだけどね。シルマちゃんは、そこまで見ないおっちょこちょいな所があるからね~」
「だって、髪の色とかも違うし。そんな事一言も言ってなかったじゃないか」
「シルマちゃん。髪の色が同じとかが姉妹の条件じゃないでしょ。と言うか、同じクラスなのに逆に気付かない方が凄いよ。それに、私がお姉ちゃんの事言ってたら接する態度とか変わったりしたの?」
少し覗き込む様に問いかけて来るミュルテにシルマは、恥ずかしいのか目線を外して答えた。
「そ、そんな訳ないだろ。ミュルテはミュルテだ。姉がいようが、それが学年TOP3だろうが関係ない。ただちょっと、驚いただけだ」
「良かった。そう言う所がシルマちゃんの良い所で、私が好きな所」
「ななな、何言ってるんだよミュルテ!」
急に褒められた様な事を言われ慌てるシルマを、ミュルテは笑いながらシルマを落ち着かせていた。
「ミュルテ。いい友達が出来たな」
「うん、お姉ちゃん」
「名前呼びなのか、我が妹呼びなのか、どっちかにしろと言うツッコミは今は後回しにして、何でエリス先輩と貴方たちが一緒にいるの!?」
ウィルはマートルが全くエリスに対して反応していないので、我慢が出来ずに自分から切り込みに行った。
「ダメだった?」
「い、いいや、ダメとかではなくてですね。どうして、そのメンツと一緒にいるのか分からなくて……」
「あ~なるほど」
するとエリスがここまでの経緯を話し始めた。
――遡る事15分前
エリスがクリスたちと別れて5分程経過した頃だった。
「さてと、そろそろ行こうかな」
飲み物も飲み終わり、エリスがその場を立ち去ろうとした時偶然トウマたちと出くわし、ミュルテが声を掛けたのだった。
「エリス先輩?」
「ん? 確か貴方は、ミュルテだったかな?」
「そうです。お久しぶりです、エリス先輩」
「え? ミュルテ、エリス先輩と知り合いなの?」
「まぁ、少しね」
シルマが小声で訊ねるとミュルテも小声で答えた。
トウマはと言うと、黙ったまままじまじとエリスの方を見ていた。
「(エリス・クリセントだ。遠くで見るよりも、まじかで見た方がやっぱり綺麗だな~会うのは初めてだけど)」
そう見惚れていると、エリスと目が合いドキッとするトウマ。
「君、トウマ・ユーリスだよね?」
「あ、はい。そうですけど」
「ふ~ん。君がトウマ・ユーリスね」
エリスは何故か、トウマの事をじろじろと見ただけで、特に言う事はなくミュルテの方へと目線を戻した。
「で、貴方たちは何してたの?」
「それが友達とはぐれてしまって」
「貴方たちも? さっきクリスたちも同じ様な事言ってけど。珍しいわね、友達とはぐれた人たちと連続で遭遇するなんて」
「エリス先輩、クリスたちって一緒にいたんですか!?」
「え、えぇ……」
ミュルテの反応に驚くエリスだったが、その後ミュルテから事情を聞きエリスも何となく状況が分かり、ルークとの事やクリスたちと会った事を伝えた。
ついでに初対面であったシルマと、何故名前を知られているのか分からなかったトウマも一応自己紹介をした。
「クリスたちがはぐれたと言っていたのは、貴方たちだったのね。本当にさっき別れたばかりだから、急げば追い付くかもしれないね」
「情報ありがとうございます、エリス先輩」
ミュルテが感謝を伝えてると、トウマとシルマも軽く頭を下げた。
そして3人はクリスたちが向かった先へと歩き出そうとした所で、エリスが声を掛けた。
「貴方たちが良ければだけど、一緒に付いて行っていい?」
その問いかけに3人は一度顔を見合わせると、トウマがエリス付いてい来るその理由を聞き返した。
「う~ん、何と言うか一緒にいてみたいんだよね。本当にそれだけだから、迷惑なら断ってもらっていいんだけど」
「……別に俺はいいですけど。2人は?」
トウマがシルマとミュルテの方を向くと、2人も同じ様な反応をしていたので、エリスの同行を断る事はなかった。
そして今に至ると、エリスがウィルに話し終える。
「(え~……そんな理由でエリス先輩が後輩の後を付いて来るの? 信じられない……でも本人がそう言ってるし、他の3人の表情も嘘を言っている感じじゃないし、本当にそんな理由なの?)」
ウィルは理由を聞いても、未だに信じられずにいた。
「それで我が妹よ。どうしてこんな所にエリス先輩も一緒にいるんだ? 待ち合わせか?」
「私じゃなくて友達の方なんだけど、友達が待ち合わせしていた人が来ないから探しに行ったら、その本人たちともはぐれちゃったんだよ」
「ふーん。ちなみに名前は?」
「探してたのはルーク様で、はぐれたのはクリス」
そこでマートルとウィルが目を丸くする。
「ルーク様なら、先程ここに居たがジュリルと一緒にクリスを探しに行ってしまったよ」
するとウィルが顔に手を当てて、軽く首を振っていたのを目にしてマートルは何かに気付き「あっ」と小さく声が出た。
ジュリルの為にお膳立てしたが、ここまで話してしまったら呼び戻すほかないという事にそこで気付いたのであった。
ウィルはさすがにここで嘘を付く気にもならず、仮についてもエリス先輩に見破られると思っていたので、通信用の魔道具の事を話す。
するとミュルテはそれを見て、思い出したのか内ポケットから同じ型の通信用の魔道具を取りだした。
「すっかり忘れてた。そう言えば、今日の為に一応買っておいたんだ。シルマちゃん、モランちゃんにも渡してあったよね?」
「あたいもすっかり忘れてた。モランにも渡してあるし、魔力登録もしてある。後は、モランが持っていればいいが」
「それはやって見れば分かるよ」
トウマはミュルテたちが話していた通信用の魔道具を見るのは初めてで、首を傾げているとエリスが後ろから説明してあげていた。
そしてミュルテとウィルは、通信用の魔道具を使いモランとジュリルに対して通信を開始した。
その頃、クリスとモランは人混みの流れで道を間違えて少し迷子になっていた。
「ど、どの道にいるんだ今?」
「え~とこの辺は確か……」
道の端により、2人で目印の様なものを探しているとモランから何か電子音が鳴りだす。
モランはどこからなっているのか探し出し、ポケットから通信用の魔道具を見つけ、それが鳴っているのだと気付く。
「忘れてた。これ貰ってたんだ」
「何だそれ?」
モランが私に通信用の魔道具の存在を教えてくれた。
何だよ、そう言うの持ってるなら早く言ってよ……まぁ、それをモランに今言うのもかわいそうだよな……
と思って私は、それを口には出さなかった。
そしてモランが通信用の魔道具に応答すると、ミュルテの声が聞こえた。
ミュルテから現在の場所を聞き、今の場所を簡単に伝えるとそこからどう戻ればいいかも教えてくれ私たちはその指示通りに動き、元の噴水前に戻れたのだった。
噴水が見えたあたりで、私たちは軽く安堵の息をついた。
その後、始めに待ち合わせしてた場所に向かうとそこには予想外の人物たちもいて私は驚いた。
「エリス先輩!? に、ジュリル? それにウィルとマートルも。何で?」
「さっき振りだね、クリス」
「ちっ、そのまま2人仲良くしてればいいものを……」
「久しぶり、クリス」
何故かウィルは私に対して軽い舌打ちをした後、目線を外されたがすぐにマートルに怒られていた。
「どこ行ってたんだよ、クリス。探したんだぞ」
「悪いトウマ。それにシルマとミュルテも迷惑かけた……で、当の遅れた本人さんは何か言い分はあるんですか?」
私が少し怒った口調でルークに目線を向けると、ルークは「言い訳も何もない、遅れた俺が悪い」とだけ言って頭を下げて謝罪した。
既に私はルークに対しての怒りはなく、ただ歩き疲れたのと人混みに疲れていたのでそれだけ聞き、一度座った。
その後、迷惑を掛けたとルークがこの場全員をご飯に誘い、全員が「行く」と答える。
しかしエリスに対して、ルークは不機嫌そうな顔で睨んでいたが、何も言う事なく移動し始めた。
それからは、ピースに事前に聞いていた穴場スポットで席を分けてだが、全員で遅めの昼食を食べデザートまでご馳走になった。
支払いは宣言通りルークがしに行ったが、途中でエリスがルークに付いて行き何やら軽い話をした後、帰って来た。
そのまま私たちは、エリスの誘いで見晴らしが良いスポットへと移動した。
そこは中心部が芝生となっており、周りはエリスが言った通り見晴らしが良く机と椅子がいくつも置かれ、そこでくつろぐ人たちがいた。
私たちは各々好きな様にその場で過ごし始め、私は近くで飲み物を買いテーブル席に座り景色を眺めていた。
こんな場所があるなんてね……ふ~今日の疲れが癒されていく~
そうやってゆっくりとした時間を過ごしていると、突然近くにルークがやって来る。
「今日はすまなかったな……」
「もういいって。で、何か用があって来たんだろ?」
「……クリス。お前、突然俺たちの前から消えたりしないよな?」
「えっ」
その時、トウマはエリスは人気が少ない所で、2人きりになっていたが重たい空気が流れていた。
「……何でそんな事知ってるんだよ、あんたは?」
「それは言えないけど。本当って事でいいのかな?」
「……」
「黙られると困るな」
「……それを知ってどうするんだ? 誰かに告発でもするのか?」
「それは言えないな」
「なら俺も、これ以上答えるつもりはない」
そう言うって、トウマはその場から立ち去った。
「はぁ~……反応を見る限り、間違ってなさそうだけど。彼から直接聞いた訳じゃないから保留かな。にしても、まさか彼が縁を切っているとはいえ、あの一家の子とはね。驚いたな……」
そしてエリスは、隠し持っていた通信用の魔道具を取り出し誰かと会話をした後、皆の元へと戻って行った。
「そうだねお姉ちゃん。今日は、ウィルちゃんとお出かけ?」
「うん。さっきまでジュリルとルーク様が居たが、ちょうど別れた所だ」
そこにトウマが割り込んで来る。
「ちょ、ちょっとターイム! タイムタイム! え? 2人姉妹なの?」
「えーと、我が妹。こちらは?」
「こっちは、トウマって言う人。それでトウマ、こちらが私のお姉ちゃん」
するとトウマは、「これは丁寧に」と言いながら頭を下げ挨拶をした。
マートルもトウマの挨拶の後に、自己紹介をした。
「へ~同じ学年なのに、姉妹なのか。珍しいな」
「ほとんどの人は知ってるけど、知らない人はシルマちゃん見たいな反応になるの」
トウマがシルマの方を向くと、ポカンと口が開いていた。
「あたい知らなかった……ミュルテと学年TOP3のマートルが姉妹だったなんて……」
「フルネーム聞いたらで普通分かるんだけどね。シルマちゃんは、そこまで見ないおっちょこちょいな所があるからね~」
「だって、髪の色とかも違うし。そんな事一言も言ってなかったじゃないか」
「シルマちゃん。髪の色が同じとかが姉妹の条件じゃないでしょ。と言うか、同じクラスなのに逆に気付かない方が凄いよ。それに、私がお姉ちゃんの事言ってたら接する態度とか変わったりしたの?」
少し覗き込む様に問いかけて来るミュルテにシルマは、恥ずかしいのか目線を外して答えた。
「そ、そんな訳ないだろ。ミュルテはミュルテだ。姉がいようが、それが学年TOP3だろうが関係ない。ただちょっと、驚いただけだ」
「良かった。そう言う所がシルマちゃんの良い所で、私が好きな所」
「ななな、何言ってるんだよミュルテ!」
急に褒められた様な事を言われ慌てるシルマを、ミュルテは笑いながらシルマを落ち着かせていた。
「ミュルテ。いい友達が出来たな」
「うん、お姉ちゃん」
「名前呼びなのか、我が妹呼びなのか、どっちかにしろと言うツッコミは今は後回しにして、何でエリス先輩と貴方たちが一緒にいるの!?」
ウィルはマートルが全くエリスに対して反応していないので、我慢が出来ずに自分から切り込みに行った。
「ダメだった?」
「い、いいや、ダメとかではなくてですね。どうして、そのメンツと一緒にいるのか分からなくて……」
「あ~なるほど」
するとエリスがここまでの経緯を話し始めた。
――遡る事15分前
エリスがクリスたちと別れて5分程経過した頃だった。
「さてと、そろそろ行こうかな」
飲み物も飲み終わり、エリスがその場を立ち去ろうとした時偶然トウマたちと出くわし、ミュルテが声を掛けたのだった。
「エリス先輩?」
「ん? 確か貴方は、ミュルテだったかな?」
「そうです。お久しぶりです、エリス先輩」
「え? ミュルテ、エリス先輩と知り合いなの?」
「まぁ、少しね」
シルマが小声で訊ねるとミュルテも小声で答えた。
トウマはと言うと、黙ったまままじまじとエリスの方を見ていた。
「(エリス・クリセントだ。遠くで見るよりも、まじかで見た方がやっぱり綺麗だな~会うのは初めてだけど)」
そう見惚れていると、エリスと目が合いドキッとするトウマ。
「君、トウマ・ユーリスだよね?」
「あ、はい。そうですけど」
「ふ~ん。君がトウマ・ユーリスね」
エリスは何故か、トウマの事をじろじろと見ただけで、特に言う事はなくミュルテの方へと目線を戻した。
「で、貴方たちは何してたの?」
「それが友達とはぐれてしまって」
「貴方たちも? さっきクリスたちも同じ様な事言ってけど。珍しいわね、友達とはぐれた人たちと連続で遭遇するなんて」
「エリス先輩、クリスたちって一緒にいたんですか!?」
「え、えぇ……」
ミュルテの反応に驚くエリスだったが、その後ミュルテから事情を聞きエリスも何となく状況が分かり、ルークとの事やクリスたちと会った事を伝えた。
ついでに初対面であったシルマと、何故名前を知られているのか分からなかったトウマも一応自己紹介をした。
「クリスたちがはぐれたと言っていたのは、貴方たちだったのね。本当にさっき別れたばかりだから、急げば追い付くかもしれないね」
「情報ありがとうございます、エリス先輩」
ミュルテが感謝を伝えてると、トウマとシルマも軽く頭を下げた。
そして3人はクリスたちが向かった先へと歩き出そうとした所で、エリスが声を掛けた。
「貴方たちが良ければだけど、一緒に付いて行っていい?」
その問いかけに3人は一度顔を見合わせると、トウマがエリス付いてい来るその理由を聞き返した。
「う~ん、何と言うか一緒にいてみたいんだよね。本当にそれだけだから、迷惑なら断ってもらっていいんだけど」
「……別に俺はいいですけど。2人は?」
トウマがシルマとミュルテの方を向くと、2人も同じ様な反応をしていたので、エリスの同行を断る事はなかった。
そして今に至ると、エリスがウィルに話し終える。
「(え~……そんな理由でエリス先輩が後輩の後を付いて来るの? 信じられない……でも本人がそう言ってるし、他の3人の表情も嘘を言っている感じじゃないし、本当にそんな理由なの?)」
ウィルは理由を聞いても、未だに信じられずにいた。
「それで我が妹よ。どうしてこんな所にエリス先輩も一緒にいるんだ? 待ち合わせか?」
「私じゃなくて友達の方なんだけど、友達が待ち合わせしていた人が来ないから探しに行ったら、その本人たちともはぐれちゃったんだよ」
「ふーん。ちなみに名前は?」
「探してたのはルーク様で、はぐれたのはクリス」
そこでマートルとウィルが目を丸くする。
「ルーク様なら、先程ここに居たがジュリルと一緒にクリスを探しに行ってしまったよ」
するとウィルが顔に手を当てて、軽く首を振っていたのを目にしてマートルは何かに気付き「あっ」と小さく声が出た。
ジュリルの為にお膳立てしたが、ここまで話してしまったら呼び戻すほかないという事にそこで気付いたのであった。
ウィルはさすがにここで嘘を付く気にもならず、仮についてもエリス先輩に見破られると思っていたので、通信用の魔道具の事を話す。
するとミュルテはそれを見て、思い出したのか内ポケットから同じ型の通信用の魔道具を取りだした。
「すっかり忘れてた。そう言えば、今日の為に一応買っておいたんだ。シルマちゃん、モランちゃんにも渡してあったよね?」
「あたいもすっかり忘れてた。モランにも渡してあるし、魔力登録もしてある。後は、モランが持っていればいいが」
「それはやって見れば分かるよ」
トウマはミュルテたちが話していた通信用の魔道具を見るのは初めてで、首を傾げているとエリスが後ろから説明してあげていた。
そしてミュルテとウィルは、通信用の魔道具を使いモランとジュリルに対して通信を開始した。
その頃、クリスとモランは人混みの流れで道を間違えて少し迷子になっていた。
「ど、どの道にいるんだ今?」
「え~とこの辺は確か……」
道の端により、2人で目印の様なものを探しているとモランから何か電子音が鳴りだす。
モランはどこからなっているのか探し出し、ポケットから通信用の魔道具を見つけ、それが鳴っているのだと気付く。
「忘れてた。これ貰ってたんだ」
「何だそれ?」
モランが私に通信用の魔道具の存在を教えてくれた。
何だよ、そう言うの持ってるなら早く言ってよ……まぁ、それをモランに今言うのもかわいそうだよな……
と思って私は、それを口には出さなかった。
そしてモランが通信用の魔道具に応答すると、ミュルテの声が聞こえた。
ミュルテから現在の場所を聞き、今の場所を簡単に伝えるとそこからどう戻ればいいかも教えてくれ私たちはその指示通りに動き、元の噴水前に戻れたのだった。
噴水が見えたあたりで、私たちは軽く安堵の息をついた。
その後、始めに待ち合わせしてた場所に向かうとそこには予想外の人物たちもいて私は驚いた。
「エリス先輩!? に、ジュリル? それにウィルとマートルも。何で?」
「さっき振りだね、クリス」
「ちっ、そのまま2人仲良くしてればいいものを……」
「久しぶり、クリス」
何故かウィルは私に対して軽い舌打ちをした後、目線を外されたがすぐにマートルに怒られていた。
「どこ行ってたんだよ、クリス。探したんだぞ」
「悪いトウマ。それにシルマとミュルテも迷惑かけた……で、当の遅れた本人さんは何か言い分はあるんですか?」
私が少し怒った口調でルークに目線を向けると、ルークは「言い訳も何もない、遅れた俺が悪い」とだけ言って頭を下げて謝罪した。
既に私はルークに対しての怒りはなく、ただ歩き疲れたのと人混みに疲れていたのでそれだけ聞き、一度座った。
その後、迷惑を掛けたとルークがこの場全員をご飯に誘い、全員が「行く」と答える。
しかしエリスに対して、ルークは不機嫌そうな顔で睨んでいたが、何も言う事なく移動し始めた。
それからは、ピースに事前に聞いていた穴場スポットで席を分けてだが、全員で遅めの昼食を食べデザートまでご馳走になった。
支払いは宣言通りルークがしに行ったが、途中でエリスがルークに付いて行き何やら軽い話をした後、帰って来た。
そのまま私たちは、エリスの誘いで見晴らしが良いスポットへと移動した。
そこは中心部が芝生となっており、周りはエリスが言った通り見晴らしが良く机と椅子がいくつも置かれ、そこでくつろぐ人たちがいた。
私たちは各々好きな様にその場で過ごし始め、私は近くで飲み物を買いテーブル席に座り景色を眺めていた。
こんな場所があるなんてね……ふ~今日の疲れが癒されていく~
そうやってゆっくりとした時間を過ごしていると、突然近くにルークがやって来る。
「今日はすまなかったな……」
「もういいって。で、何か用があって来たんだろ?」
「……クリス。お前、突然俺たちの前から消えたりしないよな?」
「えっ」
その時、トウマはエリスは人気が少ない所で、2人きりになっていたが重たい空気が流れていた。
「……何でそんな事知ってるんだよ、あんたは?」
「それは言えないけど。本当って事でいいのかな?」
「……」
「黙られると困るな」
「……それを知ってどうするんだ? 誰かに告発でもするのか?」
「それは言えないな」
「なら俺も、これ以上答えるつもりはない」
そう言うって、トウマはその場から立ち去った。
「はぁ~……反応を見る限り、間違ってなさそうだけど。彼から直接聞いた訳じゃないから保留かな。にしても、まさか彼が縁を切っているとはいえ、あの一家の子とはね。驚いたな……」
そしてエリスは、隠し持っていた通信用の魔道具を取り出し誰かと会話をした後、皆の元へと戻って行った。
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