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第124話 出まかせ
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ヒビキが開けた扉にぶつかって来たのは、オービンであったのだった。
オービンは手を拘束されている状態で、かなりの全力疾走をしていたのか息が乱れていた。
そしてオービンがそこでやっとルークたちの存在に気付き、目を見開いた。
「えっ、ヒビキ!? それにルークにトウマ君も。何でここに?」
ルークたちもまさかオービンにこんな所でこんな形で再開するとは思っておらず、その場で少し固まっていた。
するとオービンは両手が拘束されたまま、何とか立ち上がろうとしておりそれを見たトウマが直ぐに駆け寄り手を貸した。
「ありがとう、トウマ君」
「い、いえ。それより、何があったんですか?」
「一言で言えば、逃げて来たんだが……」
と言いつつオービンはその場で背を向け、走って来た方へと視線を向ける。
すると奥からオービンを追って来たと思われる黒いローブを来た奴らが5人現れる。
「今追い付かれた所だ。で、そっちは何でこんな所に?」
「俺たちはクリスを追って来たんです。途中で、ヒビキ先輩に協力してもらって」
トウマの答えにオービンは、チラッとヒビキの方を見て「なるほどね」とだけ呟く。
それを見てヒビキは、目線を下へとずらし小さく舌打ちをした。
ルークはそんなオービンに近付き、小声で問いかけた。
「兄貴、クリスはどうしたんだ?」
「……俺が視界を取り戻した時には、既に一緒ではなかった」
ルークは少し苦しそうに「そうか」と呟きオービンの拘束具を外そうと魔法を使おうとするがオービンに止められる。
「これはただの拘束具じゃない。魔法や魔力と言ったものを完全に受け付けない特殊な物なんだ」
「何でそんな事が分かるんだ、兄貴?」
「直接聞いたんだよ、あいつに」
とオービンが顔で黒いローブを来た奴らの方へと振り、ルークたちがその方向へ視線を向けると奥から唯一黒いローブを被っていない人物が現れる。
「逃げるなんて酷いじゃないですか、オービン先輩」
奥から現れたのは、フェルトであった。
まさかの人物にルークとトウマは動揺するが、オービンが直ぐに目の前のフェルトは偽物であると告げる。
だが2人はすぐには理解出来ずにいた。
その光景を見たフェルトは、小さく口を動かすと黒いローブを来た奴ら5人が一斉にオービン目掛けて突っ込んで来る。
一瞬で距離を詰めて来る速さに、ルークとトウマは反応が遅れてしまう。
だが次の瞬間、オービンとそこへ迫る黒いローブを来た奴らの間を分かつ様に、大きな壁が下から垂直に出現する。
「っ!?」
思いもよらない出来事に驚いているとヒビキが声を上げた。
「何ぼさっとしてんだ! 逃げるぞ!」
と言って、ヒビキは来た道を勢いよく走り出し、オービンもその後を追う。
遅れつつもルークとトウマも急いで後を追うように走り出す。
「ヒビキ、道が分かるのか?」
「分かるわけないだろうが! うる覚えで来た道を戻ってるだけだ! それより、さっきの衝撃はお前がやったのか?」
その問いかけにオービンは走りつつ首を横に振ると「そうか」とだけヒビキは呟く。
するとトウマが後方から前を走るヒビキとオービンに向かって話し掛ける。
「ヒビキ先輩! オービン先輩! これからどうするんです?」
「どうするも何も、もう逃げ切るしかない! 俺はもうさっきので魔力切れ寸前。オービンは拘束状態で、力も使えない。お前ら2人でさっきの人数相手できる訳じゃないだろうが」
「っ……確かに……」
「それに王国軍も来ているか不明の今、もう出来る事は敵と遭遇せずにここを脱出する事のみだ! しかも、その脱出も運頼みと言う最悪の展開だがな!」
「怒ってるのか、ヒビキ?」
突拍子もないオービンかの問いかけに、ヒビキの中で何かが切れた音が聞こえた。
「怒ってるに決まってるだろうが! 何でおめぇは事件の渦中にして、そんなケロッとした顔でいるんだ! こっちとらデートを強制終了させられて付いて来たら、死にそうな目に遭ってるんだよー! だから、俺はお前に関わるのは嫌なんだ!」
「そんな事を言いつつ、お前は結局こんな所まで来て後輩の面倒も見てるなんて、やっぱいい奴だなヒビキ」
まさかの笑顔での返答にヒビキは怒鳴り返した。
「ふ・ざ・け・ん・な! 俺はお前が今後干渉してこない様にする為に、借りを作ろうとしただけだ! 誰が男なんかの面倒を見るかよ! メイナさんの好感度を落とさない為に仕方がなく、やっただけだ!」
「なら、途中で放って帰れば良かっただろう」
「っ! オービン、俺はマジでお前が嫌いだー!」
「あははははっ! 嫌いで結構結構!」
ヒビキは猫が威嚇する様な感じでオービンに言い放つも、オービンはどこか嬉しそうに笑っていた。
そんな光景をルークとトウマは後方から見ていた。
「(兄貴とヒビキ先輩って、どう言う関係なんだ?)」
「(仲がいいのか、悪いのかどっちなんだ、あれは?)」
そしてヒビキとオービンが先頭を走りつつ、何度か分岐路を曲がり一本道を走り抜けると大きく開けた場所へと出たのだった。
「っ! 止まるな! このまま駆け抜ける!」
ヒビキは一瞬でこの場の進む方向から敵でも出てきたら、完全に挟まれて終わると直感し声を上げていた。
しかし、次の通路までの距離は長く未だ半分にも到達していなかった。
「(何だ? 異様に、向こうまでの距離が遠いぞ)」
先頭を走っていたヒビキは全力で走っているにも関わらず、距離が遠すぎる事に少し疑念を抱いていると後方でトウマの足が突然止まる。
それに気付きルークとオービンも止まり、ヒビキを呼び止める。
「はぁ……はぁ……」
「どうしたんだトウマ。急げ」
「分かってる……分かってるんだが、異様に足が重くて進まないんだ……」
「?」
声を掛けたルークがトウマへと近付いた時だった、突然体全体が地面へと引きつけられる様な感覚に陥り、その場で耐える様に固まる。
異変を感じたオービンとヒビキも一歩踏み出した時だった、足が地面にくっついた様に足が重く上がらずになってしまう。
そんな所に背後の通路から黒いローブを来た奴らが3名現れ、来た道の方からは2名の黒いローブを来た奴が現れる。
「急にあんな事をされて驚きましたよ、ヒビキ先輩」
そして遅れてフェルトが走って来た道の方から現れ、ルークが小さく呟いた。
「フェルト……」
「話も聞かないで、急に逃げ出すなんて失礼じゃないですか?」
「失礼もあるか。先に襲って来たのはそっちだろ」
オービンがフェルトに対して反論すると、何故か呆れた様に肩をすくめた。
直後、オービンは信じられない言葉を耳にする。
「何言ってるんですか? そんなの当然じゃないですか。この王国の第一王子事オービン・クリバンスの偽物を見つけたんですから、捕獲して話を聞くのは当然の事です」
「「!?」」
その言葉にルークたちは、一瞬何を言っているのか理解出来ずに固まる。
フェルトはそんな事お構いなく話を続ける。
「ルークたちには黙っていたが、俺は王国の国王直属部隊の暗部組織に所属している。ここには、任務で潜入しているんだ。安心してくれ、この場にいるのは俺の仲間たちだ」
突然のフェルトからの言葉に、混乱し出すルークとトウマ。
しかし直ぐにオービンは反論する声を上げる。
「口から出まかせだ! そんな事をよくも言えたもんだな! お前はフェルト君に擬態している偽物で、周囲の奴らだって王国軍のはずがないだろ!」
「……」
「?」
そこまで言ってオービンはある異変に気付いた。
ここまで声を上げて発言したのに関わらず、ルークやトウマ、そしてヒビキも一切こちらを向かず、声がまるで聞こえていない様な反応をしていたのだった。
「ルーク! トウマ! ヒビキ! 聞こえてないのか?」
オービンは大声を出し、体を動かしながら話し掛けるも、ルークとトウマはフェルトの方を向いたままで、ヒビキに関しては首を傾げていた。
そしてオービンはフェルトの方を向き、黒いローブを来た奴らが音で会話している事を思い出した。
「(やられた……まさか、音で俺の発した声の音とを相殺させているのか)」
オービンはフェルトの方を奥歯を噛みながら睨みつけると、不敵な笑顔で返して来た。
そしてそこに追い打ちを掛ける様にある人物がフェルトの後ろから現れ、ルークたちは自分の目を疑った。
「あ、兄貴がもう1人?」
「嘘だろ……」
「っ!?」
「俺がもう1人!?」
フェルトの横に立ったのは、拘束も何もされていないオービンと瓜二つの人物であった。
オービンは手を拘束されている状態で、かなりの全力疾走をしていたのか息が乱れていた。
そしてオービンがそこでやっとルークたちの存在に気付き、目を見開いた。
「えっ、ヒビキ!? それにルークにトウマ君も。何でここに?」
ルークたちもまさかオービンにこんな所でこんな形で再開するとは思っておらず、その場で少し固まっていた。
するとオービンは両手が拘束されたまま、何とか立ち上がろうとしておりそれを見たトウマが直ぐに駆け寄り手を貸した。
「ありがとう、トウマ君」
「い、いえ。それより、何があったんですか?」
「一言で言えば、逃げて来たんだが……」
と言いつつオービンはその場で背を向け、走って来た方へと視線を向ける。
すると奥からオービンを追って来たと思われる黒いローブを来た奴らが5人現れる。
「今追い付かれた所だ。で、そっちは何でこんな所に?」
「俺たちはクリスを追って来たんです。途中で、ヒビキ先輩に協力してもらって」
トウマの答えにオービンは、チラッとヒビキの方を見て「なるほどね」とだけ呟く。
それを見てヒビキは、目線を下へとずらし小さく舌打ちをした。
ルークはそんなオービンに近付き、小声で問いかけた。
「兄貴、クリスはどうしたんだ?」
「……俺が視界を取り戻した時には、既に一緒ではなかった」
ルークは少し苦しそうに「そうか」と呟きオービンの拘束具を外そうと魔法を使おうとするがオービンに止められる。
「これはただの拘束具じゃない。魔法や魔力と言ったものを完全に受け付けない特殊な物なんだ」
「何でそんな事が分かるんだ、兄貴?」
「直接聞いたんだよ、あいつに」
とオービンが顔で黒いローブを来た奴らの方へと振り、ルークたちがその方向へ視線を向けると奥から唯一黒いローブを被っていない人物が現れる。
「逃げるなんて酷いじゃないですか、オービン先輩」
奥から現れたのは、フェルトであった。
まさかの人物にルークとトウマは動揺するが、オービンが直ぐに目の前のフェルトは偽物であると告げる。
だが2人はすぐには理解出来ずにいた。
その光景を見たフェルトは、小さく口を動かすと黒いローブを来た奴ら5人が一斉にオービン目掛けて突っ込んで来る。
一瞬で距離を詰めて来る速さに、ルークとトウマは反応が遅れてしまう。
だが次の瞬間、オービンとそこへ迫る黒いローブを来た奴らの間を分かつ様に、大きな壁が下から垂直に出現する。
「っ!?」
思いもよらない出来事に驚いているとヒビキが声を上げた。
「何ぼさっとしてんだ! 逃げるぞ!」
と言って、ヒビキは来た道を勢いよく走り出し、オービンもその後を追う。
遅れつつもルークとトウマも急いで後を追うように走り出す。
「ヒビキ、道が分かるのか?」
「分かるわけないだろうが! うる覚えで来た道を戻ってるだけだ! それより、さっきの衝撃はお前がやったのか?」
その問いかけにオービンは走りつつ首を横に振ると「そうか」とだけヒビキは呟く。
するとトウマが後方から前を走るヒビキとオービンに向かって話し掛ける。
「ヒビキ先輩! オービン先輩! これからどうするんです?」
「どうするも何も、もう逃げ切るしかない! 俺はもうさっきので魔力切れ寸前。オービンは拘束状態で、力も使えない。お前ら2人でさっきの人数相手できる訳じゃないだろうが」
「っ……確かに……」
「それに王国軍も来ているか不明の今、もう出来る事は敵と遭遇せずにここを脱出する事のみだ! しかも、その脱出も運頼みと言う最悪の展開だがな!」
「怒ってるのか、ヒビキ?」
突拍子もないオービンかの問いかけに、ヒビキの中で何かが切れた音が聞こえた。
「怒ってるに決まってるだろうが! 何でおめぇは事件の渦中にして、そんなケロッとした顔でいるんだ! こっちとらデートを強制終了させられて付いて来たら、死にそうな目に遭ってるんだよー! だから、俺はお前に関わるのは嫌なんだ!」
「そんな事を言いつつ、お前は結局こんな所まで来て後輩の面倒も見てるなんて、やっぱいい奴だなヒビキ」
まさかの笑顔での返答にヒビキは怒鳴り返した。
「ふ・ざ・け・ん・な! 俺はお前が今後干渉してこない様にする為に、借りを作ろうとしただけだ! 誰が男なんかの面倒を見るかよ! メイナさんの好感度を落とさない為に仕方がなく、やっただけだ!」
「なら、途中で放って帰れば良かっただろう」
「っ! オービン、俺はマジでお前が嫌いだー!」
「あははははっ! 嫌いで結構結構!」
ヒビキは猫が威嚇する様な感じでオービンに言い放つも、オービンはどこか嬉しそうに笑っていた。
そんな光景をルークとトウマは後方から見ていた。
「(兄貴とヒビキ先輩って、どう言う関係なんだ?)」
「(仲がいいのか、悪いのかどっちなんだ、あれは?)」
そしてヒビキとオービンが先頭を走りつつ、何度か分岐路を曲がり一本道を走り抜けると大きく開けた場所へと出たのだった。
「っ! 止まるな! このまま駆け抜ける!」
ヒビキは一瞬でこの場の進む方向から敵でも出てきたら、完全に挟まれて終わると直感し声を上げていた。
しかし、次の通路までの距離は長く未だ半分にも到達していなかった。
「(何だ? 異様に、向こうまでの距離が遠いぞ)」
先頭を走っていたヒビキは全力で走っているにも関わらず、距離が遠すぎる事に少し疑念を抱いていると後方でトウマの足が突然止まる。
それに気付きルークとオービンも止まり、ヒビキを呼び止める。
「はぁ……はぁ……」
「どうしたんだトウマ。急げ」
「分かってる……分かってるんだが、異様に足が重くて進まないんだ……」
「?」
声を掛けたルークがトウマへと近付いた時だった、突然体全体が地面へと引きつけられる様な感覚に陥り、その場で耐える様に固まる。
異変を感じたオービンとヒビキも一歩踏み出した時だった、足が地面にくっついた様に足が重く上がらずになってしまう。
そんな所に背後の通路から黒いローブを来た奴らが3名現れ、来た道の方からは2名の黒いローブを来た奴が現れる。
「急にあんな事をされて驚きましたよ、ヒビキ先輩」
そして遅れてフェルトが走って来た道の方から現れ、ルークが小さく呟いた。
「フェルト……」
「話も聞かないで、急に逃げ出すなんて失礼じゃないですか?」
「失礼もあるか。先に襲って来たのはそっちだろ」
オービンがフェルトに対して反論すると、何故か呆れた様に肩をすくめた。
直後、オービンは信じられない言葉を耳にする。
「何言ってるんですか? そんなの当然じゃないですか。この王国の第一王子事オービン・クリバンスの偽物を見つけたんですから、捕獲して話を聞くのは当然の事です」
「「!?」」
その言葉にルークたちは、一瞬何を言っているのか理解出来ずに固まる。
フェルトはそんな事お構いなく話を続ける。
「ルークたちには黙っていたが、俺は王国の国王直属部隊の暗部組織に所属している。ここには、任務で潜入しているんだ。安心してくれ、この場にいるのは俺の仲間たちだ」
突然のフェルトからの言葉に、混乱し出すルークとトウマ。
しかし直ぐにオービンは反論する声を上げる。
「口から出まかせだ! そんな事をよくも言えたもんだな! お前はフェルト君に擬態している偽物で、周囲の奴らだって王国軍のはずがないだろ!」
「……」
「?」
そこまで言ってオービンはある異変に気付いた。
ここまで声を上げて発言したのに関わらず、ルークやトウマ、そしてヒビキも一切こちらを向かず、声がまるで聞こえていない様な反応をしていたのだった。
「ルーク! トウマ! ヒビキ! 聞こえてないのか?」
オービンは大声を出し、体を動かしながら話し掛けるも、ルークとトウマはフェルトの方を向いたままで、ヒビキに関しては首を傾げていた。
そしてオービンはフェルトの方を向き、黒いローブを来た奴らが音で会話している事を思い出した。
「(やられた……まさか、音で俺の発した声の音とを相殺させているのか)」
オービンはフェルトの方を奥歯を噛みながら睨みつけると、不敵な笑顔で返して来た。
そしてそこに追い打ちを掛ける様にある人物がフェルトの後ろから現れ、ルークたちは自分の目を疑った。
「あ、兄貴がもう1人?」
「嘘だろ……」
「っ!?」
「俺がもう1人!?」
フェルトの横に立ったのは、拘束も何もされていないオービンと瓜二つの人物であった。
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