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第204話 一方的な兄弟関係
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「えっ?」
私は突然のお誘いに驚きの声が出てしまう。
トウマは私の方を見つめたまま、私からの返答を待っていた。
学院祭の日に一緒に回るか……まぁ、特に何か予定があるわけじゃないし、1人回るより2人の方が楽しいよな。
私はそれがトウマが意を決して伝えて来たことだとは分からずに、楽しさと言う面だけで考えていた。
そして、何も予定がある訳でもないし断る理由もないので私は承諾した。
「ま、マジで!? 本当にいいのか?」
「えっ、う、うん。ちょっといきなりの誘いで驚いたけど、承諾しただけで何でトウマが驚くのさ?」
「いやだって、クリスの事だし断るかな~って思ってて」
「何で?」
「え!? だ、だって、その、一応クリスはさ……女の子だし……」
「? 最後の方がぼそぼそって言ってて、聞こえないんだけど」
「いや、何でもないよ! それじゃ、約束だからな」
そう言ってトウマは足早にその場から立ち去っていた。
私はトウマが最後に何を言ったのか気になっていたが、そんなに大した事じゃないだろうと私は思っていると、ふと誰かの視線に気付き教室の後方をへと視線を向けた。
するとそこには、ルークが私の方を見ていた。
私は何か用があるのかと思い声を掛けようとしたが、直ぐにルークは私から視線を逸らすと近くにいたガウェンに話し掛けた。
何よ、ルークの奴。
私が声を掛けようとしているの分かって、ガウェンに話し掛けたでしょ。
ルークの変な態度に私は少し不満を持ったが、別にそんな事今に始まった様な事ではないので暫くしたら私も忘れていた。
「さてと、今日は特に学院祭関連でやる事もないし、ちょっと大図書館に寄ってから帰ろうかな」
そして私は机に置いた荷物を持って教室を後にした。
「いいのかルーク? クリスに何か話す事があったんじゃないのか?」
「いいや、別にないよ。それより、今日は大丈夫か?」
「あぁ、俺は問題ないが、やるのか例のアレ?」
ガウェンからの問い返しにルークはゆっくりと頷いた。
するとガウェンは席から立ち上がり、荷物を持ってルークと共に教室を後にした。
私はと言うと、大図書館に立ち寄ってから寮へと直行する予定であったが、学院内がどこも学院祭に向けて色々と準備をし始めていたので、少し見回ってから帰る事にした。
「お~大食堂ではいくつかのクラスが出店の準備をしてるのか。う~ん、いい匂いがあちこちからしてくるな。これはちょっと楽しみだな~」
私は新しい楽しみが増え、胸弾ませながら次の場所へと向かった。
通路も所々に装飾が付き始めており、お祭り感が増しており共有スペースでは男女がそれぞれに学院祭の準備をしている光景を見れた。
へぇ~合同で出店とか出し物をしたりするのかな?
そんな事を思いつつ、各クラスの前をぶらぶらと歩いていると、突然後方から誰かがしがみついて来た。
「うわっ! 何だ?」
私は突然の事に驚きながらも、誰がしがみついて来たのか振り返ると、そこには物凄く息を切らしたベックスが居たのだった。
「ベックス?」
「はぁー、はぁー、はぁー、助けてくれ、はぁー、はぁー、クリス」
「と、とりあえず、一度息を整えてから話を聞くよベックス」
その後ベックスの息が整うのを待ってから、事情を訊き始めた。
するとベックスはある人物に追われているらしく、その人物に少し強引に出し物に出てくれと強要されているらしい。
「なるほど。で、その人から逃げてると。普通にベックスは断ったんでしょ?」
「もちろんだ。俺にもクラスの出し物があるし、そもそも別のクラスの出し物に出るつもりはないって」
「そしたら相手は、それでもいいから出て欲しいと迫って来たと?」
「そうなんだよ……もう、どうしていいか」
「先生に言えばいいんじゃね?」
「はっ! そうか」
いやいや、何故そこに辿り着かないんだよベックス。
私は最初に必ず思い付きそうな事を思い付かず、その手があったか的な表情で見て来るベックスに対し小さくため息をついた。
「で、その迫って来る人って言うのは――」
と、私が訊き始めた時だった。
後方から勢いよく誰かが迫って来る事に気付き、私は目を細めるとそこにいたダンデがこちらに物凄い勢いで向かって来ていた。
「ダンデ?」
「き、来た! クリス、ダンデが来ても俺の事はバラさないでくれ」
「ちょ、ベックス?」
そう言い残すとベックスは素早く近くの空き教室へと身を潜めて行った。
それから直ぐに私の元にダンデがやって来て、足を止めた。
「おぉ! クリス。こんな所で会うとは偶然だな」
「そ、そうだなダンデ」
「何だ、学院祭に向けて色んな所を見てるのか?」
「まぁそんな所。ダンデは何で走ってるんだ?」
するとダンデは何故か両腕を組み出し、自身満々に話し始めた。
「俺は自分のクラスで筋肉劇ショーをやるから、その要因集めだ。ほぼメンバーは集まっているのだが、あと1人だけ了承を得てなくてなそいつを追っている所なんだ」
あ~なるほど、これはベックスも逃げたくなるわ。
大運動会後からベックスはダンデと一緒にダイモン寮長の下で特訓とかしていたから、その関係でダンデに気に入られたんだろうな~。
「ちなみにその1人って言うのは誰なんだ?」
「あぁ、そいつは俺の兄弟分でもありクリスのクラスメイトでもある、ベックスだ!」
おぉ~兄弟分とまで言われてしまう関係になっていたのかベックス。
私はその関係に少し圧倒されていると、ダンデは「早くベックスを追いかけなければ」と言って直ぐに立ち去っていた。
「あ、嵐の様な感じだった……」
その後ダンデが立ち去ったと分かり、ベックスが隠れていた空き教室から出て来た直後だった。
目の前に突然ダンデが返り戻って来た。
「あははは! あれで隠れてつもりだったかベックス! いや、兄弟よ!」
「ぎやぁぁぁぁー! く、来るなダンデ!」
そう言ってベックスは勢いよくその場で振り返り、窓へ向かって一直線に走るとそのまま窓を突き破って逃げ出した。
「俺から逃げられると思うなよ兄弟! どこまでも追い続けてやるぞー! あはははは!」
ダンデは高笑いしながらベックスの後を追いかけて行き、ベックスが突き破った窓を同じ様に飛び込んで行ったのだった。
私や周囲にいた生徒たちはそれをただただ、呆然と見ている事しか出来ず、2人が立ち去ったのと同時に何もなかったかの様に動き始めた。
「ここ3階だけど……いや、あの2人には関係ないか。と言うか、絶対に後で怒られるなあの2人」
案の定、ベックスとダンデはその後教員に見つかりこっぴどく怒られたらしい。
私もその後何も見なかったかのように、また歩き始めた廊下で掲示板に大きく張り出された物の前で足が止まった。
「学院祭での研究発表一覧か。こんなものが張り出されていたのか」
私はその場でじっと研究発表一覧を眺め続けた。
「やっぱり第3学年の人たちが多いな。オービン先輩にミカロス先輩も出すのか。後は、エメル寮長もやるのか」
各先輩方の研究発表のタイトルだけで、物凄く興味がそそられる物が多く、今すぐにでも話を聞きたい内容ばかりで私は少し鼻息が荒くなっていた。
「ミカロス先輩の『拒絶反応が起こる魔法の原因とその調査結果』も気になるけど、エメル寮長の『魔力高濃度により体内魔力の活性化と意識の並列処理について』って言う内容も興味が湧く。後オービン先輩の――」
「へぇ~こう言うのに興味がある奴だったのか、お前」
「えっ?」
私は突然真横から声を掛けて来た人の方を向くと、そこにはエメルの姿があった。
「エ、エエ、エメル寮長!?」
「よぉ、クリス」
私は突然のお誘いに驚きの声が出てしまう。
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私はそれがトウマが意を決して伝えて来たことだとは分からずに、楽しさと言う面だけで考えていた。
そして、何も予定がある訳でもないし断る理由もないので私は承諾した。
「ま、マジで!? 本当にいいのか?」
「えっ、う、うん。ちょっといきなりの誘いで驚いたけど、承諾しただけで何でトウマが驚くのさ?」
「いやだって、クリスの事だし断るかな~って思ってて」
「何で?」
「え!? だ、だって、その、一応クリスはさ……女の子だし……」
「? 最後の方がぼそぼそって言ってて、聞こえないんだけど」
「いや、何でもないよ! それじゃ、約束だからな」
そう言ってトウマは足早にその場から立ち去っていた。
私はトウマが最後に何を言ったのか気になっていたが、そんなに大した事じゃないだろうと私は思っていると、ふと誰かの視線に気付き教室の後方をへと視線を向けた。
するとそこには、ルークが私の方を見ていた。
私は何か用があるのかと思い声を掛けようとしたが、直ぐにルークは私から視線を逸らすと近くにいたガウェンに話し掛けた。
何よ、ルークの奴。
私が声を掛けようとしているの分かって、ガウェンに話し掛けたでしょ。
ルークの変な態度に私は少し不満を持ったが、別にそんな事今に始まった様な事ではないので暫くしたら私も忘れていた。
「さてと、今日は特に学院祭関連でやる事もないし、ちょっと大図書館に寄ってから帰ろうかな」
そして私は机に置いた荷物を持って教室を後にした。
「いいのかルーク? クリスに何か話す事があったんじゃないのか?」
「いいや、別にないよ。それより、今日は大丈夫か?」
「あぁ、俺は問題ないが、やるのか例のアレ?」
ガウェンからの問い返しにルークはゆっくりと頷いた。
するとガウェンは席から立ち上がり、荷物を持ってルークと共に教室を後にした。
私はと言うと、大図書館に立ち寄ってから寮へと直行する予定であったが、学院内がどこも学院祭に向けて色々と準備をし始めていたので、少し見回ってから帰る事にした。
「お~大食堂ではいくつかのクラスが出店の準備をしてるのか。う~ん、いい匂いがあちこちからしてくるな。これはちょっと楽しみだな~」
私は新しい楽しみが増え、胸弾ませながら次の場所へと向かった。
通路も所々に装飾が付き始めており、お祭り感が増しており共有スペースでは男女がそれぞれに学院祭の準備をしている光景を見れた。
へぇ~合同で出店とか出し物をしたりするのかな?
そんな事を思いつつ、各クラスの前をぶらぶらと歩いていると、突然後方から誰かがしがみついて来た。
「うわっ! 何だ?」
私は突然の事に驚きながらも、誰がしがみついて来たのか振り返ると、そこには物凄く息を切らしたベックスが居たのだった。
「ベックス?」
「はぁー、はぁー、はぁー、助けてくれ、はぁー、はぁー、クリス」
「と、とりあえず、一度息を整えてから話を聞くよベックス」
その後ベックスの息が整うのを待ってから、事情を訊き始めた。
するとベックスはある人物に追われているらしく、その人物に少し強引に出し物に出てくれと強要されているらしい。
「なるほど。で、その人から逃げてると。普通にベックスは断ったんでしょ?」
「もちろんだ。俺にもクラスの出し物があるし、そもそも別のクラスの出し物に出るつもりはないって」
「そしたら相手は、それでもいいから出て欲しいと迫って来たと?」
「そうなんだよ……もう、どうしていいか」
「先生に言えばいいんじゃね?」
「はっ! そうか」
いやいや、何故そこに辿り着かないんだよベックス。
私は最初に必ず思い付きそうな事を思い付かず、その手があったか的な表情で見て来るベックスに対し小さくため息をついた。
「で、その迫って来る人って言うのは――」
と、私が訊き始めた時だった。
後方から勢いよく誰かが迫って来る事に気付き、私は目を細めるとそこにいたダンデがこちらに物凄い勢いで向かって来ていた。
「ダンデ?」
「き、来た! クリス、ダンデが来ても俺の事はバラさないでくれ」
「ちょ、ベックス?」
そう言い残すとベックスは素早く近くの空き教室へと身を潜めて行った。
それから直ぐに私の元にダンデがやって来て、足を止めた。
「おぉ! クリス。こんな所で会うとは偶然だな」
「そ、そうだなダンデ」
「何だ、学院祭に向けて色んな所を見てるのか?」
「まぁそんな所。ダンデは何で走ってるんだ?」
するとダンデは何故か両腕を組み出し、自身満々に話し始めた。
「俺は自分のクラスで筋肉劇ショーをやるから、その要因集めだ。ほぼメンバーは集まっているのだが、あと1人だけ了承を得てなくてなそいつを追っている所なんだ」
あ~なるほど、これはベックスも逃げたくなるわ。
大運動会後からベックスはダンデと一緒にダイモン寮長の下で特訓とかしていたから、その関係でダンデに気に入られたんだろうな~。
「ちなみにその1人って言うのは誰なんだ?」
「あぁ、そいつは俺の兄弟分でもありクリスのクラスメイトでもある、ベックスだ!」
おぉ~兄弟分とまで言われてしまう関係になっていたのかベックス。
私はその関係に少し圧倒されていると、ダンデは「早くベックスを追いかけなければ」と言って直ぐに立ち去っていた。
「あ、嵐の様な感じだった……」
その後ダンデが立ち去ったと分かり、ベックスが隠れていた空き教室から出て来た直後だった。
目の前に突然ダンデが返り戻って来た。
「あははは! あれで隠れてつもりだったかベックス! いや、兄弟よ!」
「ぎやぁぁぁぁー! く、来るなダンデ!」
そう言ってベックスは勢いよくその場で振り返り、窓へ向かって一直線に走るとそのまま窓を突き破って逃げ出した。
「俺から逃げられると思うなよ兄弟! どこまでも追い続けてやるぞー! あはははは!」
ダンデは高笑いしながらベックスの後を追いかけて行き、ベックスが突き破った窓を同じ様に飛び込んで行ったのだった。
私や周囲にいた生徒たちはそれをただただ、呆然と見ている事しか出来ず、2人が立ち去ったのと同時に何もなかったかの様に動き始めた。
「ここ3階だけど……いや、あの2人には関係ないか。と言うか、絶対に後で怒られるなあの2人」
案の定、ベックスとダンデはその後教員に見つかりこっぴどく怒られたらしい。
私もその後何も見なかったかのように、また歩き始めた廊下で掲示板に大きく張り出された物の前で足が止まった。
「学院祭での研究発表一覧か。こんなものが張り出されていたのか」
私はその場でじっと研究発表一覧を眺め続けた。
「やっぱり第3学年の人たちが多いな。オービン先輩にミカロス先輩も出すのか。後は、エメル寮長もやるのか」
各先輩方の研究発表のタイトルだけで、物凄く興味がそそられる物が多く、今すぐにでも話を聞きたい内容ばかりで私は少し鼻息が荒くなっていた。
「ミカロス先輩の『拒絶反応が起こる魔法の原因とその調査結果』も気になるけど、エメル寮長の『魔力高濃度により体内魔力の活性化と意識の並列処理について』って言う内容も興味が湧く。後オービン先輩の――」
「へぇ~こう言うのに興味がある奴だったのか、お前」
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