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第230話 クマの被り物
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「と、まぁこんか感じだ」
「えっオービン先輩に、そんな事させたの? 信じられない」
「嘘じゃない。兄貴にはお願いして、引き受けてくれたんだ」
私はルークの言葉に衝撃を受けて、オービンが女性ぽくなった想像をしたが、全く想像出来ずに止めた。
「何でそんな嘘をついたのよ」
「お前を助けてやる為だよ……」
「うっ……そこまでしなくても……」
「なら、あの状況を切り抜けられたのか?」
「……バレないって言う可能性もあった」
「呆れた。トウマは薄々気付いていたんじゃないのか? まぁ、あの時のもしもの話をしていても仕方ないだろ」
そう言ってルークは急に立ち上がった。
「それで、お前のその状態はいつまでなんだ?」
「えっ、あ~確かフェンさんが言うには夕刻だって」
「そうか。それでお前はそれまでどうするんだ?」
「どうするって言われても……隠れるとか?」
「何で疑問系なんだよ。決まってないなら、まずその服装変えたらどうだ?」
「変えたらって簡単に言うけど、ないからこれなんですけど?」
私はルークに対して少しふてくされた様に答えると、ルークはうっすらと笑う。
「あれば着替えるんだな」
「そりゃ私だって、こんな目立つような服装変えたいけど一応借り物だし」
「なら行くぞ、クリス」
そう言ってルークは急に歩き出し始めた。
「ちょ、ちょっと! どこ行くの?」
「服が沢山ある所だよ。そのままじゃ、あいつらにも見つかるだろ。だから着替えるんだよ」
ルークは私にそう言い返して来て、途中で足を止めて私が来るのを待っていた。
私はベンチに座ったままルークの方を見続けた。
いや、そんな場所ある? てか、顔が私をいじる時の感じだからいい予感はしないんだよね。
私は付いて行くがどうか悩んでいると、遠くからトウマが私の名前を呼んで探している声が聞こえた。
その声はルークにも聞こえていた。
トウマ!? まさか、私の事に気付いた? いや、それはない……とも言い切れないよね……
そこへルークが私へと近付いて来て、突然私の手を取って引っ張って来た。
「行くぞ、クリス」
「ルーク!?」
私はそのままルークに手を取られたまま、ルークの後を付いて行った。
そのまま私たちは再び校舎の中へと入って行った。
「はぁー、はぁー、はぁー、何かこっちの方でルークに似た奴が見えた気がしたんだがな。くっそ、どこ行ったんだあいつ~」
一方でトウマは、その場で膝に手を付いて暫く休憩した後、再びルークを探しに歩き出すのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ここ、どこ?」
私はルークに連れられるままついて来て、ある準備室の様な部屋に入っていた。
周囲には箱の山やレプリカの剣や銃と言った物もある様な場所であった。
ルークはそんな部屋の中で、何か箱を探していると目当ての物を見つけたのか、私を呼び寄せた。
私はルークの方へと向かった。
「ねぇ、聞いてるルーク?」
「ここは、演劇を出し物として奴らの衣装とかの一時置き場部屋だ。それで、目当ての物がこれだ」
「これって」
そこに置いてあったのは、私たちが出し物でやったいた喫茶店時に来ていた一部の衣装であった。
「えっ、もしかしてこれ着るの?」
私は恐る恐るルークに訊ねると、ルークはいたずらっ子の様な顔をして笑いかけて来ていた。
「まぁ、どうするかはお前次第だ。俺は外にいるから、どうするかは自分で決めて出て来るといい。まぁ、そんなに時間はないと思うが」
それだけ言い残すとルークは教室から出て行ってしまう。
私は一応箱の中ら服を取り出したが、さすがにコスプレ衣装を着るのは無理だと思いそっと箱へと戻した
そのまま私は着替える事無く教室から出ようと扉へと向かうと、外でルークが誰かと話していた。
私は扉を開けずに、そっと耳を押し付けた。
「やっと見つけたぞ、ルーク!」
トウマ?
「何だよトウマ。そんなに息を切らして、どうしたんだ?」
「とぼけるなルーク。お前がクリスと一緒に居るのは、分かってるんだ」
えっ、もしかして私バレてた?
「何言ってるんだよトウマ。俺は1人だろ」
「いいや、どうせその後ろの教室にいるんじゃないのか? てか、何であの時嘘付いたんだよルーク」
「別に嘘をついた訳じゃない。言ったように人はいたろ?」
「屁理屈言いやがって」
「で、クリスは見つかったのか?」
「だから、お前と一緒にいるんだろって」
「いねぇよ」
「嘘つけ。だったら、そこからどいて教室を見せろ」
「別にいいぞ。見てもクリスはいないけどな、お前の気が済むならご自由に」
ちょっと! 私いるんですけど!? 何考えてるのルーク! ……いやちょっと待て、別にトウマにバレても問題ないのでは?
一瞬そんな考えが頭をよぎったが、今の服装や状態を考えた時にこれをトウマに見られて、さっきまで嘘を演じていた事がバレるのは、嫌だなと私は思い始めた。
ここまで来たらバレずに突き通したい。
アリアと言う人物は、私とは全くの別人なんだ。
私は扉から離れて周囲の箱や物を見て、私とバレない様に変装し直そうとするが、既に外ではトウマが教室の扉に手を掛けていた。
そして外からトウマが扉を開けるとルークに言った声が聞こえて、咄嗟に私は近くにあった物をとって箱の山に姿を隠した。
「うわっ、何だこの教室。荷物の山だな」
「だから言ったろ。クリスは居ないって。そこは演劇する奴らの荷物置き場だよ」
ルークは教室の外から教室内に入り周囲をキョロキョロとするトウマに話した。
トウマはそれを聞きつつも、教室内へと進み誰かいないかと探し続けていた。
私にはどんどんと近づいて来るトウマの足音に、緊張していた。
「(居ないな……本当にルークの言う通り、誰も居ないのか? ん?)」
その時トウマは、箱の山の隅に誰かいる事に気付く。
「何だよ、やっぱりいるじゃねぇかよク……えっ?」
私はトウマに話し掛けれて振り返ると、トウマは何故か口を開けたまま黙ってしまう。
「あっ……え~っと、ごめんなさい。人違いでした……」
「……」
そのままトウマは教室の入って来た扉へと向かって行った。
そしてルークと何か話した後、どこかへと行ってしまった。
その後にルークが教室に入って来ると、扉を閉めて私の方へとやって来た。
「どんな格好し……ぶっ、何だよそれ」
「しょうがないでしょ。これが手元にあったんだから」
ルークは私の姿を見て、思いっきり笑い出した。
「そんなに笑わなくても」
「だって、まさかそんな被り物するとは思わないだろ。あははは!」
その時の私の姿は、頭にクマのキャラクターの被り物をした状態で少し声が籠っている状態である。
更に白衣を纏っている状態だったから、トウマもあんな反応をしたんだと思う。
そして私は被り物をとって、軽く首を振った。
その間もルークは小さく笑い続けていた。
本当にいい性格してるわ、こいつ……
私はそんな風に思いながら、被り物を元の場所に戻した。
その直後、学院中に学院祭2日目終了間近の合図が鳴り響くのだった。
「えっオービン先輩に、そんな事させたの? 信じられない」
「嘘じゃない。兄貴にはお願いして、引き受けてくれたんだ」
私はルークの言葉に衝撃を受けて、オービンが女性ぽくなった想像をしたが、全く想像出来ずに止めた。
「何でそんな嘘をついたのよ」
「お前を助けてやる為だよ……」
「うっ……そこまでしなくても……」
「なら、あの状況を切り抜けられたのか?」
「……バレないって言う可能性もあった」
「呆れた。トウマは薄々気付いていたんじゃないのか? まぁ、あの時のもしもの話をしていても仕方ないだろ」
そう言ってルークは急に立ち上がった。
「それで、お前のその状態はいつまでなんだ?」
「えっ、あ~確かフェンさんが言うには夕刻だって」
「そうか。それでお前はそれまでどうするんだ?」
「どうするって言われても……隠れるとか?」
「何で疑問系なんだよ。決まってないなら、まずその服装変えたらどうだ?」
「変えたらって簡単に言うけど、ないからこれなんですけど?」
私はルークに対して少しふてくされた様に答えると、ルークはうっすらと笑う。
「あれば着替えるんだな」
「そりゃ私だって、こんな目立つような服装変えたいけど一応借り物だし」
「なら行くぞ、クリス」
そう言ってルークは急に歩き出し始めた。
「ちょ、ちょっと! どこ行くの?」
「服が沢山ある所だよ。そのままじゃ、あいつらにも見つかるだろ。だから着替えるんだよ」
ルークは私にそう言い返して来て、途中で足を止めて私が来るのを待っていた。
私はベンチに座ったままルークの方を見続けた。
いや、そんな場所ある? てか、顔が私をいじる時の感じだからいい予感はしないんだよね。
私は付いて行くがどうか悩んでいると、遠くからトウマが私の名前を呼んで探している声が聞こえた。
その声はルークにも聞こえていた。
トウマ!? まさか、私の事に気付いた? いや、それはない……とも言い切れないよね……
そこへルークが私へと近付いて来て、突然私の手を取って引っ張って来た。
「行くぞ、クリス」
「ルーク!?」
私はそのままルークに手を取られたまま、ルークの後を付いて行った。
そのまま私たちは再び校舎の中へと入って行った。
「はぁー、はぁー、はぁー、何かこっちの方でルークに似た奴が見えた気がしたんだがな。くっそ、どこ行ったんだあいつ~」
一方でトウマは、その場で膝に手を付いて暫く休憩した後、再びルークを探しに歩き出すのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ここ、どこ?」
私はルークに連れられるままついて来て、ある準備室の様な部屋に入っていた。
周囲には箱の山やレプリカの剣や銃と言った物もある様な場所であった。
ルークはそんな部屋の中で、何か箱を探していると目当ての物を見つけたのか、私を呼び寄せた。
私はルークの方へと向かった。
「ねぇ、聞いてるルーク?」
「ここは、演劇を出し物として奴らの衣装とかの一時置き場部屋だ。それで、目当ての物がこれだ」
「これって」
そこに置いてあったのは、私たちが出し物でやったいた喫茶店時に来ていた一部の衣装であった。
「えっ、もしかしてこれ着るの?」
私は恐る恐るルークに訊ねると、ルークはいたずらっ子の様な顔をして笑いかけて来ていた。
「まぁ、どうするかはお前次第だ。俺は外にいるから、どうするかは自分で決めて出て来るといい。まぁ、そんなに時間はないと思うが」
それだけ言い残すとルークは教室から出て行ってしまう。
私は一応箱の中ら服を取り出したが、さすがにコスプレ衣装を着るのは無理だと思いそっと箱へと戻した
そのまま私は着替える事無く教室から出ようと扉へと向かうと、外でルークが誰かと話していた。
私は扉を開けずに、そっと耳を押し付けた。
「やっと見つけたぞ、ルーク!」
トウマ?
「何だよトウマ。そんなに息を切らして、どうしたんだ?」
「とぼけるなルーク。お前がクリスと一緒に居るのは、分かってるんだ」
えっ、もしかして私バレてた?
「何言ってるんだよトウマ。俺は1人だろ」
「いいや、どうせその後ろの教室にいるんじゃないのか? てか、何であの時嘘付いたんだよルーク」
「別に嘘をついた訳じゃない。言ったように人はいたろ?」
「屁理屈言いやがって」
「で、クリスは見つかったのか?」
「だから、お前と一緒にいるんだろって」
「いねぇよ」
「嘘つけ。だったら、そこからどいて教室を見せろ」
「別にいいぞ。見てもクリスはいないけどな、お前の気が済むならご自由に」
ちょっと! 私いるんですけど!? 何考えてるのルーク! ……いやちょっと待て、別にトウマにバレても問題ないのでは?
一瞬そんな考えが頭をよぎったが、今の服装や状態を考えた時にこれをトウマに見られて、さっきまで嘘を演じていた事がバレるのは、嫌だなと私は思い始めた。
ここまで来たらバレずに突き通したい。
アリアと言う人物は、私とは全くの別人なんだ。
私は扉から離れて周囲の箱や物を見て、私とバレない様に変装し直そうとするが、既に外ではトウマが教室の扉に手を掛けていた。
そして外からトウマが扉を開けるとルークに言った声が聞こえて、咄嗟に私は近くにあった物をとって箱の山に姿を隠した。
「うわっ、何だこの教室。荷物の山だな」
「だから言ったろ。クリスは居ないって。そこは演劇する奴らの荷物置き場だよ」
ルークは教室の外から教室内に入り周囲をキョロキョロとするトウマに話した。
トウマはそれを聞きつつも、教室内へと進み誰かいないかと探し続けていた。
私にはどんどんと近づいて来るトウマの足音に、緊張していた。
「(居ないな……本当にルークの言う通り、誰も居ないのか? ん?)」
その時トウマは、箱の山の隅に誰かいる事に気付く。
「何だよ、やっぱりいるじゃねぇかよク……えっ?」
私はトウマに話し掛けれて振り返ると、トウマは何故か口を開けたまま黙ってしまう。
「あっ……え~っと、ごめんなさい。人違いでした……」
「……」
そのままトウマは教室の入って来た扉へと向かって行った。
そしてルークと何か話した後、どこかへと行ってしまった。
その後にルークが教室に入って来ると、扉を閉めて私の方へとやって来た。
「どんな格好し……ぶっ、何だよそれ」
「しょうがないでしょ。これが手元にあったんだから」
ルークは私の姿を見て、思いっきり笑い出した。
「そんなに笑わなくても」
「だって、まさかそんな被り物するとは思わないだろ。あははは!」
その時の私の姿は、頭にクマのキャラクターの被り物をした状態で少し声が籠っている状態である。
更に白衣を纏っている状態だったから、トウマもあんな反応をしたんだと思う。
そして私は被り物をとって、軽く首を振った。
その間もルークは小さく笑い続けていた。
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