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第236話 後夜祭
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私たちがグラウンド近くに到着すると、タイミングよく後夜祭の開始アナウンスが流れた。
それと同時に、楽し気な音楽が流れ始める。
凄い! うちの生徒以外にもたくさんの人が後夜祭に参加してるのが分かる。
私はグラウンドへと降りる階段前で、少し驚いているとグラウンドの中心に建てられた薪に火が放たれ、勢いよく燃え始める。
またグラウンドには、まだ飲食の出店しているクラスもあったり、ゲームの様に遊べる出店をしてるクラスもあり賑わっていた。
「学院祭とはちょっと違うお祭りだ」
私がそう呟くとルークが「確かにそうだな」とまるでその光景を初めて見たような相槌をして来た。
「え、ルークは去年も見てるんじゃないの?」
「何でそう思うんだ?」
「だって、去年も学院に居たでしょ?」
その問いかけにルークは少し黙ってから口を開いた。
「別に学院祭は強制参加じゃないからな、俺は去年寮に籠って魔法研究してたんだよ」
「えっ……暗」
私は率直に思った事を口に出してしまうと、ルークが私の方を軽く睨んで来た。
「暗くて悪かったな……あの頃は兄貴の事で頭が一杯だったんだよ」
そっか、去年って言ってもその頃は今の様な兄弟関係じゃないし、クラス内の状況も違ったんだよね。
確かに初めて会った時のルークだったら、絶対に参加しなさそうだもんね。
そんな事を考えたら、ルークも半年で結構トゲがなくなったなと思い少し笑ってしまった。
「何だよ急に」
「いや、ルークも会った時に比べてツンツンさがなくなったな~と思って」
「なっ……別にツンツンなんてしてねぇ! 考えが違かっただけだ」
「そんなに怒んないでよ~ちょっと懐かしいなって思っただけよ」
「たっく」
ルークはそう呟くと、先に階段を下りて行きグラウンドへと向かって行った。
私は珍しくルークをいじって、いつもの様な一方的なからかいじゃない状況になり、少し嬉しくなった。
ふふふ……珍しくからかってやったぞ。
このネタはもう少し使えそうかもな。
これまで一方的にからかって来た仕返しが出来そうだ。
そうだ、今度トウマとかにも教えてやられる側の恥ずかしい気持ちを少し味わってもらおう。
私は不敵な笑みを浮かべながら、ルークの後を付いて行った。
そして私たちはグラウンドに降りて、出店している店を見て回った。
軽食を売っていた店では食べ歩き用にそれを買い、面白そうなゲーム性のある出店の所では軽い勝負を行った。
そんな事をしていて私はすっかりと忘れていたのだ。
自分の状態が全然元に戻っていない事に。
「何で、だー!」
そう言って私は力強く目の前にぶら下がった、パンチ力測定魔道具に向かって渾身の右ストレートを叩き込んだ。
直後、パンチ力想定魔道具が今日№1の数値を叩きだした。
「お~すげぇなアンタ。今日女子の部門で一位だぞ」
「はぁ、はぁ、ぜっぜん嬉しくないです。はぁ、はぁ……」
「何かストレス溜まってたんだな。スコア更新プレゼントだ、あそこの旨い店で使える食事券だ」
私は目の前にそう言って出されたチケットを受け取った。
フェンさんめ~どう言う事なんですか! 全然元に戻ってない!
心ではそう叫びつつ、私は右手に付けた専用グローブを外した直後だった。
隣の男子専用パンチ力測定魔道具へと、拳を叩き込んで物凄い音が聞こえて来たので私が視線を向けると、そこにはルークが全力で右ストレートを叩き込んだ姿があった。
おいおい、何だ今の音は。
殴って出る様な音なのか? あんなやばい音出るなら、お前のパンチはもう殺人級の物なんじゃないのか?
私は少し引いた目でルークの方を見ていると、そちらでも今日の最高スコアだったらしく同じくチケットを受け取っていた。
その後、私は店の外近くでルークを待っていると、ルークは周囲の野次馬たち(主に女性たち)に囲まれていた。
「今の凄かったです! なんてお名前なんですか?」
「あの、もしかしてお1人ですか? よかったら私たちと一緒に回りませんか?」
「きゃーこっちを向いて下さい!」
うわ~すげぇ人気……てか、ルークって気付かないもんなんだな。
あいつもいつもルークじゃなくて、執事役を楽しんで演じている様に見えるな。
私は軽くもたれ掛かりながら、腕を組んでルークの方を見ていた。
あんなにちやほやされてさ、私だって同じ様な結果なのに、ルークみたいに誰も寄ってこなかったんですけど? 何でですかね?
私は右手の人差し指だけを動かして、ちょっとイライラした感じで周囲を見ていると、私と目が合った男性がそっと目線を外して立ち去って行った。
はぁ~あんなパワーを乙女には求めていませんよね~はいはい、分かってます分かってますよ~
私だって出したくて出した訳じゃないし、ただあの時はちょうど怒りが乗ったって言うか、何て言うか……別にいつも物凄く力強い訳じゃないんだからね!
私はそれを誰に言うでもなく、ただ心の中で誰かに言い訳する様に言った。
「ここに居たのか、アリス」
「……ずっと居ましたけど、何か?」
私は少しむくれた顔で、ルークにそう言ってルークから顔をそむけた。
「何怒ってるんだよ? お前も同じ様に最高スコア出してただろ」
「そんな所で私が怒るわけないでしょ。てか、怒ってないし」
「嘘付け」
「嘘じゃない」
「……はぁ~、何が気に食わないんだよ」
「別に。ルークと違って私は何もないですよ」
私はルークにそれだけ言って、貰ったチケットの出店場所へと先に向かった。
ルークは一瞬首を傾げたが、近くの男子の小話を聞いて納得した。
「(なるほど、そう言う事か……ダメだな俺は。兄貴だったら、さっと気付くんだろうな)」
ルークは小さくため息をついてから、貰ったチケットの出店場所へと歩き出した。
その後私は、貰ったチケット先の出店の料理を食べたら、さっきまで思っていた事がスッキリ出来た。
そして私たちが食事を食べ終わると同時にアナウンスが流れて来た。
「『これよりグラウンド中央にて、ダンスパーティーを開始します。是非皆様ご参加下さい』」
「ダンスパーティーだってよ」
「何か面白そうね。行きましょう」
周りの人々はそう話しながら、グラウンド中央へと向かい始めていた。
「それで、その状態はいつ治るんだアリス?」
「私だって分からないよ~」
私は両手で顔を覆って答えた。
もしかして、もう元に戻らないとかあり得る? あ~もうこうなったらフェンさんを捕まえて聞くしかないよね。
「あ、こんな所にいたんですか。うん、やっぱりまだ戻ってないんですね」
「アンタは」
「あー! フェンさん!」
そこへ軽食を食べながら突然現れたのは、フェンであった。
「ちょっとフェンさん! これ、どう言う事なんですか? 全然元に戻らないんですけど」
「まぁまぁ、落ち着いて下さい。そうだろうと思って探していたんですから」
「どう言う事ですか?」
するとフェンは、白衣のポケットから銃状の物を私に向けて来て、引き金を引くとピッと言う音だけが鳴った。
「な、何ですか、それ?」
「まぁ即席なので、こんな物でしょう。今、貴方の魔力数値を計測したんですよ。その結果、その状態は今日中には解除される数値とでました」
フェンはそう言って、その銃状の物に表示された数値を私たちに見せて来た。
「いやいや、今日中じゃ困るんですよ! 今すぐにどうにかならないんですか! てか、こんな事になってるのはフェンさんにも原因があるんですよ!」
「ですから、これも作って貴方を探したんじゃないですか。まぁ、早く戻る手段がない訳じゃないですけど」
「え、何ですか! そんなのがあるなら、早く言って下さいよ」
するとフェンは、何故かルークの方に一瞬視線を送ってから答え始めた。
「一応昨日類似の実験データがあった事を忘れてましてね、そのデータからだと体を動かし続けると早く元に戻る傾向が見られましたね。たぶんですが、動く事で余計な魔力が消費されやすいのでしょう。正確には分かりませんが、そう言う結果があるので体を動かすのが一番の近道ですね」
「体を動かすか……それはどの程度のものですか?」
「そうですね。走ったりなどの少量の汗がでる程度であれば何でも大丈夫ですよ。それで言うと、今ちょうどダンスパーティーが行われるみたいですし、それに参加するのも一つの手ですね」
「ダンスパーティー……う~ん、目立つのは嫌だけど、これは背に腹は代えられない。けど、本当に、本当なんですよねフェンさん」
私は次こそは間違っていないかを改めて訊くと、フェンは「データ上では」と何とも言えない答えをして来た。
それに対して確証は完全ではないが、もうそれにすがるしかないと思い、このままずっとこの状態じゃ寮にも戻れないし、後夜祭終了までの残り時間でどうにか元の状態に戻らなければいけないと思い、私はダンスパーティー会場へと急いで向かった。
とりあえず体を動かせば元に戻る時間が早まるって事なら、ここから少し走る程度でもその効果はあるって事! 何としても元の状態に戻ってやるぞ! と言うか、戻らないと明日からどうしていいか想像つかないから、絶対に戻る!
それと同時に、楽し気な音楽が流れ始める。
凄い! うちの生徒以外にもたくさんの人が後夜祭に参加してるのが分かる。
私はグラウンドへと降りる階段前で、少し驚いているとグラウンドの中心に建てられた薪に火が放たれ、勢いよく燃え始める。
またグラウンドには、まだ飲食の出店しているクラスもあったり、ゲームの様に遊べる出店をしてるクラスもあり賑わっていた。
「学院祭とはちょっと違うお祭りだ」
私がそう呟くとルークが「確かにそうだな」とまるでその光景を初めて見たような相槌をして来た。
「え、ルークは去年も見てるんじゃないの?」
「何でそう思うんだ?」
「だって、去年も学院に居たでしょ?」
その問いかけにルークは少し黙ってから口を開いた。
「別に学院祭は強制参加じゃないからな、俺は去年寮に籠って魔法研究してたんだよ」
「えっ……暗」
私は率直に思った事を口に出してしまうと、ルークが私の方を軽く睨んで来た。
「暗くて悪かったな……あの頃は兄貴の事で頭が一杯だったんだよ」
そっか、去年って言ってもその頃は今の様な兄弟関係じゃないし、クラス内の状況も違ったんだよね。
確かに初めて会った時のルークだったら、絶対に参加しなさそうだもんね。
そんな事を考えたら、ルークも半年で結構トゲがなくなったなと思い少し笑ってしまった。
「何だよ急に」
「いや、ルークも会った時に比べてツンツンさがなくなったな~と思って」
「なっ……別にツンツンなんてしてねぇ! 考えが違かっただけだ」
「そんなに怒んないでよ~ちょっと懐かしいなって思っただけよ」
「たっく」
ルークはそう呟くと、先に階段を下りて行きグラウンドへと向かって行った。
私は珍しくルークをいじって、いつもの様な一方的なからかいじゃない状況になり、少し嬉しくなった。
ふふふ……珍しくからかってやったぞ。
このネタはもう少し使えそうかもな。
これまで一方的にからかって来た仕返しが出来そうだ。
そうだ、今度トウマとかにも教えてやられる側の恥ずかしい気持ちを少し味わってもらおう。
私は不敵な笑みを浮かべながら、ルークの後を付いて行った。
そして私たちはグラウンドに降りて、出店している店を見て回った。
軽食を売っていた店では食べ歩き用にそれを買い、面白そうなゲーム性のある出店の所では軽い勝負を行った。
そんな事をしていて私はすっかりと忘れていたのだ。
自分の状態が全然元に戻っていない事に。
「何で、だー!」
そう言って私は力強く目の前にぶら下がった、パンチ力測定魔道具に向かって渾身の右ストレートを叩き込んだ。
直後、パンチ力想定魔道具が今日№1の数値を叩きだした。
「お~すげぇなアンタ。今日女子の部門で一位だぞ」
「はぁ、はぁ、ぜっぜん嬉しくないです。はぁ、はぁ……」
「何かストレス溜まってたんだな。スコア更新プレゼントだ、あそこの旨い店で使える食事券だ」
私は目の前にそう言って出されたチケットを受け取った。
フェンさんめ~どう言う事なんですか! 全然元に戻ってない!
心ではそう叫びつつ、私は右手に付けた専用グローブを外した直後だった。
隣の男子専用パンチ力測定魔道具へと、拳を叩き込んで物凄い音が聞こえて来たので私が視線を向けると、そこにはルークが全力で右ストレートを叩き込んだ姿があった。
おいおい、何だ今の音は。
殴って出る様な音なのか? あんなやばい音出るなら、お前のパンチはもう殺人級の物なんじゃないのか?
私は少し引いた目でルークの方を見ていると、そちらでも今日の最高スコアだったらしく同じくチケットを受け取っていた。
その後、私は店の外近くでルークを待っていると、ルークは周囲の野次馬たち(主に女性たち)に囲まれていた。
「今の凄かったです! なんてお名前なんですか?」
「あの、もしかしてお1人ですか? よかったら私たちと一緒に回りませんか?」
「きゃーこっちを向いて下さい!」
うわ~すげぇ人気……てか、ルークって気付かないもんなんだな。
あいつもいつもルークじゃなくて、執事役を楽しんで演じている様に見えるな。
私は軽くもたれ掛かりながら、腕を組んでルークの方を見ていた。
あんなにちやほやされてさ、私だって同じ様な結果なのに、ルークみたいに誰も寄ってこなかったんですけど? 何でですかね?
私は右手の人差し指だけを動かして、ちょっとイライラした感じで周囲を見ていると、私と目が合った男性がそっと目線を外して立ち去って行った。
はぁ~あんなパワーを乙女には求めていませんよね~はいはい、分かってます分かってますよ~
私だって出したくて出した訳じゃないし、ただあの時はちょうど怒りが乗ったって言うか、何て言うか……別にいつも物凄く力強い訳じゃないんだからね!
私はそれを誰に言うでもなく、ただ心の中で誰かに言い訳する様に言った。
「ここに居たのか、アリス」
「……ずっと居ましたけど、何か?」
私は少しむくれた顔で、ルークにそう言ってルークから顔をそむけた。
「何怒ってるんだよ? お前も同じ様に最高スコア出してただろ」
「そんな所で私が怒るわけないでしょ。てか、怒ってないし」
「嘘付け」
「嘘じゃない」
「……はぁ~、何が気に食わないんだよ」
「別に。ルークと違って私は何もないですよ」
私はルークにそれだけ言って、貰ったチケットの出店場所へと先に向かった。
ルークは一瞬首を傾げたが、近くの男子の小話を聞いて納得した。
「(なるほど、そう言う事か……ダメだな俺は。兄貴だったら、さっと気付くんだろうな)」
ルークは小さくため息をついてから、貰ったチケットの出店場所へと歩き出した。
その後私は、貰ったチケット先の出店の料理を食べたら、さっきまで思っていた事がスッキリ出来た。
そして私たちが食事を食べ終わると同時にアナウンスが流れて来た。
「『これよりグラウンド中央にて、ダンスパーティーを開始します。是非皆様ご参加下さい』」
「ダンスパーティーだってよ」
「何か面白そうね。行きましょう」
周りの人々はそう話しながら、グラウンド中央へと向かい始めていた。
「それで、その状態はいつ治るんだアリス?」
「私だって分からないよ~」
私は両手で顔を覆って答えた。
もしかして、もう元に戻らないとかあり得る? あ~もうこうなったらフェンさんを捕まえて聞くしかないよね。
「あ、こんな所にいたんですか。うん、やっぱりまだ戻ってないんですね」
「アンタは」
「あー! フェンさん!」
そこへ軽食を食べながら突然現れたのは、フェンであった。
「ちょっとフェンさん! これ、どう言う事なんですか? 全然元に戻らないんですけど」
「まぁまぁ、落ち着いて下さい。そうだろうと思って探していたんですから」
「どう言う事ですか?」
するとフェンは、白衣のポケットから銃状の物を私に向けて来て、引き金を引くとピッと言う音だけが鳴った。
「な、何ですか、それ?」
「まぁ即席なので、こんな物でしょう。今、貴方の魔力数値を計測したんですよ。その結果、その状態は今日中には解除される数値とでました」
フェンはそう言って、その銃状の物に表示された数値を私たちに見せて来た。
「いやいや、今日中じゃ困るんですよ! 今すぐにどうにかならないんですか! てか、こんな事になってるのはフェンさんにも原因があるんですよ!」
「ですから、これも作って貴方を探したんじゃないですか。まぁ、早く戻る手段がない訳じゃないですけど」
「え、何ですか! そんなのがあるなら、早く言って下さいよ」
するとフェンは、何故かルークの方に一瞬視線を送ってから答え始めた。
「一応昨日類似の実験データがあった事を忘れてましてね、そのデータからだと体を動かし続けると早く元に戻る傾向が見られましたね。たぶんですが、動く事で余計な魔力が消費されやすいのでしょう。正確には分かりませんが、そう言う結果があるので体を動かすのが一番の近道ですね」
「体を動かすか……それはどの程度のものですか?」
「そうですね。走ったりなどの少量の汗がでる程度であれば何でも大丈夫ですよ。それで言うと、今ちょうどダンスパーティーが行われるみたいですし、それに参加するのも一つの手ですね」
「ダンスパーティー……う~ん、目立つのは嫌だけど、これは背に腹は代えられない。けど、本当に、本当なんですよねフェンさん」
私は次こそは間違っていないかを改めて訊くと、フェンは「データ上では」と何とも言えない答えをして来た。
それに対して確証は完全ではないが、もうそれにすがるしかないと思い、このままずっとこの状態じゃ寮にも戻れないし、後夜祭終了までの残り時間でどうにか元の状態に戻らなければいけないと思い、私はダンスパーティー会場へと急いで向かった。
とりあえず体を動かせば元に戻る時間が早まるって事なら、ここから少し走る程度でもその効果はあるって事! 何としても元の状態に戻ってやるぞ! と言うか、戻らないと明日からどうしていいか想像つかないから、絶対に戻る!
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