とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第249話 ペア捜索

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「何よクリス、私が居たら変なのかしら?」
「いや、そう言う訳じゃないけど、スバンから以前依頼を受けたメンバーだけが来るって聞いていたから」
「ジュリル様、どうして」
「出たな、ジュリル」

 私以外にも、レオンやトウマも別々の反応をしていた。
 するとスバンがジュリルに話し掛けた。

「来てくれたのね、ジュリル」
「えぇ。いい息抜きになると思ってね」
「え、スバンがジュリルを誘ってたのか? そいつが勝手に来たとかじゃなくて?」

 トウマの発言に、ジュリルは勢いよくトウマの方を睨む。
 その言い方はダメでしょトウマ……
 私は呆れた表情で小さくため息をついた。

「トウマ、ジュリル様にその言い方は良くないな」
「そうですわ。ルーク様の自称親友の癖に、私に対して言葉が過ぎるのでは?」
「っ、確かに今のは嫌な言い方だった。すまん」

 トウマは直ぐに自分の非を認めて、ジュリルに謝罪した。
 しかし、その後に顔を上げて不満そうな顔をしてジュリルを見た。

「で、いつになったらその呼び方を辞めてくれるんですかね、ジュ・リ・ル・さ・ま」
「うっ……じ、自称親友は、自称親友でしょ。そもそもルーク様から、貴方が親友と聞いた事がないのですから」
「何でルーク基準なんだよ! と言うか、そもそもな」

 と、トウマとジュリルの小競り合いが始まり、私たちは完全に蚊帳の外になった。

「レオン、止めなくていいのか?」
「喧嘩ではなくて、じゃれあい的なものだから大丈夫さ」
「え、そうなの? てか、トウマってジュリルとあんな仲だったけ?」

 私はあまり見ない組み合わせで、レオンに問いかけると「最近じゃ、ちょくちょくある事だよ」と言われたが、私は全くピンと来てなかった。
 ちょくちょくあるって、全然私見ないけど。
 にしても、仲がいいのか悪いのか分からないな。
 するとスバンが、見るに見かねて2人の仲裁へと割り込んで行くのだった。
 それと入れ替わる様に、モランが私たちの方へとやって来た。

「久しぶりクリス君。レオン君」
「僕は、学院祭の時にチラッと会った時以来かな?」
「本当にちょっとすれ違ったくらいだよね」
「俺は対抗戦の時以来か?」
「そうだね。それ以来だよね」

 私たちは私たちで、久しぶりに会えた事で話しに花が咲き始めていたが、そこでスバンがトウマもジュリルの小競り合いを止めて声を掛けて来た。

「メンバーは揃ったから、依頼の説明をするわ」

 そしてスバンは、今回私たちを指名依頼して来た内容について話し始めた。
 と言っても、内容はそんなに難しい事ではなく以前やった依頼と全く変わらないものであり猫のチャロちゃん、通称金猫を街で探す依頼だ。
 そもそも、何故スバンがそんな依頼を出したかも本人が改めて語ってくれた。
 それは、動物好きで特に猫が好きと言う事もあるが、チャロちゃんともたまに学院内で遊んだり、街で見かけて遊んだりしていたらしく、そんなチャロちゃんが急にいなくなった事に落ち着いていられずに依頼を発注したらしい。
 それに第二期期末試験が近い事で、全然そっちに集中出来ないし、気になって手がつけられないと言う理由もあると教えてくれた。
 なるほどね、そんな状態だったのか。
 確かに何か気になると、手がつかない時とかあるよね。
 私は小さく頷いて、勝手にスバンに共感していた。

「それで以前のメンバーを指名して、早く解決しようとした訳だね」
「そう言う事よ、レオン」
「でも、純粋な疑問だけど、何故ジュリル様も誘ったんだ?」
「ジュリルはちょうど私が依頼を発注しようとした時に近くを通りかかったから、人は多い方が良いと思って誘ったのよ。さぁ、早速出発するわよ」
「え、学院内で探すんじゃないの?」

 私はてっきり前回と同じ様に、学院内でチャロちゃんを探すのだと思っていたが、スバンは「街に出て探すわよ」と言って正門の方へと歩き出した。
 嘘……街でチャロちゃんを探すの?


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「うん。それじゃ、この噴水の時計台を集合場所にしますわよ」

 あの後私はトウマと急いで外出権を買ってから、スバンたちの後を追いかけて合流した。

「スバン、集合場所って事は個人個人で探すのかい?」
「いいや。ペアで探してもらうわ」

 私はスバンの話を聞きながら、そっとトウマに小声で話し掛けた。

「なぁ、広い街で猫一匹探すのって今日中に終わるのか?」
「いや、終わらないだろ」
「だよな……もしかしてこれ、見つかるまでやるとかか?」
「今のスバンならやりかねないな」

 学院内ならまだしも、街で探すのは難しくないかな? 探す場所沢山あるし、チャロちゃん自体もずっと止まってないからし。
 魔法の使用も基本街では原則禁止だし、見つけられるのか?
 そんな不安に頭を悩ませていたが、スバンはそのまま話を進めていた。

「ひとまず、3チームになって私が作った出没しそうなポイントの地図を元に各所を当たって、1時間後にまたここに集合し情報共有と言う作戦で行きますよ」

 とりあえずペアを作れってことね。

「それじゃクリス、俺とぺ」

 と、隣にいたトウマが私にペアになろうと誘おうとして来たのだが、直後スバンがトウマの目の前にやって来た。

「え、何だよスバン……」
「貴方は、私とのペアよ」
「はぁ!? あ、いや、ちょっと!? おい、スバン離せって! てか今日、こんなんばっかなんだけどー!」

 そのままトウマはスバンに引っ張れて行ってしまう。
 スバンに、気に入られてるんじゃないのかな? じゃ、トウマはスバンと組むなら私は……
 と、ちょうどレオンが視界に入った。

「クリス、ペアの相手よかったら――あ~ごめん。今のはなしで」
「え? あ~なるほど……」

 レオンの視線の先に居たのがジュリルであり、レオンはジュリルに手招きされて呼ばれていた。
 そのままレオンは私に「ごめんよ」と言ってから、ジュリルの方へと向かった。
 レオンもレオンで、大変ね。

「クリス君」

 そこで声を掛けて来たのは、モランであった。

「モラン。あ~その、余った俺で良かったらペア組まない?」
「うん! もちろん組むよ!」

 思っていたより前のめりで返事をして来た事に少し驚いたが、ペアが組めずに1人きりにならなくて良かったと私は安堵した。
 そしてスバンから各ペアに地図が渡され、各自ポイントへと向かい金猫探しが始まった。
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