とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第255話 第二期期末試験①~最終兵器登場~

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 モランの一件をシルマに仲を取り持ってもらってから10日が過ぎ、第二期期末試験当日を迎えた。

「はぁ~……」

 私が寮内のリビング兼食堂で朝食を貰い空いている席に向かおうとした時、突然深くため息をついたのはトウマであった。
 すると、トウマの正面に座っていたヴァンが口を開いた。

「おい、朝か深いため息をつくな」
「すまん。でもよ、今日から試験だぜ。憂鬱じゃね?」
「それはお前が勉強してないからだろ」
「うっ……痛い所をつくなよ、ヴァン。どうせお前も同じ気持ちだろ?」
「やめろ。お前なんかと一緒にするな」

 そう言って丁度朝食を食べ終えたヴァンは、立ち上がり食器を片付けに行ってしまう。

「ちぇ~何だよヴァン。冷てぇ~な~。あ、おはクリス」
「うん、おはようトウマ」

 私はトウマに声を掛けられたので、そのままトウマの近くに座り朝食を食べ始めた。
 すると朝食を食べながらトウマは試験の話を振って来た。

「で、クリスはどうなのよ? 前回学科1位だったじゃんかよ。今回も自信あり?」
「まぁ気持ちはね」
「何だよ、弱気な発言だな。俺はてっきり、当然負ける訳ないだろう! って感じだと思ってたぞ」
「ちょっと今回は色々とあってな」

 私がそう答えるとトウマは「ふ~ん」とそこには突っ込まず相槌だけ打った。
 するとそこへガードルが朝食を持ってやって来た。

「ここ空いてる?」
「おう、空いてるぞ」

 ガードルはトウマからそう言われると、私たちの前に座った。
 私が挨拶をすると、ガードルは私とトウマに挨拶を返してくれた。

「そう言えばガードルはよ、医学知識とか難しい事勉強してるのに、何で前回の学科中間以下だったんだ?」

 トウマの唐突の質問に、ガードルはむせてしまう。

「急に何だよ」
「ごめんごめん。ちょっと気になってな」

 確かにそう言われて見れば、普通の勉強より専門的な知識を覚えているはずのガードルが前回10位以下と言うのも変だ。
 しかも、運で挑んだトウマよりも下なのも驚きだよ。
 するとガードルは隠す事無くその訳を話し始めた。

「あの時は、医療専門書を読んでそっちに集中してたんだよ。と言うより、僕はそもそも医療に興味があるから覚えが良いだけで、勉強が出来るって訳じゃないんだよ」
「そうなのか? 何か意外だわ」
「皆が勝手にそう思っているだけだよ。僕なりに勉強した結果が学科試験の順位に出てる。ただそれだけだよ」

 へ~そうだったんだ。
 でも、皆からそう言う風に見られているって知っていて気にならないのかな?
 私はふとそう思い、ガードルにそれを問いかけた。

「別にそんなに気にしてないよ。皆もそれについてはあまり言わないし。僕としてはそうなれるようにって言う目標にしているかな」
「ほぉ~そうなのか、ガードル。てことは、今回の試験は自信ありか?」
「言える事は、やれる事はやっただけかな。そう言うトウマはどうなんだよ」
「俺か? 俺も一応勉強したが、最後はこいつ頼みだ!」

 そう言ってトウマはポケットから六角形のペンを取り出して、見せつけて来た。
 でた~前回の試験で救世主とか言っていたペンだ。
 私は見覚えがあるペンに、少し懐かしさを感じていた。

「あ~それがトウマの最終兵器って言うやつだね」
「その通り。今回もこいつと一緒に学科試験を乗り切ってやるんだ!」
「また運だより?」
「ちっちっちっ。クリス、俺を全開と同じ様に見られては困るな。今回はもう一本試験の選択肢様に準備してるんだぜ! これで俺に死角はないぜー! あはははー!」

 トウマ、さっきまで試験に対して憂鬱だったお前はどこに行ったんだよ。
 まぁ、トウマも試験対策はバッチリ見たいだしいいか。
 私はそんな事を思いつつも、下手に突っ込まずに「そうか」と相槌を打った。
 その後私たちは軽く雑談をしながら朝食を食べて、教室へと向かった。
 そして試験時間の30分前に担当教員がやって来て、第二期期末試験の全日程を説明し出した。

「第二期期末試験は、学科試験と実力試験の構成で学科は6教科を2日間で行い、実力試験は1日で行う日程だ」

 担当教員がそう話すと同時に、黒板にスケジュールが映し出された。

「今日明日は、事前に伝えている3教科ずつ試験を行い、2日目の午後に学科試験の順位が発表される。そして2日目の午後には次の日の実力試験内容について、説明を行うから忘れずに教室に集合するように」

 今回は実力試験内容の説明を、2日目の午後に行うのね。
 そこは前回の期末試験とは違う点ね。
 ダンジョン捜索か……チーム戦って言っていたけどどんなチーム分けになるのだろうか。
 それに、ダンジョンって言ってたけど……どこでやるんだ? そもそもダンジョンなんて言うもの、この辺にあったけ?
 私は実力試験について少し考えだしてしまい、次から次へと疑問が出て来たのでこのままでは学科試験に影響が出ると思い、一度実力試験について考えるのをやめた。

「実力試験については、そこで詳しく説明もするので今はまず学科試験に集中する様に。では、試験開始までまだ時間もあるので、各自試験時間まで自由に過ごす様に」

 担当教員はそれだけ言うと、再び教室から出て行った。
 その後試験時間が来るまでは、各自自由に時間を過ごして試験時間10分前になると担当教員が帰って来て、試験用紙を配り始めた。
 そのまま試験時の注意事項を告げた後、試験開始まで教室が静寂に包まれ試験開始のチャイムを待った。
 そして、遂に試験開始の合図が鳴り響いた。

「学科試験開始!」

 担当教員の開始声と共に、第二期期末試験が始まったのであった。
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