とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第258話 第二期期末試験④~ダンジョン捜索試験~

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「よし、全員居るな。それじゃ、これから明日実施する実力試験について説明を始める」

 そう言って担当教員は、黒板に向けて映像を映し話し始めた。
 明日の実力試験は、以前も伝えられたダンジョン捜索である。
 その試験内容は、3人1チームとなりダンジョンと呼ばれる迷路内に指定箇所から入り、ダンジョンの中心にあるメダルをどのチームがいち早く持ち帰って来れるかと言うものであった。
 ただチームごとにダンジョンに入り、何事もなくメダルを持ち帰ると言う試験ではなく、メダルは3枚と数が決まっておりクリアできるのは3組だけと言い渡される。
 その発言にクラスがざわめいた。

「3組だけって、3人い1チームと7チーム出来るとして、そのうち3チームだけ合格って事か?」
「それじゃ、メダルを持ち帰れなかったチームは実力試験不合格!?」
「先生! そこはどうなってるんですか? 不合格とかあるんですか? 点数とかどうなるんですか?」

 生徒たちから担当教員に向けて、一斉に質問が飛ぶと担当教員は、一度大きく手を叩き生徒たちの質問を止めた。

「それについても話すから、最後まで話を聞け」

 いつもの担当教員の明るい雰囲気ではなく、厳しい雰囲気に生徒たちは押されてそのまま黙って話を聞き続ける姿勢をとった。
 その後、再び静かになった教室を見て担当教員は話しの続きをし始めた。
 今回の実力試験は、前回と異なり全員が得点を貰えないかもしれないと口にだし、映像を切り替えた。
 そして黒板に映されたのは、今回の採点方法についてだった。


 第二期期末試験 実力試験採点方法
 第2学年

 ダンジョン捜索
 帰還順位
 1位 1位ボーナス点(30)+評価点
 2位 2位ボーナス点(20)+評価点
 3位 3位ボーナス点(10)+評価点
 それ以外
 ・順位ボーナス点なし
 ・評価点のみ点数とする

 評価点について
 ・最大50点とする
 ・評価担当者は、担当教員以外の教員が担当する
 ・協力、信頼、指示、サポートなどについて各チームの試験時の行動を見て採点を行う


「と、ここに記載がある通り明日の実力試験では、各チームごとに採点がされる。その為、明日の行動次第では必ずしも点数が入るわけではないという事だ」

 更に担当教員は付け加えて、今回の試験は合格不合格判定ではなくチーム競争の試験であると話した。
 そして、そのままチーム分けについての話をし始めた。

「チームは3人1チーム。この振り分けについては、当日ランダムで決める。だが、7チームのうち1チームは1人人数不足となる。そのチームになった場合は、助っ人として1人クラス外の人が入る予定だ」

 え、クラス外の人が試験に参加するの?
 私はその言葉を聞いて少し驚いていると、クラスでもちらほらと同じ様な反応をしている人がいた。
 担当教員曰く、今回の試験はチーム戦と言う事であり、当日ランダムで組んだ相手とどれほど、どのくらい協力し相手を理解し、試験に立ち向かうかを見るのでクラス外の人選が入っても試験としては問題ないと言い切った。
 ただ、その助っ人は外部の人とか教員とかではないと口にした。
 と言う事は、同学年の別クラスの人と言う可能性が高いかな。
 私はそんな予想をしていたが、その人の試験はどうなってしまうのだろうかと言う疑問が出て来てしまい、それはないかもしれないと思い予想するのをやめた。
 そしてチーム分けについての説明が簡単に終わると、次はダンジョン捜索での行動ややり方についての説明が始まった。

「今回何度も口にしているダンジョンと言うのは、簡単に言えば自作迷路である。場所はこの学院の地下に創っている為、明日は大運動会を開催した競技場に集合しそこから地下へと移動する」
「「え……えー!?」」

 思いもしない言葉に、教室にした皆が口を揃えて驚いた。
 つ、創った!? しかも学院の地下に!? 誰が? いつ? てか、どうして!?
 私は次々に出て来る疑問に少し頭がパンクしそうになっていると、担当教員が1つずつ話し始めてくれた。
 まず今回のダンジョンは一から創り出された物ではないと言い、元々学院の地下には過去の遺産として迷路の様な通路が見つかっていたと話す。
 それはいつの時代が分からないが、ここに以前住んでいた者たちが創り出した物だと言われており、長い年月が経ち何らかの理由で埋もれてしまったのではないかと研究者たちは言っているらしい。
 まぁ、その辺の話はそう言うものだと分かったけど、どうしてそれをダンジョン何かに変えたのかって事なんだけど……
 するとその疑問については、今の学院長ではなく前学院長が何かに活かせないかと考えた時に、ある知り合いに相談した際に思い付いたアイデアだと説明された。
 その後前学院長とその知り合いで、地下の遺産をダンジョンへと作り替えたのだと担当教員は話した。
 さすがにそれについては、担当教員も驚きながら常識じゃあり得ないような感じで話していた。
 そりゃそうだよね……と言うより、話を聞く限りでは2人でやっている様に聞こえるけど、本当に2人だけでそんな事が出来たなら、その人たちは尋常じゃない力を持っているって事になるわ。
 私は前学院長とその知り合いは何者なのかと考えていると、担当教員もその辺の話については知らないと口に出して話を進め出した。

 次にし始めたのは、メダル争奪についてであった。
 当日は7チームが別々の地点から中央にある3枚のメダル争奪戦を行う事になるが、メダルを取ったらそのチームの物と言う訳ではないと話し出し、黒板に映していた映像を変えた。
 メダルについては、取ったチームが最後まで持ち帰ればそのチームの物だが、途中で奪い取る為に戦う事も許可されているルールであった。
 なので、自分たちで行って帰って来るだけでなく、そのチームを待ち伏せして奪い取ると言う作戦もいいと言っていたのである。
 更には、ダンジョン捜索時には私たち7チーム以外にも、邪魔者として何名かがダンジョン内に立ち塞がる事もある言われる。
 邪魔者は、基本的には私たちの邪魔をする為に戦闘を仕掛けてきたり、罠を張っていたりする存在だと担当教員は説明してくれた。
 なるほど、今回の試験は前回の様にただ相手に勝つと言うだけでなく、戦略やどう立ち回るかとかも大切になって来るのか。
 そこに邪魔者と言う存在も加わって来ると、当日のチーム分けも運になってくるけど大切ね。

「それと、ダンジョン捜索試験には制限時間がある。今回は1時間だ。それまでにメダルを所持して3チーム戻って来た時は、その時点で試験終了となるから、注意する様に。ひとまず説明は以上だ」

 すると直ぐにアルジュが手を上げて質問をし始めた。

「先生、その邪魔者以外にも他のチームともぶつかる事があると思うんですが、その時は必ず戦闘なんですか?」
「いや、強制ではない。その判断もチームで決めるんだ。邪魔者と戦い退けるのもいいし、逃げて別の道から進むのもいい」
「もし戦闘して、負けてしまった場合はどうなるんです? 失格とかですか?」
「いいや、失格はない。その後立ち直して進むのもありだ。待ち伏せると言う選択肢も問題ない。ただし、使用する攻撃系の魔法についてはあらかじめ少し威力を下がる様にダンジョン全体に魔法が掛かっている」

 それについては教員たちがやっているのではなく、前学院長とその知り合いが創った際に既に掛けているらしく、未だに仕組みは解明されていないらしい。
 また試験時には、攻撃を受けても致命傷にはならない魔道具が配布されるらしく、安全面も最大限に考慮はしていると担当教員は話した。
 その後いくつか質疑応答がされた後、質問が無くなった所で明日の実力試験について説明が終了となり解散になった。
 担当教員が教室から去った後、皆も席から立ち上がり教室から去り始め、私も寮へと帰る準備をする。

「クリス帰ろうぜ~」
「あぁ、ちょっと待ってシンリ」

 私がバックを持ち教室から出ようとした時だった。

「クリス」

 背後から名前を呼ばれて足が止まり振り返ると、そこに居たのはルークであった。
 えっ……ルーク?

「話したい事があるんだ」
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