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第259話 第二期期末試験⑤~返事~
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「シンリ、すまん。クリスと少し話がしたいんだ」
「あっそうなの?」
「クリス、少しいいか?」
ルークからの突然の呼びかけに、私は黙ってしまう。
急に話って何に? ……もしかして、学院祭の時の話?
私はそんな事を考えてしまい、直ぐに返事せずにいると変に気まずい空気が流れ出し、シンリもどうしていいか分からずきょろきょろとし出す。
「(え~と……何、この感じ? 何か言い出しずらいし、どうすればいいんだ)」
私はルークの方を見ていたが一瞬だけ目線を下に落とした。
そして再び目線を上げて口を開こうとした時だった。
「はいはい、お2人さん。そんな気まずそうな雰囲気を出さな~い。周りが暗くなるだろ?」
「トウマ」
「トウマ?」
そこへ割り込んで来たのは、トウマであり私とルークは同時にトウマの名を口にした。
するとトウマはルークの方を向いた。
「ルーク、いつもより表情が硬いぞ。もう少し口角上げた方がいいぞ」
そう言ってトウマは、自分の口角を両手で上げながら「こんな感じで」と言いながら笑顔を作った。
それを聞いたルークは、ぎこちない感じで口角を上げた。
「まぁ~そんな感じだ。つうか、話すだけなら相手が緊張しない様な感じで誘えよ。お前の表情が強張って誘うから、何事かと思ってクリスもかまえてんだよ」
「っ……」
トウマはルークにそう言った後、私の方へと近付いて来た。
「クリスもそう警戒してやるなよ。ルークはちょっと話がしたいだけなんだってよ。だから、ちょっと付き合ってやってくれよ」
「え、あ、うん」
「マジか。さっきの感じから断るんじゃねぇかと思ってたぞ」
「まぁ、急に呼ばれて話があるって言われてどうしようかと考えてただけ。それに、俺も話したい事もあったし」
そう私が言うと、ルークも反応してこちらを見て来た。
「そっか。うんじゃ、つうことでシンリ。お前は俺と一緒に帰んぞ~」
トウマはそのまま私の後ろに居たシンリの肩を急に組んで、少し強引に歩き出した。
「ちょ、ちょっとトウマ。危ないって!」
「大丈夫だって。それじゃな、2人共。明日も試験なんだから、変に喧嘩とかするなよ~」
「えっそんなヤバそうな話をするの? あの2人」
「さぁ? たぶん違うだろ」
「適当な事を言うな~トウマは」
「いいんだよ。ほら、帰るぞ」
「分かったから、そんな強引に引っ張る様に肩を組まないでよ」
そんな会話をしながらトウマとシンリは寮へと帰って行った。
そして教室からもほとんどの生徒が帰っており、私とルークだけになり始めていた。
「で、何処で話すの? もしかしてここ?」
と、私が先にルークに問いかけるとルークは軽く首を横に振った。
「いや、ここじゃない所にしよう。グラウンドが見えるベンチでどうだ?」
「分かった」
その後私はルークの後を付いて行くように歩き、ルークが行った場所へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私たちがグラウンドが見えるベンチに到着すると、グラウンドでは何やら教員たちが明日の試験の準備らしき事を行っていた。
だが、向こうからはこちらに気付いてなどおらずに、話し合いをしたり線を書いていたりと大忙しであった。
そして先にルークがベンチに座ったので、私もその後に少し間を空けてベンチに座った。
しかし、それから直ぐにルークから話が始まる事もなく、暫くの間沈黙の時間が続いた。
私から話し出すのも良かったが、呼び出されておいて私から話すのは何か違うと思ったので、私はルークが話し出すのを待つことにした。
その間私はただボーっとグラウンドでいそいそと働く教員たちを眺めていた。
すると、やっとルークが沈黙を破り口を開いた。
「クリス。いきなり呼び出して悪い」
「いいや、別にいいよ」
「それで話って言うのは、その……なんだ、ほら、学院祭の時の事だ」
ルークは私の方は見ずに、少しだけ私から顔を逸らしてそう言って来た。
その言葉を聞いて私は驚く事なく、やっぱりそうかと思った。
まぁ、ここ最近ほとんど話さなかったし、急に話って言ったらそれくらいだよね。
この時の私は焦る事もなく、自分でも思っている以上に冷静な状態であった。
その訳は、私自身でルークの告白に対してどう返事をするかをある程度決めていたからである。
なので、私もルークに話があると言ったのだ。
だが、本当は試験後に話すつもりだったが、ルークから言って来たのでこのタイミングで伝えるべきだと思ったのだ。
「クリスは、後夜祭の時の事を覚えてるか?」
「……あぁ」
「そうか。……あの時、逃げる様に帰って悪かった」
そう言うとルークは私に頭を下げて来た。
私はまさか謝罪から入るとは思っていなかったので、少し驚いたが「別にもういいよ」と答えて頭を上げさせた。
「俺があの時言った事は、冷やかしでも、嘘でもない、俺の本当の気持ちだっていう事は分かって欲しい。でも、元々あんな事を言うつもりはなかった。あの時の雰囲気や抑えられない気持ちが、結果としてああ言う風に出てしまったんだ……」
「……そう、なんだ」
私は改めてそんな事を言われて、あの時の事をフラッシュバックの様に思い出してしまい、少し顔が熱くなり少しだけ顔をルークから背けた。
するとルークは暫く黙った後、私の方を向いて来たので私も軽く目線をルークに向けた。
「それで、あの時の事と言うか、返事の事なんだが――」
来た……返事についてだ。
そこで遂に私も悩みに悩んだ末に出した答えを伝える時だと思い、口を開けようとした直後だった。
ルークから思いもしない言葉に、私は絶句してしまった。
「一度、忘れてくれ」
「……え」
「その時の勢いとは言え、お前を悩ます様な事を求めたのは悪かった。俺はお前を悩ましたかった訳じゃないし、悪い事をしたとあの後思ったんだ」
……何言ってるの?
「俺もどうするべきか悩んだ。このままだと試験にも影響が出るかもしれないとか、現に気まずい感じにはなってしまった」
私がどんな思いで、あんたの告白に向き合ったと思ってるの? それを忘れてくれって、どう言う事?
「だが、気持ちは嘘じゃないし、いつかは伝えようと思っていた事だった」
私からの返事を聞きたくなくなったって事? それとも勢いでした事だから、なかった事にしてくれって事? 何それ、自分の都合を私に押し付けないでよ……それじゃこの数週間の私が葛藤した時間は何だったの?
「だから、この事は今じゃなくて改めておち――」
「ふざけんなっ! お前は、俺がどんな気持ちでこの数週間を過ごしたと思ってるんだ! そんな事言うなら、始めからあんな告白するなよ!」
私は耐え切れなくなって、ルークの話の途中で立ち上がって怒鳴る様に言葉を吐いた。
ルークは突然怒鳴りだした私に驚いていた。
「俺はお前の問いかけに対してな、悩んで悩んで悩んで悩んでやっと答えを出したんだぞ! それを今更聞きたくねぇって言われたら怒るだろうが!」
「お、おいクリス。話を――」
「俺が勝手に思い悩んだ所もあるけども、この答えを忘れろって言うなら試験で勝負して勝ったらルークの言う事聞いてやるよ! まだ、あの契約は継続してるんだろ? 試験勝負」
「勝手に話を進めるな」
「俺が勝った際には、あの告白の答えは言うからな!」
「あのな、人の話を聞けって言ってんだろクリス」
「何だよ、告白の返事を聞くのが怖いのか? それなら勝負して私に勝てばいいだろうが。それとも、負けた時の事を考えて怖気づいたのか?」
「いい加減にしろよ。何を勝手に勘違いしてるのか知らねぇけど、もう何言っても聞かねぇんだろお前。だからやってやるよ、契約の試験勝負。俺が勝ったら、もう一度耳の穴かっぽじってよ~く話を聞いてもらうからな」
「1位の鼻へし折ってやるから、覚悟しろよ」
「お前こそ、前の試験からどれだけ成長したか知らねぇけど、もう一度ボコボコにしてやるよ」
そうして私は、ルークと喧嘩気味に明日の試験で勝負する事をかわすのだった。
「あっそうなの?」
「クリス、少しいいか?」
ルークからの突然の呼びかけに、私は黙ってしまう。
急に話って何に? ……もしかして、学院祭の時の話?
私はそんな事を考えてしまい、直ぐに返事せずにいると変に気まずい空気が流れ出し、シンリもどうしていいか分からずきょろきょろとし出す。
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「トウマ?」
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するとトウマはルークの方を向いた。
「ルーク、いつもより表情が硬いぞ。もう少し口角上げた方がいいぞ」
そう言ってトウマは、自分の口角を両手で上げながら「こんな感じで」と言いながら笑顔を作った。
それを聞いたルークは、ぎこちない感じで口角を上げた。
「まぁ~そんな感じだ。つうか、話すだけなら相手が緊張しない様な感じで誘えよ。お前の表情が強張って誘うから、何事かと思ってクリスもかまえてんだよ」
「っ……」
トウマはルークにそう言った後、私の方へと近付いて来た。
「クリスもそう警戒してやるなよ。ルークはちょっと話がしたいだけなんだってよ。だから、ちょっと付き合ってやってくれよ」
「え、あ、うん」
「マジか。さっきの感じから断るんじゃねぇかと思ってたぞ」
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そう私が言うと、ルークも反応してこちらを見て来た。
「そっか。うんじゃ、つうことでシンリ。お前は俺と一緒に帰んぞ~」
トウマはそのまま私の後ろに居たシンリの肩を急に組んで、少し強引に歩き出した。
「ちょ、ちょっとトウマ。危ないって!」
「大丈夫だって。それじゃな、2人共。明日も試験なんだから、変に喧嘩とかするなよ~」
「えっそんなヤバそうな話をするの? あの2人」
「さぁ? たぶん違うだろ」
「適当な事を言うな~トウマは」
「いいんだよ。ほら、帰るぞ」
「分かったから、そんな強引に引っ張る様に肩を組まないでよ」
そんな会話をしながらトウマとシンリは寮へと帰って行った。
そして教室からもほとんどの生徒が帰っており、私とルークだけになり始めていた。
「で、何処で話すの? もしかしてここ?」
と、私が先にルークに問いかけるとルークは軽く首を横に振った。
「いや、ここじゃない所にしよう。グラウンドが見えるベンチでどうだ?」
「分かった」
その後私はルークの後を付いて行くように歩き、ルークが行った場所へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私たちがグラウンドが見えるベンチに到着すると、グラウンドでは何やら教員たちが明日の試験の準備らしき事を行っていた。
だが、向こうからはこちらに気付いてなどおらずに、話し合いをしたり線を書いていたりと大忙しであった。
そして先にルークがベンチに座ったので、私もその後に少し間を空けてベンチに座った。
しかし、それから直ぐにルークから話が始まる事もなく、暫くの間沈黙の時間が続いた。
私から話し出すのも良かったが、呼び出されておいて私から話すのは何か違うと思ったので、私はルークが話し出すのを待つことにした。
その間私はただボーっとグラウンドでいそいそと働く教員たちを眺めていた。
すると、やっとルークが沈黙を破り口を開いた。
「クリス。いきなり呼び出して悪い」
「いいや、別にいいよ」
「それで話って言うのは、その……なんだ、ほら、学院祭の時の事だ」
ルークは私の方は見ずに、少しだけ私から顔を逸らしてそう言って来た。
その言葉を聞いて私は驚く事なく、やっぱりそうかと思った。
まぁ、ここ最近ほとんど話さなかったし、急に話って言ったらそれくらいだよね。
この時の私は焦る事もなく、自分でも思っている以上に冷静な状態であった。
その訳は、私自身でルークの告白に対してどう返事をするかをある程度決めていたからである。
なので、私もルークに話があると言ったのだ。
だが、本当は試験後に話すつもりだったが、ルークから言って来たのでこのタイミングで伝えるべきだと思ったのだ。
「クリスは、後夜祭の時の事を覚えてるか?」
「……あぁ」
「そうか。……あの時、逃げる様に帰って悪かった」
そう言うとルークは私に頭を下げて来た。
私はまさか謝罪から入るとは思っていなかったので、少し驚いたが「別にもういいよ」と答えて頭を上げさせた。
「俺があの時言った事は、冷やかしでも、嘘でもない、俺の本当の気持ちだっていう事は分かって欲しい。でも、元々あんな事を言うつもりはなかった。あの時の雰囲気や抑えられない気持ちが、結果としてああ言う風に出てしまったんだ……」
「……そう、なんだ」
私は改めてそんな事を言われて、あの時の事をフラッシュバックの様に思い出してしまい、少し顔が熱くなり少しだけ顔をルークから背けた。
するとルークは暫く黙った後、私の方を向いて来たので私も軽く目線をルークに向けた。
「それで、あの時の事と言うか、返事の事なんだが――」
来た……返事についてだ。
そこで遂に私も悩みに悩んだ末に出した答えを伝える時だと思い、口を開けようとした直後だった。
ルークから思いもしない言葉に、私は絶句してしまった。
「一度、忘れてくれ」
「……え」
「その時の勢いとは言え、お前を悩ます様な事を求めたのは悪かった。俺はお前を悩ましたかった訳じゃないし、悪い事をしたとあの後思ったんだ」
……何言ってるの?
「俺もどうするべきか悩んだ。このままだと試験にも影響が出るかもしれないとか、現に気まずい感じにはなってしまった」
私がどんな思いで、あんたの告白に向き合ったと思ってるの? それを忘れてくれって、どう言う事?
「だが、気持ちは嘘じゃないし、いつかは伝えようと思っていた事だった」
私からの返事を聞きたくなくなったって事? それとも勢いでした事だから、なかった事にしてくれって事? 何それ、自分の都合を私に押し付けないでよ……それじゃこの数週間の私が葛藤した時間は何だったの?
「だから、この事は今じゃなくて改めておち――」
「ふざけんなっ! お前は、俺がどんな気持ちでこの数週間を過ごしたと思ってるんだ! そんな事言うなら、始めからあんな告白するなよ!」
私は耐え切れなくなって、ルークの話の途中で立ち上がって怒鳴る様に言葉を吐いた。
ルークは突然怒鳴りだした私に驚いていた。
「俺はお前の問いかけに対してな、悩んで悩んで悩んで悩んでやっと答えを出したんだぞ! それを今更聞きたくねぇって言われたら怒るだろうが!」
「お、おいクリス。話を――」
「俺が勝手に思い悩んだ所もあるけども、この答えを忘れろって言うなら試験で勝負して勝ったらルークの言う事聞いてやるよ! まだ、あの契約は継続してるんだろ? 試験勝負」
「勝手に話を進めるな」
「俺が勝った際には、あの告白の答えは言うからな!」
「あのな、人の話を聞けって言ってんだろクリス」
「何だよ、告白の返事を聞くのが怖いのか? それなら勝負して私に勝てばいいだろうが。それとも、負けた時の事を考えて怖気づいたのか?」
「いい加減にしろよ。何を勝手に勘違いしてるのか知らねぇけど、もう何言っても聞かねぇんだろお前。だからやってやるよ、契約の試験勝負。俺が勝ったら、もう一度耳の穴かっぽじってよ~く話を聞いてもらうからな」
「1位の鼻へし折ってやるから、覚悟しろよ」
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