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第289話 殴り込み
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「あーあー、マイクテスト……え~それでは皆さん、お待たせしました。これより3年生お疲れ様会を開始させていただきます。本日司会を務めますは、第2学年アルジュ・リリクです。どうぞよろしくお願い致します」
アルジュが舞台の上から挨拶をすると、皆は拍手で応える。
「では、簡単に今日の流れだけ話しします。基本的には例年通りの流れとなるので、この後はいくつか出し物があるのみで他は皆さん楽しくご歓談していただいて結構です。そして最後には先輩方から簡単に言葉を頂くつもりです」
何だ、ちょっとした出し物があるだけなんだ。
ミカロス先輩があんな事言うから、何か物凄く体を動かす系でもあるのかと一瞬思ってたよ。
私はアルジュの話を聞いて安堵の息をついた。
「そして今日僕のアシスタントをしてくれるのは、この人」
「どうも。同じく第2学年のノルマ・フラストです。よろしくお願いいたします」
ノルマが頭を下げると、皆はアルジュの時と同様に拍手で応える。
「では皆さん、お手元に飲み物をご準備下さい」
アルジュはそう伝え、皆は各々近くのテーブルから飲み物を手にとる。
「それでは、こちらも例年通り乾杯で開始とさせていただきます。皆様、乾杯!」
「「かんぱーい!」」
皆が大きく声を上げた後、あちこちで飲み物を軽くぶつける音が聞こえ出し、ワイワイと皆が話し出す。
私も近くいた先輩や後輩と乾杯をした。
「最初の出し物まで暫く自由にご歓談下さい。何かする際は、またこちらから声をかけますので」
それだけ伝えるとアルジュとノルマは一度舞台裏へと下がって行った。
私もその後何人かと乾杯してから、食べ物でも食べようと飲食コーナーへと向かった。
そこには思っていたより、豪勢な食事が並んでおり更にはスイーツまで沢山用意されていた。
うわ~スイーツまでこんなにあるの? 何か凄いな~
私が目を輝かせてスイーツを見ていると、背後からピースに声を掛けられる。
「良い所に目を付けたね、クリス」
「ビックリした。ピースか、気配を消して急に声を掛けなるなよ」
「ごめん。でも、僕が用意したこのスイーツコーナーに一番最初に反応してくれたことが嬉しくて、つい」
「そうだったんだ」
「うん。皆最初はご飯系しか行かないから、こっちには見向きもしないんだよね~」
と言いながら、ピースは早速スイーツコーナーから1品食べ始める。
「にしても、これ全部ピースが用意したの? 凄い量だけど?」
「まぁね。色々と知り合いも多いし、試作品の場としてどうですかと言っておいたから、いっぱい集まったんだよね」
「へ、へぇ~」
私はチラッとご飯系のコーナーと見比べて、倍くらいあるんじゃないかと思ってしまう。
こんなに集められたのは凄いけど、今日で消費出来るのかな?
そんな事が心配になり、私はピースに訊ねると思いもしない答えが帰って来た。
「いや僕もそう思ったんだけど、オービン先輩から直接頼まれてさ。集められるだけ集めてくれって。大丈夫だからって言われてさ」
「え? オービン先輩が?」
「うん。さっきも僕の所に来て、よくこんなに集めてくれたってお礼言われたし」
「どう言う事?」
「さぁ? 僕にも分からないよ」
ピースはあれから既に5品目のスイーツを食べ始めていて、私は凄い勢いで食べて行くなと少し関心していた。
それにもしかしたら、ピースが物凄く食べてしまうという事を見越して、オービンはこんなにも集めたのかもしれないなと思った。
「おーい、ピース。ちょっとこれどれが上手いか教えてくれよ」
「は~い。今行きま~す。それじゃ、またなクリス」
「おう」
そう言ってピースは先輩たちに呼ばれてしまい、そちらに向かって行った。
オービンの疑問は少し残っていたが、私はとりあえず気になったスイーツを2品だけ皿にとって、ご飯系のコーナーへと向かった。
その後少しお腹が膨れる物を皿に乗せ、空いている机へと移動した。
そして私が食事をしていると、そこへトウマがやって来た。
「よ、よぉクリス」
「トウマ。どうしたんだ? 確か出し物出すとか言ってなかったか?」
「おう、これからやるんだが少し裏で準備しててな、その間にちょっと腹に何か入れとこうかと思ってよ」
「そうなんだ。で、どんなのやるんだよ?」
「いやさすがにそれはクリスでも言えないな。見てからのお楽しみだよ」
「なん~だ、残念」
「あ、あ~でも、お、お前がどうしてもって言うなら教えてやっても――」
「そんな事していいのかよ、トウマ」
と、そこへ話しに混ざって来たのはルークであった。
「ルーク!?」
「……ルークか」
私は先日の面倒な絡み方をされた事を思い出し、今日もまたあんな事をされると少し嫌だな~と思ってしまい、ちょっとだけ嫌な感じで呟いてしまった。
するとルークの後ろからマックスとケビンもやって来て、声を掛けて来た。
「よ、クリス。それにトウマ~」
「やぁ。準備お疲れ様」
「お疲れケビン、マックス。それにルークも」
「おう」
私がそう声を掛けた後、トウマが急にルークを連れて少し2人だけに離れて行く。
「まさか邪魔か? 邪魔に来たのか?」
「ちげぇよ、偶然だよ。元々マックスたちとで、準備してて歩いてたんだ」
「にしてはタイミングが良すぎるだろ」
「そんなことねえって」
トウマは疑いの目を向けていると、ルークはこちらに急ぎ足で近づいて来る人物たちを見つけトウマに伝えた。
「トウマ迎えが来たみたいだぞ?」
「迎え?」
そうトウマが振り返ると、血相を変えたリーガとライラックがこちらに向かって来ていた。
「え!? 何!?」
「おい直ぐに準備出来るって言ったろ! どこまで飯食いに行ってんだ、馬鹿野郎」
「探したろうが! ほら、今はお前のせいで時間が押してアルジュが怒ってるんだから、さっさと行くぞ!」
「いや、ちょっと! こう言うの前にも体験した事がーー!」
トウマはそうしてリーガとライラックに腕を掴まれて、強制的に連行されて行くのだった。
それをルークは軽く手を振りながら見送った後、私たちの所へと戻って来た。
「あれ、トウマは?」
「あ~何か出番が近いみたいで、リーガたちに連行されて行ったよ」
何でだろ、その姿がはっきりと目に浮かぶな。
その後ルークたちと軽く雑談していると、舞台上からアルジュがアナウンスを始め、トウマたちの出し物が始まる事が伝えられる。
そしてアルジュがトウマたちを紹介し終え、暫く音楽が流れ始めてから舞台上にトウマ、リーガ、ライラックの3人が出て来る。
「え~トウマです。今日は俺たちが密かに練習し続けて来た、楽器を使った演奏をします」
それを聞いた先輩たちが軽くいじる様に野次を飛ばすが、トウマは「度肝を抜かしますよ」とハードルを上げる発言で返した。
トウマたちはそれから舞台裏から楽器を取り出し準備をし終えると、トウマがリーガとライラックにアイコンタクトを送り、2人は頷いて返す。
そしてトウマが軽く息を吸ってから口を開いた。
「それでは聞いて下さい――」
「殴り込みだー!」
直後、その言葉と同時に勢いよく入口が開かれ、トウマたちも含めその場にいた全員がその方に視線を向けた。
そして入口から入って来たのは、ダイモン寮の寮長であるダイモンであった。
アルジュが舞台の上から挨拶をすると、皆は拍手で応える。
「では、簡単に今日の流れだけ話しします。基本的には例年通りの流れとなるので、この後はいくつか出し物があるのみで他は皆さん楽しくご歓談していただいて結構です。そして最後には先輩方から簡単に言葉を頂くつもりです」
何だ、ちょっとした出し物があるだけなんだ。
ミカロス先輩があんな事言うから、何か物凄く体を動かす系でもあるのかと一瞬思ってたよ。
私はアルジュの話を聞いて安堵の息をついた。
「そして今日僕のアシスタントをしてくれるのは、この人」
「どうも。同じく第2学年のノルマ・フラストです。よろしくお願いいたします」
ノルマが頭を下げると、皆はアルジュの時と同様に拍手で応える。
「では皆さん、お手元に飲み物をご準備下さい」
アルジュはそう伝え、皆は各々近くのテーブルから飲み物を手にとる。
「それでは、こちらも例年通り乾杯で開始とさせていただきます。皆様、乾杯!」
「「かんぱーい!」」
皆が大きく声を上げた後、あちこちで飲み物を軽くぶつける音が聞こえ出し、ワイワイと皆が話し出す。
私も近くいた先輩や後輩と乾杯をした。
「最初の出し物まで暫く自由にご歓談下さい。何かする際は、またこちらから声をかけますので」
それだけ伝えるとアルジュとノルマは一度舞台裏へと下がって行った。
私もその後何人かと乾杯してから、食べ物でも食べようと飲食コーナーへと向かった。
そこには思っていたより、豪勢な食事が並んでおり更にはスイーツまで沢山用意されていた。
うわ~スイーツまでこんなにあるの? 何か凄いな~
私が目を輝かせてスイーツを見ていると、背後からピースに声を掛けられる。
「良い所に目を付けたね、クリス」
「ビックリした。ピースか、気配を消して急に声を掛けなるなよ」
「ごめん。でも、僕が用意したこのスイーツコーナーに一番最初に反応してくれたことが嬉しくて、つい」
「そうだったんだ」
「うん。皆最初はご飯系しか行かないから、こっちには見向きもしないんだよね~」
と言いながら、ピースは早速スイーツコーナーから1品食べ始める。
「にしても、これ全部ピースが用意したの? 凄い量だけど?」
「まぁね。色々と知り合いも多いし、試作品の場としてどうですかと言っておいたから、いっぱい集まったんだよね」
「へ、へぇ~」
私はチラッとご飯系のコーナーと見比べて、倍くらいあるんじゃないかと思ってしまう。
こんなに集められたのは凄いけど、今日で消費出来るのかな?
そんな事が心配になり、私はピースに訊ねると思いもしない答えが帰って来た。
「いや僕もそう思ったんだけど、オービン先輩から直接頼まれてさ。集められるだけ集めてくれって。大丈夫だからって言われてさ」
「え? オービン先輩が?」
「うん。さっきも僕の所に来て、よくこんなに集めてくれたってお礼言われたし」
「どう言う事?」
「さぁ? 僕にも分からないよ」
ピースはあれから既に5品目のスイーツを食べ始めていて、私は凄い勢いで食べて行くなと少し関心していた。
それにもしかしたら、ピースが物凄く食べてしまうという事を見越して、オービンはこんなにも集めたのかもしれないなと思った。
「おーい、ピース。ちょっとこれどれが上手いか教えてくれよ」
「は~い。今行きま~す。それじゃ、またなクリス」
「おう」
そう言ってピースは先輩たちに呼ばれてしまい、そちらに向かって行った。
オービンの疑問は少し残っていたが、私はとりあえず気になったスイーツを2品だけ皿にとって、ご飯系のコーナーへと向かった。
その後少しお腹が膨れる物を皿に乗せ、空いている机へと移動した。
そして私が食事をしていると、そこへトウマがやって来た。
「よ、よぉクリス」
「トウマ。どうしたんだ? 確か出し物出すとか言ってなかったか?」
「おう、これからやるんだが少し裏で準備しててな、その間にちょっと腹に何か入れとこうかと思ってよ」
「そうなんだ。で、どんなのやるんだよ?」
「いやさすがにそれはクリスでも言えないな。見てからのお楽しみだよ」
「なん~だ、残念」
「あ、あ~でも、お、お前がどうしてもって言うなら教えてやっても――」
「そんな事していいのかよ、トウマ」
と、そこへ話しに混ざって来たのはルークであった。
「ルーク!?」
「……ルークか」
私は先日の面倒な絡み方をされた事を思い出し、今日もまたあんな事をされると少し嫌だな~と思ってしまい、ちょっとだけ嫌な感じで呟いてしまった。
するとルークの後ろからマックスとケビンもやって来て、声を掛けて来た。
「よ、クリス。それにトウマ~」
「やぁ。準備お疲れ様」
「お疲れケビン、マックス。それにルークも」
「おう」
私がそう声を掛けた後、トウマが急にルークを連れて少し2人だけに離れて行く。
「まさか邪魔か? 邪魔に来たのか?」
「ちげぇよ、偶然だよ。元々マックスたちとで、準備してて歩いてたんだ」
「にしてはタイミングが良すぎるだろ」
「そんなことねえって」
トウマは疑いの目を向けていると、ルークはこちらに急ぎ足で近づいて来る人物たちを見つけトウマに伝えた。
「トウマ迎えが来たみたいだぞ?」
「迎え?」
そうトウマが振り返ると、血相を変えたリーガとライラックがこちらに向かって来ていた。
「え!? 何!?」
「おい直ぐに準備出来るって言ったろ! どこまで飯食いに行ってんだ、馬鹿野郎」
「探したろうが! ほら、今はお前のせいで時間が押してアルジュが怒ってるんだから、さっさと行くぞ!」
「いや、ちょっと! こう言うの前にも体験した事がーー!」
トウマはそうしてリーガとライラックに腕を掴まれて、強制的に連行されて行くのだった。
それをルークは軽く手を振りながら見送った後、私たちの所へと戻って来た。
「あれ、トウマは?」
「あ~何か出番が近いみたいで、リーガたちに連行されて行ったよ」
何でだろ、その姿がはっきりと目に浮かぶな。
その後ルークたちと軽く雑談していると、舞台上からアルジュがアナウンスを始め、トウマたちの出し物が始まる事が伝えられる。
そしてアルジュがトウマたちを紹介し終え、暫く音楽が流れ始めてから舞台上にトウマ、リーガ、ライラックの3人が出て来る。
「え~トウマです。今日は俺たちが密かに練習し続けて来た、楽器を使った演奏をします」
それを聞いた先輩たちが軽くいじる様に野次を飛ばすが、トウマは「度肝を抜かしますよ」とハードルを上げる発言で返した。
トウマたちはそれから舞台裏から楽器を取り出し準備をし終えると、トウマがリーガとライラックにアイコンタクトを送り、2人は頷いて返す。
そしてトウマが軽く息を吸ってから口を開いた。
「それでは聞いて下さい――」
「殴り込みだー!」
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