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第332話 宣戦布告
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「オービン先輩!?」
私だけでなく、一気に皆が突然現れたオービンへと視線を向けた。
「やぁ皆。新年あけましておめでとう」
皆もオービンに対して挨拶を返した。
「兄貴、学院に来てたのか」
「まだ一応は副寮長だし、最後まで学院にはいるつもりだよ」
そう言えば、今更だけど寮内と学院でも第3学年の人をあまり見なかったな。
私がふとそんなことを考えていると、トウマがその答えを口にしてくれた。
「第3学年の先輩たちって、最終学期は登校自体自由でしたよね?」
「そうだね。現に、寮に来てない人もいるし、卒業までどう過ごすかは各個人の自由。研究するもよし、卒業先の経験を積むもよし、学院で気楽に過ごすもよしと決まりはないね」
なるほど、そういうことだったのね。
するとそこへもう一人の生徒がオービンの後ろからやって来た。
「オービン、俺たち第3学年が首を突っ込むのはよくないんじゃないか?」
「ミカ寮長」
「その呼び方止めてくれくよ、オービン」
オービンの背後から現れたのは、現寮長であるミカロスであった。
寮長がオービンからミカロスに変わったが、寮名自体はミカロスの意見で変わらずにオービンのままにしているのである。
ミカロスは眼鏡を軽く上げると、話の中心であるトウマとルークの方を交互に見つめる。
「(ルークにトウマか……確かにこれまでのことを考えると、そうなるのは必然か。俺としてはクリスという線もあるかと思ったが、さすがに考え過ぎたか)」
「で、兄貴。さっきのはどういうことだ?」
「そのままの意味だけど? ルークとトウマ君で次期寮長の座を競えばってこと。聞いていたけど、他に候補者もいないし周りも二人のどちらを推しているようだし、二人も互いに推薦してるしさ」
その言葉にルークもトウマも黙ってしまう。
一方で周囲はオービンの提案に賛成し出す。
「ここで言い合っていても仕方ねぇし、互いに支持する方について次期寮長選挙だ!」
「いいね~面白れぇ! やってやるよ!」
「おいおい、勝手に話を進めるなよ」
「待て、まだ俺はやると決めた訳じゃないぞ」
周囲が勝手に次期寮長選挙を進めるのに対してルークとトウマは止めようとするが、周りは止まらなかった。
「(くっそ、ダメだ。全然話を聞かねぇ……俺もトウマと言い合っていたのが悪いが、まさか兄貴が来てあんなことをいいだすとは)」
ルークはオービンの方を軽く睨むと、オービンはにこやかや表情をみせる。
「(まさか兄貴、俺を寮長にでもしようとしてるのか?)」
するとそこでフェルトがオービンに話し掛ける。
「オービン先輩、次期寮長選挙は俺たちで決めることですけど、見届け人として参加してくれませんか? これまでも先輩方が下の代の次期寮長選挙に関わったりはしますし」
「俺としては元からそのつもりだけど、そういうの決めるのは代々寮長だから」
オービンはそういいながら隣のミカロスへと視線を向けると、ミカロスは小さくため息をついた。
「俺が反対してもお前はどうせ首を突っ込むだろうが。というより、この状況を作り出したんだから、責任持って見届けろ。だけどお前だけじゃ、何を急にするか分からないから俺も一緒にやる」
「さすがミカ寮長、俺のことよく分かってる~」
「はぁ~どれだけお前に付き合っていると思ってるんだ」
ミカロスの言葉にオービンは笑って返すと、ミカロスもうっすらと笑う。
「さて、寮長と副寮長も見届け人として参加してくれるって事で、どうやって決着をつけようか決めようか」
「フェルト、お前にしてはやけに乗り気だな。こういうことは、興味がないと思っていたが?」
「ニック俺だってこの寮の一員だぞ? 自分の代の寮長決めようって時くらい、俺だって他人任せにはしないだけ」
フェルトとニックが対立している構図に私は、近くにいたピースに話し掛けた。
「なぁピース、ニックとフェルトがあそこまで対立してるの初めて見たんだけど、ああいうことって今までにあるか?」
「う~ん、あったようななかったような……」
何故曖昧? ピースってよくあの二人ともいるし、昔から仲いいと思ってたけど違うのかな?
「僕はフェルトとニックとは、初等部の最終学年からの知り合いだから、その以前の関係性はよく知らないんだよね」
「そうなの?」
「うん。ニックとフェルトは初等部の第1学年の時からの知り合ったらしくて、あまりその頃の話は聞いたことないんだけど、昔はそこまで仲が良くなかったらしいよ」
「へぇ~」
「僕はニックの放って置けない性格きっかけと、同室になったことで話すようになってフェルトともそれからの関係なんだ」
そうだったのね。
私はてっきり三人の雰囲気的に、ピースがニックと仲良くなって後からフェルトが入って来たのかと思っていたけど、違かったのね。
ちょっと私的には意外だったかも。
「ニック、何かこういうの懐かしいな~初等部の時を思い出すよ俺は」
「そんな昔のこと、今関係ないだろ」
「冷たいな~まぁその通りだけど。なぁ皆! 俺から次期寮長選挙について提案なんだけどさ、俺たちの寮の雰囲気からいってさ話し合いで決着って感じじゃないだろ?」
突然のフェルトの話に、皆は耳を傾け頷く者もいた。
そこへルークが割り込んで行く。
「ちょっといいか、フェルト。このタイミングだ、皆もいいか。一回落ち着いてくれ。俺はトウマを推し、トウマは俺を推してる。で、互いに寮長に立候補するきはない。この状況で、この話を進めるのはよくないんじゃないか?」
「なるほどね~ルークのいいたいことは分かった」
「フェルト」
「だけども、もうこうなった以上他の立候補者なんていないよ。というか、お前ら二人以外に俺たちの上に立てる奴はいないよ。それに、うちのトウマは何だかんだいって、こういう風に持ち上げられるとやる気になっちゃうタイプなんだよね~。なぁ! トウマ?」
「え!? あ、いや、俺は――」
「見たかルーク? まんざらでもない顔してるだろ?」
フェルトは強引にトウマの話を切って、前に立って話し続ける。
「って、わけだからさルークがやる気がないっていうなら、このままトウマ推薦で皆に寮長候補を辞退するっていってくれよ? これは、お前も願ってた展開だろ?」
「(確かにトウマを推すとは言ったが、何かこの状況で言われた通りに何をするってのはちょっとな……)」
ルークはフェルトにいいように使われている感じがして、返事を渋っていたが元より寮長はやる気がなかったので、ひとまずそれだけは伝え決め方についてもう一度話そうと思った時だった。
ニックが前にやって来て先に口を開いた。
「ルーク、あいつの口車には乗るな。こうやって出しゃばって来た時のあいつは、だいたい何か企んでるんだよ昔から」
「何だよニック、せっかく俺が上手くまとめようとしてたのによ~」
「どこがだよ。うちの寮長候補を辞退させようとしてた奴が、よくいうよ。そうしないと、そっちの寮長候補は勝てないってか?」
「っ……そんな訳ないよ。ちょっとした前哨戦だよ? なぁ、トウマ?」
「おい! そこで俺に振る――」
そうトウマがいい返そうと背後からリーガとライラックがフェルトの話に乗っかりだす。
「さっすがトウマ! もうフェルトをとり込んでいたのかよ。気付かなかった……」
「密かに寮長を狙っていたんだな。悪い、俺たちが鈍感なせいで力になれなくて……」
「いいんだ、いいんだ。トウマは俺に相談してくれた時に、お前たちが一番応援してくれるって言ってたし、力にもなってくれるだろうって照れながら言ってたんだよ」
「「トウマ!」」
「いや、ちょっと!?」
トウマはリーガとライラックに抱き着かれてしまい身動きが出来なくなってしまう。
「相変わらず口だけはよく回るな、フェルト」
「? 何のことだか、よく分からないなニック」
「ルーク、お前には悪いがこのままトウマと次期寮長を競ってもらう。それにこうも意見がクラスで別れた以上、白黒はっきり付けた方がいいしな」
ニックの言葉にルークは黙ったままであった。
その沈黙をニックは了承したと勝手に捉えて、トウマ派のフェルトに宣戦布告する。
「どっちが次期寮長に相応しいか、決着つけようじゃないか!」
私だけでなく、一気に皆が突然現れたオービンへと視線を向けた。
「やぁ皆。新年あけましておめでとう」
皆もオービンに対して挨拶を返した。
「兄貴、学院に来てたのか」
「まだ一応は副寮長だし、最後まで学院にはいるつもりだよ」
そう言えば、今更だけど寮内と学院でも第3学年の人をあまり見なかったな。
私がふとそんなことを考えていると、トウマがその答えを口にしてくれた。
「第3学年の先輩たちって、最終学期は登校自体自由でしたよね?」
「そうだね。現に、寮に来てない人もいるし、卒業までどう過ごすかは各個人の自由。研究するもよし、卒業先の経験を積むもよし、学院で気楽に過ごすもよしと決まりはないね」
なるほど、そういうことだったのね。
するとそこへもう一人の生徒がオービンの後ろからやって来た。
「オービン、俺たち第3学年が首を突っ込むのはよくないんじゃないか?」
「ミカ寮長」
「その呼び方止めてくれくよ、オービン」
オービンの背後から現れたのは、現寮長であるミカロスであった。
寮長がオービンからミカロスに変わったが、寮名自体はミカロスの意見で変わらずにオービンのままにしているのである。
ミカロスは眼鏡を軽く上げると、話の中心であるトウマとルークの方を交互に見つめる。
「(ルークにトウマか……確かにこれまでのことを考えると、そうなるのは必然か。俺としてはクリスという線もあるかと思ったが、さすがに考え過ぎたか)」
「で、兄貴。さっきのはどういうことだ?」
「そのままの意味だけど? ルークとトウマ君で次期寮長の座を競えばってこと。聞いていたけど、他に候補者もいないし周りも二人のどちらを推しているようだし、二人も互いに推薦してるしさ」
その言葉にルークもトウマも黙ってしまう。
一方で周囲はオービンの提案に賛成し出す。
「ここで言い合っていても仕方ねぇし、互いに支持する方について次期寮長選挙だ!」
「いいね~面白れぇ! やってやるよ!」
「おいおい、勝手に話を進めるなよ」
「待て、まだ俺はやると決めた訳じゃないぞ」
周囲が勝手に次期寮長選挙を進めるのに対してルークとトウマは止めようとするが、周りは止まらなかった。
「(くっそ、ダメだ。全然話を聞かねぇ……俺もトウマと言い合っていたのが悪いが、まさか兄貴が来てあんなことをいいだすとは)」
ルークはオービンの方を軽く睨むと、オービンはにこやかや表情をみせる。
「(まさか兄貴、俺を寮長にでもしようとしてるのか?)」
するとそこでフェルトがオービンに話し掛ける。
「オービン先輩、次期寮長選挙は俺たちで決めることですけど、見届け人として参加してくれませんか? これまでも先輩方が下の代の次期寮長選挙に関わったりはしますし」
「俺としては元からそのつもりだけど、そういうの決めるのは代々寮長だから」
オービンはそういいながら隣のミカロスへと視線を向けると、ミカロスは小さくため息をついた。
「俺が反対してもお前はどうせ首を突っ込むだろうが。というより、この状況を作り出したんだから、責任持って見届けろ。だけどお前だけじゃ、何を急にするか分からないから俺も一緒にやる」
「さすがミカ寮長、俺のことよく分かってる~」
「はぁ~どれだけお前に付き合っていると思ってるんだ」
ミカロスの言葉にオービンは笑って返すと、ミカロスもうっすらと笑う。
「さて、寮長と副寮長も見届け人として参加してくれるって事で、どうやって決着をつけようか決めようか」
「フェルト、お前にしてはやけに乗り気だな。こういうことは、興味がないと思っていたが?」
「ニック俺だってこの寮の一員だぞ? 自分の代の寮長決めようって時くらい、俺だって他人任せにはしないだけ」
フェルトとニックが対立している構図に私は、近くにいたピースに話し掛けた。
「なぁピース、ニックとフェルトがあそこまで対立してるの初めて見たんだけど、ああいうことって今までにあるか?」
「う~ん、あったようななかったような……」
何故曖昧? ピースってよくあの二人ともいるし、昔から仲いいと思ってたけど違うのかな?
「僕はフェルトとニックとは、初等部の最終学年からの知り合いだから、その以前の関係性はよく知らないんだよね」
「そうなの?」
「うん。ニックとフェルトは初等部の第1学年の時からの知り合ったらしくて、あまりその頃の話は聞いたことないんだけど、昔はそこまで仲が良くなかったらしいよ」
「へぇ~」
「僕はニックの放って置けない性格きっかけと、同室になったことで話すようになってフェルトともそれからの関係なんだ」
そうだったのね。
私はてっきり三人の雰囲気的に、ピースがニックと仲良くなって後からフェルトが入って来たのかと思っていたけど、違かったのね。
ちょっと私的には意外だったかも。
「ニック、何かこういうの懐かしいな~初等部の時を思い出すよ俺は」
「そんな昔のこと、今関係ないだろ」
「冷たいな~まぁその通りだけど。なぁ皆! 俺から次期寮長選挙について提案なんだけどさ、俺たちの寮の雰囲気からいってさ話し合いで決着って感じじゃないだろ?」
突然のフェルトの話に、皆は耳を傾け頷く者もいた。
そこへルークが割り込んで行く。
「ちょっといいか、フェルト。このタイミングだ、皆もいいか。一回落ち着いてくれ。俺はトウマを推し、トウマは俺を推してる。で、互いに寮長に立候補するきはない。この状況で、この話を進めるのはよくないんじゃないか?」
「なるほどね~ルークのいいたいことは分かった」
「フェルト」
「だけども、もうこうなった以上他の立候補者なんていないよ。というか、お前ら二人以外に俺たちの上に立てる奴はいないよ。それに、うちのトウマは何だかんだいって、こういう風に持ち上げられるとやる気になっちゃうタイプなんだよね~。なぁ! トウマ?」
「え!? あ、いや、俺は――」
「見たかルーク? まんざらでもない顔してるだろ?」
フェルトは強引にトウマの話を切って、前に立って話し続ける。
「って、わけだからさルークがやる気がないっていうなら、このままトウマ推薦で皆に寮長候補を辞退するっていってくれよ? これは、お前も願ってた展開だろ?」
「(確かにトウマを推すとは言ったが、何かこの状況で言われた通りに何をするってのはちょっとな……)」
ルークはフェルトにいいように使われている感じがして、返事を渋っていたが元より寮長はやる気がなかったので、ひとまずそれだけは伝え決め方についてもう一度話そうと思った時だった。
ニックが前にやって来て先に口を開いた。
「ルーク、あいつの口車には乗るな。こうやって出しゃばって来た時のあいつは、だいたい何か企んでるんだよ昔から」
「何だよニック、せっかく俺が上手くまとめようとしてたのによ~」
「どこがだよ。うちの寮長候補を辞退させようとしてた奴が、よくいうよ。そうしないと、そっちの寮長候補は勝てないってか?」
「っ……そんな訳ないよ。ちょっとした前哨戦だよ? なぁ、トウマ?」
「おい! そこで俺に振る――」
そうトウマがいい返そうと背後からリーガとライラックがフェルトの話に乗っかりだす。
「さっすがトウマ! もうフェルトをとり込んでいたのかよ。気付かなかった……」
「密かに寮長を狙っていたんだな。悪い、俺たちが鈍感なせいで力になれなくて……」
「いいんだ、いいんだ。トウマは俺に相談してくれた時に、お前たちが一番応援してくれるって言ってたし、力にもなってくれるだろうって照れながら言ってたんだよ」
「「トウマ!」」
「いや、ちょっと!?」
トウマはリーガとライラックに抱き着かれてしまい身動きが出来なくなってしまう。
「相変わらず口だけはよく回るな、フェルト」
「? 何のことだか、よく分からないなニック」
「ルーク、お前には悪いがこのままトウマと次期寮長を競ってもらう。それにこうも意見がクラスで別れた以上、白黒はっきり付けた方がいいしな」
ニックの言葉にルークは黙ったままであった。
その沈黙をニックは了承したと勝手に捉えて、トウマ派のフェルトに宣戦布告する。
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