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第364話 肩車
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私たちが立てた『エルを学院からバレずに連れだしてお姉ちゃんに会わせよう作戦』は次の通りになった。
まず初めに、外出権をトウマとトウマが人選した人が購入し、その間に残った人でエルをバレずに運び出す準備をする。
大きな箱など外に持ち出す際には必ず教員が確認などするので、その隙を見てトウマと数人がエルを服の内側に隠して外出するという至ってシンプルな囮作戦である。
正門まで向かう途中は皆でエルを囲う様に大勢で歩き、他の人に見つからず向かい誰か話し掛けて来たらその人にゆかりがある人が話すなどの切り離しを行い向かう事になった。
また数人は事前に進路の各所に先に待っており簡単な安全確認などし、向かって来る部隊に合図を出す役割が与えられた。
ちなみに私は正門に向かうにあたっての共有スペース付近の安全確認をシンリと任され、更には外へと外出するメンバーにも選ばれてたのだ。
外出するメンバーは私を含め六名。
トウマ、ルーク、フェルト、ピース、ガードルに私を含めたメンバーである。
その内フェルトとピースが先の囮作戦実行する係りとなっている。
そして現在、私はシンリと共にトウマたちの到着を待っていた。
「時間的にはまだ朝だから、あまり人はいないな」
「そうだね。でも、ちらほらと居るからここにトウマたちがぞろぞろと来るのはちょっと違和感あるよな」
シンリの心配する事は私もうっすらと思っていたが、皆の目には入るが特に気には留めないだろうとも考えていた。
するとそこへ先行部隊の後輩が二人やって来て、状況を確認しに来た。
二人に対してシンリが状況を伝えると後輩は「分かりました」と返事をして、少し早歩きで来た道を戻って行った。
数分後トウマたちが遠くからやって来たのが視界に入る。
トウマたちは怪しまれない様に集団で雑談する様に歩いていたが、その先頭にいるトウマだけの表情は硬く笑顔が引きつっていた。
私は直ぐに隣にいたルークに視線を向けると、ルークも小さくため息をしており何とか表情をほぐそうとトウマに話し掛けていた。
何してるんだよトウマ……そんな硬くなる事じゃないだろうに。
そして私とシンリがトウマたちと待ち合わせしていた様に合流し、そのまま歩き始める。
ちょっとした大人数にやはり周囲の皆から視線は向けられたが、特に気にする事無く何事もなく共有スペースを通り抜けられた。
そしていよいよ正門前の囮作戦開始しようとした時に問題は発生した。
「トウマじゃないか。何だ、そんな大勢で外出か?」
そう突然声を掛けて来たのは、ダイモン寮の次期寮長であるダンデであった。
更にはダンデ以外にも次期副寮長のスザクにレオンの姿もあったのだ。
ここでダンデ!? 厄介な相手に捕まったな。
「ん? 何で台車なんか持っているんだ?」
ダンデが台車の存在に気付いた所で、咄嗟にトウマが前に出て話し掛けて視線をそれから逸らすのだった。
「ぐ、偶然だなダンデ。そう言えば会ったら聞こうと思っていたんだが、次期寮長選挙の時の凄かったらしいな。詳しく聞かせてくれないか?」
「珍しいな、トウマお前がそんな事を言うのは。まぁ、そこまで聞きたいと言うなら話してやってもいいが」
「ケチなこと言うなよダンデ。次期寮長同士の仲じゃねぇかよ」
と、トウマは口にしながらも頭の中では「(やっちまったー!)」と焦っていた。
外出時のメンバーであるトウマがここで抜けると、エルを隠す人が減る為作戦が難しくなるからであった。
事前に特に外出するメンバーは足止めには参加しない様にと取り決めていたが、咄嗟にトウマが前に出てしまい私を含め皆驚いていた。
「(トウマの奴、何やってんだ)」
ルークはそう思いながら直ぐにどうするか考え始めたが、その直後一番最初に動いた人物がいた。
「いや~良かったら俺もその話聞きたいな」
「おー! ベックス! お前も聞きたいのか! 遂にうちの寮に来る気になったという事だな。うんうん」
「いや、さすがにそれはない。寮を移る気はない」
「ははは! 頑なだな兄弟! だが、俺の雄姿を聞けばうちの寮に入りたくなるに違いないぞ!」
ダンデが笑っている所で、ベックスが私たちの方に視線を向けて来て小声で「ここは任せてくれ。トウマは必ず後から行かせる」と口にしたのだ。
ルークはすぐさまその言葉を信じ、ベックスとトウマをその場に置き正門へと少し強引に向かった。
「トウマ、ベックス。そしたら俺たちは先に行っているからな」
「ああ。分かった」
ベックスがそう返事をした時、ダンデの後方にしたレオンが私たちの足元に視線を向けて目を凝らしていた。
「(ん? 何か今変な感じに見えたが、気のせいか?)」
そんな中、ダンデが次期寮長選挙の決勝戦の話をし始めるのだった。
私たちはトウマとベックスに後を任せ正門付近へとようやく辿り着き、直ぐに囮作戦を開始した。
予想通り、正門前でピースとフェルトが教員に捕まり話をし始めたのを隠れながら見ていた後輩たちから聞き、私とルークそしてガードルでエルを囲う様に隠しつつ正門へと向かった。
そしてピースとフェルトを横目に魔道具を使い正門から出て、外に待機していた教員の前にすぐにルークが近付き、魔道具を渡し軽く立ち話をし始めた。
私とガードルはその間にエルを隠しつつ急いでその場から離れ、皆との合流場所である噴水の時計台へと向かった。
それから数十分後に、ルークとピースにフェルトが合流した。
ピースとフェルトが持っていた台車は最終的には持って行かない事にし、偶然を装って通りかかった後輩たちに渡して外出したのだった。
「ひとまずトウマ以外には、皆無事に出れたな」
「本題はここからだけどな。トウマはいないが、彼女のお姉ちゃんを探すでいいんだろ?」
フェルトの問いかけにルークは頷いた。
ちなみにエルのお姉ちゃんは、モリンと言う名らしくいつもは飲食店で働いているらしい。
年は私たちよりも一つや二つ上で、エルが持っていたメモ書きの場所はモリンが働いている店の近くだと、フェルトが改めて地図を照らし合わせて判明するのだった。
そこから私たちは手分けをしてメモ書きの場所へ向かう班と、お姉ちゃんがもしかしたら外でエルを探しているかもしれないという可能性を考え、エルと共に周辺を歩きモリンを探す班に分かれる事にした。
班決めはフェルトが何故がくじ引きを用意しており、全員で引いた結果私とルークがエルとモリンを探す班となり、それ以外の皆がメモの場所へと向かう班となった。
するとガードルがトウマがここへ来た時の事を考えて、場所を知っているのでトウマと合流した後メモの場所へと向かう提案をした。
特に反対する理由はなかったので、後から来るトウマの事はガードルに任せ私たちは班ごとに別れて移動し始めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「やっぱり休日だから、どこも人が多いな」
「この中から探すのは厳しいな」
「ねぇ、そしたら私を肩車してよ」
「「え?」」
私とルークは同時に同じ返事をエルに返した。
エルは笑顔で肩車して欲しそうに目を輝かせて、何故かルークを見つめていた。
「私を肩車した方が、お姉ちゃんも探せるしお姉ちゃんが居たら声を掛けられると思うよ」
「……確かにそうだな」
私はエルはそう言う理由もあるが、普通に肩車されたいのではないかと思い小さく笑い、ルークに「肩車してあげなよ」と進めた。
ルークも薄々それに気付いたのか、さすがに断る事は出来ないので「分かった」と諦めてエルを肩車するのだった。
「わーい! 高い! ルーク高いよ~」
「それは良かった。楽しむのもいいが、お姉ちゃんも探してくれよ」
「分かってるよ」
「良かったじゃん、嫌われなくて」
私が小声てそうルークに話すと、ルークは軽く私の方を睨んで来た。
「クリス、何か楽しんでないか?」
「そんな事ないよ」
と、あまり見ないルークの肩車姿に私がニヤニヤしていると、突然エルから予想もしてない質問が飛んで来た。
「ねぇ、ルークとクリスは付き合っているの?」
「「……はぁ!?」」
まず初めに、外出権をトウマとトウマが人選した人が購入し、その間に残った人でエルをバレずに運び出す準備をする。
大きな箱など外に持ち出す際には必ず教員が確認などするので、その隙を見てトウマと数人がエルを服の内側に隠して外出するという至ってシンプルな囮作戦である。
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また数人は事前に進路の各所に先に待っており簡単な安全確認などし、向かって来る部隊に合図を出す役割が与えられた。
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外出するメンバーは私を含め六名。
トウマ、ルーク、フェルト、ピース、ガードルに私を含めたメンバーである。
その内フェルトとピースが先の囮作戦実行する係りとなっている。
そして現在、私はシンリと共にトウマたちの到着を待っていた。
「時間的にはまだ朝だから、あまり人はいないな」
「そうだね。でも、ちらほらと居るからここにトウマたちがぞろぞろと来るのはちょっと違和感あるよな」
シンリの心配する事は私もうっすらと思っていたが、皆の目には入るが特に気には留めないだろうとも考えていた。
するとそこへ先行部隊の後輩が二人やって来て、状況を確認しに来た。
二人に対してシンリが状況を伝えると後輩は「分かりました」と返事をして、少し早歩きで来た道を戻って行った。
数分後トウマたちが遠くからやって来たのが視界に入る。
トウマたちは怪しまれない様に集団で雑談する様に歩いていたが、その先頭にいるトウマだけの表情は硬く笑顔が引きつっていた。
私は直ぐに隣にいたルークに視線を向けると、ルークも小さくため息をしており何とか表情をほぐそうとトウマに話し掛けていた。
何してるんだよトウマ……そんな硬くなる事じゃないだろうに。
そして私とシンリがトウマたちと待ち合わせしていた様に合流し、そのまま歩き始める。
ちょっとした大人数にやはり周囲の皆から視線は向けられたが、特に気にする事無く何事もなく共有スペースを通り抜けられた。
そしていよいよ正門前の囮作戦開始しようとした時に問題は発生した。
「トウマじゃないか。何だ、そんな大勢で外出か?」
そう突然声を掛けて来たのは、ダイモン寮の次期寮長であるダンデであった。
更にはダンデ以外にも次期副寮長のスザクにレオンの姿もあったのだ。
ここでダンデ!? 厄介な相手に捕まったな。
「ん? 何で台車なんか持っているんだ?」
ダンデが台車の存在に気付いた所で、咄嗟にトウマが前に出て話し掛けて視線をそれから逸らすのだった。
「ぐ、偶然だなダンデ。そう言えば会ったら聞こうと思っていたんだが、次期寮長選挙の時の凄かったらしいな。詳しく聞かせてくれないか?」
「珍しいな、トウマお前がそんな事を言うのは。まぁ、そこまで聞きたいと言うなら話してやってもいいが」
「ケチなこと言うなよダンデ。次期寮長同士の仲じゃねぇかよ」
と、トウマは口にしながらも頭の中では「(やっちまったー!)」と焦っていた。
外出時のメンバーであるトウマがここで抜けると、エルを隠す人が減る為作戦が難しくなるからであった。
事前に特に外出するメンバーは足止めには参加しない様にと取り決めていたが、咄嗟にトウマが前に出てしまい私を含め皆驚いていた。
「(トウマの奴、何やってんだ)」
ルークはそう思いながら直ぐにどうするか考え始めたが、その直後一番最初に動いた人物がいた。
「いや~良かったら俺もその話聞きたいな」
「おー! ベックス! お前も聞きたいのか! 遂にうちの寮に来る気になったという事だな。うんうん」
「いや、さすがにそれはない。寮を移る気はない」
「ははは! 頑なだな兄弟! だが、俺の雄姿を聞けばうちの寮に入りたくなるに違いないぞ!」
ダンデが笑っている所で、ベックスが私たちの方に視線を向けて来て小声で「ここは任せてくれ。トウマは必ず後から行かせる」と口にしたのだ。
ルークはすぐさまその言葉を信じ、ベックスとトウマをその場に置き正門へと少し強引に向かった。
「トウマ、ベックス。そしたら俺たちは先に行っているからな」
「ああ。分かった」
ベックスがそう返事をした時、ダンデの後方にしたレオンが私たちの足元に視線を向けて目を凝らしていた。
「(ん? 何か今変な感じに見えたが、気のせいか?)」
そんな中、ダンデが次期寮長選挙の決勝戦の話をし始めるのだった。
私たちはトウマとベックスに後を任せ正門付近へとようやく辿り着き、直ぐに囮作戦を開始した。
予想通り、正門前でピースとフェルトが教員に捕まり話をし始めたのを隠れながら見ていた後輩たちから聞き、私とルークそしてガードルでエルを囲う様に隠しつつ正門へと向かった。
そしてピースとフェルトを横目に魔道具を使い正門から出て、外に待機していた教員の前にすぐにルークが近付き、魔道具を渡し軽く立ち話をし始めた。
私とガードルはその間にエルを隠しつつ急いでその場から離れ、皆との合流場所である噴水の時計台へと向かった。
それから数十分後に、ルークとピースにフェルトが合流した。
ピースとフェルトが持っていた台車は最終的には持って行かない事にし、偶然を装って通りかかった後輩たちに渡して外出したのだった。
「ひとまずトウマ以外には、皆無事に出れたな」
「本題はここからだけどな。トウマはいないが、彼女のお姉ちゃんを探すでいいんだろ?」
フェルトの問いかけにルークは頷いた。
ちなみにエルのお姉ちゃんは、モリンと言う名らしくいつもは飲食店で働いているらしい。
年は私たちよりも一つや二つ上で、エルが持っていたメモ書きの場所はモリンが働いている店の近くだと、フェルトが改めて地図を照らし合わせて判明するのだった。
そこから私たちは手分けをしてメモ書きの場所へ向かう班と、お姉ちゃんがもしかしたら外でエルを探しているかもしれないという可能性を考え、エルと共に周辺を歩きモリンを探す班に分かれる事にした。
班決めはフェルトが何故がくじ引きを用意しており、全員で引いた結果私とルークがエルとモリンを探す班となり、それ以外の皆がメモの場所へと向かう班となった。
するとガードルがトウマがここへ来た時の事を考えて、場所を知っているのでトウマと合流した後メモの場所へと向かう提案をした。
特に反対する理由はなかったので、後から来るトウマの事はガードルに任せ私たちは班ごとに別れて移動し始めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「やっぱり休日だから、どこも人が多いな」
「この中から探すのは厳しいな」
「ねぇ、そしたら私を肩車してよ」
「「え?」」
私とルークは同時に同じ返事をエルに返した。
エルは笑顔で肩車して欲しそうに目を輝かせて、何故かルークを見つめていた。
「私を肩車した方が、お姉ちゃんも探せるしお姉ちゃんが居たら声を掛けられると思うよ」
「……確かにそうだな」
私はエルはそう言う理由もあるが、普通に肩車されたいのではないかと思い小さく笑い、ルークに「肩車してあげなよ」と進めた。
ルークも薄々それに気付いたのか、さすがに断る事は出来ないので「分かった」と諦めてエルを肩車するのだった。
「わーい! 高い! ルーク高いよ~」
「それは良かった。楽しむのもいいが、お姉ちゃんも探してくれよ」
「分かってるよ」
「良かったじゃん、嫌われなくて」
私が小声てそうルークに話すと、ルークは軽く私の方を睨んで来た。
「クリス、何か楽しんでないか?」
「そんな事ないよ」
と、あまり見ないルークの肩車姿に私がニヤニヤしていると、突然エルから予想もしてない質問が飛んで来た。
「ねぇ、ルークとクリスは付き合っているの?」
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