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第374話 リセット
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「え?」
「ん?」
「?」
その場にいたクリス、ルーク、トウマが同じ様に首を傾げた。
ラーウェンとドウラは急に現れたルークとトウマに驚きつつも、状況がつかめずにいた。
するとそんな状況でクリスが再び口を開いた。
「あの、それでここ何処ですか? 私、屋敷に居たはずなんですけど」
「私?」
「私!?」
「(何言ってるんだよ、クリス)」
その言葉に、ラーウェンとドウラも耳を傾けると、トウマは驚いた顔をしてルークの方を向く。
ルークもクリスの異変に気付き、トウマの方へと視線を向けた後直ぐに動き始めた。
「大丈夫かクリス? ほら、とりあえず立てよ」
そう言ってルークがクリスに近付き、手を差し伸べる。
その時、ラーウェンとドウラから見えない様にルークは自分の背でクリスを覆う。
「クリス? いや、私は」
「分かってる。でも今はとりあえず、合わせてくれ」
「いや、意味が分からないんですけど……」
クリスはそう口にして、ルークが差し出した手は握らずに訳の分からない状況に警戒して少し退く。
「(っ……まずい、さすがに強引過ぎたか)」
ルークが焦って行動した事を悔いていると、背後からドウラが声を掛けて来た。
「何か様子が変だが、やっぱり俺がぶつかったせいで何かあったか?」
「いや、大丈夫だ。ちょっと気が動転してるだけだ」
直ぐにルークが振り向いてドウラの問いかけに答えると、咄嗟にトウマへと目配せをした。
トウマは何となく助けを求めているのだと思い、直ぐにラーウェンとドウラに声を掛けた。
「い、いや~まさかこんな所で会うなんてな。久しぶりだな、ラーウェン。それに、ドウラさんも」
そう口にしたトウマは少し顔が引きつっていた。
「……そんな久しぶりでもないだろ、トウマ」
「うっ……そ、それもそうだな。あははは……」
「トウマって呼んでもいいかな?」
「え、あ、ああ。構わないよ」
「良かった。じゃ、俺の事も呼び捨てで構わないよ。それに対抗戦では戦った仲でもあるわけだし。改めてよろしく、トウマ」
「よろしくドウラ。で、何があったんだ? 話的にクリスとぶつかったのか?」
トウマは二人の意識を自分に向けている間に、ルークに軽く合図を送り「今のうちに何とかしろ」と念を同時に送るのだった。
ルークはトウマに感謝した後、直ぐにクリスの方へと視線を向けた。
「(たぶん、いやさっきの言動で何故かクリスは俺たちの事を知らない。冗談でもなく、完全な初対面に対する反応だった。しかも、自分がクリスである事を知らないというならば今目の前にいるのは、俺たちを知らないアリスと言う事になる)」
瞬時にルークは脳をフル回転させて、状況を判断して行く。
そんな中、目の前のクリスは怪しむ様にルークの事を見つつ、周囲をキョロキョロとし始める。
「(ひとまず、ここを離れたいがどうする? 既に警戒されているし、このままだとアルジュたちにもここに合流して来て、ややこしい事になる。ただでさえ、シリウスのラーウェンとドウラと何故か遭遇しているんだ。これ以上の面倒事は避けたい)」
するとアルジュたちが、こちらの状況に気付き近付いて来るがルークの視界に入った。
「(まずいな。悠長にしている時間はない……はぁー、仕方ない。もうここは、どう思われようともアリスを連れて離れるしかないか)」
ルークは覚悟を決めたのか、小さく深呼吸した後アリスへと近付くと彼女の手を優しく掴むと、スッと立ち上がらせた。
アリスは驚いた顔をしていたが、次の瞬間ルークはアリスの方を向きつつ手を引っ張って背面で滑り始め、そのまま陸地へと向かった。
まさかの行動にアリスも「え、え!?」と動揺していたが、氷の上でどうする事も出来ずそのままルークに連れていかれるのだった。
それから数分後に、トウマとラーウェンにドウラの元にアルジュたちが合流してくる。
「おーい、何かあったのか?」
「あれ? その人たちって、対抗戦の時ルークとトウマの対戦相手だった人じゃ」
シンリの問いかけに、ラーウェンとドウラは振り返り改めて自己紹介をするのだった。
一方で、アリスを強引にあの場から離したルークは陸地に辿り着くと、そのままアリスの手を握ったまま近くの茂みへと入り込む。
ルークは話をするにも、あまり人目に付かない方がいいと思い、そのまま奥へと入って行くが、途中でアリスが手を振り払い止まる。
「ちょ、ちょっと! さっきから何なのよ! 人の手を握って何処に連れて行く気なの?」
「あ、悪い。少し焦ってて」
「焦る? あーもう分けわからないわ! そもそも貴方は誰なの? さっきの人もそうだけど。それに、ここフォークロス領内じゃないわよね? こんなに雪何てつもらないし」
「アリス、どこまで覚えている?」
「っ!? ……何で貴方私の名前を知っているの?」
アリスはそこで自分の名前を何故か知っているルークに警戒し始め、ルークは軽く手を顔に当てた。
「(しまった。まずは、警戒を解く所からだ)」
「貴方誰なの!? どうして私の名前を知っているの! もしかして、誘拐?」
「いや、違う! 誘拐じゃない。まずは、強引に君の手を引っ張ってしまい悪かった。俺の名は、ルーク・クリバンス」
ルークは一度アリスの現状を知りたいという気持ちを抑え、まずは警戒すべき相手ではないと思ってもらう様にと優しく話し始めた。
「ルーク・クリバンス……あ! もしかして貴方が、クリバンス王国の第二王子!? え、何で第二王子が私と一緒に? てか、どういう状況なの!?」
慌てるアリスを見て、ルークは小さく「第二王子か……」と呟いた。
「まずは落ち着いて話を聞いて欲しい。まずここは、クリバンス王国の北に位置するローデングスと言う場所だ。そして君は、俺とさっきいた奴らと同じ魔法学院に通う生徒だ」
「えっ……」
「アリス、君はとある条件で正体を偽り、クリスと名乗り今学院に在籍している」
「ちょっと待って! 全然落ち着けないし、理解も出来ないんですけど! どう言う事なの?」
ルークは困惑し頭を抱え出すアリスにうろたえる事無く、正確にゆっくりと現状のアリスを知ると言う意味も含めて、これまでの事を話し始めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うーん……理解しがたいけど、貴方が嘘を付いているって感じでもないのも分かった」
アリスは両腕を組み、ルークにそう返事をした後、自分の服装を改めて見つめた。
「私が自分で男装する訳もないし、マリアの事やお母様の事も知っている様子だし、仮にその話が本当だとして進めるわ」
「(とりあえずは、ざっくりだが話は出来た。それに今のアリスの状況も理解出来た。目の前にいるアリスは、まだうちの学院に入学してくる前のアリスで確定だ)」
アリスはそのまま自分の髪が短くなっている事に、少しショックを感じているのか、毛先を指でつまみながらそっちに視線を向けていた。
「(次はこれからどうするかだ。現状俺が判断出来るアリスの状況は、記憶喪失もしくは完全に俺たちとの記憶が消えたの二択だ。前者ならいいが、後者だと最悪だ……現場は見てないがあの時ドウラたちと何かしらの接触をしたのが原因だな)」
と、ルークがこれからの事を考えていると勝手にアリスが来た道を戻り始めていた。
咄嗟にルークは声を掛けて呼び止める。
「何?」
「何じゃないぞ。何処に行くんだ?」
「何処って、今の話が本当か確かめに戻るのよ。さっきの人たち貴方の友人なんでしょ。なら、話を聞けば何が真実か分かるでしょ」
「いやいや、話聞いてたか? お前の正体がバレたら、一大事なんだぞ?」
「貴方の話が本当なら、でしょ。大丈夫よ、そのクリスって感じで話して確認するだけよ」
そう言って、アリスはルークを置いて再び歩き始める。
「(何でじっとしてられないんだ。そんな事しても、変に怪しまれるだけだろ)」
ルークは立ち去ろうとするアリスを追って、手を掴んで止める。
アリスは直ぐに振り返った。
「何するのよ、離してよ」
「いや、ダメだ。変にボロを出させる訳には行かない」
「ボロなんて出さないわよ! それとも、そこまで行かせたくないって事は、さっきの話は嘘って事?」
「違う! お前の為を思ってだな」
「そう言って嘘がバレるのが怖いだけなんでしょ? 何でそんな事しているか知らないけど」
「なっ! お、お前なー」
と、茂みの中で言い合いを始めてしまう。
するとそこへある人物が声を聞き、やって来た。
「おいおい、男同士で何茂みでやってるんだ?」
そう突然声を掛けて来たのは、タツミであった。
「ん?」
「?」
その場にいたクリス、ルーク、トウマが同じ様に首を傾げた。
ラーウェンとドウラは急に現れたルークとトウマに驚きつつも、状況がつかめずにいた。
するとそんな状況でクリスが再び口を開いた。
「あの、それでここ何処ですか? 私、屋敷に居たはずなんですけど」
「私?」
「私!?」
「(何言ってるんだよ、クリス)」
その言葉に、ラーウェンとドウラも耳を傾けると、トウマは驚いた顔をしてルークの方を向く。
ルークもクリスの異変に気付き、トウマの方へと視線を向けた後直ぐに動き始めた。
「大丈夫かクリス? ほら、とりあえず立てよ」
そう言ってルークがクリスに近付き、手を差し伸べる。
その時、ラーウェンとドウラから見えない様にルークは自分の背でクリスを覆う。
「クリス? いや、私は」
「分かってる。でも今はとりあえず、合わせてくれ」
「いや、意味が分からないんですけど……」
クリスはそう口にして、ルークが差し出した手は握らずに訳の分からない状況に警戒して少し退く。
「(っ……まずい、さすがに強引過ぎたか)」
ルークが焦って行動した事を悔いていると、背後からドウラが声を掛けて来た。
「何か様子が変だが、やっぱり俺がぶつかったせいで何かあったか?」
「いや、大丈夫だ。ちょっと気が動転してるだけだ」
直ぐにルークが振り向いてドウラの問いかけに答えると、咄嗟にトウマへと目配せをした。
トウマは何となく助けを求めているのだと思い、直ぐにラーウェンとドウラに声を掛けた。
「い、いや~まさかこんな所で会うなんてな。久しぶりだな、ラーウェン。それに、ドウラさんも」
そう口にしたトウマは少し顔が引きつっていた。
「……そんな久しぶりでもないだろ、トウマ」
「うっ……そ、それもそうだな。あははは……」
「トウマって呼んでもいいかな?」
「え、あ、ああ。構わないよ」
「良かった。じゃ、俺の事も呼び捨てで構わないよ。それに対抗戦では戦った仲でもあるわけだし。改めてよろしく、トウマ」
「よろしくドウラ。で、何があったんだ? 話的にクリスとぶつかったのか?」
トウマは二人の意識を自分に向けている間に、ルークに軽く合図を送り「今のうちに何とかしろ」と念を同時に送るのだった。
ルークはトウマに感謝した後、直ぐにクリスの方へと視線を向けた。
「(たぶん、いやさっきの言動で何故かクリスは俺たちの事を知らない。冗談でもなく、完全な初対面に対する反応だった。しかも、自分がクリスである事を知らないというならば今目の前にいるのは、俺たちを知らないアリスと言う事になる)」
瞬時にルークは脳をフル回転させて、状況を判断して行く。
そんな中、目の前のクリスは怪しむ様にルークの事を見つつ、周囲をキョロキョロとし始める。
「(ひとまず、ここを離れたいがどうする? 既に警戒されているし、このままだとアルジュたちにもここに合流して来て、ややこしい事になる。ただでさえ、シリウスのラーウェンとドウラと何故か遭遇しているんだ。これ以上の面倒事は避けたい)」
するとアルジュたちが、こちらの状況に気付き近付いて来るがルークの視界に入った。
「(まずいな。悠長にしている時間はない……はぁー、仕方ない。もうここは、どう思われようともアリスを連れて離れるしかないか)」
ルークは覚悟を決めたのか、小さく深呼吸した後アリスへと近付くと彼女の手を優しく掴むと、スッと立ち上がらせた。
アリスは驚いた顔をしていたが、次の瞬間ルークはアリスの方を向きつつ手を引っ張って背面で滑り始め、そのまま陸地へと向かった。
まさかの行動にアリスも「え、え!?」と動揺していたが、氷の上でどうする事も出来ずそのままルークに連れていかれるのだった。
それから数分後に、トウマとラーウェンにドウラの元にアルジュたちが合流してくる。
「おーい、何かあったのか?」
「あれ? その人たちって、対抗戦の時ルークとトウマの対戦相手だった人じゃ」
シンリの問いかけに、ラーウェンとドウラは振り返り改めて自己紹介をするのだった。
一方で、アリスを強引にあの場から離したルークは陸地に辿り着くと、そのままアリスの手を握ったまま近くの茂みへと入り込む。
ルークは話をするにも、あまり人目に付かない方がいいと思い、そのまま奥へと入って行くが、途中でアリスが手を振り払い止まる。
「ちょ、ちょっと! さっきから何なのよ! 人の手を握って何処に連れて行く気なの?」
「あ、悪い。少し焦ってて」
「焦る? あーもう分けわからないわ! そもそも貴方は誰なの? さっきの人もそうだけど。それに、ここフォークロス領内じゃないわよね? こんなに雪何てつもらないし」
「アリス、どこまで覚えている?」
「っ!? ……何で貴方私の名前を知っているの?」
アリスはそこで自分の名前を何故か知っているルークに警戒し始め、ルークは軽く手を顔に当てた。
「(しまった。まずは、警戒を解く所からだ)」
「貴方誰なの!? どうして私の名前を知っているの! もしかして、誘拐?」
「いや、違う! 誘拐じゃない。まずは、強引に君の手を引っ張ってしまい悪かった。俺の名は、ルーク・クリバンス」
ルークは一度アリスの現状を知りたいという気持ちを抑え、まずは警戒すべき相手ではないと思ってもらう様にと優しく話し始めた。
「ルーク・クリバンス……あ! もしかして貴方が、クリバンス王国の第二王子!? え、何で第二王子が私と一緒に? てか、どういう状況なの!?」
慌てるアリスを見て、ルークは小さく「第二王子か……」と呟いた。
「まずは落ち着いて話を聞いて欲しい。まずここは、クリバンス王国の北に位置するローデングスと言う場所だ。そして君は、俺とさっきいた奴らと同じ魔法学院に通う生徒だ」
「えっ……」
「アリス、君はとある条件で正体を偽り、クリスと名乗り今学院に在籍している」
「ちょっと待って! 全然落ち着けないし、理解も出来ないんですけど! どう言う事なの?」
ルークは困惑し頭を抱え出すアリスにうろたえる事無く、正確にゆっくりと現状のアリスを知ると言う意味も含めて、これまでの事を話し始めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うーん……理解しがたいけど、貴方が嘘を付いているって感じでもないのも分かった」
アリスは両腕を組み、ルークにそう返事をした後、自分の服装を改めて見つめた。
「私が自分で男装する訳もないし、マリアの事やお母様の事も知っている様子だし、仮にその話が本当だとして進めるわ」
「(とりあえずは、ざっくりだが話は出来た。それに今のアリスの状況も理解出来た。目の前にいるアリスは、まだうちの学院に入学してくる前のアリスで確定だ)」
アリスはそのまま自分の髪が短くなっている事に、少しショックを感じているのか、毛先を指でつまみながらそっちに視線を向けていた。
「(次はこれからどうするかだ。現状俺が判断出来るアリスの状況は、記憶喪失もしくは完全に俺たちとの記憶が消えたの二択だ。前者ならいいが、後者だと最悪だ……現場は見てないがあの時ドウラたちと何かしらの接触をしたのが原因だな)」
と、ルークがこれからの事を考えていると勝手にアリスが来た道を戻り始めていた。
咄嗟にルークは声を掛けて呼び止める。
「何?」
「何じゃないぞ。何処に行くんだ?」
「何処って、今の話が本当か確かめに戻るのよ。さっきの人たち貴方の友人なんでしょ。なら、話を聞けば何が真実か分かるでしょ」
「いやいや、話聞いてたか? お前の正体がバレたら、一大事なんだぞ?」
「貴方の話が本当なら、でしょ。大丈夫よ、そのクリスって感じで話して確認するだけよ」
そう言って、アリスはルークを置いて再び歩き始める。
「(何でじっとしてられないんだ。そんな事しても、変に怪しまれるだけだろ)」
ルークは立ち去ろうとするアリスを追って、手を掴んで止める。
アリスは直ぐに振り返った。
「何するのよ、離してよ」
「いや、ダメだ。変にボロを出させる訳には行かない」
「ボロなんて出さないわよ! それとも、そこまで行かせたくないって事は、さっきの話は嘘って事?」
「違う! お前の為を思ってだな」
「そう言って嘘がバレるのが怖いだけなんでしょ? 何でそんな事しているか知らないけど」
「なっ! お、お前なー」
と、茂みの中で言い合いを始めてしまう。
するとそこへある人物が声を聞き、やって来た。
「おいおい、男同士で何茂みでやってるんだ?」
そう突然声を掛けて来たのは、タツミであった。
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