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第386話 カーニバル
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「え? 何で急にそんな事聞くのトウマ?」
「あ、いや~その~何て言うか、何かレオンと急に仲良さそうにしてたな~って思って」
ウェンベル塔の周辺を皆で歩きながら、トウマはクリスに対してレオンについて問いかけていた。
急にそんな事を聞かれて疑問に思うクリスは、首を傾げつつ答え始めた。
「急っちゃ、急に見えるけど、普通に話したら意気投合したって感じなだけだぞ」
「そうなのか」
「何、前の俺はレオンと仲が良くなかったのか?」
「そんな事はなかったと思うが、そこまで物凄く仲がいいって感じでもなかった気がするな。ほら、別の寮って事もあるしな」
トウマは少し慌てた感じで答えるとクリスは「ふーん」と軽く頷いた。
「でトウマは、そんな何とも言えない様な関係性のレオンと俺が仲良くしてたから、気になったって事だよな」
「え、ま、まぁ、そんな所です……はい」
何故かトウマがタジタジな感じになっていると、クリスは歩きながら話し続けた。
「なぁトウマ、何か俺に隠している事ある?」
「え? 隠している事」
「ああ、今の俺に何か言ってないとか、そういう事実があるけど今の俺に隠している事」
この瞬間トウマの頭の中では、自分が以前に告白じみたことをした時の出来事が浮かんでいた。
「(いやいや、言える訳ない。というか、急にクリスの奴どうしたんだ? 隠してる事とかって……とりあえず、変に疑われない様に答えないと)」
トウマはそう直ぐに切り替えて、クリスに対して「そんなのないぞ」と答えた。
するとクリスは足を止めて、トウマの方に視線を向けた。
「……本当?」
「あ、ああ。本当だぞ。細かい話とかは別にして、既にルークとかタツミ先生から聞いている通りの話だぞ。隠し事なんてないぞ」
「……そう、だよね。……ごめん、変に疑って」
「いや、気にするなよ。俺も変な事聞いたし、今の状況だと何が本当とか分からなくなるよな」
その後再びクリスが歩き始め、それをトウマが追う様に歩き始めた。
そこでクリスが再び口を開く。
「トウマ、レオンとは本当に話が盛り上がって、そのまま話しているだけだぞ。前の俺よりもしレオンとの距離が近いと言うのなら、それはただ単に話に興味があって俺が訊いているだけだ」
「そうか。分かった。変な事聞いて悪かったよクリス。よーし! 切り替えて楽しもう!」
「うん。そうだね」
「お~い、遅れてるよ二人共~」
そこで少し先を歩くシンから声を掛けられて、二人は急ぎ足でシンとモーガンに合流するのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それは何を言ったんだ、レオン」
ルークがレオンに対して含みのある言い方という所に、追求をしたがレオンは答えずに黙ったままルークの方を見ていた。
「……それは言えないってか?」
「察しがいいね。ここまで潔く白状したんだ、君なら何となく分かるんじゃないのかな?」
そのまま互いに黙ったまま相手の見つめていると、ルークが小さくため息をつく。
「もうこれ以上は話さないって感じか」
「僕にも引くわけにはいかない所があるからね。ライバルに全てを明かす訳には行かないのさ。例えそれが、よくない事でもね」
レオンはそう口にすると、来た道を戻り始めた。
「それじゃ僕はこれで失礼するよ。あまり長時間皆と離れると、彼らも心配するからね。ルークも同じだろ?」
ルークはその場で振り返りレオンの方を向く。
するとそこで、レオンは足を止めて背を向けたままルークに問いかけた。
「僕の事を汚くて、最低な男だと君は思うかい?」
「……何とも言えない」
「そうか」
そしてレオンが再び歩き出すと、ルークが続けて答えた。
「ただ、お前は自分から状況を変えようと動いた。その気持ちの差に、俺は嫉妬してるよ」
レオンはその言葉に少し驚いた後、小さく微笑んだ後何も言わずにその場から立ち去って行った。
その後ルークは石橋の上から真下を流れる運河を見つめた後、トウマたちの元へと向かって歩き出した。
それからルークは、無事にウェンベル塔付近で待っていたトウマたちと合流するのだった。
そしてそのまま班全員で観光ルートを回り、軽食を買って食べたり、歴史的な建造物の中へと入り内部を回ったりと充実な時間を過ごして行く。
「いや~今の所凄くなかったか?」
「分かる! あの中の造りが何とも言えない感じだった」
「昔の技術職の人を尊敬するよ」
トウマ、シン、ガードルは先程見た教会内部の話で盛り上がっていた。
その後ろをルークとクリスが付いて行く様に皆で歩いていた。
「ルーク? 何か難しい顔しているけど、どうした?」
「っぁ、ああ。すまない、ちょっと考え事してて」
「せっかくの修学旅行なんだし、今くらいはそんな考え事しないで楽しんだら? 言い方はあれだけど、考え事なんていつでも出来るんだし。今のこの時間はここだけなんだらさ」
「! そうだな。まさかクリスに、そんな事を言われるとはな」
「なんだよ、その言い方。気になったから声掛けてやったのに」
「気にしてくれたのか?」
「っ! た、ただ! 楽しい雰囲気にそんな顔されてるのが目に入っただけだ! 俺は楽しみたいのにそんな顔してたら楽しさ半減になるからであって、別に気にしてた訳じゃない!」
ルークはクリスの言葉に小さく笑うと、クリスは「そこ笑う所じゃないから!」と声を出すのだった。
すると前を歩いていたトウマたちが足を止めて声を掛けて来た。
「おいクリス、ルーク見ろよ。祭り見たいのやってるぞ」
トウマにそう言われて、二人は前の方へと近付くと周囲の人々も次第に周辺に集まりだしていた。
そしてそこで目にしたのは、何人もの人が様々な仮面をし豪華な衣装を身に付けてパレードの様に大通りを行進している姿だった。
「何の祭りだろ?」
「さぁ~分かんねぇけど、何か凄い格好の人がいて見てて飽きないな」
「あれは確か、カーニバルじゃなかった?」
ルークがそう答えると、トウマとクリスが同時にルークの方を向く。
「え、知ってるの?」
「博識だなルーク」
「いや、しおりに書いてあったぞ。端の方にだが」
そう言われて二人はしおりを取り出して見ると、ルークの言う通りに書かれていた事に「お~」と声を上げる。
そのまま二人はしおりを見つつ、カーニバルを見始めたのでルークもカーニバルを見ようと視線を前に向けた時に、トウマとクリスのしおりに文章でのやりとりがある所を偶然目にしてしまう。
が、特に何も口にせずそのままルークは視線を前に向けるのだった。
その後次々に行進してくる人を見ていると、徐々にそれを見る人が増え始めトウマたちは離れ離れになりそうになるが、何とか互いに離れない様に裾などを咄嗟に掴んでいたので離れずにすんでいた。
そしてカーニバルの行進も一段落して人が落ち着き始め互いにやっと集まれた時だった。
「え?」
「あれ?」
「?」
「あ、あのー……」
その場に見ず知らずの女性が一人混じっていたのだ。
その女性の裾を掴んでいたのはルークであり、ルーク自身も驚いており直ぐに手を離して謝った。
女性は特に怒る事もなく、そのまま少し顔を赤くして立ち去って行くのだった。
「おいルーク。こんな時にナンパかよ」
「大胆」
「ちょっと驚きだな」
「ちげぇよ! 俺はクリスと離れそうになっ――」
そう口にしてようやく全員が、この場にクリスが居ない事に気付くのだった。
一方でクリスは、人混みに流されてトウマたちと離れていた。
「……まずいな。これ迷子じゃない?」
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急にそんな事を聞かれて疑問に思うクリスは、首を傾げつつ答え始めた。
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「え、ま、まぁ、そんな所です……はい」
何故かトウマがタジタジな感じになっていると、クリスは歩きながら話し続けた。
「なぁトウマ、何か俺に隠している事ある?」
「え? 隠している事」
「ああ、今の俺に何か言ってないとか、そういう事実があるけど今の俺に隠している事」
この瞬間トウマの頭の中では、自分が以前に告白じみたことをした時の出来事が浮かんでいた。
「(いやいや、言える訳ない。というか、急にクリスの奴どうしたんだ? 隠してる事とかって……とりあえず、変に疑われない様に答えないと)」
トウマはそう直ぐに切り替えて、クリスに対して「そんなのないぞ」と答えた。
するとクリスは足を止めて、トウマの方に視線を向けた。
「……本当?」
「あ、ああ。本当だぞ。細かい話とかは別にして、既にルークとかタツミ先生から聞いている通りの話だぞ。隠し事なんてないぞ」
「……そう、だよね。……ごめん、変に疑って」
「いや、気にするなよ。俺も変な事聞いたし、今の状況だと何が本当とか分からなくなるよな」
その後再びクリスが歩き始め、それをトウマが追う様に歩き始めた。
そこでクリスが再び口を開く。
「トウマ、レオンとは本当に話が盛り上がって、そのまま話しているだけだぞ。前の俺よりもしレオンとの距離が近いと言うのなら、それはただ単に話に興味があって俺が訊いているだけだ」
「そうか。分かった。変な事聞いて悪かったよクリス。よーし! 切り替えて楽しもう!」
「うん。そうだね」
「お~い、遅れてるよ二人共~」
そこで少し先を歩くシンから声を掛けられて、二人は急ぎ足でシンとモーガンに合流するのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それは何を言ったんだ、レオン」
ルークがレオンに対して含みのある言い方という所に、追求をしたがレオンは答えずに黙ったままルークの方を見ていた。
「……それは言えないってか?」
「察しがいいね。ここまで潔く白状したんだ、君なら何となく分かるんじゃないのかな?」
そのまま互いに黙ったまま相手の見つめていると、ルークが小さくため息をつく。
「もうこれ以上は話さないって感じか」
「僕にも引くわけにはいかない所があるからね。ライバルに全てを明かす訳には行かないのさ。例えそれが、よくない事でもね」
レオンはそう口にすると、来た道を戻り始めた。
「それじゃ僕はこれで失礼するよ。あまり長時間皆と離れると、彼らも心配するからね。ルークも同じだろ?」
ルークはその場で振り返りレオンの方を向く。
するとそこで、レオンは足を止めて背を向けたままルークに問いかけた。
「僕の事を汚くて、最低な男だと君は思うかい?」
「……何とも言えない」
「そうか」
そしてレオンが再び歩き出すと、ルークが続けて答えた。
「ただ、お前は自分から状況を変えようと動いた。その気持ちの差に、俺は嫉妬してるよ」
レオンはその言葉に少し驚いた後、小さく微笑んだ後何も言わずにその場から立ち去って行った。
その後ルークは石橋の上から真下を流れる運河を見つめた後、トウマたちの元へと向かって歩き出した。
それからルークは、無事にウェンベル塔付近で待っていたトウマたちと合流するのだった。
そしてそのまま班全員で観光ルートを回り、軽食を買って食べたり、歴史的な建造物の中へと入り内部を回ったりと充実な時間を過ごして行く。
「いや~今の所凄くなかったか?」
「分かる! あの中の造りが何とも言えない感じだった」
「昔の技術職の人を尊敬するよ」
トウマ、シン、ガードルは先程見た教会内部の話で盛り上がっていた。
その後ろをルークとクリスが付いて行く様に皆で歩いていた。
「ルーク? 何か難しい顔しているけど、どうした?」
「っぁ、ああ。すまない、ちょっと考え事してて」
「せっかくの修学旅行なんだし、今くらいはそんな考え事しないで楽しんだら? 言い方はあれだけど、考え事なんていつでも出来るんだし。今のこの時間はここだけなんだらさ」
「! そうだな。まさかクリスに、そんな事を言われるとはな」
「なんだよ、その言い方。気になったから声掛けてやったのに」
「気にしてくれたのか?」
「っ! た、ただ! 楽しい雰囲気にそんな顔されてるのが目に入っただけだ! 俺は楽しみたいのにそんな顔してたら楽しさ半減になるからであって、別に気にしてた訳じゃない!」
ルークはクリスの言葉に小さく笑うと、クリスは「そこ笑う所じゃないから!」と声を出すのだった。
すると前を歩いていたトウマたちが足を止めて声を掛けて来た。
「おいクリス、ルーク見ろよ。祭り見たいのやってるぞ」
トウマにそう言われて、二人は前の方へと近付くと周囲の人々も次第に周辺に集まりだしていた。
そしてそこで目にしたのは、何人もの人が様々な仮面をし豪華な衣装を身に付けてパレードの様に大通りを行進している姿だった。
「何の祭りだろ?」
「さぁ~分かんねぇけど、何か凄い格好の人がいて見てて飽きないな」
「あれは確か、カーニバルじゃなかった?」
ルークがそう答えると、トウマとクリスが同時にルークの方を向く。
「え、知ってるの?」
「博識だなルーク」
「いや、しおりに書いてあったぞ。端の方にだが」
そう言われて二人はしおりを取り出して見ると、ルークの言う通りに書かれていた事に「お~」と声を上げる。
そのまま二人はしおりを見つつ、カーニバルを見始めたのでルークもカーニバルを見ようと視線を前に向けた時に、トウマとクリスのしおりに文章でのやりとりがある所を偶然目にしてしまう。
が、特に何も口にせずそのままルークは視線を前に向けるのだった。
その後次々に行進してくる人を見ていると、徐々にそれを見る人が増え始めトウマたちは離れ離れになりそうになるが、何とか互いに離れない様に裾などを咄嗟に掴んでいたので離れずにすんでいた。
そしてカーニバルの行進も一段落して人が落ち着き始め互いにやっと集まれた時だった。
「え?」
「あれ?」
「?」
「あ、あのー……」
その場に見ず知らずの女性が一人混じっていたのだ。
その女性の裾を掴んでいたのはルークであり、ルーク自身も驚いており直ぐに手を離して謝った。
女性は特に怒る事もなく、そのまま少し顔を赤くして立ち去って行くのだった。
「おいルーク。こんな時にナンパかよ」
「大胆」
「ちょっと驚きだな」
「ちげぇよ! 俺はクリスと離れそうになっ――」
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