403 / 564
第402話 一本の線
しおりを挟む
私たちは朝食を食べた後、チェックアウトの準備として各自荷物を持ちロビーへと集まっていた。
これから私たち男子側は再び魔道車に乗り、次の目的地であるモ・サロへと移動を始める。
予定では本日の夕刻頃には、モ・サロのホテルに到着予定らしく、今日一日はある意味移動日なのだ。
ロビーでは寮ごとに担当教員が最終確認をした後、魔道車が到着し次第寮ごとに乗り込み始める。
「何だかんだ言って、修学旅行も残り半分か。早いな」
「確かに。何で楽しい時間は直ぐに過ぎて行くんだ~」
「時間の過ぎが早いって言うなら、それだけ充実してるって思えばいいんじゃないのか」
嘆くライラックとリーガに対して、アルジュがそう答えるとマックスが「流石、委員長」と少し茶化す様に声を掛ける。
それに対してアルジュが軽くマックスを睨むと、マックスは直ぐに「悪かったよ」と謝るのだった。
「ふぅあ~あ。何だかまだ眠いな」
「ニック朝から眠そうだったもんね。魔道車でゆっくり寝たら?」
「ああ、そのつもりだよピース。だから、変にちょっかい出して来るなよフェルト」
「っ! 何故俺の行動を読めたんだニック!?」
フェルトの驚き様に呆れたようにニックはため息をつく。
「おいヴァン、そっちの魔道車じゃないぞ」
「ん、こっちじゃないのか。悪いな、ノルマ」
「しっかりしろよ」
「あの二人ってあんな感じだったか?」
「まぁ寮でも同室だし、ガイルはあまり目にする事がないから変に思うよね」
「ガードルはよく知ってるな」
そんな話をしながら皆が魔道車へと向かって行く中、私も荷物を持ち魔道車へと向かおうとすると声を掛けられる。
「クリス」
そこで振り返ると、ジュリルとモランの姿があった。
私は二人の元へと近寄った。
「どうしたんだ、二人共」
「どうしたって、そんなのお見送りに決まっているではありませんの」
「もう二度と会えないって訳じゃないけど、せっかく昨日一緒に行動した仲だしさ」
「ありがとう二人共」
するとそこでジュリルが近寄って来て、小声で話し掛けて来た。
「色々とあるかもしれないけども、私は貴方が出した答えを尊重するわ」
そう言って、ジュリルは微笑んで私から離れる。
「クリス、今の修学旅行を昨日の様に楽しんでね。私からはそれだけ」
「ジュリル、モラン……ありがとう」
「おーいクリス、何してるんだ乗り遅れるぞ」
遠くらトウマに呼び掛けられ、私は振り返り「すぐ行く」と返す。
そして私は二人に最後に一礼して、待っているトウマとルークの元へと荷物を持って向かうと、ジュリルとクリスは私たちに対して軽く手を振ってくれた。
その姿を目にして私は同じく手を振り返して「またね」と笑顔で声を掛けて、ホテルを出た。
私はそのまま魔道車へと乗り込み、空いている席に座ると魔道車はモ・サロへと向けて出発したのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うっ……んっぅ……」
私が次に目を覚ますと、そこはまだ魔道車の中であった。
そして、少し寝ボケながら隣を向くとそこにはガードルが医療知識と書かれた本を真剣に読んでいた。
「あれ、ガードル?」
「うん? ああ、起きたのかクリス」
私は眠い目をこすりながら周囲を外の景色を見ると、まだ魔道車は目的地には到着しておらず走り続けていた。
それと同時に、車内は異様に静かであった。
「えーと俺は……寝てた?」
「覚えてないのかい? まあ皆昼休憩とった後だし、眠くなるのは仕方ないよ。大半はクリスと同じように寝ちゃってるみたいだし」
ガードルにそう言われて私は昼食をとった事を思い出し、それからウトウトとし始めそのまま眠ってしまったと理解する。
「修学旅行も今日で6日目。今日は移動中心だから、皆も少しはしゃぎ過ぎた疲れが出たのかもね。騒いでいるのも好きだけど、今日は静かでこの本を読めるのは僕としては良かったかな」
「医療の本」
「うん。修学旅行中くらい置いてこようかと思ったけど、結局持ってきちゃったよ」
そう言ってガードルは苦笑いをする。
確かガードルは、医者を目指しているんだったわね。
他の皆より医療知識があってタツミ先生にも教えてもらっていたりするってトウマが言ってたな。
「それだけ、それが好きって事の現れじゃないかな? 熱意があるって言うのかもな」
「っ……ふふふ、そうだな。そう考えた方がいいな」
「何で笑ったの?」
「いや、少しネガティブな考え方をしてて、そんな風に考えるのは馬鹿らしいって思ったんだよ。僕が叶えたい事なんだから、相手にどう思われようが関係ないなって」
「確かに、自分の夢なんだし他人には関係ないよな。まぁ、周りから変な目で見られるって言うのは分からなくもないけど……」
「え? クリスもそんな経験あるの?」
「え、あーま、まぁ昔ね。昔」
ガードルはそれ以上深く追求してくる事はなく「そうなんだ」でその話は終わった。
私も月の魔女を夢見ている事を誰かに言うつもりはないので、自分で墓穴を掘ってそれを言わなければいけない流れになるかと思ってひやひやしていたが、そうならずに胸を撫で下ろした。
それからガードルは再び読んでいた本へと視線を移した。
「到着まで後2時間かからないくらいって言ってたから、クリスもまだ眠かったらもうひと眠りできると思うよ。まぁ、それで夜寝れるかは別問題だけどね」
確かにまだ寝れる気はするけど、ここで寝たら夜寝れる気がしないんだよね。
う~ん、どうしようかな……ぼーっとしているのもいいけど、それだとなんかな。ガードルみたいに本とか持ってないし。
その時私はふとガードルの持っていた医療知識の本を見て、ガードルは記憶喪失についてはどんな考えを持っているのだろうと思ってしまう。
そして私はガードルに対して「記憶喪失ってガードルはどう思う?」と問いかけていた。
「記憶喪失? 急にどうしたんだよ、クリス。そんな事聞くなんて」
「いや、何かふとその本見てたら頭の中に思い浮かんで来てさ。ガードルはどんな風に考えているのかなって思って」
ガードルは本の表紙を見てから、私の方へと視線を移した。
「そうだな。全くそう言う本とか読んだ事ないから、ただの僕のイメージなら話せるけど。専門的な事に関して求めているなら、タツミ先生の方が詳しいと思うよ」
「イメージでいいよ、イメージで。そんな細かい事とか聞きたい訳じゃなくて、ふと俺が思った事だし」
「それなら。僕としては、過去の記憶は一時的に思い出せてないだけで、失っている訳じゃないとは思うんだ。こう、記憶に蓋がされて見れないイメージかな。それで、ふとした時にその蓋がとれて見れなかった記憶が見れて元に戻るって感じかな。あくまでイメージだからね」
「分かってるよ。それじゃ例えばなんだけど」
と、私は自分の現状を少しぼかした感じでガードルに問いかけると「やけに具体的だね」と言われ、私は咄嗟に最近読んだ小説に似た設定があったと嘘をついた。
「う~ん、それはどうなんだろうね。過去の自分が今にいて、その自分が失っていた記憶を思い出した時、どういう自分になっているかは正直分からないな。小説ではどうだったの?」
「それがまだ答えが出てないんだ」
「そっか……でも、あくまで僕のイメージだけど、その自分が消える様な事はないんじゃないのかな? 結局は自分な訳だし、一時的に失っていたピースが元に戻る感じだと思うから、記憶を失っている時間も全てが繋がってその人になる気がするな」
そう言いながらガードルはしおりを取り出して、イメージ図を書き出した。
一本の線を書き、そこに過去の自分、記憶を失っている箇所、現状の自分として記憶を思い出した時に失っていた所がピースの様にはまり地続きとして、自分になるのではと伝わる様に親切に教えてくれた。
「なるほど」
「あくまで僕のイメージだから、鵜呑みにはしないでね」
「分かったよ。急に変な事訊いてごめんよ、ガードル。分かりやすく教えてくれてありがとう」
「ううん、僕もこれから少し勉強してみようかなって思えたキッカケになったよ」
それから私とガードルは医療に関しての話しや雑談をして、到着までの時間を過ごした。
これから私たち男子側は再び魔道車に乗り、次の目的地であるモ・サロへと移動を始める。
予定では本日の夕刻頃には、モ・サロのホテルに到着予定らしく、今日一日はある意味移動日なのだ。
ロビーでは寮ごとに担当教員が最終確認をした後、魔道車が到着し次第寮ごとに乗り込み始める。
「何だかんだ言って、修学旅行も残り半分か。早いな」
「確かに。何で楽しい時間は直ぐに過ぎて行くんだ~」
「時間の過ぎが早いって言うなら、それだけ充実してるって思えばいいんじゃないのか」
嘆くライラックとリーガに対して、アルジュがそう答えるとマックスが「流石、委員長」と少し茶化す様に声を掛ける。
それに対してアルジュが軽くマックスを睨むと、マックスは直ぐに「悪かったよ」と謝るのだった。
「ふぅあ~あ。何だかまだ眠いな」
「ニック朝から眠そうだったもんね。魔道車でゆっくり寝たら?」
「ああ、そのつもりだよピース。だから、変にちょっかい出して来るなよフェルト」
「っ! 何故俺の行動を読めたんだニック!?」
フェルトの驚き様に呆れたようにニックはため息をつく。
「おいヴァン、そっちの魔道車じゃないぞ」
「ん、こっちじゃないのか。悪いな、ノルマ」
「しっかりしろよ」
「あの二人ってあんな感じだったか?」
「まぁ寮でも同室だし、ガイルはあまり目にする事がないから変に思うよね」
「ガードルはよく知ってるな」
そんな話をしながら皆が魔道車へと向かって行く中、私も荷物を持ち魔道車へと向かおうとすると声を掛けられる。
「クリス」
そこで振り返ると、ジュリルとモランの姿があった。
私は二人の元へと近寄った。
「どうしたんだ、二人共」
「どうしたって、そんなのお見送りに決まっているではありませんの」
「もう二度と会えないって訳じゃないけど、せっかく昨日一緒に行動した仲だしさ」
「ありがとう二人共」
するとそこでジュリルが近寄って来て、小声で話し掛けて来た。
「色々とあるかもしれないけども、私は貴方が出した答えを尊重するわ」
そう言って、ジュリルは微笑んで私から離れる。
「クリス、今の修学旅行を昨日の様に楽しんでね。私からはそれだけ」
「ジュリル、モラン……ありがとう」
「おーいクリス、何してるんだ乗り遅れるぞ」
遠くらトウマに呼び掛けられ、私は振り返り「すぐ行く」と返す。
そして私は二人に最後に一礼して、待っているトウマとルークの元へと荷物を持って向かうと、ジュリルとクリスは私たちに対して軽く手を振ってくれた。
その姿を目にして私は同じく手を振り返して「またね」と笑顔で声を掛けて、ホテルを出た。
私はそのまま魔道車へと乗り込み、空いている席に座ると魔道車はモ・サロへと向けて出発したのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うっ……んっぅ……」
私が次に目を覚ますと、そこはまだ魔道車の中であった。
そして、少し寝ボケながら隣を向くとそこにはガードルが医療知識と書かれた本を真剣に読んでいた。
「あれ、ガードル?」
「うん? ああ、起きたのかクリス」
私は眠い目をこすりながら周囲を外の景色を見ると、まだ魔道車は目的地には到着しておらず走り続けていた。
それと同時に、車内は異様に静かであった。
「えーと俺は……寝てた?」
「覚えてないのかい? まあ皆昼休憩とった後だし、眠くなるのは仕方ないよ。大半はクリスと同じように寝ちゃってるみたいだし」
ガードルにそう言われて私は昼食をとった事を思い出し、それからウトウトとし始めそのまま眠ってしまったと理解する。
「修学旅行も今日で6日目。今日は移動中心だから、皆も少しはしゃぎ過ぎた疲れが出たのかもね。騒いでいるのも好きだけど、今日は静かでこの本を読めるのは僕としては良かったかな」
「医療の本」
「うん。修学旅行中くらい置いてこようかと思ったけど、結局持ってきちゃったよ」
そう言ってガードルは苦笑いをする。
確かガードルは、医者を目指しているんだったわね。
他の皆より医療知識があってタツミ先生にも教えてもらっていたりするってトウマが言ってたな。
「それだけ、それが好きって事の現れじゃないかな? 熱意があるって言うのかもな」
「っ……ふふふ、そうだな。そう考えた方がいいな」
「何で笑ったの?」
「いや、少しネガティブな考え方をしてて、そんな風に考えるのは馬鹿らしいって思ったんだよ。僕が叶えたい事なんだから、相手にどう思われようが関係ないなって」
「確かに、自分の夢なんだし他人には関係ないよな。まぁ、周りから変な目で見られるって言うのは分からなくもないけど……」
「え? クリスもそんな経験あるの?」
「え、あーま、まぁ昔ね。昔」
ガードルはそれ以上深く追求してくる事はなく「そうなんだ」でその話は終わった。
私も月の魔女を夢見ている事を誰かに言うつもりはないので、自分で墓穴を掘ってそれを言わなければいけない流れになるかと思ってひやひやしていたが、そうならずに胸を撫で下ろした。
それからガードルは再び読んでいた本へと視線を移した。
「到着まで後2時間かからないくらいって言ってたから、クリスもまだ眠かったらもうひと眠りできると思うよ。まぁ、それで夜寝れるかは別問題だけどね」
確かにまだ寝れる気はするけど、ここで寝たら夜寝れる気がしないんだよね。
う~ん、どうしようかな……ぼーっとしているのもいいけど、それだとなんかな。ガードルみたいに本とか持ってないし。
その時私はふとガードルの持っていた医療知識の本を見て、ガードルは記憶喪失についてはどんな考えを持っているのだろうと思ってしまう。
そして私はガードルに対して「記憶喪失ってガードルはどう思う?」と問いかけていた。
「記憶喪失? 急にどうしたんだよ、クリス。そんな事聞くなんて」
「いや、何かふとその本見てたら頭の中に思い浮かんで来てさ。ガードルはどんな風に考えているのかなって思って」
ガードルは本の表紙を見てから、私の方へと視線を移した。
「そうだな。全くそう言う本とか読んだ事ないから、ただの僕のイメージなら話せるけど。専門的な事に関して求めているなら、タツミ先生の方が詳しいと思うよ」
「イメージでいいよ、イメージで。そんな細かい事とか聞きたい訳じゃなくて、ふと俺が思った事だし」
「それなら。僕としては、過去の記憶は一時的に思い出せてないだけで、失っている訳じゃないとは思うんだ。こう、記憶に蓋がされて見れないイメージかな。それで、ふとした時にその蓋がとれて見れなかった記憶が見れて元に戻るって感じかな。あくまでイメージだからね」
「分かってるよ。それじゃ例えばなんだけど」
と、私は自分の現状を少しぼかした感じでガードルに問いかけると「やけに具体的だね」と言われ、私は咄嗟に最近読んだ小説に似た設定があったと嘘をついた。
「う~ん、それはどうなんだろうね。過去の自分が今にいて、その自分が失っていた記憶を思い出した時、どういう自分になっているかは正直分からないな。小説ではどうだったの?」
「それがまだ答えが出てないんだ」
「そっか……でも、あくまで僕のイメージだけど、その自分が消える様な事はないんじゃないのかな? 結局は自分な訳だし、一時的に失っていたピースが元に戻る感じだと思うから、記憶を失っている時間も全てが繋がってその人になる気がするな」
そう言いながらガードルはしおりを取り出して、イメージ図を書き出した。
一本の線を書き、そこに過去の自分、記憶を失っている箇所、現状の自分として記憶を思い出した時に失っていた所がピースの様にはまり地続きとして、自分になるのではと伝わる様に親切に教えてくれた。
「なるほど」
「あくまで僕のイメージだから、鵜呑みにはしないでね」
「分かったよ。急に変な事訊いてごめんよ、ガードル。分かりやすく教えてくれてありがとう」
「ううん、僕もこれから少し勉強してみようかなって思えたキッカケになったよ」
それから私とガードルは医療に関しての話しや雑談をして、到着までの時間を過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
男女比8対1の異世界に転移しました、防御力はレベル1です
オレンジ方解石
恋愛
結婚式の最中に、夫に他の女と逃げられた花嫁、水瀬透子。
離婚届けを出す直前に事故で瀕死となった彼女は、異世界の女神から『妾と取り引きするなら、助けてやろう』と持ちかけられる。
異世界の《世界樹》の《種》を宿す《仮枝》となった透子は、女神の世界に連れて行かれ、二年を過ごすこととなった。
そこは男女比が8対1という偏った世界であり、女性が《四気神》と呼ばれる守護者に守られる世界。
女神とはぐれた透子は、そこで美形の青年、紅霞に助けられるが……。
※追記の追記を少し直しました。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
異世界もふもふ死にかけライフ☆異世界転移して毛玉な呪いにかけられたら、凶相騎士団長様に拾われました。
和島逆
恋愛
社会人一年目、休日の山登り中に事故に遭った私は、気づけばひとり見知らぬ森の中にいた。そしてなぜか、姿がもふもふな小動物に変わっていて……?
しかも早速モンスターっぽい何かに襲われて死にかけてるし!
危ういところを助けてくれたのは、大剣をたずさえた無愛想な大男。
彼の緋色の瞳は、どうやらこの世界では凶相と言われるらしい。でもでも、地位は高い騎士団長様。
頼む騎士様、どうか私を保護してください!
あれ、でもこの人なんか怖くない?
心臓がバクバクして止まらないし、なんなら息も苦しいし……?
どうやら私は恐怖耐性のなさすぎる聖獣に変身してしまったらしい。いや恐怖だけで死ぬってどんだけよ!
人間に戻るためには騎士団長の助けを借りるしかない。でも騎士団長の側にいると死にかける!
……うん、詰んだ。
★「小説家になろう」先行投稿中です★
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる