とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第405話 トウマの告白

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「えっ……」

 トウマはその言葉しか出ず、何が起きているのかよく分からず立ち尽くすしかなかった。

「(何、どう言う事? 何が起きてるんだ!?)」

 次第に状況を理解し始め、おどおどし始めるトウマ。
 とりあえず冷静になろうと腕を組み、唸る様に考え始めて導き出した言葉は「もっかい、いいか?」というものだった。
 まさかの返しに、クリスはぱちぱちとまばたきをするが、直ぐにトウマは「今のなしなし!」と片手を振ってから大きく深呼吸する。

「(待て待て俺。ゆっくり考えろ……クリスはあの日の事を思い出して、それを素直に聞いて来ている……うん、しっかり聞き取れているじゃないかよ俺)」

 と、一人で勝手に頷く。

「(で、問題はその時の俺の告白紛いの件だよな……あーー! 何でそこを思い出すかなーー! 嬉しいような嬉しくないような、この複雑な感情っ!)」

 トウマは小さく変な動きをした後、動きを止め小さくため息をつく。

「……クリス、その質問に答える前に一ついいか?」
「あ、ああ」
「思い出したって言うのは、俺が好意があると言ってしまった時だけか? それとも……今までの全てか?」
「トウマとエルが話している光景だけで、全部は思い出してない」

 私の返事にトウマは少しだけ間を空けてから「そうか」と口にした。
 それからは互いに黙ったままであったが、トウマが何か決意した様な表情をし私の方を見つめて来る。

「クリス、俺があの時口にした事は本気だ」
「っ」
「嘘でも冗談でもない。本気で俺はお前の事が好きだ」

 真っすぐな目で自分の気持ちを口にして来たトウマに、私は一瞬目を逸らしそうになったが、耐えてトウマの方を見続けた。

「お前の正体を知る前から、好意の気持ちはあった。が、それは本当に合っているのかとか悩んだ時もあったが、今じゃ一時の気持ちの変化ではなくて、既にあの頃から俺はお前に魅かれていたんだ」
「……」
「……今、クリスにこんな話をしても迷惑だとは思うが、改めて俺の気持ちを知ってもらういい機会だと思ったから話させてもらった。あーあ、本当は全部戻ってから話そうと思ってたけど、待てなかったわ。ごめんなクリス、急に俺の話し聞いてもらって」

 トウマはそう私に申し訳なさそうに少しはにかむが、その時少しだけ手が震えていたのが目に入る。

「ううん、俺が訊き始めた事だし、謝らなくていいよ」
「そう言ってくれると、少し気持ちが楽になるよ」

 そう口にしたトウマは、私から視線を外して少し俯きながら苦笑いをする。

「あー俺、この景色も満喫したから、次は中の方に行こうと思うけどクリスは、まだここにいるか?」
「うん、もう少し見てから中に戻るよ」
「そうか。分かった」

 トウマはそのまま私の前から立ち去り始め、城の中へと続く方へと向かって行った。
 私はそんなトウマを最後まで見送らず、途中で前を向きここから見える景色に目を向けた。
 そして私はただ黙ったまま、その景色を見続けた。
 暫くしてから、私も城の中へと戻りルークたちを探し、合流するのだった。
 合流した時のトウマの様子はいつも通り明るく、変に何か遠慮する態度もなかったので、私も変に構えずに話をした。
 それから私たちは、リウェンク城内を観光し始めルークとシンが先に見ていた城内に作られた教会へと足を運び、そこに作られた精密に作られたガラス細工に驚愕したり、戦争時に使われていた武器庫やその当時の鎧や剣などの展示を見て回った。
 そして、リウェンク城の見れる場所を全て回り私たちは城を出て、再び城下町の方へと向かった。
 帰り道は来た道と同様にジグザグな道のりであったが、登り階段でなく下るだけであったので、来た時よりも楽に城下町へと戻れた。
 その際、帰り道は来た道とは一部違う所を通った事で、そこから見れる景色もまたリウェンク城の屋上とは異なるものであり、少しだけ足を止め景色を楽しんだ。

「ふぅ~城下町の方に戻って来た」
「そうだな。帰りは行より楽だし、景色も見れて良かったね」
「そう言えば、途中で城の方に向かうニックたちを見かけたぞ」
「お~それは大変だな。これからあの道を上って行くのか……想像しただけで辛いな」

 ルークの話にトウマは勝手に口に出し想像して、少し疲れた気持ちになる。

「それでこれからどうする? まだ、時間はあるけど」
「まだ城下町の方はそこまで見れてないので、城下町の探索というのはどうですか?」
「僕はモーガンに賛成! 面白そうな店がありそうだし」
「あ、俺も行きたい店があるとかじゃないけど、街並みを見て回りたいな」

 私はシンと同様の意見を伝えると、ルークは「いいんじゃないか。リウェンク城は十分に見たし」と言い、トウマも「確かにな」と答える。

「よし! それじゃ、こっからは集合時間まで城下町探索と行こうか」
「「おー!」」

 そうして私たちは城下町探索を始めた。
 主に飲食店やお土産屋が大半であったが、まだ行けていない方には居住区が存在しており、そこでは公園やゆったりとした雰囲気でまだ違った雰囲気を味わった。
 居住区の方へは行ってはいけないという訳ではなかったが、観光として来ても大したものはないので、基本的には観光が楽しめる通りとして飲食店やお土産屋が多くある通りを作っているらしい。
 一応居住区の方には少数ではあるが、宿泊できる場所もあると居住区にある店の人に教えてもらった。

 それから私たちは居住区を後にし、観光向けの通りへと戻って来て特産品でもあるキャラメルを食べたり、ガラス細工を扱っている店に入り、精密に作られたガラス細工を見たり、小さい物だが作る体験も出来るという事でガラス細工造りも行った。
 ガラス細工体験が終わる頃には、日も傾き始めており集合時間も近くなって来ていたので、私たちはそのまま集合場所へと向かった。
 その後、集合時間となり全員揃った所で私たちはリウェンク城と城下町を後にし、渡って来た橋を戻り始めた。
 この時潮は満ち初め、既に砂地だった所は海の水で満たされ周囲の空は夕日で赤く染まり始めていた。
 そんな景色を目にして、私たちは足を止めて夕日を背景にしたリウェンク城と、夕日によって赤くなる海の光景が美しく目を奪われる。
 この光景には他の観光客も足を止めて、暫く見つめていた。
 その後、私たちは橋を渡って魔道車へと乗り込み、ホテルへと向かった。
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