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第438話 王都帰還
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次の日、私たちはホテルのロビーに寮ごとに集合していた。
今日は遂に王都へ学院へと帰る日である。
予定としてはこの後魔道車にて、王都近くまで向かいそこから数人ごとに馬車に乗り換えて、王都へと入って行く流れである。
現在魔道車や大型での物は王都への出入りは出来ない為、王国軍警戒の下で馬車に乗り換える様に指示されたのだ。
他の寮の皆は最初驚いていたが、うちの寮の皆はそこまで驚く事はなかった。
その訳は、昨日談話室にてルークからそうなるかもしれないと話を聞いていたからである。
ルークはタツミに話を聞きに行った後、戻るふりをして通路に隠れて後を付けた際に伝達係りとして来ていた王国兵との話を盗み聞きしていたのだ。
そこで今日の流れについての情報を掴んでおり、皆にも現状として情報を共有していたのだ。
他にも昨日は皆で現状の王都や学院についての認識確認などを行った。
それから私たちは寮ごとに魔道車に乗り込み、王都近くまで移動し予定通りそこで魔道車を降り、馬車へと乗り換え王都へと向かった。
馬車には五人乗りであった為、私たちは修学旅行での班ごとに乗る事にし各自乗り込み、馬車に揺られ始める。
「それでこのまま馬車は学院まで行くんだよな?」
「教員の話だとそうみたいだね」
「窓にカーテンがかけれて、外は見ない様に言われたのは昨日ルークが言った可能性があるからですかね?」
「そうかもしれないな」
モーガンの問いかけにルークが答える。
昨日ルークが言った可能性の事か。
私はそこで昨日ルークが皆に口にした事を思い出す。
それは現在王都では一部の人々が外から来る人に対して、過激な態度をとっているというものであった。
王都襲撃事件から、過敏になっておりその中には被害を受けた人もいて、外から来る人を追い返そうとし行き場のない感情をぶつけているというものだ。
ルークは伝達係りとタツミがそんな話をチラッとしているのも聞こえていたのだった。
だが、確証はないことからそういう事もあるかもしれないとし、可能性の話しで皆に伝えていたのだ。
「確かに事件を受けて、外から来る人に過敏になるのは分かるな」
「でも、今は王国軍がより一層な厳戒態勢を引いて、事前認証がないと王都には入れない様にしているんでしょ? なら安全なんじゃ」
「以前から王都に入る時は厳しい審や魔力検知などもしていたが、今回侵入されてあんな事が起きたんだ。どれだけ強化しても、不安な人は不安だろ。またあるんじゃないかってな」
「……そっか」
シンはルークの返答に納得する。
するとそこで一度馬車が止まり、何事かと思っていると御者の方から王都入口に到着した事を伝えられ、これから人物審査や魔力検知などの確認が行われると伝えられた。
その後馬車内で話をして時間を潰していると、馬車の扉がノックされ王国軍兵が出て来る様に言われ、私たちは馬車から一度おり、各自二人の王国軍兵にチェックをされた。
身体検査等はなく、学院で登録されている魔力の一致確認や学院生徒である顔の確認といくつかの質問をされたのみであった。
それら全てをクリアした順に、馬車へと戻り御者も含め全員揃った所で遂に王都へと入る事が許され、私たちは約12日ぶりに王都へと戻って来た。
王都に入り馬車はそのまま学院目指して走り続ける。
「なぁ、質問ってどんな事された?」
「急になんですかトウマ」
「皆同じ質問されたのかなって思って」
「僕は寮の部屋番号とか、ルームメイトのクリスの事についてとか、学院でのイベント時のことが中心だったな」
「え、そうなの? じゃ、モーガンは?」
「私は出身地や使える魔法、やっている占いについてとか、バラバラでしたよ」
「ルークとクリスは?」
「俺は王城内に関する事に、家族の事、後は昔の事だな」
「俺も似た感じで家や両親の事、それに使用人に学院に来てからの事も質問されたな」
「おいおい、マジかよ……」
何故かそこでトウマは変に落ち込む。
どうしてそこで落ち込むのか分からず、私が問いかけるとトウマは顔を上げて理由を答えてくれた。
「あのな、俺の質問は何故か各テストの点数とか順位だったんだよ。おかしいだろ! 何で俺だけ成績に関する質問なんだよ! 皆も同じなら仕方ないと思ってたけど、俺だけじゃねぇかよ! どういう事だよ!」
それに対しルークが小さく笑う。
「おい笑うな、ルーク。俺は恥をかいたんだぞ。くそ~何で俺だけあんな質問なんだ」
「ちなみにそれに答えた王国軍兵の感じはどうだったの?」
「聞くか、それを聞くのかシン。お前は鬼だな」
「あー……ごめん」
「そんな落ち込むなよ、トウマ」
「クリス、お前もそう言って少しに口元がやけてるぞ」
「っ……」
トウマはそこで一人いじけて「もういい」と言って軽くそっぽを向くのだった。
その後暫くしてトウマの機嫌が直った所で、トウマは外の様子が気になり出し急にそわそわし出すのだった。
「何してるんだトウマ?」
「いやほら、何か隠されると見たくなる的な?」
「子供かよ」
ルークに冷たく返答され、私やシン、モーガンの方を見て来るが同じ様な気持ちではない為目を合わされても同意する事はなかった。
「何だよ俺だけかよ。くそ……」
トウマは外を見たそうな気持を抑え、腕を組むのだった。
そんな事をしている間に学院内に到着したのか、馬車がゆっくりと止まるのだった。
すると御者から「到着したよ。馬車から降りて大丈夫だよ」と声を掛けられ私たちは荷物を持ち馬車から降りた。
「おー遂に戻って来たな学院に」
「何か懐かしい感じだね」
「シンの意見に同感です」
私も学院の懐かしさを感じつつ、他の馬車も到着し始め皆が馬車から降りて来る。
皆も同じ様な気持ちなのか学院を見ていると、教員たちが迎えに来てその中に学院長のマイナの姿もあった。
「第2学年の皆さん、おかえりなさい。皆さん無事に帰って来れて一安心です。詳しい話などは明日以降にしますので、まず今日は旅の疲れを寮でゆっくりと癒してくださいね。それでは私はこれで」
マイナはそれだけ告げると、数名の教員と共にそのまま学院の中へと戻って行くのだった。
そして残った教員が口を開く。
「皆、既に状況は知っていると思うが、まずはおかえりなさい。修学旅行は楽しかったかい? 先程学院長もおっしゃった通り、今日は寮で旅の疲れをまずは癒してくれ。到着した人から順に、寮へと向かってくれ」
私たちはそのまま教員の指示に従い、寮へと向かう。
そして寮へと向かうと、寮近くの広場に大きな変化が遠くからでも見えて私たちは一度足が止まってしまう。
「おい、あれ……何だ?」
トウマが指先には、地面が大きく壁の様に盛り上がっており、戦闘が行われた跡が微かに見えた。
その直後私たちは駆け足で寮近くへと向かい、その現場を目にする。
既にその場所は王国軍により立ち入り禁止とされており、周囲は魔道具により封鎖されていた。
「ここで……俺たちの寮の目の前で戦闘があったのか……」
痕跡から大きな戦闘と思えるが、周辺が吹き飛んだりしてない事から強力な魔法など連発する様な事はなかったと考えるべきかな。
私は以前読んだ資料の内容を思い出しつつ、勝手に推測していた。
私たちは寮を目の前にし、そこで足を止めていると寮の方から声を掛けられる。
「先輩方! 帰って来たんですね!」
そこに居たのは、私たちの一つ下の学年の学院生であった。
「おかえりなさい。先輩たちが帰って来てくれて、心強いです」
「それはどういう事だ? 確かにうちの寮には、ほとんど第3学年の先輩はいないが、寮長と副寮長はいたはずだが」
「そ、それが……」
そこで、後輩の学院生は言いよどみ、視線を少し下へと向ける。
ルークはトウマに変わり後輩に訊ねる。
「何があったんだ?」
「……寮長が……いえ、寮長だけでなく副寮長方も事件時に外出中でして」
「「!?」」
「命に別状はないと学院長から伺っているのですが、かなりのダメージを負ったらしく今は病院にいるそうです」
その言葉に私を含め、安堵の息をついたがオービンやミカロス、ヒビキがそんな状況と知り後輩が心強いと口にした意味を理解する。
するとトウマがルークに小声で話し掛ける。
「ルーク、ひとまず後輩たちが知ってる情報を聞いて、現状を把握しよう」
「ああ、そうだな……」
ルークは口にはしなかったが、オービンの状態を知っている為今はどういう状況なのか気になっているのが表情に少し現れていた。
私もトウマもオービンについての事情は知っている為、ルークの気持ちは分かっていた。
トウマはルークに言いかえた言葉を飲み込み、後輩に寮で話を聞かせて欲しいと伝えようとしたが、その前に後輩は続けて話だす。
「それに、これはうちの寮だけではなく聞いた話ですが、エメル寮も同じ様に寮長、副寮長共に病院にいるらしいです」
思わぬ発言に私たちは耳を疑った。
今日は遂に王都へ学院へと帰る日である。
予定としてはこの後魔道車にて、王都近くまで向かいそこから数人ごとに馬車に乗り換えて、王都へと入って行く流れである。
現在魔道車や大型での物は王都への出入りは出来ない為、王国軍警戒の下で馬車に乗り換える様に指示されたのだ。
他の寮の皆は最初驚いていたが、うちの寮の皆はそこまで驚く事はなかった。
その訳は、昨日談話室にてルークからそうなるかもしれないと話を聞いていたからである。
ルークはタツミに話を聞きに行った後、戻るふりをして通路に隠れて後を付けた際に伝達係りとして来ていた王国兵との話を盗み聞きしていたのだ。
そこで今日の流れについての情報を掴んでおり、皆にも現状として情報を共有していたのだ。
他にも昨日は皆で現状の王都や学院についての認識確認などを行った。
それから私たちは寮ごとに魔道車に乗り込み、王都近くまで移動し予定通りそこで魔道車を降り、馬車へと乗り換え王都へと向かった。
馬車には五人乗りであった為、私たちは修学旅行での班ごとに乗る事にし各自乗り込み、馬車に揺られ始める。
「それでこのまま馬車は学院まで行くんだよな?」
「教員の話だとそうみたいだね」
「窓にカーテンがかけれて、外は見ない様に言われたのは昨日ルークが言った可能性があるからですかね?」
「そうかもしれないな」
モーガンの問いかけにルークが答える。
昨日ルークが言った可能性の事か。
私はそこで昨日ルークが皆に口にした事を思い出す。
それは現在王都では一部の人々が外から来る人に対して、過激な態度をとっているというものであった。
王都襲撃事件から、過敏になっておりその中には被害を受けた人もいて、外から来る人を追い返そうとし行き場のない感情をぶつけているというものだ。
ルークは伝達係りとタツミがそんな話をチラッとしているのも聞こえていたのだった。
だが、確証はないことからそういう事もあるかもしれないとし、可能性の話しで皆に伝えていたのだ。
「確かに事件を受けて、外から来る人に過敏になるのは分かるな」
「でも、今は王国軍がより一層な厳戒態勢を引いて、事前認証がないと王都には入れない様にしているんでしょ? なら安全なんじゃ」
「以前から王都に入る時は厳しい審や魔力検知などもしていたが、今回侵入されてあんな事が起きたんだ。どれだけ強化しても、不安な人は不安だろ。またあるんじゃないかってな」
「……そっか」
シンはルークの返答に納得する。
するとそこで一度馬車が止まり、何事かと思っていると御者の方から王都入口に到着した事を伝えられ、これから人物審査や魔力検知などの確認が行われると伝えられた。
その後馬車内で話をして時間を潰していると、馬車の扉がノックされ王国軍兵が出て来る様に言われ、私たちは馬車から一度おり、各自二人の王国軍兵にチェックをされた。
身体検査等はなく、学院で登録されている魔力の一致確認や学院生徒である顔の確認といくつかの質問をされたのみであった。
それら全てをクリアした順に、馬車へと戻り御者も含め全員揃った所で遂に王都へと入る事が許され、私たちは約12日ぶりに王都へと戻って来た。
王都に入り馬車はそのまま学院目指して走り続ける。
「なぁ、質問ってどんな事された?」
「急になんですかトウマ」
「皆同じ質問されたのかなって思って」
「僕は寮の部屋番号とか、ルームメイトのクリスの事についてとか、学院でのイベント時のことが中心だったな」
「え、そうなの? じゃ、モーガンは?」
「私は出身地や使える魔法、やっている占いについてとか、バラバラでしたよ」
「ルークとクリスは?」
「俺は王城内に関する事に、家族の事、後は昔の事だな」
「俺も似た感じで家や両親の事、それに使用人に学院に来てからの事も質問されたな」
「おいおい、マジかよ……」
何故かそこでトウマは変に落ち込む。
どうしてそこで落ち込むのか分からず、私が問いかけるとトウマは顔を上げて理由を答えてくれた。
「あのな、俺の質問は何故か各テストの点数とか順位だったんだよ。おかしいだろ! 何で俺だけ成績に関する質問なんだよ! 皆も同じなら仕方ないと思ってたけど、俺だけじゃねぇかよ! どういう事だよ!」
それに対しルークが小さく笑う。
「おい笑うな、ルーク。俺は恥をかいたんだぞ。くそ~何で俺だけあんな質問なんだ」
「ちなみにそれに答えた王国軍兵の感じはどうだったの?」
「聞くか、それを聞くのかシン。お前は鬼だな」
「あー……ごめん」
「そんな落ち込むなよ、トウマ」
「クリス、お前もそう言って少しに口元がやけてるぞ」
「っ……」
トウマはそこで一人いじけて「もういい」と言って軽くそっぽを向くのだった。
その後暫くしてトウマの機嫌が直った所で、トウマは外の様子が気になり出し急にそわそわし出すのだった。
「何してるんだトウマ?」
「いやほら、何か隠されると見たくなる的な?」
「子供かよ」
ルークに冷たく返答され、私やシン、モーガンの方を見て来るが同じ様な気持ちではない為目を合わされても同意する事はなかった。
「何だよ俺だけかよ。くそ……」
トウマは外を見たそうな気持を抑え、腕を組むのだった。
そんな事をしている間に学院内に到着したのか、馬車がゆっくりと止まるのだった。
すると御者から「到着したよ。馬車から降りて大丈夫だよ」と声を掛けられ私たちは荷物を持ち馬車から降りた。
「おー遂に戻って来たな学院に」
「何か懐かしい感じだね」
「シンの意見に同感です」
私も学院の懐かしさを感じつつ、他の馬車も到着し始め皆が馬車から降りて来る。
皆も同じ様な気持ちなのか学院を見ていると、教員たちが迎えに来てその中に学院長のマイナの姿もあった。
「第2学年の皆さん、おかえりなさい。皆さん無事に帰って来れて一安心です。詳しい話などは明日以降にしますので、まず今日は旅の疲れを寮でゆっくりと癒してくださいね。それでは私はこれで」
マイナはそれだけ告げると、数名の教員と共にそのまま学院の中へと戻って行くのだった。
そして残った教員が口を開く。
「皆、既に状況は知っていると思うが、まずはおかえりなさい。修学旅行は楽しかったかい? 先程学院長もおっしゃった通り、今日は寮で旅の疲れをまずは癒してくれ。到着した人から順に、寮へと向かってくれ」
私たちはそのまま教員の指示に従い、寮へと向かう。
そして寮へと向かうと、寮近くの広場に大きな変化が遠くからでも見えて私たちは一度足が止まってしまう。
「おい、あれ……何だ?」
トウマが指先には、地面が大きく壁の様に盛り上がっており、戦闘が行われた跡が微かに見えた。
その直後私たちは駆け足で寮近くへと向かい、その現場を目にする。
既にその場所は王国軍により立ち入り禁止とされており、周囲は魔道具により封鎖されていた。
「ここで……俺たちの寮の目の前で戦闘があったのか……」
痕跡から大きな戦闘と思えるが、周辺が吹き飛んだりしてない事から強力な魔法など連発する様な事はなかったと考えるべきかな。
私は以前読んだ資料の内容を思い出しつつ、勝手に推測していた。
私たちは寮を目の前にし、そこで足を止めていると寮の方から声を掛けられる。
「先輩方! 帰って来たんですね!」
そこに居たのは、私たちの一つ下の学年の学院生であった。
「おかえりなさい。先輩たちが帰って来てくれて、心強いです」
「それはどういう事だ? 確かにうちの寮には、ほとんど第3学年の先輩はいないが、寮長と副寮長はいたはずだが」
「そ、それが……」
そこで、後輩の学院生は言いよどみ、視線を少し下へと向ける。
ルークはトウマに変わり後輩に訊ねる。
「何があったんだ?」
「……寮長が……いえ、寮長だけでなく副寮長方も事件時に外出中でして」
「「!?」」
「命に別状はないと学院長から伺っているのですが、かなりのダメージを負ったらしく今は病院にいるそうです」
その言葉に私を含め、安堵の息をついたがオービンやミカロス、ヒビキがそんな状況と知り後輩が心強いと口にした意味を理解する。
するとトウマがルークに小声で話し掛ける。
「ルーク、ひとまず後輩たちが知ってる情報を聞いて、現状を把握しよう」
「ああ、そうだな……」
ルークは口にはしなかったが、オービンの状態を知っている為今はどういう状況なのか気になっているのが表情に少し現れていた。
私もトウマもオービンについての事情は知っている為、ルークの気持ちは分かっていた。
トウマはルークに言いかえた言葉を飲み込み、後輩に寮で話を聞かせて欲しいと伝えようとしたが、その前に後輩は続けて話だす。
「それに、これはうちの寮だけではなく聞いた話ですが、エメル寮も同じ様に寮長、副寮長共に病院にいるらしいです」
思わぬ発言に私たちは耳を疑った。
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