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第444話 憧れの存在
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「エリス先輩、何でここに?」
「お見舞いっていうか、愚痴りに来たのよ」
「そう言えば、エリスは今日から聴取だったね。お疲れ様。明日もあるんだろ?」
「そうなのよーまた明日もあれをやるって思うと、憂鬱なのよね……あ、そう言えば入れ違うようにヒビキの奴を見たわよ」
「そりゃ、病院抜け出したら聴取も早まるよな」
「ヒビキには悪い事をしてな」
「オービン、あつもそれを分かっててお前の頼みを引き受けたんだろ」
「そうかもしれないが、ヒビキに貸しをつくちまったな」
何故かオービンは嬉しそうにそう呟いた。
「何かヒビキとやってたみたいだけど、ルークとトウマはどうしてここに? 一応普通に面会出来ない状態でしょ、オービンもミカも」
エリスの問いかけにミカロスが代わりに説明し、エリスは状況を理解するのだった。
「なるほどね、本来ならこの時期に寮長、副寮長の細かい引き継ぎとかするけど、戻れないからここでざっくりとやって、早いけど任せようって話ね」
「学院も大変な状況だし、勝手だけど今は次期寮長や副寮長に現トップとして頑張ってもらうべきと思ってね」
「大変ね、次期寮長も副寮長もこんな形で急に学院を任されるのだから」
壁に寄りかかりながらエリスは、ルークとトウマの方に視線を向ける。
するとルークはトウマの方を見る。
「何だよルーク」
「いや、意外と落ち着いてるなって思ってよ」
「顔に出てないだけで、内心やべなーって思ってるよ。でも、俺だけじゃなくてお前が副寮長としていてくれるんだから、何とかなると思ってるよ」
「そう言って俺に全部押し付けるなよ、トウマ」
「うっ……そ、そんなわけねえだろ。あははは」
トウマの態度にルークは小さくため息をつく。
「さてと、時間も限られてるし早速始めようか二人共」
「ああ」
「お願いします、オービン先輩! ミカロス先輩!」
するとミカロスが一度自分のベッドの方へと戻ると、手に紙を持って戻って来た。
「簡単に資料は作っておいた。これを元に話をすすめよう」
「さすがミカ。仕事が出来る寮長だね~」
「こういうのは前から俺の仕事だろ、オービン」
「いつも悪いね、ミカ」
そうしてミカロスが資料を配り、寮長副寮長の仕事にやるべき事などの引き継ぎを始める。
エリスは近くの椅子に座り黙ってそれを聞き続けるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「飲み物、ありがとうございますティア王女様」
「いいのよ。急に呼び出したのはこちらだし、それで急にあんな話をして動揺させてしまったのだから」
私はティアの言葉に対して何て返していいのか分からず、黙ってしまう。
少し気まずい感じで、私はつい持っていた飲み物に目を向け親指で周囲を撫でる様に触る。
ティアから話があるのは分かっているのだが、それをこちらから口に出せずにいた。
一方でティアもどう話を始めるべきかを悩んでいる様な雰囲気を感じた。
互いに踏み出せないままでいると、リリエルが軽く手を叩く。
「はい。ティア、さっきの決意は何処にいったの? アリスもそんな緊張しないでいいわよ。ちょっとした昔話をするだけなのだから」
「昔話、ですか?」
「そう。ほらティア」
そうリリエルがティアの背中を押すように話し掛けると、ティアはゆっくりと話し始める。
それは今から25年もの前、ティアやリーリアにマイナが学院生時代の話しであった。
今の私と同じ様に王都メルト魔法学院で過ごし、そこでのリリエルとの出会いや特に仲がよかった人たちを口にする。
リーリアとは昔はよく衝突していた仲であったり、ちょっとした問題児だった事、更には現国王とも同級生で交流があった事などをティアは懐かしそうについ昨日までの出来事かの様に話続けた。
私も次第にその話を聞いているうちに、お母様の学院生時代に興味が出てしまい質問したりしていた。
タツミとリリエルはその会話を邪魔する事無く、ただ黙って聞き続けていた。
その後もティアの話は続き、ティアたちが最高学年の時に起きた王国転覆事件へと話題が変わって行く。
今回の王都襲撃事件の様に、学院生ながらに事件の中心に関わり敵とも戦闘をしたと明かす。
その頃は王国軍も各地に派遣されていた事で、有志を集い王都を護るために戦ったと口にし、それにはお母様やマイナ学院長、更にはハンス国王にもう一人いつも一緒にいたバベッチと呼ばれる人物も参加したのだと語る。
ティアはそこで一度言葉に詰まるが、話は止めずに少し苦しそうな表情をして続けた。
そしてそこで語られたのは、大切な仲間であったバベッチの死であった。
仲間の命の危機を救い、代わりに自身が犠牲になったのだと口にする。
王国転覆事件では、多くの死者が出た惨劇の事件と今では語られており、同時に月の魔女の逸話が生まれた事でも有名である。
その事件で大切な仲間を失ったと知り、私もそんな辛い過去があったのだと思っているとティアは「そう、つい最近まで思っていた」と続けた。
「どういう、事ですか?」
「あいつは……いや、バベッチは生きているの」
「死んでなかったって事ですか? え、でも埋葬したって言ってましたよね」
「ええ、そうね。私たちはバベッチの亡骸を皆で埋葬をしたわ。だけども、彼は私たちの前に変わらない姿で現れたの」
「え? え? それって、死んでるはずの人間が生き返ったって事ですか? いやそもそも死んでない?」
「それは……」
ティアは再び言葉に詰まると、リリエルがそこで口を開く。
「バベッチは自分が死んだのだと偽装したんだよ」
「何でそんな事をしたんですか、バベッチさんは? わざわざお母様やティア王女様たちを欺くなんて」
「ある野望を始めるためさ。バベッチはそこから数十年かけて、暗躍し続けそして再びリーリアたちの前に現れたんだ」
リリエルの言葉対してティアは黙り少し視線を下げていた。
私はそんなティアの姿を見てから、再びリリエルへと視線を向けた。
「そしてバベッチは叶える野望の為に、今回王都を襲撃したんだ」
「!?」
そして私はリリエルからバベッチが叶えようとしている野望を聞く。
それを聞き、私はバベッチが考えている事を全ては否定する事は出来なかった。
努力してもそれが実のならない事はあるのだと知っており、もしそれが必ず実るのなら凄く良いと思う。
だけど、それは叶えられるか分からないから努力するのであって、思うだけで叶えられるのなら前提が変わってしまう。
バベッチがやろうとしている事は世界を人々を助けるのではなく、衰退させる行為であり、それに伴った行動も決して許される事ではない。
私はそう考えながら力強く手を握りしめていると、ふと今までの話がどう自分の危険と繋がるのかと思い出す。
「ティア王女様、リリエルさん。この話は私が危険になっている事とどう関わってくるんですか? それもとも、それはまた別ですか?」
「この話に出てきたバベッチが、お前を危険にさらす可能性があるんだ」
「っ! でも、どうして私がそこに絡んで来るんですか? 面識もないし、狙われる理由もないじゃないですか」
「それは彼が、バベッチがリーリアに固執しているからよ」
「お母様に?」
「細かい事はここでは省くが、バベッチはリーリアに何度か先に接触していて、自分の元へと勧誘までしている。ここからは推測だが、バベッチは今のアリスに過去のリーリアを重ねている、もしくは利用してリーリアを引き込もうと考えている可能性がある」
まさかの理由に私は驚いてしまう。
「バベッチは未だに姿をくらましている。またいつ、どこで仕掛けて来るか分からない。だから、こうして危険があるかもしれないと貴方に話したの」
「……こう言ってはあれですけど、出来れば知りたくなかったです。知った事で、これから更に周囲に気を張りながら生活しないといけないと思うと……」
私が俯き思った事を口にするとティアが立ち上がり、私の方へとやって来て地面に膝をつけて突然私の手を握って来た。
「ティア王女様!?」
「不安にさせてごめんなさい。でも安心して。貴方にバベッチは近づけさせない。私にリリエル先生、それにマイナに学院の教員、そしてなにより貴方の近くにはルークや学院の仲間たちがいる」
「っ……」
「アリスさん、貴方は一人じゃない。バベッチの事は頭の隅に置いておいてくれればいいの。こんな話をしておいてだけど、貴方は一学院生として残りの時間を全力で楽しみながら過ごして」
「ティア王女様」
そこでティアは優しく私を包む様に抱きつく。
「貴方には私がついているのだから、大丈夫」
「……ありがとう、ございます」
「あの月の魔女様がそこまで言い切ると、もう危険すらないかもね」
リリエルのその言葉を聞き、私は一瞬思考が止まる。
そしてリリエルの方を素早く向いた。
「……え? 今何て言いました? 誰が月の魔女?」
「誰って今、アリスの目の前にいる人物に決まっているだろ?」
私はゆっくりとティアの方へと顔を向けると、ティアは何故か私から少し離れてリリエルの方を少し驚いた顔で見つめていた。
するとゆるっくりとティアも私の方へと顔を向けて来た。
「ティア王女様が……あの、月の魔女?」
「お見舞いっていうか、愚痴りに来たのよ」
「そう言えば、エリスは今日から聴取だったね。お疲れ様。明日もあるんだろ?」
「そうなのよーまた明日もあれをやるって思うと、憂鬱なのよね……あ、そう言えば入れ違うようにヒビキの奴を見たわよ」
「そりゃ、病院抜け出したら聴取も早まるよな」
「ヒビキには悪い事をしてな」
「オービン、あつもそれを分かっててお前の頼みを引き受けたんだろ」
「そうかもしれないが、ヒビキに貸しをつくちまったな」
何故かオービンは嬉しそうにそう呟いた。
「何かヒビキとやってたみたいだけど、ルークとトウマはどうしてここに? 一応普通に面会出来ない状態でしょ、オービンもミカも」
エリスの問いかけにミカロスが代わりに説明し、エリスは状況を理解するのだった。
「なるほどね、本来ならこの時期に寮長、副寮長の細かい引き継ぎとかするけど、戻れないからここでざっくりとやって、早いけど任せようって話ね」
「学院も大変な状況だし、勝手だけど今は次期寮長や副寮長に現トップとして頑張ってもらうべきと思ってね」
「大変ね、次期寮長も副寮長もこんな形で急に学院を任されるのだから」
壁に寄りかかりながらエリスは、ルークとトウマの方に視線を向ける。
するとルークはトウマの方を見る。
「何だよルーク」
「いや、意外と落ち着いてるなって思ってよ」
「顔に出てないだけで、内心やべなーって思ってるよ。でも、俺だけじゃなくてお前が副寮長としていてくれるんだから、何とかなると思ってるよ」
「そう言って俺に全部押し付けるなよ、トウマ」
「うっ……そ、そんなわけねえだろ。あははは」
トウマの態度にルークは小さくため息をつく。
「さてと、時間も限られてるし早速始めようか二人共」
「ああ」
「お願いします、オービン先輩! ミカロス先輩!」
するとミカロスが一度自分のベッドの方へと戻ると、手に紙を持って戻って来た。
「簡単に資料は作っておいた。これを元に話をすすめよう」
「さすがミカ。仕事が出来る寮長だね~」
「こういうのは前から俺の仕事だろ、オービン」
「いつも悪いね、ミカ」
そうしてミカロスが資料を配り、寮長副寮長の仕事にやるべき事などの引き継ぎを始める。
エリスは近くの椅子に座り黙ってそれを聞き続けるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「飲み物、ありがとうございますティア王女様」
「いいのよ。急に呼び出したのはこちらだし、それで急にあんな話をして動揺させてしまったのだから」
私はティアの言葉に対して何て返していいのか分からず、黙ってしまう。
少し気まずい感じで、私はつい持っていた飲み物に目を向け親指で周囲を撫でる様に触る。
ティアから話があるのは分かっているのだが、それをこちらから口に出せずにいた。
一方でティアもどう話を始めるべきかを悩んでいる様な雰囲気を感じた。
互いに踏み出せないままでいると、リリエルが軽く手を叩く。
「はい。ティア、さっきの決意は何処にいったの? アリスもそんな緊張しないでいいわよ。ちょっとした昔話をするだけなのだから」
「昔話、ですか?」
「そう。ほらティア」
そうリリエルがティアの背中を押すように話し掛けると、ティアはゆっくりと話し始める。
それは今から25年もの前、ティアやリーリアにマイナが学院生時代の話しであった。
今の私と同じ様に王都メルト魔法学院で過ごし、そこでのリリエルとの出会いや特に仲がよかった人たちを口にする。
リーリアとは昔はよく衝突していた仲であったり、ちょっとした問題児だった事、更には現国王とも同級生で交流があった事などをティアは懐かしそうについ昨日までの出来事かの様に話続けた。
私も次第にその話を聞いているうちに、お母様の学院生時代に興味が出てしまい質問したりしていた。
タツミとリリエルはその会話を邪魔する事無く、ただ黙って聞き続けていた。
その後もティアの話は続き、ティアたちが最高学年の時に起きた王国転覆事件へと話題が変わって行く。
今回の王都襲撃事件の様に、学院生ながらに事件の中心に関わり敵とも戦闘をしたと明かす。
その頃は王国軍も各地に派遣されていた事で、有志を集い王都を護るために戦ったと口にし、それにはお母様やマイナ学院長、更にはハンス国王にもう一人いつも一緒にいたバベッチと呼ばれる人物も参加したのだと語る。
ティアはそこで一度言葉に詰まるが、話は止めずに少し苦しそうな表情をして続けた。
そしてそこで語られたのは、大切な仲間であったバベッチの死であった。
仲間の命の危機を救い、代わりに自身が犠牲になったのだと口にする。
王国転覆事件では、多くの死者が出た惨劇の事件と今では語られており、同時に月の魔女の逸話が生まれた事でも有名である。
その事件で大切な仲間を失ったと知り、私もそんな辛い過去があったのだと思っているとティアは「そう、つい最近まで思っていた」と続けた。
「どういう、事ですか?」
「あいつは……いや、バベッチは生きているの」
「死んでなかったって事ですか? え、でも埋葬したって言ってましたよね」
「ええ、そうね。私たちはバベッチの亡骸を皆で埋葬をしたわ。だけども、彼は私たちの前に変わらない姿で現れたの」
「え? え? それって、死んでるはずの人間が生き返ったって事ですか? いやそもそも死んでない?」
「それは……」
ティアは再び言葉に詰まると、リリエルがそこで口を開く。
「バベッチは自分が死んだのだと偽装したんだよ」
「何でそんな事をしたんですか、バベッチさんは? わざわざお母様やティア王女様たちを欺くなんて」
「ある野望を始めるためさ。バベッチはそこから数十年かけて、暗躍し続けそして再びリーリアたちの前に現れたんだ」
リリエルの言葉対してティアは黙り少し視線を下げていた。
私はそんなティアの姿を見てから、再びリリエルへと視線を向けた。
「そしてバベッチは叶える野望の為に、今回王都を襲撃したんだ」
「!?」
そして私はリリエルからバベッチが叶えようとしている野望を聞く。
それを聞き、私はバベッチが考えている事を全ては否定する事は出来なかった。
努力してもそれが実のならない事はあるのだと知っており、もしそれが必ず実るのなら凄く良いと思う。
だけど、それは叶えられるか分からないから努力するのであって、思うだけで叶えられるのなら前提が変わってしまう。
バベッチがやろうとしている事は世界を人々を助けるのではなく、衰退させる行為であり、それに伴った行動も決して許される事ではない。
私はそう考えながら力強く手を握りしめていると、ふと今までの話がどう自分の危険と繋がるのかと思い出す。
「ティア王女様、リリエルさん。この話は私が危険になっている事とどう関わってくるんですか? それもとも、それはまた別ですか?」
「この話に出てきたバベッチが、お前を危険にさらす可能性があるんだ」
「っ! でも、どうして私がそこに絡んで来るんですか? 面識もないし、狙われる理由もないじゃないですか」
「それは彼が、バベッチがリーリアに固執しているからよ」
「お母様に?」
「細かい事はここでは省くが、バベッチはリーリアに何度か先に接触していて、自分の元へと勧誘までしている。ここからは推測だが、バベッチは今のアリスに過去のリーリアを重ねている、もしくは利用してリーリアを引き込もうと考えている可能性がある」
まさかの理由に私は驚いてしまう。
「バベッチは未だに姿をくらましている。またいつ、どこで仕掛けて来るか分からない。だから、こうして危険があるかもしれないと貴方に話したの」
「……こう言ってはあれですけど、出来れば知りたくなかったです。知った事で、これから更に周囲に気を張りながら生活しないといけないと思うと……」
私が俯き思った事を口にするとティアが立ち上がり、私の方へとやって来て地面に膝をつけて突然私の手を握って来た。
「ティア王女様!?」
「不安にさせてごめんなさい。でも安心して。貴方にバベッチは近づけさせない。私にリリエル先生、それにマイナに学院の教員、そしてなにより貴方の近くにはルークや学院の仲間たちがいる」
「っ……」
「アリスさん、貴方は一人じゃない。バベッチの事は頭の隅に置いておいてくれればいいの。こんな話をしておいてだけど、貴方は一学院生として残りの時間を全力で楽しみながら過ごして」
「ティア王女様」
そこでティアは優しく私を包む様に抱きつく。
「貴方には私がついているのだから、大丈夫」
「……ありがとう、ございます」
「あの月の魔女様がそこまで言い切ると、もう危険すらないかもね」
リリエルのその言葉を聞き、私は一瞬思考が止まる。
そしてリリエルの方を素早く向いた。
「……え? 今何て言いました? 誰が月の魔女?」
「誰って今、アリスの目の前にいる人物に決まっているだろ?」
私はゆっくりとティアの方へと顔を向けると、ティアは何故か私から少し離れてリリエルの方を少し驚いた顔で見つめていた。
するとゆるっくりとティアも私の方へと顔を向けて来た。
「ティア王女様が……あの、月の魔女?」
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