とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第457話 打ち合わせ後

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「これで打ち合わせは終了とする」
「おわっったー……」

 トウマは座ったまま大きく伸びをすると、椅子の背もたれにだらしなくもたれかかった。
 その姿を見て隣に座るルークが小さくため息をつく。

「だらしないぞ、トウマ」
「だってよ、ここ数日毎日打ち合わせでよ、それがやったと終わったんだ。こんなにもなるだろ? ほら、ダンデもパンクして机に突っ伏してるぞ」
「うぅー……寮長、大変、辛い、無理……」
「ダンデ、大丈夫だ。俺がいるから、お前一人じゃない」

 そこでは突っ伏すダンデの隣で次期副寮長であるスザクが、励ましていた。
 そんな二人の正面では次期寮長であるスバンと次期副寮長であるリーフが、打ち合わせの内容を二人で確認し合っている姿があった。
 また、トウマとルークの正面には次期寮長のロムロスと次期副寮長のゲイネスが、ダンデたちの方を見ながら「気持ちは分かるよ」と口にしながら苦笑いしていた。
 すると突然、次期寮長と副寮長が集まった部屋の扉が開けられる。

「おーおーこんな所に居たのか!」
「っ!? ダ、ダイモン先輩!?」

 そこへ現れたのは、ダイモンと遅れてワイズが部屋へと入って来たのだった。
 思わぬ人物の登場に部屋にいた全員が驚きの顔をし、先程まで机に突っ伏していたダンデが勢いよく起き上がると近付いて行く。

「ダイモン寮長!」
「おーダンデ、久しぶりだな。いつ以来だ?」

 二人が会話を始めるとワイズがルークたちの方に向け口を開く。

「申し訳ない、突然乱入して来てしまって。会議を中断させてしまったか?」
「いえ、打ち合わせが丁度終わった所でしたので」
「そうか。にしても、まさか次期寮長副寮長がこう自主的に集まって会議とは、去年の我輩たちとは全く違うな」
「そういわれれば、少し前までこうして交流してること自体なかったですもんね」
「確かに。こういう雰囲気に変わったのも、大運動会頃だったな」

 ロムロスの発言にスバンが思い出す様に頷く。

「大運動会か、それも懐かしいな。お前たちとガチで戦えたのも最高だったな。またやりてえな~」
「ダイモン寮長、久しぶりにこの後組み手をしましょう!」
「お、いいなダンデ。それじゃ早速行くか!」
「はい!」
「ちょっと待て、ダブル寮長」

 そこでワイズが勝手に盛り上がり部屋から出て行こうとする二人を止める。

「何だよワイズ」
「そうですよ、ワイズ副寮長」
「はぁ~全く悪い所が似たか。スザク、お前も大変だぞ。覚悟しとけよ」
「は、はい」
「でダイモン、ここに来た理由をもう忘れたのか?」

 ワイズにそう問われ一瞬首を傾げるダイモンだったが、直ぐに思い出し「あっ!」と声を上げてワイズの方へと戻って行く。

「そうだった、そうだった。久々の学院でテンション上がって、忘れてたわ」
「我輩も同じだから気持ちは分かるが、伝言はしっかりと伝えないとな」
「伝言ですか?」

 ルークの問いかけにダイモンが軽く咳払いして口を開く。

「今週末の王都内イベントにて、お前たち次期寮長と次期副寮長の簡単な紹介をするらしいぞ!」
「あ、はい。知ってますけど」
「……あれ?」
「ん?」

 ダイモンが自信満々に告げるもトウマは事前に知っていたらしくそう答えると、ダイモンはワイズの方を見る。
 するとワイズは軽く頭を抱え「そうだが、それじゃなくてその後だ」と呟く。
 また返事をしたトウマも間違った事を言ってないか不安になってしま、隣のルークへと視線を向けた。

「俺、変な事言ってないよな?」
「ああ、大丈夫だ。何か間違っていたらしいぞ」

 そこでワイズがダイモンに代わり話し始める。

「その紹介の時間についてだが、正午過ぎ辺りから数分だけの枠に決まったらしい」
「そうですか。わざわざ伝えていただきありがとうございます」
「学院に戻って来た時に、偶然副学院長と会ってそこで頼まれたからな」

 ワイズがそう答えると部屋の扉がノックされ、全員がその方へと視線を向けると部屋に入って来たのは、イルダとマルロスであった。

「おや、ダイモンにワイズもいたのですか」
「イルダにマルロスじゃねえか。お前らも今日でおしまいか? って、凄いくまだなイルダ」
「……ああ、ここずっと逆転生活だったからね」
「イルダからしたらそうだけど、それが普通のサイクルだから仕方ないよ」
「直ぐにでも僕はベッドで寝たいよ」
「で、どうして二人はここに?」

 ワイズの問いかけにマルロスは「ワイズとダイモンの声が聞こえて来たから」と答えた。
 同じ様に王城にて聴取受けていた同士、愚痴を少し話したいとマルロスは続けるのだった。

「(そうか、ダイモン先輩たちとイルダ先輩たちも今まで聴取を受けてて、それが今日終わったのか。兄貴たちはまだやっているのだろうか?)」

 ルークは彼らの話を聞き、オービンやミカロスたちの状況が気になっていた。
 するとダイモンたちは伝言も終えたので、部屋から去り始める。

「それじゃ我輩たちは、そろそろ行くとするよ。イルダたちと少し愚痴りに行くからな」
「俺様は別にいいんだが」
「たまには付き合ってくれよ、ダイモン」

 そのままワイズはダイモンを引き連れ、イルダたちと立ち去って行くのだった。
 その姿を見送った後、ルークたちも改めて解散とした。
 解散後ルークとトウマはそのまま寮へと戻り始めた。

「そう言えば、昨日寮に置かれてたチョコ食ったか?」
「チョコ? そんなのあったか?」
「あったよ。お前寮の食堂の所来てないのか?」
「行ったがそんなのなかったぞ」
「じゃ、もう狩り尽された後だったのかもな」
「で、それがどうしたんだよ」
「いや~何でもそれクリスが持ってきたものらしくてな。ピースがいうには、手作りチョコらしいんだよ」
「っ!?」
「でも皆はよ、クリスが手作りチョコなんかする奴じゃねぇって口にして、クリスもモランたちがチョコ作り体験会に行った余りを貰ったらしく、それを皆におすそ分けしたらしいぞ」

 そこでルークは足を止めると、トウマも急に止まったルークの方を振り向く。

「……のか?」
「ん? 何つったんだルーク?」
「だから、お前はそれ食ったのか?」

 少し悔しそうな表情をしてトウマに問いかけるルークを見て、トウマはちょっと意地悪そうな表情をする。
 そして自慢する様に「勿論、食べたぞ」と答え歩き始めるのだった。
 ルークは先を歩くトウマに追いつくと引き続き、食べたチョコについての質問を続けるのだった。
 一方で、ダイモンたちはというと第3学年しか使用できない一室にやって来ていた。
 その部屋にはダイモンたちしかおらず、近くの席に皆が座るとダイモンが最初に口を開いた。

「で、何の話をするんだ? こんな所に来たんだ、どうせ愚痴だけじゃないんだろ」
「分かっていたんだな、ダイモン」
「馬鹿にするなイルダ。それくらい途中で気付いたわ」
「(途中ですか)」
「(途中なんだ)」

 ワイズとマルロスは同じ様な事を心の中で思うのだった。

「聴取の内容って事での愚痴もそうだけど、オービンたちの事とか色々とさ情報共有をしたいと思ってね」

 マルロスの発言にダイモンは「なるほどね」と頷く。

「にしても、次期寮長副寮長のお披露目とか、そんな事するようになったんだな」
「聞いていたのか、イルダ」
「聞こえただけさ。でもそれだけで、次期寮長副寮長たちがあんな会議するか?」
「どうやらあれは、オービンたちがルークやトウマに早い引き継ぎをしたらしいぞ。それで彼らが筆頭に他の皆と情報共有を始めたらしい」
「へ~誰から聞いたんですワイズ?」
「学院長からさ」

 そこで大きくイルダがあくびをする。
 それを見てマルロスが、イルダの限界も近いと思い早速本題を切り出していくのだった。
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