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第493話 好きな相手を手に入れるという意味
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――王都メルト魔法学院内。
――校舎から離れた別館にて。
バベッチがアリスの懐に潜り込み、両手に魔力を溜めアリスの腹部へと叩き込んでいた。
が、バベッチの両手はアリスの腹部へと届いておらず、その手前で見えない何かに両手を抑えつけられている状態であった。
「な、何!? これは」
アリス自身何が起きているのか理解出来ていなかったが、バベッチには思い当たる節がある様な表情をして下からアリスを見上げた。
直後バベッチが何かに弾かれ離れて行くのだった。
何? 何が起きたの? 何もしてないわよ、私。
そう思いながらアリスは更にバベッチとの距離をとるため、後方へと下がる。
完全に隙を突かれた。あの攻撃は避けられないと思っていたのに、届かなかった。いや、何かに止められていた感じだった。
それに、攻撃の時に口にしたあの言葉は……。
アリスは何故攻撃が当たらなかったのかを考えつつも、バベッチが口にした事が気になっていた。
すると吹き飛ばされたバベッチが遠くから声を掛けて来た。
「いやいや、まさかまだティアの魔法が残っていたとはね」
「ティア王女様の魔法?」
「そうか、アリスは理解してないのか。なら教えてあげよう。ティアはアリスに対し、外的から身を護る魔法を付与していたんだよ。突然の不意打ちや俺のさっきの魔法とか専用のな」
そこでアリスはティアが以前口にしていた「貴方には私がついているのだから、大丈夫」という言葉を思い出す。
ティア王女様、私にそんな魔法を付与していたんですね。
「自分の魔力で対象を護らせられるとか、流石月の魔女様だよな。でも、知らなかった訳じゃないぞ。レオンの記憶からアリスにはそれがあるのは知っていたんだ。だから、寝ている間に全て削り切っておいたはずだったんだが、まだ残っていた事に驚いたんだ。完璧に乗っ取れたと思ったのによ~」
「乗っ取る? 何を言っているの?」
その時アリスは頭の中で、ある推測を考えていた。
これまでのバベッチの言動、私だけを攫った目的、そして必要以上までのお母様への執着。
私はバベッチが本当に私を人質にして、お母様を従わせようとしているのだと思っていた。
だがそれなら、私を攫った時に拘束しておくはず。
だが、バベッチはそうしておらず、わざわざ私に自分の目的を話した。
そんな事すれば誰だって抵抗される事は目に見えているはずなのに。
バベッチについて話を聞いており、今の彼は意思や記憶が歪んでいると認識していたので、そんな考えを起こしてもおかしくないと心のどかで私は思っていた。
急に自分の研究の話をし出すのも、攻撃を仕掛けてくるのも、彼がそういう人物だからと思っていたがそうじゃない。
リーリアさんから聞いた話では、彼は今まで目的を達成する為に、いかなる手段をとってきている。
そんな人物が一番執着している目的に対して、こんなにも雑で分かりやすく面倒な手段をとるはずがない。
なら、これまでの事をふまえて彼がやろうとしている事は――。
「乗っ取りだよアリス、君の身体をさ。君はリーリアに愛されていて、実の娘。俺はリーリアを手に入れるために、君になるんだよ! 君の魂を俺の魂で上書きをして、アリス君の身体を手にするんだよ! これが俺の本当の目的さ。人質にとってなんていうのは嘘だよ、嘘。あれは乗っ取る為の一つの手段に過ぎない」
「っ……そんな事出来る訳がない」
「いや出来る。その証明が俺さ。俺はこれまでに二度他人の身体に魂を入れ、相手の身体を乗っ取った。既に実験し成功済みさ」
バベッチの言葉に対しアリスは何も言葉が出てこなかった。
そのままバベッチは、これまで二度の身体の乗っ取りを自慢話の様に語り出す。
しかしアリスにはその話が全く頭に入って来なかった。
想像もした事のなかった内容に付いて行けないという面もあったが、何故そこまでするのか、どうしてその為だけにいろんな人を巻き込み、悲しませたのかと考えてしまうのだった。
最初から私が目的だったら私だけ狙って来ればいいじゃない。どうして他の人を巻き込み、悲しませるの? 私には理解できない。
いえ、そもそも理解しようとする相手ではない。理解なんて出来る訳ない。バベッチはそういう相手、そういう人物。
彼はもうお母様たちが知っているバベッチではない。
「俺はさ、どうしたらリーリアを手に入れられるかを考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えた結果リーリアに愛されればいいんだと行きついた。そこからはいくつにもその目的を達成する為に、様々な手段を派生させ計画した。だがどれもピンと来なかったんだよ。でもその中で唯一これだ、と思える物を見つけたんだよ」
「私に、なる事?」
「そう! そうだよ、そう! 子供になれば愛される、リーリアの子になればリーリアを手にしたのも同然だろ? 子は親のもの。親はどんな事だろうと自身の子を守るものだろ? リーリアが俺を守ってくれる、育ててくれる、愛してくれる。あーこれ以上の幸せがあるか? いや、ないだろ」
「……どうしてお兄ちゃんじゃなくて、私なの?」
「初めはもちろん、息子のアバンを標的にしていたよ。だけどアバンは凄すぎたんだよ。俺が成り代われる相手じゃなかった。アリスも分かるだろ、兄アバンの凄さをさ」
そう言われなくてもアリスは兄アバンの凄さ、偉大さを理解していた。
自分よりも知識も技術も上で、研究も出来てそれに驕れることない性格、家族の妹に対してだけ想いが少し強すぎるという点を除けば、一般的には天才といえる分類である。
「成り代わって元の人物通り振る舞えず不振がれても、俺がダメになっても意味がない。だから一度は計画を変えようと思ったが、その後にアリス君が生まれた。君はアバンとは違い、普通だった。普通のどこにでもいる令嬢であった。そして何より、リーリアに愛されていた。そこで俺は君の身体を乗っ取る事に決めたんだ」
「そんな小さい頃から考えていたなら、さっさと行動すれば良かったじゃない」
「俺もそうしたかったが、その頃俺はちょっとした事で一度目の乗っ取りをしたばかりでな、すぐに二回目が出来なかったんだよ。そうポンポンと魂を移し替えることは出来ないんだ。あの時は本当に悔しかったよ、目の前に夢が転がっているのに手が出せないもどかしさ」
それからバベッチは私を乗っ取る為に、準備を進めるも中々乗っ取った身体に魂が定着せずに時間が過ぎたと語る。
その後王都の状況や自身の身体状態から直ぐにの計画実施を諦め、計画を立て直したのだった。
「乗っ取る現場を見られては意味がないからね、実施は寮に入る学院生時代に定めたんだよ。周囲との関係性、行動パターンを把握し完全に孤立する時間、更には気を許せる相手など全て調べた上で決行しようとしたが、その前にこの学院へと転入してしまった。だが、また一からやればいい話だったし、女子が男子寮さらには自らを偽ってとなれば余計にチャンスは増えると思った」
「でも、そうはならなかった」
「その通り。アリスはクリスとしてクラスにどんどん馴染み、前の学院よりも近付くのが難しくなった。更には魔女にも見つかり、やる事が増えて困ったよ」
魔女? ティア王女様の事?
「変なしがらみが増えたから、俺は一番の目的を達成する為にこの王都を王国を狙い意識を向けさせた。元々そういう事も考えていたし、同時進行する事にしその時様にとっておいた者たちも動かした。王国王都に恨みを持つ者から、誘拐、襲撃と計画を進めその裏で今回の下準備も混乱に乗じて進めた」
アリスはその時、学院にやって来てから遭遇して来た事件が全てバベッチが私を乗っ取る為に計画して来た事だったのではと、思い返していた。
決して全てがバベッチが仕組んだとは口にしてはないが、まるでそうしてきたかの様な口ぶりにアリスはそう思ってしまうのだった。
「色々と大変だったが、今日という日をこの瞬間を迎えられて全ては報われる。アリス、君のその魔法は魔力を大きく消耗し更には体力的にも消耗し弱る。身体の弱りは精神的な弱さも生まれるって知っているかい?」
「っ!」
「俺は無意味に戦いを仕掛けた訳じゃない。君を身体的にも精神的にも弱らせ、乗っ取りやすくする為に今までこんな事をしていたんだよ。まあ、その力は想定外だったけどね」
アリスは知らず知らずのうちに、バベッチの手のひらの上で踊らされていたのだと理解する。
案の定、ゴーレム武装でいられる時間は長くもなく、魔力の消耗から体力的にも疲れて来ていた。
そう考えた途端、急にどっと身体が重くなる。
っ……意識しただけで急に疲れとか怠さが出た感じね。
それに、何ていうのかしら、変に意識した事で張っていた糸が切れそうな感じだわ。
アリスの息が少し荒くなるも、バベッチに気付かれない様に呼吸を整え始める。
「ついつい長話しちゃったよ。さてと、そろそろその身体渡してもらおうか。アリス」
バベッチは引きつった笑顔で、両手に魔力を溜めながらアリスへと迫り始めると、瞬時にアリスの背後をとり魔力を溜めた両手を再び突きだした。
「(ティアの魔法はさっきの搾りかすで最後! 次こそ取った!)」
そうバベッチが思った直後だった。
アリスの脚部を特化させた回し蹴りが、バベッチの顔に直撃するのだった。
――校舎から離れた別館にて。
バベッチがアリスの懐に潜り込み、両手に魔力を溜めアリスの腹部へと叩き込んでいた。
が、バベッチの両手はアリスの腹部へと届いておらず、その手前で見えない何かに両手を抑えつけられている状態であった。
「な、何!? これは」
アリス自身何が起きているのか理解出来ていなかったが、バベッチには思い当たる節がある様な表情をして下からアリスを見上げた。
直後バベッチが何かに弾かれ離れて行くのだった。
何? 何が起きたの? 何もしてないわよ、私。
そう思いながらアリスは更にバベッチとの距離をとるため、後方へと下がる。
完全に隙を突かれた。あの攻撃は避けられないと思っていたのに、届かなかった。いや、何かに止められていた感じだった。
それに、攻撃の時に口にしたあの言葉は……。
アリスは何故攻撃が当たらなかったのかを考えつつも、バベッチが口にした事が気になっていた。
すると吹き飛ばされたバベッチが遠くから声を掛けて来た。
「いやいや、まさかまだティアの魔法が残っていたとはね」
「ティア王女様の魔法?」
「そうか、アリスは理解してないのか。なら教えてあげよう。ティアはアリスに対し、外的から身を護る魔法を付与していたんだよ。突然の不意打ちや俺のさっきの魔法とか専用のな」
そこでアリスはティアが以前口にしていた「貴方には私がついているのだから、大丈夫」という言葉を思い出す。
ティア王女様、私にそんな魔法を付与していたんですね。
「自分の魔力で対象を護らせられるとか、流石月の魔女様だよな。でも、知らなかった訳じゃないぞ。レオンの記憶からアリスにはそれがあるのは知っていたんだ。だから、寝ている間に全て削り切っておいたはずだったんだが、まだ残っていた事に驚いたんだ。完璧に乗っ取れたと思ったのによ~」
「乗っ取る? 何を言っているの?」
その時アリスは頭の中で、ある推測を考えていた。
これまでのバベッチの言動、私だけを攫った目的、そして必要以上までのお母様への執着。
私はバベッチが本当に私を人質にして、お母様を従わせようとしているのだと思っていた。
だがそれなら、私を攫った時に拘束しておくはず。
だが、バベッチはそうしておらず、わざわざ私に自分の目的を話した。
そんな事すれば誰だって抵抗される事は目に見えているはずなのに。
バベッチについて話を聞いており、今の彼は意思や記憶が歪んでいると認識していたので、そんな考えを起こしてもおかしくないと心のどかで私は思っていた。
急に自分の研究の話をし出すのも、攻撃を仕掛けてくるのも、彼がそういう人物だからと思っていたがそうじゃない。
リーリアさんから聞いた話では、彼は今まで目的を達成する為に、いかなる手段をとってきている。
そんな人物が一番執着している目的に対して、こんなにも雑で分かりやすく面倒な手段をとるはずがない。
なら、これまでの事をふまえて彼がやろうとしている事は――。
「乗っ取りだよアリス、君の身体をさ。君はリーリアに愛されていて、実の娘。俺はリーリアを手に入れるために、君になるんだよ! 君の魂を俺の魂で上書きをして、アリス君の身体を手にするんだよ! これが俺の本当の目的さ。人質にとってなんていうのは嘘だよ、嘘。あれは乗っ取る為の一つの手段に過ぎない」
「っ……そんな事出来る訳がない」
「いや出来る。その証明が俺さ。俺はこれまでに二度他人の身体に魂を入れ、相手の身体を乗っ取った。既に実験し成功済みさ」
バベッチの言葉に対しアリスは何も言葉が出てこなかった。
そのままバベッチは、これまで二度の身体の乗っ取りを自慢話の様に語り出す。
しかしアリスにはその話が全く頭に入って来なかった。
想像もした事のなかった内容に付いて行けないという面もあったが、何故そこまでするのか、どうしてその為だけにいろんな人を巻き込み、悲しませたのかと考えてしまうのだった。
最初から私が目的だったら私だけ狙って来ればいいじゃない。どうして他の人を巻き込み、悲しませるの? 私には理解できない。
いえ、そもそも理解しようとする相手ではない。理解なんて出来る訳ない。バベッチはそういう相手、そういう人物。
彼はもうお母様たちが知っているバベッチではない。
「俺はさ、どうしたらリーリアを手に入れられるかを考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えた結果リーリアに愛されればいいんだと行きついた。そこからはいくつにもその目的を達成する為に、様々な手段を派生させ計画した。だがどれもピンと来なかったんだよ。でもその中で唯一これだ、と思える物を見つけたんだよ」
「私に、なる事?」
「そう! そうだよ、そう! 子供になれば愛される、リーリアの子になればリーリアを手にしたのも同然だろ? 子は親のもの。親はどんな事だろうと自身の子を守るものだろ? リーリアが俺を守ってくれる、育ててくれる、愛してくれる。あーこれ以上の幸せがあるか? いや、ないだろ」
「……どうしてお兄ちゃんじゃなくて、私なの?」
「初めはもちろん、息子のアバンを標的にしていたよ。だけどアバンは凄すぎたんだよ。俺が成り代われる相手じゃなかった。アリスも分かるだろ、兄アバンの凄さをさ」
そう言われなくてもアリスは兄アバンの凄さ、偉大さを理解していた。
自分よりも知識も技術も上で、研究も出来てそれに驕れることない性格、家族の妹に対してだけ想いが少し強すぎるという点を除けば、一般的には天才といえる分類である。
「成り代わって元の人物通り振る舞えず不振がれても、俺がダメになっても意味がない。だから一度は計画を変えようと思ったが、その後にアリス君が生まれた。君はアバンとは違い、普通だった。普通のどこにでもいる令嬢であった。そして何より、リーリアに愛されていた。そこで俺は君の身体を乗っ取る事に決めたんだ」
「そんな小さい頃から考えていたなら、さっさと行動すれば良かったじゃない」
「俺もそうしたかったが、その頃俺はちょっとした事で一度目の乗っ取りをしたばかりでな、すぐに二回目が出来なかったんだよ。そうポンポンと魂を移し替えることは出来ないんだ。あの時は本当に悔しかったよ、目の前に夢が転がっているのに手が出せないもどかしさ」
それからバベッチは私を乗っ取る為に、準備を進めるも中々乗っ取った身体に魂が定着せずに時間が過ぎたと語る。
その後王都の状況や自身の身体状態から直ぐにの計画実施を諦め、計画を立て直したのだった。
「乗っ取る現場を見られては意味がないからね、実施は寮に入る学院生時代に定めたんだよ。周囲との関係性、行動パターンを把握し完全に孤立する時間、更には気を許せる相手など全て調べた上で決行しようとしたが、その前にこの学院へと転入してしまった。だが、また一からやればいい話だったし、女子が男子寮さらには自らを偽ってとなれば余計にチャンスは増えると思った」
「でも、そうはならなかった」
「その通り。アリスはクリスとしてクラスにどんどん馴染み、前の学院よりも近付くのが難しくなった。更には魔女にも見つかり、やる事が増えて困ったよ」
魔女? ティア王女様の事?
「変なしがらみが増えたから、俺は一番の目的を達成する為にこの王都を王国を狙い意識を向けさせた。元々そういう事も考えていたし、同時進行する事にしその時様にとっておいた者たちも動かした。王国王都に恨みを持つ者から、誘拐、襲撃と計画を進めその裏で今回の下準備も混乱に乗じて進めた」
アリスはその時、学院にやって来てから遭遇して来た事件が全てバベッチが私を乗っ取る為に計画して来た事だったのではと、思い返していた。
決して全てがバベッチが仕組んだとは口にしてはないが、まるでそうしてきたかの様な口ぶりにアリスはそう思ってしまうのだった。
「色々と大変だったが、今日という日をこの瞬間を迎えられて全ては報われる。アリス、君のその魔法は魔力を大きく消耗し更には体力的にも消耗し弱る。身体の弱りは精神的な弱さも生まれるって知っているかい?」
「っ!」
「俺は無意味に戦いを仕掛けた訳じゃない。君を身体的にも精神的にも弱らせ、乗っ取りやすくする為に今までこんな事をしていたんだよ。まあ、その力は想定外だったけどね」
アリスは知らず知らずのうちに、バベッチの手のひらの上で踊らされていたのだと理解する。
案の定、ゴーレム武装でいられる時間は長くもなく、魔力の消耗から体力的にも疲れて来ていた。
そう考えた途端、急にどっと身体が重くなる。
っ……意識しただけで急に疲れとか怠さが出た感じね。
それに、何ていうのかしら、変に意識した事で張っていた糸が切れそうな感じだわ。
アリスの息が少し荒くなるも、バベッチに気付かれない様に呼吸を整え始める。
「ついつい長話しちゃったよ。さてと、そろそろその身体渡してもらおうか。アリス」
バベッチは引きつった笑顔で、両手に魔力を溜めながらアリスへと迫り始めると、瞬時にアリスの背後をとり魔力を溜めた両手を再び突きだした。
「(ティアの魔法はさっきの搾りかすで最後! 次こそ取った!)」
そうバベッチが思った直後だった。
アリスの脚部を特化させた回し蹴りが、バベッチの顔に直撃するのだった。
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