とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第503話 最終期末試験内容発表

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「よーし、久しぶりにクラス全員が集まった所で最終期末試験の話をするぞ」
「「えー」」
「えーじゃない。何でそこで息がいつも合うんだ、お前らは」

 担当教員は小さくため息をつきながら、黒板に対し持っていた魔道具を起動させ資料を映し出す。
 黒板には最終期末試験の日程が映される。


  最終期末試験日程
   【学科試験】
    二日間 六科目実施

   【実力試験】
    一日間 クラス内リーグ戦
    第一期期末試験の実力試験と類似内容

 最終成績は学科試験での合計点+実力試験でのリーグ順位成績点数と勝率点数の合計点にて決定


 三度目の期末試験の為か、担当教員はこれまで通り学科試験からの話をし生徒たちも特に質問で遮る事無く話は進んだ。
 一週間前という事で学科試験の六科目の試験日程も発表された。

「今回の各範囲は、以前から提示していた範囲のまま。当初の試験から延期や変更はあるものの、そこについては変わらない」

 担当教員は続けて黒板に映し出している映像を切り替え、実力試験の内容を映し出す。
 その内容は第一期末試験の実力試験と同様で、学科試験の順位にてクラス内リーグ戦組み分けが決まると伝えられる。

「見て分かる通り、第一期末試験の内容から大きな変更はない。実力試験についての説明はこちらだけだ。後は、自身の持てる力を全力で出し切るだけだ」

 そして黒板に映し出された映像が消え、起動した魔道具のスイッチを落とす。
 そのまま質疑応答に入ると、珍しくニックが挙手をした。

「実力試験で一つ聞いておきたいんですが、外部から今回の試験を見学に来る人たちがいるというのは本当ですか?」
「……何故そんな事を聞く?」
「そういう噂がありましたので。それにこれまで外部の人間が学院に入ったことで、これまで事件が起きているんですから当然の質問ではないですか?」

 ニックの言葉に担当教員は深くため息をつき、答え始める。
 今回の試験は学院側が進めている転校についての話しも関わって来ており、転校するに当たり他の学院に対しその生徒の資料だけではなく実際に目で確認して、見極めてもらう場として考えたのだった。
 しかし実際に学院に来るのではなく、配信用の魔道具を設置しそれを現在こちらにやって来ている各学院担当者に王城内から見てもらうという流れであった。
 これについては現在王城側の担当者と話を進めている状況であり、決定ではないと明かす。
 生徒たちはそこで転校を考えている生徒に対し、学院側が協力しているという噂が本当だったのかと少し驚くが、騒ぐことはなかった。

「先生、それ俺たちに言っていい事なんですか?」

 トウマが恐る恐る問いかけると、担当教員は事前に学院長らとの会議にて生徒たちから質問があった際には、隠さずに答えてよいと伝えられているのだと話した。
 するとそこで朝礼時刻を終えるチャイムが鳴り響く。
 担当教員は少し慌てながら、残りの連絡事項を伝え最終期末試験については授業後の帰り前に再び時間をとると言い残し、朝礼を締めさせた。
 その後一時間目が始まるまでの間、各生徒は自由に過ごし始める。

「一週間後には最終期末試験か。早いな、もう最終期末試験で終われば、卒業式が迫ってそのまま数週間後には俺たち最高学年だ」
「来年度の新入生は来るんかね?」
「もう来年度の心配とは、余裕だなお前ら」

 だらりと話していたライラックとリーガに、ガイルが話し掛ける。

「最終期末試験は進級か留年かが掛かった、全期の中で一番気合を入れる期末試験だぞ。それなのに、もう進級出来る気で来年度の話しなんてしてるからそう声を掛けただけだ」
「何だよガイル、試験前だからって俺らに当たるなよ。それとも、前の試験で俺よりも順位下だったからか」
「なっ! そんなんじゃねえわ! つうか、一期の時はお前が最下位で俺より下だったろうが」
「あーそれ言っちゃうんだ、言っちゃんだね。一期の二期の学科試験で俺はお前よりも、赤点少なかったんだぞ。ちょっと運動出来るからって威張るなよ」
「どっちも学科試験合計点で俺と僅差だったくせに、何言ってるんだお前は」
「なんだと!」
「なんだよ!」

 両者立ち上がり睨みあう二人の間にリーガ割り込み、両者の肩を軽く叩く。

「どっちもどっちだぞ、お前ら」

 リーガの少し澄ませた顔に、二人は同時に声を出した。

「「お前には言われたくないわ!」」

 そんな学科試験ドベ組のわちゃわちゃを、遠くの席からニック、フェルト、ピースが見つめていた。

「元気だね皆」
「おいおいピースさん、のんきに一時間目前の間食をしてますが、貴方も学科試験あまり良くないの理解してます?」

 ピースはフェルトの問いかけに対し、きょとんとした顔で「へ?」と口にしながら持ってきた菓子パンにかぶりつく。
 ニックは片手で頭を抱え軽く首を横に振る。

「ニック、これは大ピンチだ。去年と同じ状況だぞこれ」
「ピース勉強はしてるんだよな?」
「うん、してるよ」
「ちなみに聞くけど、どの教科やってる? 全部なんて期待はしてないけど、試験のどれかの科目はやってるんだよね?」

 するとピースは黙ったまま菓子パンを食べきり、ニックとフェルトの方を交互に見るとゆっくりと頭を机に下げた。

「ごめんなさい、嘘言いました。全然出来てません」

 フェルトは「あちゃー」と口にし片手で目を覆い、ルークはそっと向けていた身体を前にし始める。

「待ってニック、見捨てないでよ。頼むよ」
「ピース、俺たち去年言ったよな。最終期末試験だけはマジでしっかりとやれってよ」

 鬼の形相で振り返るニックに震えるピース、そしてそれをただ見守るフェルトという光景が新たに出来るのだった。
 そんな光景を教室の後方から、シンリは席から見つめていた。

「ありゃりゃ、ライラックたちの次はピースたちと来たか」
「あれ、シンリも学科試験やばいんじゃなかったけ?」
「たしかにそうだけど、さすがに勉強してるよ。クリス程じゃないけどさ」
「いやいや俺もそんなに出来てないって。ほら、ちょっと前まで病院にいたしさ」
「とか言って、前回もそんなやってない的な事言ってたけど、全然上の順位だったし信用ならないんだよね」

 シンリの言葉にクリスは苦笑いで返すしかなかった。
 するとシンリは何かを思い付き、クリスの方に顔を向けある提案をするのだった。

「そうだクリス、僕と勉強会をしないかい? 互いのルームメイトも含めてさ」
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