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第502話 気になるあいつ
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教室内にてルークとトウマが先日のハンス国王からの宣言につて話していると、ルークの席の隣であるガウェンがやって来る。
「久しぶりだな、ルーク。今日からまた登校なのか」
「ああ、よろしくな」
ガウェンは軽く手を上げそのまま席に着くと、トウマからツッコミが入る。
「え、それだけ!? もっとあるだろガウェン、こいつがどうなるのかとか、このまま学院にいるのか? とかよ」
「聞かなくてもここに来ている時点で、このまま学院生を続けるって事じゃなのか? そうじゃなきゃ、あのまま来ないままなんじゃないのか」
トウマはガウェンの考えに対して「たしかに」と納得するのだった。
「そっか。そう、だよな。あははは、じゃ来年度も一緒にいれるって事だよな?」
「何当たり前の事言ってんだお前」
ルークは少し呆れた表情でトウマを見ながら椅子を引く。
「だってよ、お前がいなくなったら俺一人じゃ寮長とかやっていけないからよ」
「そこかよ」
「それだけじゃねえよ! でも、直近で考えるとそこがあるしよ。次期副寮長いなくなったら一大事だろ? せっかくみんなで決めたのによ」
「副寮長より大事なのは寮長の方だろ。全く、うちの次期寮長は頼れるのか、頼れないんだか」
ルークのボヤキにガウェンが小さく笑う。
「俺はオービン先輩とは違うからよ、お前の助けも皆の助けも必要なんだよ。俺は自分の力量分かってるしよ、出来る事は次期寮長としてやるつもりだよ」
目線を逸らし、頬を軽くかきながらトウマはそう答えるとルークはじっと見ていたが急に笑いがこらえきれず噴き出す。
「な、何でそこで笑うんだよお前は!」
「悪い、悪い。わざとじゃないんだ。こういうお前とのやり取りが久しぶりでな、戻って来たんだなって思っただけさ」
「余計に笑うとこじゃねえだろうがよ!」
「ほらよくあるだろ、思い出し笑いってやつだよ」
「今の話しの流れでいつどこで、何の話をした時の思い出し笑いなんだよ。俺いつ変な事言ったよ」
「いやよく言ってるだろ。一時期皆から変な言動で避けられてたりしたろ?」
「あ、あああれは、その、勘違いだよ。勝手に周りが変に捉えただけで、俺は正常だったていうか、その」
二人の久しぶりのやりとりに、クラスの皆がちょっとした懐かしさを感じ笑う。
それからルークらの周りにリーガやライラックたちがやって来て騒がしくしたり、久しぶりの再会にクラスは盛り上がるのだった。
騒がしさが一段落した所で、ルークはトウマを教室の外の廊下に呼び出した。
「何だよ急に呼び出して」
「あいつはあれからどうしてる?」
「あいつ? あいつって誰のことだよ?」
「っ、あいつはあいつだよ」
「? ……あ~」
そこでトウマはルークが誰の事を気にしているのか気付き、変に企んだ顔をルークに見せる。
「何だよその顔」
「いや、別に~あー名前言ってくれないと、誰の事か分かんねえな~」
「トウマお前、分かってやってるな」
「はて、何の事やら~?」
「お前な」
「何やってんだトウマって、ルーク!?」
その聞きなれた声にルークとトウマが振り返り、視線の先にいたのはシンと共に教室へ向かって来るクリスであった。
ルークはクリスがあの事件後に目を覚まさず、眠りについたままで学院も離れるまでその状態だった為、今無事に目が覚めて学院にいる事に驚きつつも安堵していた。
クリスはルークたちに駆け寄って来て挨拶を済ませる。
「久しぶりだな、ルーク」
「あ、ああ。お前、もう大丈夫なのか?」
「あははは、心配かけたね。でも、もう大丈夫この通りさ」
クリスが目を覚ましたのは、今日から五日前の事だと本人が語る。
五日前は、ちょうどルークが王城へと向かった日でありクリス曰くその日から検査を行い、翌日にはこの学院に戻って来たと口にした。
同行していたタツミが健康状態などの確認も行ったうえでの復学となっていた。
そんな話をしているとシンも遅れて合流してきて挨拶をした。
「ちょうどルークと入れ替わる感じで、クリスが戻って来たんだよ」
「そうか、よかった。たっく、そうならそうと言えよトウマ」
トウマはルークに軽く睨まれると、そっぽを向きながら「たまにはからかい返してやろうかと思って」と白状するのだった。
そんな理由に対しルークは小さくため息をつくが、クリスは久しぶりの二人のやりとりに笑っていた。
「(まあ、クリスも無事みたいだし良かったか。あの時はどうなるかと思ったが)」
ルークはふと事件の日にクリスを見つけ出した事を思い出す。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――王都襲撃事件の日。
アバンとの協力でロバートを撃退し、学院中の結界が解除されルークたちが攫われたクリスを捜索したいた時。
「後探してないのは、この別館だけだ」
「てっきり、校舎内の何処かに拘束されているのかと思っていたが見つかってないって事は」
「ここにいるって事ね」
クリス捜索には、ルーク、アバンそしてリーリアが行っており、残りのメンバーでティアとオービンはロバートの拘束に、マイナは捕らえられていた生徒たちの対応と別れて対処に当たっていた。
ロバート撃退後真っ先に、アバンとリーリアが手分けをしクリスことアリスの状況を知り、ルークと手分けをして校舎内をくまなく捜索するも見つけられていなかった。
そこで捜索範囲を広げ体育館や寮の方などを探すも、手掛かりすら見つけられずにいた。
そして最後に残ったのが、別館であったのだ。
ルークたちは何故か別館だけを避け、捜索をしておりその理由は何だか分からないが改めて残っている箇所を確認した際に、校舎からさほど遠くない場所にある別館を見てやって来たのであった。
「どうして避けていたか分からなかったけど、たぶん何かしらの魔道具ね。この別館、異様な魔力を感じるわ。色々と混ぜた感じね」
「バベッチのやろう、一度だけでなく二度も俺の妹に手を出してたとはな。後で一発叩き込んでやる」
「っ!? 扉が開かない。どうなってるんだ」
別館の入口の扉をルークは開けようとするも、力を入れてもびくともしなかった。
するとアバンが背後からルークの肩を叩き、後ろに下がらせると扉に蹴りを叩き込むも凹むだけで開かなかった。
「くっ」
「違うわよ、アバン」
そういってリーリアが前に出てくると、アバンを手で軽く払うと小さく息を吐く。
「扉っていうのはね、付け根からぶっ壊すのよ!」
リーリアは片足を扉の付け根目掛け突き出すと、大きな衝撃音と共に扉が真後ろに倒れる。
そのままもう一方の扉も内側から外へとリーリアは蹴りを入れると、外側へ扉が吹き飛んで行く。
リーリアは満足そうな顔をし中へと入って行く。
「(そっちまで壊す必要はなかったのでは?)」
そう思いながらルークもリーリアとアバンの後に続き、部屋の中に入るがそこでの光景に言葉を失う。
部屋の中は、戦闘の跡が様々な場所に残っておりこの場で誰かと誰かが激しい戦闘をしていたのだと一目で分かる状況であった。
思わぬ光景に驚いていると、リーリアとアバンが奥で倒れているアリスを見つけすぐさま駆け寄って行き、ルークも遅れて駆け寄る。
「アリス!」
「アリス、しっかりしろ!」
「アリス……」
そこに倒れていたアリスは満身創痍で、呼吸も浅い状態であった。
リーリアはすぐにアリスが危険な状態だと察し、アバンに医療班をすぐにこの場に連れて来る様に指示し、ルークに医務室にある魔力安定剤や応急処置が出来る道具を持ってくる様に伝える。
だがルークにそのような道具などの知識がほぼなく焦っていると、アバンが先に向かいそれらしき物を出しておけと伝える。
応援を呼んだ後に合流するとし、ルークはひとまずアバンと共にリーリアの指示に従いその場を離れるのだった。
残ったリーリアは残る魔力をアリスに流し、何とか魔力欠乏を応急処置を行い始める。
その後アバンたちが戻って来て、応急処置を出来る限り続けた所で王国軍の医療班が到着しアリスはそのまま病院へと運ばれ、何とか一命はとりとめた。
が、身体へとのダメージが大きかったからかその後は意識も戻らずの状態が続いたが、身体の回復と共に計測していた数値も安定して来て遂に目を覚ましたのだった。
「タツミ先生からは、物凄いきつく絶対に無理をするなよ。と言われてるけどね」
「それが普通だよクリス。凄い怪我だったんだろ。皆心配したんだからな」
「そうそう、けろっと帰って来て驚いたよ」
トウマとシンの言葉に少し苦笑いをしていると、学院のチャイムが鳴り響く。
「もうそんな時間か、早く教室入ろうぜ」
「そうだね」
先にトウマとシンは教室へと入り、クリスも小走りで向かうがそこでルークが呼び止めた。
「何? ルーク」
「お前、本当にもう何ともないんだよな?」
「? 見ての通りだよ。ほら」
クリスは両手を軽く上げ、元気ですよというポーズをとる。
「そうか。なら、良かった」
「ほら、ルークも早く。先生来ちゃうぞ」
「ああ」
そうして、ルークは小走りで教室へ入って行き自席へと向かうのであった。
「久しぶりだな、ルーク。今日からまた登校なのか」
「ああ、よろしくな」
ガウェンは軽く手を上げそのまま席に着くと、トウマからツッコミが入る。
「え、それだけ!? もっとあるだろガウェン、こいつがどうなるのかとか、このまま学院にいるのか? とかよ」
「聞かなくてもここに来ている時点で、このまま学院生を続けるって事じゃなのか? そうじゃなきゃ、あのまま来ないままなんじゃないのか」
トウマはガウェンの考えに対して「たしかに」と納得するのだった。
「そっか。そう、だよな。あははは、じゃ来年度も一緒にいれるって事だよな?」
「何当たり前の事言ってんだお前」
ルークは少し呆れた表情でトウマを見ながら椅子を引く。
「だってよ、お前がいなくなったら俺一人じゃ寮長とかやっていけないからよ」
「そこかよ」
「それだけじゃねえよ! でも、直近で考えるとそこがあるしよ。次期副寮長いなくなったら一大事だろ? せっかくみんなで決めたのによ」
「副寮長より大事なのは寮長の方だろ。全く、うちの次期寮長は頼れるのか、頼れないんだか」
ルークのボヤキにガウェンが小さく笑う。
「俺はオービン先輩とは違うからよ、お前の助けも皆の助けも必要なんだよ。俺は自分の力量分かってるしよ、出来る事は次期寮長としてやるつもりだよ」
目線を逸らし、頬を軽くかきながらトウマはそう答えるとルークはじっと見ていたが急に笑いがこらえきれず噴き出す。
「な、何でそこで笑うんだよお前は!」
「悪い、悪い。わざとじゃないんだ。こういうお前とのやり取りが久しぶりでな、戻って来たんだなって思っただけさ」
「余計に笑うとこじゃねえだろうがよ!」
「ほらよくあるだろ、思い出し笑いってやつだよ」
「今の話しの流れでいつどこで、何の話をした時の思い出し笑いなんだよ。俺いつ変な事言ったよ」
「いやよく言ってるだろ。一時期皆から変な言動で避けられてたりしたろ?」
「あ、あああれは、その、勘違いだよ。勝手に周りが変に捉えただけで、俺は正常だったていうか、その」
二人の久しぶりのやりとりに、クラスの皆がちょっとした懐かしさを感じ笑う。
それからルークらの周りにリーガやライラックたちがやって来て騒がしくしたり、久しぶりの再会にクラスは盛り上がるのだった。
騒がしさが一段落した所で、ルークはトウマを教室の外の廊下に呼び出した。
「何だよ急に呼び出して」
「あいつはあれからどうしてる?」
「あいつ? あいつって誰のことだよ?」
「っ、あいつはあいつだよ」
「? ……あ~」
そこでトウマはルークが誰の事を気にしているのか気付き、変に企んだ顔をルークに見せる。
「何だよその顔」
「いや、別に~あー名前言ってくれないと、誰の事か分かんねえな~」
「トウマお前、分かってやってるな」
「はて、何の事やら~?」
「お前な」
「何やってんだトウマって、ルーク!?」
その聞きなれた声にルークとトウマが振り返り、視線の先にいたのはシンと共に教室へ向かって来るクリスであった。
ルークはクリスがあの事件後に目を覚まさず、眠りについたままで学院も離れるまでその状態だった為、今無事に目が覚めて学院にいる事に驚きつつも安堵していた。
クリスはルークたちに駆け寄って来て挨拶を済ませる。
「久しぶりだな、ルーク」
「あ、ああ。お前、もう大丈夫なのか?」
「あははは、心配かけたね。でも、もう大丈夫この通りさ」
クリスが目を覚ましたのは、今日から五日前の事だと本人が語る。
五日前は、ちょうどルークが王城へと向かった日でありクリス曰くその日から検査を行い、翌日にはこの学院に戻って来たと口にした。
同行していたタツミが健康状態などの確認も行ったうえでの復学となっていた。
そんな話をしているとシンも遅れて合流してきて挨拶をした。
「ちょうどルークと入れ替わる感じで、クリスが戻って来たんだよ」
「そうか、よかった。たっく、そうならそうと言えよトウマ」
トウマはルークに軽く睨まれると、そっぽを向きながら「たまにはからかい返してやろうかと思って」と白状するのだった。
そんな理由に対しルークは小さくため息をつくが、クリスは久しぶりの二人のやりとりに笑っていた。
「(まあ、クリスも無事みたいだし良かったか。あの時はどうなるかと思ったが)」
ルークはふと事件の日にクリスを見つけ出した事を思い出す。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――王都襲撃事件の日。
アバンとの協力でロバートを撃退し、学院中の結界が解除されルークたちが攫われたクリスを捜索したいた時。
「後探してないのは、この別館だけだ」
「てっきり、校舎内の何処かに拘束されているのかと思っていたが見つかってないって事は」
「ここにいるって事ね」
クリス捜索には、ルーク、アバンそしてリーリアが行っており、残りのメンバーでティアとオービンはロバートの拘束に、マイナは捕らえられていた生徒たちの対応と別れて対処に当たっていた。
ロバート撃退後真っ先に、アバンとリーリアが手分けをしクリスことアリスの状況を知り、ルークと手分けをして校舎内をくまなく捜索するも見つけられていなかった。
そこで捜索範囲を広げ体育館や寮の方などを探すも、手掛かりすら見つけられずにいた。
そして最後に残ったのが、別館であったのだ。
ルークたちは何故か別館だけを避け、捜索をしておりその理由は何だか分からないが改めて残っている箇所を確認した際に、校舎からさほど遠くない場所にある別館を見てやって来たのであった。
「どうして避けていたか分からなかったけど、たぶん何かしらの魔道具ね。この別館、異様な魔力を感じるわ。色々と混ぜた感じね」
「バベッチのやろう、一度だけでなく二度も俺の妹に手を出してたとはな。後で一発叩き込んでやる」
「っ!? 扉が開かない。どうなってるんだ」
別館の入口の扉をルークは開けようとするも、力を入れてもびくともしなかった。
するとアバンが背後からルークの肩を叩き、後ろに下がらせると扉に蹴りを叩き込むも凹むだけで開かなかった。
「くっ」
「違うわよ、アバン」
そういってリーリアが前に出てくると、アバンを手で軽く払うと小さく息を吐く。
「扉っていうのはね、付け根からぶっ壊すのよ!」
リーリアは片足を扉の付け根目掛け突き出すと、大きな衝撃音と共に扉が真後ろに倒れる。
そのままもう一方の扉も内側から外へとリーリアは蹴りを入れると、外側へ扉が吹き飛んで行く。
リーリアは満足そうな顔をし中へと入って行く。
「(そっちまで壊す必要はなかったのでは?)」
そう思いながらルークもリーリアとアバンの後に続き、部屋の中に入るがそこでの光景に言葉を失う。
部屋の中は、戦闘の跡が様々な場所に残っておりこの場で誰かと誰かが激しい戦闘をしていたのだと一目で分かる状況であった。
思わぬ光景に驚いていると、リーリアとアバンが奥で倒れているアリスを見つけすぐさま駆け寄って行き、ルークも遅れて駆け寄る。
「アリス!」
「アリス、しっかりしろ!」
「アリス……」
そこに倒れていたアリスは満身創痍で、呼吸も浅い状態であった。
リーリアはすぐにアリスが危険な状態だと察し、アバンに医療班をすぐにこの場に連れて来る様に指示し、ルークに医務室にある魔力安定剤や応急処置が出来る道具を持ってくる様に伝える。
だがルークにそのような道具などの知識がほぼなく焦っていると、アバンが先に向かいそれらしき物を出しておけと伝える。
応援を呼んだ後に合流するとし、ルークはひとまずアバンと共にリーリアの指示に従いその場を離れるのだった。
残ったリーリアは残る魔力をアリスに流し、何とか魔力欠乏を応急処置を行い始める。
その後アバンたちが戻って来て、応急処置を出来る限り続けた所で王国軍の医療班が到着しアリスはそのまま病院へと運ばれ、何とか一命はとりとめた。
が、身体へとのダメージが大きかったからかその後は意識も戻らずの状態が続いたが、身体の回復と共に計測していた数値も安定して来て遂に目を覚ましたのだった。
「タツミ先生からは、物凄いきつく絶対に無理をするなよ。と言われてるけどね」
「それが普通だよクリス。凄い怪我だったんだろ。皆心配したんだからな」
「そうそう、けろっと帰って来て驚いたよ」
トウマとシンの言葉に少し苦笑いをしていると、学院のチャイムが鳴り響く。
「もうそんな時間か、早く教室入ろうぜ」
「そうだね」
先にトウマとシンは教室へと入り、クリスも小走りで向かうがそこでルークが呼び止めた。
「何? ルーク」
「お前、本当にもう何ともないんだよな?」
「? 見ての通りだよ。ほら」
クリスは両手を軽く上げ、元気ですよというポーズをとる。
「そうか。なら、良かった」
「ほら、ルークも早く。先生来ちゃうぞ」
「ああ」
そうして、ルークは小走りで教室へ入って行き自席へと向かうのであった。
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