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第524話 これまで積み重ね残してきたもの
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「マイナ学院長、それって」
「ええ、最終期末試験の件についてよ」
その言葉にアリスの胸が少し高鳴る。
アリスははやる気持ちを抑え、マイナからの次の言葉を待つ。
「結論からいうと、今回アリスさんの最終期末試験への参加は公式的には認められません」
「公式的に認められない、ですか?」
「はい。公式的にです」
「えっと、それはどういう意味でしょうか?」
首を傾げながら問いかけるとミカロスが後方からマイナに声を掛ける。
「マイナ学院長、ここで表向きな発言はいりませんよ。こちらの準備もあるのですから、あまり時間を掛けないでください」
「そうでしたね。アリスさん分かりずらくてごめんなさいね、最終期末試験を受ける許可をします」
「? 受けていいんですか? さっきは認めないとかなんとか」
「ほら、ややこしくなった」
そこでボソッとエメルが呟く。
マイナは改めて説明をし始める。
今回アリスが希望を出した最終期末試験への参加は学院長を含めた、あの日学院長室に残ったメンバーの話し合いで認められたのだった。
だがあくまで参考記録としての、特別枠としてであった。
学院内に広まるアリスに関する情報をふまえ最後まで意見が割れていたが、アリスのこれまでの成績や周りに与えた影響に功績が最終的に考慮された結果その様な形式での参加が認めらるのだった。
アリスは最終期末試験にどんな形であろうと受けることが出来ると知り口元が緩むと、ミカロスが問いかけて来た。
「アリス。一つ訊かせて欲しいんだが、どうしてそこまで最終期末試験に参加したい? 俺には退学が決まっているのに、そこにこだわる理由が分からない」
「それは僕もだ。受ける必要もないだろ、わざわざ試験なんてさ」
「彼らは貴方がそのような立場で、どうして試験を受けるのか直接訊きたくて来たのですよ」
二人の真剣な顔からアリスは答えを聞き自分を茶化しに来たのではないと理解する。
先程の意見が割れたという発言から、二人は反対の立場だったのだろうかとアリスは推測するのだった。
そう考えるのは当然よね。わざわざ希望を聞かれて、試験を受けたいなんていう人なんていないものね。
アリスは自身の発言がおかしいと思われても仕方ないと理解していた。
「私が最終期末試験にこだわったのは、最後の区切りとしていた所であり、勝負をつけたい相手がいるからです」
訊ねてきたミカロスとエメルに対して真っ直ぐな視線でそう答えた。
「自身で決めた道を最後までやり切りたいという事かい?」
「はい」
「勝負をつけたい相手ね。試験じゃないと、それはダメなのか?」
「はい、約束で契約ですから」
エメルはアリスの発した契約という言葉が気になるも、そこを掘ると面倒な気がし追求はしなかった。
同様にミカロスも気にするも、エメルが追求しないのなら追求しないのがいいのだろうと判断していた。
二人はアリスが自分が決めた事に対し、逃げずに向き合い負けず嫌いな一面があるのだと認識する。
「もし、今回参加が特例的にも認められていなかったらアリスはどうしたかい?」
「そうですね」
ミカロスの問いかけにアリスは暫く腕を組み黙って考えた後、答えを出す。
「たぶんですが、そのまま決定を受け入れて残り時間を過ごしたかもしれません」
想像していた答えと違いミカロスは少し驚く。
「立場的に私は悪い方ですし、我儘を聞いてもらっただけで十分といいますか、断れているのにそこまで厚かましい事は出来ないといいますか」
「ぶっ! あ、悪い」
エメルが小さく噴き出し謝るも、ミカロスは横目で笑いを堪えるエメルを見続ける。
「そんなに見るなよ。というか、よくお前は笑わないで耐えられるな」
「逆に何処で笑えたんだよエメル」
「いやだってよ、もう十分厚かましい事してるのにそこまで厚かましい事は出来ないって、変だろ。あ~面白い」
一人変なツボに入り笑っている姿を見てミカロスは少し呆れた顔をする。
「エメルの事は気にするな。ツボが壊れているだけだ」
そう言いながらミカロスは反対側の部屋の隅で、口元を隠し視線から逃げるようにそっぽを向くタツミの姿を捕らえていた。
「(やば。ちょっとつられちまったよ)」
「そうか。少しだけ納得出来たよ。アリスが勝負をつけたい相手というのも何となく想像はついているしな」
「えっ」
「それくらい当然でしょう、今期の副寮長と寮長までやったのは誰だと思っているんだい?」
ミカロスは片手で眼鏡を軽く押し上げる。
「まあ、察しのいいやつならミカロスじゃなくても直ぐに検討はつくだろけどな」
エメルまで分かっている様な口ぶりにアリスは更に驚く。
「見た目がどうだろうが、中身の印象は大きく変わらなかったと分かったし。おもしろ発言も聞けて、僕は満足したから先に戻るよミカロス。アリス君、勝負期待しているよ~」
自分勝手に満足したエメルは背を向けてその場から立ち去り始め、片手を軽く上げ振るう。
エメルの身勝手な行動にミカロスは再びため息をつく。
「ひとまずアリス、君の参加は認めれてこれ以降それが覆る事はない。参加する以上、これまで学んだ事身に付けた事を全て出し切れるよう頑張ってくれ。詳細な話については学院長、お願い致します。それでは俺もここで」
そうしてミカロスも一礼し、その場から立ち去って行った。
「アリスさん、貴方のこれまでの行動や実力で掴み取った成績などがあったからこそ希望が叶えられたのですから、少しは誇ってくださいね。その頑張りがなければ、こんな風にはなってなかったかもしれませんから」
立ち去るミカロスの後ろ姿を見ながら話し掛けて来るマイナの言葉にアリスは「はい」と噛みしめながら答えた。
自分自身が行って来た事があったからこそ、それが認められて今に至るのだとアリスは実感するのだった。
それからマイナから最終期末試験の受け方について詳しい話が行われるのであった。
「ええ、最終期末試験の件についてよ」
その言葉にアリスの胸が少し高鳴る。
アリスははやる気持ちを抑え、マイナからの次の言葉を待つ。
「結論からいうと、今回アリスさんの最終期末試験への参加は公式的には認められません」
「公式的に認められない、ですか?」
「はい。公式的にです」
「えっと、それはどういう意味でしょうか?」
首を傾げながら問いかけるとミカロスが後方からマイナに声を掛ける。
「マイナ学院長、ここで表向きな発言はいりませんよ。こちらの準備もあるのですから、あまり時間を掛けないでください」
「そうでしたね。アリスさん分かりずらくてごめんなさいね、最終期末試験を受ける許可をします」
「? 受けていいんですか? さっきは認めないとかなんとか」
「ほら、ややこしくなった」
そこでボソッとエメルが呟く。
マイナは改めて説明をし始める。
今回アリスが希望を出した最終期末試験への参加は学院長を含めた、あの日学院長室に残ったメンバーの話し合いで認められたのだった。
だがあくまで参考記録としての、特別枠としてであった。
学院内に広まるアリスに関する情報をふまえ最後まで意見が割れていたが、アリスのこれまでの成績や周りに与えた影響に功績が最終的に考慮された結果その様な形式での参加が認めらるのだった。
アリスは最終期末試験にどんな形であろうと受けることが出来ると知り口元が緩むと、ミカロスが問いかけて来た。
「アリス。一つ訊かせて欲しいんだが、どうしてそこまで最終期末試験に参加したい? 俺には退学が決まっているのに、そこにこだわる理由が分からない」
「それは僕もだ。受ける必要もないだろ、わざわざ試験なんてさ」
「彼らは貴方がそのような立場で、どうして試験を受けるのか直接訊きたくて来たのですよ」
二人の真剣な顔からアリスは答えを聞き自分を茶化しに来たのではないと理解する。
先程の意見が割れたという発言から、二人は反対の立場だったのだろうかとアリスは推測するのだった。
そう考えるのは当然よね。わざわざ希望を聞かれて、試験を受けたいなんていう人なんていないものね。
アリスは自身の発言がおかしいと思われても仕方ないと理解していた。
「私が最終期末試験にこだわったのは、最後の区切りとしていた所であり、勝負をつけたい相手がいるからです」
訊ねてきたミカロスとエメルに対して真っ直ぐな視線でそう答えた。
「自身で決めた道を最後までやり切りたいという事かい?」
「はい」
「勝負をつけたい相手ね。試験じゃないと、それはダメなのか?」
「はい、約束で契約ですから」
エメルはアリスの発した契約という言葉が気になるも、そこを掘ると面倒な気がし追求はしなかった。
同様にミカロスも気にするも、エメルが追求しないのなら追求しないのがいいのだろうと判断していた。
二人はアリスが自分が決めた事に対し、逃げずに向き合い負けず嫌いな一面があるのだと認識する。
「もし、今回参加が特例的にも認められていなかったらアリスはどうしたかい?」
「そうですね」
ミカロスの問いかけにアリスは暫く腕を組み黙って考えた後、答えを出す。
「たぶんですが、そのまま決定を受け入れて残り時間を過ごしたかもしれません」
想像していた答えと違いミカロスは少し驚く。
「立場的に私は悪い方ですし、我儘を聞いてもらっただけで十分といいますか、断れているのにそこまで厚かましい事は出来ないといいますか」
「ぶっ! あ、悪い」
エメルが小さく噴き出し謝るも、ミカロスは横目で笑いを堪えるエメルを見続ける。
「そんなに見るなよ。というか、よくお前は笑わないで耐えられるな」
「逆に何処で笑えたんだよエメル」
「いやだってよ、もう十分厚かましい事してるのにそこまで厚かましい事は出来ないって、変だろ。あ~面白い」
一人変なツボに入り笑っている姿を見てミカロスは少し呆れた顔をする。
「エメルの事は気にするな。ツボが壊れているだけだ」
そう言いながらミカロスは反対側の部屋の隅で、口元を隠し視線から逃げるようにそっぽを向くタツミの姿を捕らえていた。
「(やば。ちょっとつられちまったよ)」
「そうか。少しだけ納得出来たよ。アリスが勝負をつけたい相手というのも何となく想像はついているしな」
「えっ」
「それくらい当然でしょう、今期の副寮長と寮長までやったのは誰だと思っているんだい?」
ミカロスは片手で眼鏡を軽く押し上げる。
「まあ、察しのいいやつならミカロスじゃなくても直ぐに検討はつくだろけどな」
エメルまで分かっている様な口ぶりにアリスは更に驚く。
「見た目がどうだろうが、中身の印象は大きく変わらなかったと分かったし。おもしろ発言も聞けて、僕は満足したから先に戻るよミカロス。アリス君、勝負期待しているよ~」
自分勝手に満足したエメルは背を向けてその場から立ち去り始め、片手を軽く上げ振るう。
エメルの身勝手な行動にミカロスは再びため息をつく。
「ひとまずアリス、君の参加は認めれてこれ以降それが覆る事はない。参加する以上、これまで学んだ事身に付けた事を全て出し切れるよう頑張ってくれ。詳細な話については学院長、お願い致します。それでは俺もここで」
そうしてミカロスも一礼し、その場から立ち去って行った。
「アリスさん、貴方のこれまでの行動や実力で掴み取った成績などがあったからこそ希望が叶えられたのですから、少しは誇ってくださいね。その頑張りがなければ、こんな風にはなってなかったかもしれませんから」
立ち去るミカロスの後ろ姿を見ながら話し掛けて来るマイナの言葉にアリスは「はい」と噛みしめながら答えた。
自分自身が行って来た事があったからこそ、それが認められて今に至るのだとアリスは実感するのだった。
それからマイナから最終期末試験の受け方について詳しい話が行われるのであった。
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