【完結】大切な妹は婚約者に無理矢理駆け落ちをさせられてしまいました。

【完結】大切な妹は婚約者人気無理矢理駆け落ちをさせられてしまいました。

焦ったアンナは屋敷中を探しまわり､執事や使用人､衛兵達に行方を探させたりした｡

それでもクレアの消息は掴めずアンナは涙が溢れる程に激しいショックを受けてしまう｡

「どうして…どうして…こうなってしまったの…クレアが居なくなっしまうだなんて……。」

憔悴しきっていても必死で妹の行方を探そうとするアンナの元にフロイスの同期であったロバート伯爵が訪れて
「実は先日､君の妹が下町の教会で身を寄せているとの知り合いから聞かされて半信半疑で確かめて見たんだ､そしたら教会のシスター達と一緒に子供達の世話をしていたんだ。彼女の方も泣きながら君にあって謝罪をしたいと何度も頭を下げて来たけど､僕が必死で探していたフロイスの方は彼女にも何処にいるのか聞いたんだけど彼女も消息は知らないとの事だから､婚約者の君ならフロイスの事を知っているかなと思ってここへ訪ねて来たんだごめんよ…。」

彼は消息を絶ったクレアが現在何処で何事しているのかをアンナに伝えた後で､申し訳無さそうに謝罪をする｡

けれどアンナは
「いいえ､もう彼との関係はもう半ばきれているようなものなので謝る必要はないわ｡ロバート様、私の大切な妹の居場所を伝えて来てくれた事に大変感謝しているわ、屋敷総出になって必死になって探しても見つからなかったものですからもうどうしたらいいか……。でも本当に良かったですわ､ありがとう…ロバート伯爵様｡」

嬉しさのあまり涙を流しながらお礼を言うアンナにロバートはほっとしたように胸を撫で下ろすと

「そうか、ありがとう｡じゃあ今すぐにでも馬車を走らせて君の妹の所へ行こう!」

    アンナとロバートはすぐさま馬車を走らせてクレアのいる教会へと向かった。

人口の少ない小さな町にある教会で彼女はシスター達と一緒に子供達と一緒に遊んだり､読み書きを教えている最中で、アンナの姿を見た瞬間すぐさま駆け寄り､涙ながらに謝罪を繰り返す。

「ごめんなさいお姉様…本当にごめんなさい…屋敷から出るつもりなんて全然無かったの…でもフロイス様が…｡」

こんな屋敷から出て一緒に見つからない所で一緒に暮らそうと本気で主張して来たのだ｡

そしてそれは、クレアに対して駆け落ちして欲しいと言っているようなもの､彼女は何度も嫌だと抵抗を続けるも、力の弱いクレアは彼に抗う事も出来ずに屋敷の外へと連れ出され駆け落ち同然の状況で遠くの場所で仕方なく一緒に暮らすようになっだけど元々平民としての暮らしを全くしていなかった上にクレアに対して冷めた彼はすぐさま新しい女性と浮気した｡

そして、クレアの知らぬ間にさっさとその女性と何処かへと行ったしまったという｡

彼女は心身共に疲れ果ててしまい､行きだおれていたところでシスターの一人に拾われ教会に身を寄せるようになり､今に至っている。

全ての事情を聞かされたアンナは怒りに震え
「なんて酷い人なのフロイスは!!私の事はともかくクレアにまでこんな酷い仕打ちをするなんて!!こんな最低な人が私の婚約者だなんて!!絶対に許せないわ!!」

隣にいるロバートも
「フロイスの奴､なんて奴だ!!自身の婚約者に対して暴言を吐く上に婚約者の妹を連れ出した挙げ句に別の女性と浮気をした後にまた遠くへと逃げ出すなど絶対に許せる訳がない!!どんな事をしてでも突止めて見せる!!」

彼もまたフロイスに対して激しい怒りを感じている｡

アンナはクレアの方を向き
「ごめんなさい…こんな辛い目が遭っている事に気付ければこんな事にならなかったのに…でもまた会えて本当に良かった…。」

安心して感謝を巣をしたアンナは
「もし良ければ私達ともう一度一緒に暮らしてくれないかしら?」

クレアにそう訪ねると彼女は
「ありがとう､本当にありがとうお姉様…私もお姉様の元に帰りたいですわ。」

笑顔を綻ばせながら答えて､ロバートは静かに微笑んだ。
その後､クレアの世話をしてくれた教会にお礼をした後でクレアをアンナの屋敷で暮らす事をシスター達に伝えたら良かったですわと快く受け入れてくれた。

クレアと再び一緒に暮らす事が出来たアンナは依然として行方のわからない婚約者フロイスを探っていたが半年後、ロバートからボロボロの服を着た男性が捕えられたという知らせが入った｡

調査をしたところなんとその男性はフロイスだと言うことがわかった。

彼の話によればクレアを捨てて新しい女性と一緒に遠くへと暮らしたものの、今度はその女性から浮気をされた挙げ句多額の借金を背負わされ､彼の居ない間に遠くへと逃げられてしまったという｡

多額の借金を背負わされた彼は､一文無しとなり､盗みを働くようになってしまった｡

そして、そのまま衛兵達に捕えられたのである。

自身の婚約者であるフロイスの現状に自業自得だわとアンナは思い､ロバートもひたすら呆れて果てていた｡

アンナはすぐさまフロイスの婚約破棄を決めた。

フロイスは激しく抵抗するものの、すぐに了承され､彼はそのまま投獄される事になった｡

それから数年後､アンナはロバートのプロポーズを受け入れて結婚する事が決まり､クレアもまた優しくて誠実な殿方と婚約をする事が出来た。

こうして二人の姉妹は再び幸せに道を歩いていく。

終わり｡