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山奥の女性
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午前0時を回る頃、私は部屋の電気を消した後にドアを閉めてそのままベッドに転がり込みいつの間にか寝付いた。しばらくするとあたりが真っ白に染まったと思ったら今度は日光の照らし出す青い空に様変わりする。
「ここはどこなんだろう」
沢山の大きなな木々が並び立っており、足元には雑草が当たり一面に覆い茂っていた。急に変わり出したこの光景に多分私は夢の中の山奥にいるのだと気づき、そのまままっすぐと歩き続けていたら今度は雲行きが怪しくなり、空からポツポツと雨が振り始めた。傘やカッパ等を持っていない手ぶらの私は
「今さっきはあんなに天気が良かったのに、急に雨が降ってくるなんてこんなに薄暗くなった山奥で一人で歩くの嫌なんだけど夢の中なのかもしれないけど何も持って来てないし」
と思わず愚痴をついてしまう。
振り続ける雨の中で山奥を歩き続けるとそこには白いワンピースを着ている女性の後ろ姿とそれよりも先には黒く大きな井戸があった。
「何をしているんだろう」
不思議に思った私は後ろを向けている女性に声を架けよう走り出す。
その時、女性は井戸の前に立つとそのまま身を落とそうとする。
びっくりした私は
「何をしているの、井戸の中に落ちたら駄目だよ!」
止めようと走りながら後ろ姿のままの女性の元へと駆け寄り手を伸ばそうとしたが、何故かその手が届かない。私はこれが夢の中である事を忘れて、泣きそうになりながら、
「駄目だよ!井戸に身を投げたら絶対にダメ!!お願いやめて!!」
と必死で叫んでも女性は後ろ姿のままで一切私の方へ振り向く事はせずに、
ドバアアァァァァァァァン!!!
そのまま井戸の中に身を投げてしまった。
冷や汗をかき、
「うわァァァァァァ!!」
と泣き叫んだ。それから私は井戸の中を恐る恐る覗き込んだ、身を投げた女性が見当たらない。私の体はガタガタと震えて、
「どうして…なんだその女性がいないの…ついさっきこの井戸で身を投げたばかりなのに……どうして!!」
怯える私の背後にとてつもない寒気がゾクリと走り、すぐさま後ろを振り向く。
そのまま井戸に身を投げた女性が死人のように青白く鬼を思わせる激し怒りの形相私の目の前に立ち、私に向かって、
「あなた、なにしてんだよ!!!」
顔を合わせてしまった私は思わず
「ウワァァァァァァ!!」
と大声を出して勢いよくベッドから起き上がった。目覚まし時計を見たら午前6時30分を回ろうとしている。午前0時から意外と長く眠っていたのか。殆どそうした実感はなかったけれど。台所にいる母親が、私と父親に向かって、
「あなた、和葉ご飯が出来たわよ!」
何故か少し気だるくなった私は体を起こしてテーブルへと向かい朝食を摂る事にした。
母親がトーストで焼いてくれた食パンにイチゴジャムをつけてかじりつこうとした私に父親が、
「どうした和葉、今日はやけに顔色が悪いな」
と私に向かって言うと、
「いや、大丈夫だよ。ただついさっきまですごく怖い夢を見ちゃって…。」
と答えると母親も、
「どんな夢を見たの私達にも教えて頂戴」
両親は心配しているので、私は「いや、それは―」
と言いかけた時、いつもつけてているテレビに写っている男性のアナウンサーが
「先日の午後11時50分頃、秋田県××市の山奥に建設された××井戸の中で白いワンピースを着た××代と思われる女性の水死体が発見され、現在その女性の身元を調査中との事です。」
とニュースで流れた時私は
「これってまさか私がみた夢と同じ……なわけないよね…」
と頭の中で考え始めた。
「ここはどこなんだろう」
沢山の大きなな木々が並び立っており、足元には雑草が当たり一面に覆い茂っていた。急に変わり出したこの光景に多分私は夢の中の山奥にいるのだと気づき、そのまままっすぐと歩き続けていたら今度は雲行きが怪しくなり、空からポツポツと雨が振り始めた。傘やカッパ等を持っていない手ぶらの私は
「今さっきはあんなに天気が良かったのに、急に雨が降ってくるなんてこんなに薄暗くなった山奥で一人で歩くの嫌なんだけど夢の中なのかもしれないけど何も持って来てないし」
と思わず愚痴をついてしまう。
振り続ける雨の中で山奥を歩き続けるとそこには白いワンピースを着ている女性の後ろ姿とそれよりも先には黒く大きな井戸があった。
「何をしているんだろう」
不思議に思った私は後ろを向けている女性に声を架けよう走り出す。
その時、女性は井戸の前に立つとそのまま身を落とそうとする。
びっくりした私は
「何をしているの、井戸の中に落ちたら駄目だよ!」
止めようと走りながら後ろ姿のままの女性の元へと駆け寄り手を伸ばそうとしたが、何故かその手が届かない。私はこれが夢の中である事を忘れて、泣きそうになりながら、
「駄目だよ!井戸に身を投げたら絶対にダメ!!お願いやめて!!」
と必死で叫んでも女性は後ろ姿のままで一切私の方へ振り向く事はせずに、
ドバアアァァァァァァァン!!!
そのまま井戸の中に身を投げてしまった。
冷や汗をかき、
「うわァァァァァァ!!」
と泣き叫んだ。それから私は井戸の中を恐る恐る覗き込んだ、身を投げた女性が見当たらない。私の体はガタガタと震えて、
「どうして…なんだその女性がいないの…ついさっきこの井戸で身を投げたばかりなのに……どうして!!」
怯える私の背後にとてつもない寒気がゾクリと走り、すぐさま後ろを振り向く。
そのまま井戸に身を投げた女性が死人のように青白く鬼を思わせる激し怒りの形相私の目の前に立ち、私に向かって、
「あなた、なにしてんだよ!!!」
顔を合わせてしまった私は思わず
「ウワァァァァァァ!!」
と大声を出して勢いよくベッドから起き上がった。目覚まし時計を見たら午前6時30分を回ろうとしている。午前0時から意外と長く眠っていたのか。殆どそうした実感はなかったけれど。台所にいる母親が、私と父親に向かって、
「あなた、和葉ご飯が出来たわよ!」
何故か少し気だるくなった私は体を起こしてテーブルへと向かい朝食を摂る事にした。
母親がトーストで焼いてくれた食パンにイチゴジャムをつけてかじりつこうとした私に父親が、
「どうした和葉、今日はやけに顔色が悪いな」
と私に向かって言うと、
「いや、大丈夫だよ。ただついさっきまですごく怖い夢を見ちゃって…。」
と答えると母親も、
「どんな夢を見たの私達にも教えて頂戴」
両親は心配しているので、私は「いや、それは―」
と言いかけた時、いつもつけてているテレビに写っている男性のアナウンサーが
「先日の午後11時50分頃、秋田県××市の山奥に建設された××井戸の中で白いワンピースを着た××代と思われる女性の水死体が発見され、現在その女性の身元を調査中との事です。」
とニュースで流れた時私は
「これってまさか私がみた夢と同じ……なわけないよね…」
と頭の中で考え始めた。
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