汚部屋へGO！〜戦いの記録

前座。友人の家がヤバかった

第6話 装備補充、中央突破再び

　友人宅から歩いて１０分ほどのスーパーは小さな１００均ショップとドラッグストアが内部併設されており、住宅街ベッドタウンのスーパーとして悪くないものだった。

　住宅街で住宅しかない地域とか大変ですよね。初めて足を踏み入れたとき、どうやって行きていけるんだ？　てなった。都会で車よりは公共交通機関がメインのベッドタウンて、道も広くないので、めちゃしんどくないか。

　閑話休題。

　スーパーで、ブリーチやクレンザー、使って減った洗濯洗剤（笑）、ゴミ袋を補給。そこで、虫対策も購入。本当は置いておくだけで虫が寄ってこないものを買いたかったのだが

　これな。アースのこれ。とても効き目が良い。値段も安い。小さい。
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　ゴキブリ避けできたら大概の虫はこうへんやろ。しかし、小さなスーパー程度には置いてなかった。大きめのドラッグストアかなあ。

　が、アースさまはもっとお手軽なものを出していた。スーパーにあった！
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　大きさはそれなりなのだが（でかいジャム瓶くらい）見た目も良く、香りも爽やかで、やばかった台所を支えてくれそうであった。

　外の良い空気を吸い、散歩のように気分展開して戻れば、美化されていた記憶補正は立ち消え、かなりの惨状が待っていた。人はたやすく自分に都合の良い記憶を捏造するものである。

　うん、かなり進んだけど、思ったより進んでなかったんだね！！！

　友人は寝室がだいぶゴミを吐き出したとのことで、廊下と風呂場のゴミ捨てに進軍。ゴミ袋の貯蔵は十分か、十分だ。

　私はクレンザーによるヘドロ壊滅戦である。

　クレンザーというのは細かいことはさておき、粒子による研磨を行う研磨剤で、界面活性剤で汚れを分解分散する食器用洗剤と原理が全く違う。※一応クレンザーにも界面活性剤は入っている。

　今まではヘドロを分解分散による弱体化を試み、拭き取って捨てていたが今回からは物理攻撃である。分解さえ受け付けることのない固体を、クレンザー様によって摩耗させるのだ！！

　クレンザーを直接シンクに振りかけ、スポンジでこすった瞬間――

　手応え。

　見た目はまだ岩であるが、確かな手応えがあった。

　そうして、２０分としない間に、シンクの岩は消え、まあどうしても消えない数ミリの汚れを残して、シンクはステンレスの輝きを取り戻したのである。

　この時の達成感、カタルシスをどうあらわしていいのか。

　天を向き、ガッツポーズをしてしまうほどの多幸感が私を包んだのである。

　脳から溢れ出る麻薬物質によって、いまだ汚れきったコンロも、シンクの周囲にも固まっているヘドロ岩もものともしない希望と期待に満ちあふれてていた。