汚部屋へGO！〜戦いの記録

私と汚部屋の戦い

第9話 2025年１月。蘇る闘志。

　2024年は

　２月よりウェブオンリーを主催開始
　ウェブオンリーのご協力者さまと連絡を取り事務処理
　長期連載を終わらせる
　８月になぜか短期連載する
　ウェブオンリー配布グッズの発注
　１０月にウェブオンリー開催
　入院
　１１月にウェブオンリー配布グッズを発送

　という、わけのわからんスケジュールであった。
　派遣会社を変え、時期の悪さもあり短期派遣が続きながら、まあ、部屋がきれいなら良かったのだが。

　創作関係すべて、ロフトベッドに小さなローテーブルを置いてノーパソと板タブ使い作業し、寝るときは資料もノーパソもテーブルさえベッドに置きっぱなしである。

　寝る場所半分取られる生活してんだから、もうまともではない。

　朝起きると、積み上げてる服を適当に着て出勤だし、メイクももちろんしていない。おそろしい。

　１２月に短期派遣が終わり、次の仕事に就く前に某コでロでナな感染症になった。そのため、仕事自体流れた。

　闘病の間、ベッドで寝ながらバーキンくんの動画を見て、天下一品食べたい、バーガーキング食べたいと、オタク以外の欲を募らせていたものである。

　そうして、病後、我に返ったのだ。

　この部屋、マジヤバ。

　去年の４月からずっと何もしなかったわけではない。

　ゴミを捨てようとした。幾度かゴミは捨てていたが、捨てに行くのもめんどうになったのか、そのまま袋に入れたゴミを積み上げている。正気ではない。

　本も片付けようとしていた。出した本をなんとかしようと、種類別にまとめていた。それを床に放置しているわけで、単に障害物が増えただけである。

　出しっぱなしの引き出しは、クローゼットにそのまま放り込んでいた。床からどかしたことだけは褒めよう。つまり、クローゼットの中に無秩序な服の山である。

　なおかつ、何度か片付けようとしていたとりあえず袋にいれっぱなしの服も、ゴミ袋で積み上がっている。

　床には袋やら封筒が散らばり、なにがなんかようわからん。FでGな英霊ゲームグッズが届いた箱はそのまま積み上がっている。

　バカすぎない私は、ウェブオンリーで買った本を封筒のまま本棚代わりのカラーボックスに突っ込んでいた。無くさない工夫がそれか、おい。

　まともな人間なら発狂しそうな部屋を、なんとかしなければならないと我に返った。

　何より、たまたま無職になっていた。働きながらで、なおかつ強めのオタク活動をしていたために目を背けていたものを、ようやく冷静に見ることができたのである。

　さて。

　このような汚部屋になった場合、最初にすることは何か。

　ここで、ある時感銘を受け、ずっと参考にしている動画を貼る。

【モノ少ない人は見るな！】部屋が汚い人【限定】片付け７ステップ
　https://youtu.be/IgyGaCy_9Lo?si=sMf0SOnmvYDut783

　こちらにある『家の外に出すものから手をつける』つまり、ゴミをまとめて捨てる。

　当然だろ、と思われるかも知れないが、大地震で部屋がミキサーになったあと泥棒がやってきて家探しし、そして廃墟にでもなったのか？　レベルの汚部屋にいると、何から手を付けていいかわからないのである。

　そもそも、この程度がわからないから汚部屋になるのだ。しかも、外に捨てようとして捨てずに積み上げてるからなお悪い。

　まず、ごみ袋を3種用意する。普通ごみ、ペットボトル、服。

　ひたすら落ちているゴミ、ペットボトル、発掘される服を袋にまとめる。

　ゴミはゴミの日に捨てれば良いわけだが、ペットボトルは洗わなければならないし、服は洗濯せねばならない。いちいち袋に入れるのはあとから手間なのだが、量が多すぎて一旦袋に入れて洗い場に持っていくしかないのだ。

　すべてのゴミを回収できたわけではないが、目についたものはすべてゴミ袋に入れた。元々、３袋くらいゴミ袋が積み上がってたが、それにまた３袋くらい追加された気がする。

　ペットボトルはぜんぶで２袋分だった。

　服は以前のと合わせて３袋だったはず。狂ってるな、おい。床に落ちているものは洗濯後であろうが洗濯物とする、ルールでつっこんだ。タオルが大量に発掘された。

　だいたい、ここまでは去年に何度もできていたのだ。しかし、ここから進まず、物は散乱しつづけた。そして洗濯物は洗濯機にいくことなく、ペットボトルはまた増え、再びゴミが豪雪地帯のように積み上がっていったのである。

　私は部屋を佇み、考えた。

　片付け上手な人々の言葉、そして普通の人間でも、部屋の動線として床に積み上がっている本を片付け、その後に机の周りを整頓する。それが定石である。

　細かいものはとりあえず箱に入れ、とにかく大きな物を収納し、部屋を掃除することも教わった。私の友人は部屋がきれいで片付いている人間が極めて多い。

　今まで私は汚部屋になれば、ゴミを捨て、服をまとめ、本を片付け掃除をし、机周りを使えるほどに片付け、洗濯した服を最後に片付けて、スッキリきれいにし続けた。

　にもかかわらず、２週間後には散らかり始め、そこから片付ける気になれず一ヶ月後には汚部屋であった。

　床の上にジャンル別にまとめてはいる、本のタワー（一部蹴り飛ばして崩れている）。それらを常に置いていたところに片付ける。まず、それにより部屋の動線を確保する。

　それだけのことなのに、異様な忌避感で、私の手は動かず、足の踏み場のない部屋の中、佇み、そして――

　私は片付け上手が教えてくれていた『定石』を無視することを決意した。

　やりたいように、やってやる。ある種の賭けであったが、やけくそでもあった。