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私と汚部屋の戦い
第11話 過去との決別
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翌日。相変わらず散らかった部屋である。
わたしはまず、体力のあるうちにペットボトルを洗ってゴミ袋につっこんだ。これだけで30分から1時間かかった気がする。あとは資源ごみの日に出すだけである。
次に床の本を適当に動かし、場を作る。本棚に入れろバカ! と今となっては思うが、どこに入れたら良いかもはや分からなくなっていた当時、仕方があるまい。
そして私は、棚の一部を占拠していた大量の『録画BD』箱を取り出したのである。
私の妹はアニメなどにマメで、録画しては保存用BDを作っており、私もご相伴に預かる。面白かったものの他、見るかも知れないもの、とりあえず興味のあるものを録画し……そのまま放置していたのである。
その数、ちょっと思い出したくない。なんと、DVDさえあった。な、なんじゅうねんまえ!?
一部、収納ファイルに入れて、何が入っているかのメモをつけているが、それもジャンルがバラバラである。たぶん、収納ファイルの存在を知って、300とか100な均一店で買ってから、適当に放り込んだに違いない。
私はそれを、タイトルを確かめながら片っ端から捨てた。
気になるからと録画しながら全く見ていない武侠ドラマ、仙侠ドラマ。
話題作だからと受け取ったけど全く見なかったアニメ。
DVDはもちろん全捨て。
もう見る気は起きないアニメ。
なんとなく録画したけど見そうもない映画。
いや凄かった。とにかく、捨てに捨てた。アマプラで見れちゃうから、見なくなったもの多いしね!
収納ファイルに入れているものも選別し、今度はジャンルごとにわけた。まあ厳密にってわけじゃないですけど、大河ドラマとFateとそれ以外程度にはわけた。買ったまま空っぽだった収納ファイルも埋まった。
次に前世紀からあったのかよ、な音楽CDを捨てた。ポップスはほぼ捨てた。配信販売サービス以前から生きている人間なのでCD持ってんだけど、聴くものはかなり限られており、マジ死蔵。
そもそも日本のポップスてカラオケコミュニケーションで歌うために買ってたので、その習慣がなくなったら全く聞かなくなった。なので、タイトルも古い。こっことか。
同人誌即売会でたくさん買ってた東方Projectの二次創作音楽CDも捨てた。
円盤、いわゆる公式BDもけっこう捨てた。演劇や古い映画、アニメ。これも専門店に行けばかもしれんが、前述以下略。いつも見ているものと、1回見た後全く触らないものの差が激しすぎた。
悩んだのはクーベリック×チェコフィルの演奏DVDボックス。クーベリックとチェコフィルの再会と愛の結晶が映像で見れる優れものだが、これも全く手を取らなくなって久しい。捨てることとした。
音楽CDで捨てなかったのはクラシック(私はクラシックが一番好きなのだ、たくさんの楽器が使われて派手だから)、ジャズ。他は選別した。
また、本棚に並んでいたゲームソフトも捨てた。全くやってないからだ。はっきり言うと、FFタクティクス以外、繰り返してプレイしなくなり久しい。
埃と塵が積もってた円盤たちが一気に消え、私の目の前には収納スペースが現れた。そりゃもう、広々と。
私は音楽CDだけが占拠していたところに、公式円盤やファイリングしたBDを入れた。つまり、死蔵していたDVDやBDの棚は丸々空いたのである。
これ、1日かかった。
1日かけて、
床に散らばっている本も無視し、
袋につっこんだ溜まった洗濯物もせず、
クローゼットも開けっ放しの服の山であるのに、
ただCD型記録媒体だけを捨てた。
はっきり言って、非効率極まりない。
しかし、これだけは言える。
『外に出すもの=ゴミ』を確実にまとめたのである。
今まで、この場所をそのままに、とりあえずなんとなく、いつか見るからと放置していた。
汚部屋の住人の『いつか見る』『また見たいからいつかのために』の、『いつか』は永遠に来ない。
前日の祭壇作りで私はそう気づいた。この祭壇に置こうとも思わなかったジャンルは、普段から要らないもの。
いつか見ると言って10年一度も見なかったものは、もうとっくに見る気をなくしているもの。
そして、この不要物の選別に集中した理由はもう一つあった。
翌日が、普通ゴミの収集日であった。わが自治体はDVDなどは普通ゴミとして捨てて良いとなっている。
私は、床やベッドに散らばって積もっていた『あからさまなゴミ』の他、『棚に死蔵していた不要物』を捨てる準備に成功したのである。
衝動的に行った祭壇づくりは、私に『要るもの要らないもの』のボーダーをはっきりと作ったのだ。
ちなみに、この時に箱の中に入れっぱなしだった英霊なソシャゲのグッズは取り出し、箱は解体した。それほどに余裕ができはじめたということだろう。
わたしはまず、体力のあるうちにペットボトルを洗ってゴミ袋につっこんだ。これだけで30分から1時間かかった気がする。あとは資源ごみの日に出すだけである。
次に床の本を適当に動かし、場を作る。本棚に入れろバカ! と今となっては思うが、どこに入れたら良いかもはや分からなくなっていた当時、仕方があるまい。
そして私は、棚の一部を占拠していた大量の『録画BD』箱を取り出したのである。
私の妹はアニメなどにマメで、録画しては保存用BDを作っており、私もご相伴に預かる。面白かったものの他、見るかも知れないもの、とりあえず興味のあるものを録画し……そのまま放置していたのである。
その数、ちょっと思い出したくない。なんと、DVDさえあった。な、なんじゅうねんまえ!?
一部、収納ファイルに入れて、何が入っているかのメモをつけているが、それもジャンルがバラバラである。たぶん、収納ファイルの存在を知って、300とか100な均一店で買ってから、適当に放り込んだに違いない。
私はそれを、タイトルを確かめながら片っ端から捨てた。
気になるからと録画しながら全く見ていない武侠ドラマ、仙侠ドラマ。
話題作だからと受け取ったけど全く見なかったアニメ。
DVDはもちろん全捨て。
もう見る気は起きないアニメ。
なんとなく録画したけど見そうもない映画。
いや凄かった。とにかく、捨てに捨てた。アマプラで見れちゃうから、見なくなったもの多いしね!
収納ファイルに入れているものも選別し、今度はジャンルごとにわけた。まあ厳密にってわけじゃないですけど、大河ドラマとFateとそれ以外程度にはわけた。買ったまま空っぽだった収納ファイルも埋まった。
次に前世紀からあったのかよ、な音楽CDを捨てた。ポップスはほぼ捨てた。配信販売サービス以前から生きている人間なのでCD持ってんだけど、聴くものはかなり限られており、マジ死蔵。
そもそも日本のポップスてカラオケコミュニケーションで歌うために買ってたので、その習慣がなくなったら全く聞かなくなった。なので、タイトルも古い。こっことか。
同人誌即売会でたくさん買ってた東方Projectの二次創作音楽CDも捨てた。
円盤、いわゆる公式BDもけっこう捨てた。演劇や古い映画、アニメ。これも専門店に行けばかもしれんが、前述以下略。いつも見ているものと、1回見た後全く触らないものの差が激しすぎた。
悩んだのはクーベリック×チェコフィルの演奏DVDボックス。クーベリックとチェコフィルの再会と愛の結晶が映像で見れる優れものだが、これも全く手を取らなくなって久しい。捨てることとした。
音楽CDで捨てなかったのはクラシック(私はクラシックが一番好きなのだ、たくさんの楽器が使われて派手だから)、ジャズ。他は選別した。
また、本棚に並んでいたゲームソフトも捨てた。全くやってないからだ。はっきり言うと、FFタクティクス以外、繰り返してプレイしなくなり久しい。
埃と塵が積もってた円盤たちが一気に消え、私の目の前には収納スペースが現れた。そりゃもう、広々と。
私は音楽CDだけが占拠していたところに、公式円盤やファイリングしたBDを入れた。つまり、死蔵していたDVDやBDの棚は丸々空いたのである。
これ、1日かかった。
1日かけて、
床に散らばっている本も無視し、
袋につっこんだ溜まった洗濯物もせず、
クローゼットも開けっ放しの服の山であるのに、
ただCD型記録媒体だけを捨てた。
はっきり言って、非効率極まりない。
しかし、これだけは言える。
『外に出すもの=ゴミ』を確実にまとめたのである。
今まで、この場所をそのままに、とりあえずなんとなく、いつか見るからと放置していた。
汚部屋の住人の『いつか見る』『また見たいからいつかのために』の、『いつか』は永遠に来ない。
前日の祭壇作りで私はそう気づいた。この祭壇に置こうとも思わなかったジャンルは、普段から要らないもの。
いつか見ると言って10年一度も見なかったものは、もうとっくに見る気をなくしているもの。
そして、この不要物の選別に集中した理由はもう一つあった。
翌日が、普通ゴミの収集日であった。わが自治体はDVDなどは普通ゴミとして捨てて良いとなっている。
私は、床やベッドに散らばって積もっていた『あからさまなゴミ』の他、『棚に死蔵していた不要物』を捨てる準備に成功したのである。
衝動的に行った祭壇づくりは、私に『要るもの要らないもの』のボーダーをはっきりと作ったのだ。
ちなみに、この時に箱の中に入れっぱなしだった英霊なソシャゲのグッズは取り出し、箱は解体した。それほどに余裕ができはじめたということだろう。
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