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第110話 銘酒ドワーフ殺し
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「さて、おしゃべりはこのくらいにしてさっさと試飲を始めるか。まずはこいつからだ。大精霊から酒をもらったならおそらくこれを飲んだな?」
「ああ、昨日と同じ香りがする。…いい味だ。ほらガーグ、お前も飲んでみろよ。」
俺は軽く一口飲んで残りはガーグにくれてやった。全部飲み干していたら全部試飲するころにはべろんべろんに酔っ払ってしまう。俺が渡した酒をガーグは恐る恐る飲む。すると一口、口をつけた途端一気に飲み干してしまった。その顔は満足そうではあるが、まだまだ物足りなさそうな顔をしている。
「次はこいつだ。さっきのより癖がある。それに度数も高い。香りも香ばしい感じがする。」
「本当だ。…確かに強い酒だな。俺はさっきのやつの方が好きだな。ただこの酒は香りの強い料理に合いそうだ。」
その後もどんどん飲み進めていく。出された酒を試飲するとさらに奥から様々な酒が出てくる。お猪口1杯分にも満たない量をすでに数十杯分飲んだ。目はすでにチカチカしてきた。と言うかもうさっきからよく味がわかっていない。
「さて、これが最後だが…こいつは強すぎる酒だ。ちょっと待て。」
そう言うと男はスプーンを取り出し、ほんの少しだけ酒を掬うと並々に注いだ水の中に入れた。それを俺に舐めるように飲んでみろと言う。
「ほんなふぉんでふぃふぃのふぁ?」
「もうろれつが回ってないか。後ろの誰か飲むか?ただ舐める程度にしておけ。」
「ッハ!そんなもんで酔っ払うかよ!」
ガーグはすでに俺の残りを飲んでいただけだが、随分気持ちが上がっているようだ。男にそう言うとガーグは手渡された薄めた酒を一気に飲み干した。そしてどんなもんだと言わんばかりの表情をし、そのまま前のめりに倒れた。
「お、おいガーグ!い、一体何飲ませたんだ!」
「だから言ったんだ。こいつはよっぽどの耐性がないとぶっ倒れる。下手すりゃ死ぬ酒だ。ほぼ毒に近い。この酒の名はドワーフ殺し、ドワーフが酔っ払って死ぬほど強い酒だ。」
銘酒ドワーフ殺し、通常のアルコールとは異なるアルコールから作られるこの酒は度数40%だ。しかしこの異なるアルコールというのが実に厄介だ。通常のアルコールの10倍の濃度以上のアルコール度数がある。つまり40%なら400%以上の度数を持っている。
そしてそれはどんなに薄めてもアルコール自体が変質しない限り体に吸収された途端、普通の人間なら急性アルコール中毒の症状が出る。このアルコールに耐えられるのはドワーフや龍族の中でも限られた者だけだ。
「さらにきつい龍殺しもあるぞ。こっちはドワーフ殺しの倍の濃度だ。こっちは今の量でも人間が飲んだら間違いなく死ぬな。」
こんなただの毒薬のような酒でも飲みたがる連中は多いらしい。飲める人間からするとこの世のものとは思えぬほど芳醇な香りと複雑な味がするらしい。ちなみにこの酒を作った本人であるこの男はこの酒を飲めない。このアルコールに対する耐性がないようだ。
「今くらいの量なら死ぬことはない。ただ1週間ほどは二日酔いが続くだろうがな。今日はもう遅い、泊まってけ。」
そう言われてスマホを確認すると確かにいつのまにか夕食の時間頃だ。すでに俺は酔っ払っていて飯を食う気が起きない。しかしマックたちとこの男の分は用意しないといけない。まあ俺が用意するというよりもシェフに頼めば良いだけだから、全部丸投げして俺はとっとと寝ておこう。
翌朝、俺は気持ちよく目を覚ました。二日酔いになるかと思っていたが、途中に飲んだ二日酔いに効くという酒のおかげで全く何の問題もない。というか二日酔いに効くってそういうことだったんだな。てっきり二日酔いの状態でも飲める酒だと思っていたわ。
「おはよ~…ってみんなまだ寝てんのか。」
マックたちは全員酔いつぶれたのか眠っている。しかし男の姿がない。少し聞き耳を立ててみると奥の部屋から声が聞こえてきた。どうやらこんな早朝から酒の様子を確認しているらしい。勝手に入るのはよくないので昨日寝てしまって出来なかった分、スマホを弄っている。しばらくすると部屋の扉が開いた。
「だからうちでは多くの麹を今だに育てているんだ。おお、ミチナガくん。もう起きたのか。」
奥の部屋から出てきた男はそれはそれは生き生きとしていた。目は爛々と輝いている。その肩にはシェフが乗っている。男と会話するために紙に何か書かれている。
「もうって…割といい時間ですよ。それとうちのシェフと随分仲良くなったみたいで。」
「ああ、彼は実に勉強熱心だ。しかも良い質問をしてくる。すっかり話し込んでいて一度休憩と思ったのだがもう朝になっていたのか。」
どうやらシェフと馬が合ったのか。その後も俺のことは御構い無しにどんどん話し続けている。シェフがどうやって筆談しているのか見ていたが、どうやら自分の眷属にスマホ内で紙に文字を書かせてそれを取り出しているようだ。上手いことやっているなぁ。
「そんなに気が合うならここにシェフの家建てておくか?そうしたらいつでもここに来られるようになるぞ。」
俺はシェフに問いかけてみると横の方を指差す。その指の先には小さな家が立っていた。え、もうそこまで話いっていたの?男に聞いてみるとすでに弟子入りしたいと言われ、それを快く受け入れたらしい。
「私は人に好かれることは少ない。だからこうして私を慕ってくれるものは無下には扱わない。」
「そうですか、ではよろしくお願いします。あ、それと何か入り用ならシェフに言えばある程度のものは揃えますから。」
さらにマックたちが起きてくる前に酒をいくつか買い付けておく。酒を買うのを金で払おうとしたところ、人に会わないから使い道もないため、いらないと言われてしまった。なので欲しいものがあった時はいつでも無料で手渡すと約束しておいた。
「そろそろ時間も時間なのでマックたちを起こして出発します。雪が降る前にある程度大きな街に行っておきたいので。」
「そうか、お前と出会えたのは楽しかったぞ。またいつでも会いに来い。森の手形さえあればいつでも来られる。」
俺は簡単に別れの挨拶をすませるとマックたちを叩き起こして出発の準備をさせる。まあ特に何かを持ち出しているわけでもないのですぐに準備は終えた。馬車に乗り込み早速出発をしようとした時にあることを思った。
それは森の手形を使ってここまできたが、ここからどの方角に行けば俺の目的の場所に行けるのだろう。今いる場所が森のどこなのかわかっていないので動きようがないのだ。俺が呆然と困った様子でいると男が近寄ってきた。
「大精霊から使い方を教わっていないのか。向かいたい方角はどこだ。」
ウィッシに確認をとり、目的地に一番近い森の出口を聞く。それを男に教えると森の手形の使い方を教えてくれた。
「使い方は簡単だ。まずは花の中を吹く、それから行きたい場所を花の中に囁くだけだ。問題なく登録できれば花がかすかに光る。失敗していたらもう一度同じようにすれば良いだけだ。」
言われた通りにやってみるとちゃんと花が発光した。これで問題なく移動できるようだ。使う時は木々に見えるように御者台に座る必要があるとのことだ。それから使わないときは綺麗な水につけておくと良いらしい。この森から出ると森の手形は力の供給がなくなり弱り始めるのでそれも気をつけるようにということだ。
「ありがとう助かったよ。じゃあこれで本当にお別れだ。うちのシェフがちょくちょく厄介になると思うけどよろしく頼むよ。あ!そういや名前聞いてなかった!」
「名前か。人に呼ばれることもないから名乗ることすら忘れていた。俺の名はソーマだ。また会おう、商人ミチナガ。」
「ああ、またなソーマ。今度会う時には面白い土産話とお前の知らない酒の原料と作り方でも調べておくよ。あ、でも調べてもシェフ経由で先に知られるな。まあなんか面白いこと持ってくる。」
俺は森の手形を揺らしながら馬車を出発させる。森の木々が俺の出発を聞きつけたかのように左右に分かれ道を作る。俺は背後を振り返り手を振ってソーマに再び別れを告げる。ソーマもそれに応えるように手を振り返してくれた。やがて馬車を避けていた木々がその別れを遮るように元の姿へと戻って行った。
「ああ、昨日と同じ香りがする。…いい味だ。ほらガーグ、お前も飲んでみろよ。」
俺は軽く一口飲んで残りはガーグにくれてやった。全部飲み干していたら全部試飲するころにはべろんべろんに酔っ払ってしまう。俺が渡した酒をガーグは恐る恐る飲む。すると一口、口をつけた途端一気に飲み干してしまった。その顔は満足そうではあるが、まだまだ物足りなさそうな顔をしている。
「次はこいつだ。さっきのより癖がある。それに度数も高い。香りも香ばしい感じがする。」
「本当だ。…確かに強い酒だな。俺はさっきのやつの方が好きだな。ただこの酒は香りの強い料理に合いそうだ。」
その後もどんどん飲み進めていく。出された酒を試飲するとさらに奥から様々な酒が出てくる。お猪口1杯分にも満たない量をすでに数十杯分飲んだ。目はすでにチカチカしてきた。と言うかもうさっきからよく味がわかっていない。
「さて、これが最後だが…こいつは強すぎる酒だ。ちょっと待て。」
そう言うと男はスプーンを取り出し、ほんの少しだけ酒を掬うと並々に注いだ水の中に入れた。それを俺に舐めるように飲んでみろと言う。
「ほんなふぉんでふぃふぃのふぁ?」
「もうろれつが回ってないか。後ろの誰か飲むか?ただ舐める程度にしておけ。」
「ッハ!そんなもんで酔っ払うかよ!」
ガーグはすでに俺の残りを飲んでいただけだが、随分気持ちが上がっているようだ。男にそう言うとガーグは手渡された薄めた酒を一気に飲み干した。そしてどんなもんだと言わんばかりの表情をし、そのまま前のめりに倒れた。
「お、おいガーグ!い、一体何飲ませたんだ!」
「だから言ったんだ。こいつはよっぽどの耐性がないとぶっ倒れる。下手すりゃ死ぬ酒だ。ほぼ毒に近い。この酒の名はドワーフ殺し、ドワーフが酔っ払って死ぬほど強い酒だ。」
銘酒ドワーフ殺し、通常のアルコールとは異なるアルコールから作られるこの酒は度数40%だ。しかしこの異なるアルコールというのが実に厄介だ。通常のアルコールの10倍の濃度以上のアルコール度数がある。つまり40%なら400%以上の度数を持っている。
そしてそれはどんなに薄めてもアルコール自体が変質しない限り体に吸収された途端、普通の人間なら急性アルコール中毒の症状が出る。このアルコールに耐えられるのはドワーフや龍族の中でも限られた者だけだ。
「さらにきつい龍殺しもあるぞ。こっちはドワーフ殺しの倍の濃度だ。こっちは今の量でも人間が飲んだら間違いなく死ぬな。」
こんなただの毒薬のような酒でも飲みたがる連中は多いらしい。飲める人間からするとこの世のものとは思えぬほど芳醇な香りと複雑な味がするらしい。ちなみにこの酒を作った本人であるこの男はこの酒を飲めない。このアルコールに対する耐性がないようだ。
「今くらいの量なら死ぬことはない。ただ1週間ほどは二日酔いが続くだろうがな。今日はもう遅い、泊まってけ。」
そう言われてスマホを確認すると確かにいつのまにか夕食の時間頃だ。すでに俺は酔っ払っていて飯を食う気が起きない。しかしマックたちとこの男の分は用意しないといけない。まあ俺が用意するというよりもシェフに頼めば良いだけだから、全部丸投げして俺はとっとと寝ておこう。
翌朝、俺は気持ちよく目を覚ました。二日酔いになるかと思っていたが、途中に飲んだ二日酔いに効くという酒のおかげで全く何の問題もない。というか二日酔いに効くってそういうことだったんだな。てっきり二日酔いの状態でも飲める酒だと思っていたわ。
「おはよ~…ってみんなまだ寝てんのか。」
マックたちは全員酔いつぶれたのか眠っている。しかし男の姿がない。少し聞き耳を立ててみると奥の部屋から声が聞こえてきた。どうやらこんな早朝から酒の様子を確認しているらしい。勝手に入るのはよくないので昨日寝てしまって出来なかった分、スマホを弄っている。しばらくすると部屋の扉が開いた。
「だからうちでは多くの麹を今だに育てているんだ。おお、ミチナガくん。もう起きたのか。」
奥の部屋から出てきた男はそれはそれは生き生きとしていた。目は爛々と輝いている。その肩にはシェフが乗っている。男と会話するために紙に何か書かれている。
「もうって…割といい時間ですよ。それとうちのシェフと随分仲良くなったみたいで。」
「ああ、彼は実に勉強熱心だ。しかも良い質問をしてくる。すっかり話し込んでいて一度休憩と思ったのだがもう朝になっていたのか。」
どうやらシェフと馬が合ったのか。その後も俺のことは御構い無しにどんどん話し続けている。シェフがどうやって筆談しているのか見ていたが、どうやら自分の眷属にスマホ内で紙に文字を書かせてそれを取り出しているようだ。上手いことやっているなぁ。
「そんなに気が合うならここにシェフの家建てておくか?そうしたらいつでもここに来られるようになるぞ。」
俺はシェフに問いかけてみると横の方を指差す。その指の先には小さな家が立っていた。え、もうそこまで話いっていたの?男に聞いてみるとすでに弟子入りしたいと言われ、それを快く受け入れたらしい。
「私は人に好かれることは少ない。だからこうして私を慕ってくれるものは無下には扱わない。」
「そうですか、ではよろしくお願いします。あ、それと何か入り用ならシェフに言えばある程度のものは揃えますから。」
さらにマックたちが起きてくる前に酒をいくつか買い付けておく。酒を買うのを金で払おうとしたところ、人に会わないから使い道もないため、いらないと言われてしまった。なので欲しいものがあった時はいつでも無料で手渡すと約束しておいた。
「そろそろ時間も時間なのでマックたちを起こして出発します。雪が降る前にある程度大きな街に行っておきたいので。」
「そうか、お前と出会えたのは楽しかったぞ。またいつでも会いに来い。森の手形さえあればいつでも来られる。」
俺は簡単に別れの挨拶をすませるとマックたちを叩き起こして出発の準備をさせる。まあ特に何かを持ち出しているわけでもないのですぐに準備は終えた。馬車に乗り込み早速出発をしようとした時にあることを思った。
それは森の手形を使ってここまできたが、ここからどの方角に行けば俺の目的の場所に行けるのだろう。今いる場所が森のどこなのかわかっていないので動きようがないのだ。俺が呆然と困った様子でいると男が近寄ってきた。
「大精霊から使い方を教わっていないのか。向かいたい方角はどこだ。」
ウィッシに確認をとり、目的地に一番近い森の出口を聞く。それを男に教えると森の手形の使い方を教えてくれた。
「使い方は簡単だ。まずは花の中を吹く、それから行きたい場所を花の中に囁くだけだ。問題なく登録できれば花がかすかに光る。失敗していたらもう一度同じようにすれば良いだけだ。」
言われた通りにやってみるとちゃんと花が発光した。これで問題なく移動できるようだ。使う時は木々に見えるように御者台に座る必要があるとのことだ。それから使わないときは綺麗な水につけておくと良いらしい。この森から出ると森の手形は力の供給がなくなり弱り始めるのでそれも気をつけるようにということだ。
「ありがとう助かったよ。じゃあこれで本当にお別れだ。うちのシェフがちょくちょく厄介になると思うけどよろしく頼むよ。あ!そういや名前聞いてなかった!」
「名前か。人に呼ばれることもないから名乗ることすら忘れていた。俺の名はソーマだ。また会おう、商人ミチナガ。」
「ああ、またなソーマ。今度会う時には面白い土産話とお前の知らない酒の原料と作り方でも調べておくよ。あ、でも調べてもシェフ経由で先に知られるな。まあなんか面白いこと持ってくる。」
俺は森の手形を揺らしながら馬車を出発させる。森の木々が俺の出発を聞きつけたかのように左右に分かれ道を作る。俺は背後を振り返り手を振ってソーマに再び別れを告げる。ソーマもそれに応えるように手を振り返してくれた。やがて馬車を避けていた木々がその別れを遮るように元の姿へと戻って行った。
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