313 / 572
第300話 不穏な街
しおりを挟む
「そういえば次の街はどんな街なんですか?」
「正直…良い街とはいえませんね。金回りは多少良いようですけど、犯罪も多いです。立ち寄って知り合いにのところで荷物を降ろしたら、次の街へ移動する方が良いでしょう。その先にある街は良い街ですよ。そこまで我々はお伴しますのでご安心ください。」
「そんなに良くないのか~…それはお国柄…的なこと?」
「ずいぶん昔に飢饉が起きまして…その際に頼った商人がサルワと繋がりがあったようなんです。そのせいで……」
「誰です?その男。」
ミチナガの聞きなれないサルワという男の名をごく普通に知っているように話すハルマーデイム。どうやらかなり有名人なようだが、ミチナガは全く聞き覚えがない。
「そういえばミチナガさんは英雄の国の方でしたね。あの国はあいつらとは関わりを絶っているので知らなくて当たり前でした。闇商人ですよ。麻薬に人身売買、暗殺集団までいる何でもありの悪党です。組織名はダエーワ。世界でもトップクラスの犯罪集団です。」
「へぇ~…でもそういうのってあれいるじゃないですか…えっと……監獄神。悪人を捕らえる魔神なんでしょ?」
「彼らも簡単には手を出せないんです。国の奥深くまで根ざしているせいで末端を潰すことしかできないんです。幹部級を捕まえることができることなんて滅多にありませんし…それに7人の大幹部はどんなやつなのか誰も知らないそうです。」
「どの世界にも悪いやつはいるなぁ…」
考えてみれば今までミチナガは犯罪組織のようなものに関わったことがない。そういった裏の世界を知らないため、話を聞いてもあまり実感がわかない。ただ、そこで一つ思い出した。
「そういや前に奴隷を解放したことあるな。ブラント国のミミアンとかあの辺はそうだよな。」
『ポチ・合ってるよ。今少し話を聞いたけど…多分そのダエーワって組織の末端の仕業だと思う。それから何件か同じような組織の連中を捕まえて投獄したこともあるよ。ちゃんと調べなかったけど繋がりあるのかもね。』
「あ、もう関わりあったのね。……見逃しとかある?」
『ポチ・ミチナガ商会はクリーンな商会ですから。悪党は許しません。それにうちが店舗広げているのは英雄の国とか魔神が治めるところだから安全だと思うよ。…ただアンドリュー自然保護連合同盟関連はちょっと怪しいかも。少しずつ調査進めるね。』
「危なくない程度にな。犯罪組織相手じゃ何されるかわからないからな。」
「ああ、ミチナガさん。見えて来たようですよ。それにしてもやはり早いですね。普段の半分以下の時間で着きましたよ。」
遠くの方にうっすらと街が見えて来た。巨大な城壁に囲まれたその国は見るからに安全そうで、見ているだけで嫌悪感が湧いて来た。こんな感情を抱くのはミチナガも初めてである。何かあの国からは嫌な感じがする。
それは他の面々も感じ取ったようで言葉数が少なくなる。その国にたどり着くと壁の外で行われている検閲の待機列には人は並んでいない。そのまま検閲を行い、入国税を支払おうとするとその額にハルマーデイムは驚いている。
それからハルマーデイムはしばらく話し、検閲官に賄賂を払うとまた別に入国料を支払って入国することになった。車内に戻って来たハルマーデイムは何も話さず、そのまま壁の中へと入っていった。
「…何が合ったんです?」
「……異常です。私が知っている時より入国料が倍以上に膨れ上がっています。なんとか賄賂を支払って以前より少し高いくらいの入国料ですみましたが……」
「少し…情報を手に入れた方が良いですね。お前ら、頼めるか?」
『ポチ・任せておいて。まあ密かに探るなら…ミニマムとシノビ、八雲、暗影、一影に任せるのが一番かもね。』
「よし、その布陣で頼んだ。お前ら、頼んだぞ。」
すぐにスマホから5人の使い魔たちが飛び出して何処かへ行ってしまった。これで多少の情報は得られるはずだ。他にも情報を聞き込んでも良いのかもしれないが、何があるかわからない。下手に聞き回っている奴がいると噂になれば面倒なことになりかねない。
そのまま魔動装甲車は走っていくとハルマーデイムの馴染みの店にたどり着いた。そこは昔から世話になっている店で信用できるという。すぐに店内に入るとハルマーデイムはそこの店主と目があった。そして目が合い驚いた。そこにいるのはまるで別人に見えるからだ。
ふくよかで優しそうな、人の良いそこの店主は痩せ細り、肌はざらつき、目はギョロリと動いていた。
「テインズ…どうした…一体……」
「ハルマー…ハルマーか!ああ…なぜ来たんだ……お前まで…あぁ……」
「どうした!一体何があった!」
「地獄だ…ここは……もう地獄になった…」
テインズはその場でへたり込み泣き出した。一体何が起きているかわからない。すると外から数人の男たちがやって来た。
「よぉ!外から来た商人っていうのはお前だな?食いもんと…女も持って来たのか。上出来じゃねぇか。女は金貨10枚、食料は物にもよるが1キロ金貨1枚の税金を払ってもらうぜ。」
「な、なんだお前らは…それになんだそのふざけた税金は!我々はすでに入国税も支払っている!ふざけるな!」
「おっと、俺らへの暴言は金貨10枚だ。今のは3回分だから罰金金貨30枚だ。全部払ってもらうぜ。」
「な、何を…」
「まーまー落ち着いて。今お支払いしますから少々お待ちくださいね。計測してからでもよろしいですか?」
ミチナガはとっさにハルマーデイムと男たちの間に立った。ここで下手に動くのは危険だ。ミチナガは男たちと話し合い、税金を支払った。しかし人頭税として女は金貨10枚、男は金貨3枚、さらに獣人は5割り増しだと言われたのにはさすがに青筋を立てそうになったが、必死にこらえた。
「たんまり持っているじゃなねぇか。おい、同じ額を来月も払ってもらうからな。良い金づるになってくれよ。それじゃあな。」
「ははは、お手柔らかに。」
男たちはそのまま帰って行った。これで一難去った。そして後に残ったのは怒りだ。奴らに対する怒り、そしてへこへこと言われるがまま従ったミチナガへの周囲の怒り。もちろんミチナガだって怒っている。しかしそれ以上に今の状況で暴れるのはあまりにも危険だ。
「ハルマーデイム。とりあえず一回テインズを休ませてやれ。それから全員今日はこの商店に泊まろう。狭いが下手に分散するのは危険だ。それから外出は禁ずる。行動する際には3人以上…いや、騎士の誰かをつけろ。これは命令だ。」
「わかりましたミチナガ様。…それで……一つだけお聞かせください。どうなさいますか?」
「そうだな…どうするか。まあ基本的には使い魔たちからの情報待ちになるからしばらくは待機して……それから動く感じだ。うん。そんな感じ。ただ一つだけ言うのであれば………舐めた真似しやがって…俺は今この国に何が起きているのかは知らない。だがな、こんなふざけた税金の搾取をしやがって……お前ら、これは戦争だ。すでに敵からは宣戦布告を受けた。後は奴らの規模を調べて事と次第によっちゃ……この国獲るぞ。」
ミチナガの瞳に闘志が宿った。これはブラント国以来の、カイの騒動以来の国取り合戦が始まる。
「正直…良い街とはいえませんね。金回りは多少良いようですけど、犯罪も多いです。立ち寄って知り合いにのところで荷物を降ろしたら、次の街へ移動する方が良いでしょう。その先にある街は良い街ですよ。そこまで我々はお伴しますのでご安心ください。」
「そんなに良くないのか~…それはお国柄…的なこと?」
「ずいぶん昔に飢饉が起きまして…その際に頼った商人がサルワと繋がりがあったようなんです。そのせいで……」
「誰です?その男。」
ミチナガの聞きなれないサルワという男の名をごく普通に知っているように話すハルマーデイム。どうやらかなり有名人なようだが、ミチナガは全く聞き覚えがない。
「そういえばミチナガさんは英雄の国の方でしたね。あの国はあいつらとは関わりを絶っているので知らなくて当たり前でした。闇商人ですよ。麻薬に人身売買、暗殺集団までいる何でもありの悪党です。組織名はダエーワ。世界でもトップクラスの犯罪集団です。」
「へぇ~…でもそういうのってあれいるじゃないですか…えっと……監獄神。悪人を捕らえる魔神なんでしょ?」
「彼らも簡単には手を出せないんです。国の奥深くまで根ざしているせいで末端を潰すことしかできないんです。幹部級を捕まえることができることなんて滅多にありませんし…それに7人の大幹部はどんなやつなのか誰も知らないそうです。」
「どの世界にも悪いやつはいるなぁ…」
考えてみれば今までミチナガは犯罪組織のようなものに関わったことがない。そういった裏の世界を知らないため、話を聞いてもあまり実感がわかない。ただ、そこで一つ思い出した。
「そういや前に奴隷を解放したことあるな。ブラント国のミミアンとかあの辺はそうだよな。」
『ポチ・合ってるよ。今少し話を聞いたけど…多分そのダエーワって組織の末端の仕業だと思う。それから何件か同じような組織の連中を捕まえて投獄したこともあるよ。ちゃんと調べなかったけど繋がりあるのかもね。』
「あ、もう関わりあったのね。……見逃しとかある?」
『ポチ・ミチナガ商会はクリーンな商会ですから。悪党は許しません。それにうちが店舗広げているのは英雄の国とか魔神が治めるところだから安全だと思うよ。…ただアンドリュー自然保護連合同盟関連はちょっと怪しいかも。少しずつ調査進めるね。』
「危なくない程度にな。犯罪組織相手じゃ何されるかわからないからな。」
「ああ、ミチナガさん。見えて来たようですよ。それにしてもやはり早いですね。普段の半分以下の時間で着きましたよ。」
遠くの方にうっすらと街が見えて来た。巨大な城壁に囲まれたその国は見るからに安全そうで、見ているだけで嫌悪感が湧いて来た。こんな感情を抱くのはミチナガも初めてである。何かあの国からは嫌な感じがする。
それは他の面々も感じ取ったようで言葉数が少なくなる。その国にたどり着くと壁の外で行われている検閲の待機列には人は並んでいない。そのまま検閲を行い、入国税を支払おうとするとその額にハルマーデイムは驚いている。
それからハルマーデイムはしばらく話し、検閲官に賄賂を払うとまた別に入国料を支払って入国することになった。車内に戻って来たハルマーデイムは何も話さず、そのまま壁の中へと入っていった。
「…何が合ったんです?」
「……異常です。私が知っている時より入国料が倍以上に膨れ上がっています。なんとか賄賂を支払って以前より少し高いくらいの入国料ですみましたが……」
「少し…情報を手に入れた方が良いですね。お前ら、頼めるか?」
『ポチ・任せておいて。まあ密かに探るなら…ミニマムとシノビ、八雲、暗影、一影に任せるのが一番かもね。』
「よし、その布陣で頼んだ。お前ら、頼んだぞ。」
すぐにスマホから5人の使い魔たちが飛び出して何処かへ行ってしまった。これで多少の情報は得られるはずだ。他にも情報を聞き込んでも良いのかもしれないが、何があるかわからない。下手に聞き回っている奴がいると噂になれば面倒なことになりかねない。
そのまま魔動装甲車は走っていくとハルマーデイムの馴染みの店にたどり着いた。そこは昔から世話になっている店で信用できるという。すぐに店内に入るとハルマーデイムはそこの店主と目があった。そして目が合い驚いた。そこにいるのはまるで別人に見えるからだ。
ふくよかで優しそうな、人の良いそこの店主は痩せ細り、肌はざらつき、目はギョロリと動いていた。
「テインズ…どうした…一体……」
「ハルマー…ハルマーか!ああ…なぜ来たんだ……お前まで…あぁ……」
「どうした!一体何があった!」
「地獄だ…ここは……もう地獄になった…」
テインズはその場でへたり込み泣き出した。一体何が起きているかわからない。すると外から数人の男たちがやって来た。
「よぉ!外から来た商人っていうのはお前だな?食いもんと…女も持って来たのか。上出来じゃねぇか。女は金貨10枚、食料は物にもよるが1キロ金貨1枚の税金を払ってもらうぜ。」
「な、なんだお前らは…それになんだそのふざけた税金は!我々はすでに入国税も支払っている!ふざけるな!」
「おっと、俺らへの暴言は金貨10枚だ。今のは3回分だから罰金金貨30枚だ。全部払ってもらうぜ。」
「な、何を…」
「まーまー落ち着いて。今お支払いしますから少々お待ちくださいね。計測してからでもよろしいですか?」
ミチナガはとっさにハルマーデイムと男たちの間に立った。ここで下手に動くのは危険だ。ミチナガは男たちと話し合い、税金を支払った。しかし人頭税として女は金貨10枚、男は金貨3枚、さらに獣人は5割り増しだと言われたのにはさすがに青筋を立てそうになったが、必死にこらえた。
「たんまり持っているじゃなねぇか。おい、同じ額を来月も払ってもらうからな。良い金づるになってくれよ。それじゃあな。」
「ははは、お手柔らかに。」
男たちはそのまま帰って行った。これで一難去った。そして後に残ったのは怒りだ。奴らに対する怒り、そしてへこへこと言われるがまま従ったミチナガへの周囲の怒り。もちろんミチナガだって怒っている。しかしそれ以上に今の状況で暴れるのはあまりにも危険だ。
「ハルマーデイム。とりあえず一回テインズを休ませてやれ。それから全員今日はこの商店に泊まろう。狭いが下手に分散するのは危険だ。それから外出は禁ずる。行動する際には3人以上…いや、騎士の誰かをつけろ。これは命令だ。」
「わかりましたミチナガ様。…それで……一つだけお聞かせください。どうなさいますか?」
「そうだな…どうするか。まあ基本的には使い魔たちからの情報待ちになるからしばらくは待機して……それから動く感じだ。うん。そんな感じ。ただ一つだけ言うのであれば………舐めた真似しやがって…俺は今この国に何が起きているのかは知らない。だがな、こんなふざけた税金の搾取をしやがって……お前ら、これは戦争だ。すでに敵からは宣戦布告を受けた。後は奴らの規模を調べて事と次第によっちゃ……この国獲るぞ。」
ミチナガの瞳に闘志が宿った。これはブラント国以来の、カイの騒動以来の国取り合戦が始まる。
10
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる