340 / 572
第327話 脱けだすために
しおりを挟む
「それじゃあエリーをうちで雇うにあたってお姉ちゃんもうちで働いてくれないかな?エリーも一人じゃ寂しいだろうし…頼れる家族は近くにいた方が良い。」
「わ、私もですか…でも私なんて…お役に立てるかどうか。エリーの足を引っ張ることになるかも…」
「そんな即戦力にとは考えていないよ。エリーだってしばらくは絵の勉強をしないと。お姉ちゃんも色々勉強してやりたいことを探せば良い。うちはいつだって人材不足だからね。ってそういえばまだ名前聞いてなかった!これは失礼したな。名前はなんていうの?」
「エーラです。でも本当に私まで良いんですか?負担になることだって…」
「エーラとエリーの2人だろ?その程度の負担はどうということない。なんせ俺は未だに赤字国家2つも抱えてんだから。まあセキヤ国の方はだいぶ赤字は少なくなってきたけどね。ああ、そんなことよりも早速この書類にサインしてもらおうかな?うちで働くことに関する契約書。」
「はい。あ…えっと……ごめんなさい。文字読めなくて…」
エーラは貧しい環境下で育ったせいで文字を読み書きすることができない。かろうじて自身の名前はかけるが、その程度だ。そして契約書の中には文字を読み書き出来ない者が騙されない様に文字を読めない者は契約できない様にする魔法がかけられていることがある。
ただ基本的にそんな契約書は高額なため使われることはない。よって契約書で騙されることもまだまだ多いらしい。ただミチナガはそんな騙す気がないため、その高額な契約書を用意している。その契約書で契約を交わす際には読み聞かせれば問題ないので、ミチナガは契約内容を読み上げていく。
「…ってことでここまでが基本的な規則事項で、契約内容は3年間はミチナガ商会の元で勉学をしながら時折実地研修も行う。ただし、本人からの申し出とこちらの許可が下りれば3年経つ前にでも正式採用が可能。3年間の間の生活費は全額こちらで負担して、特別給金として月額金貨2枚を支給する。」
「ちょ、ちょっと待ってください!契約内容があまりにも良すぎて…今までだって月に金貨1枚ももらったことないのに…」
「あ、そうなの?でもうちの従業員は基本月に金貨8枚とか10枚とか渡しているからな。そこと比べたらかなり低いよ?まあ生活費も負担するから実質…金貨5枚くらいかな?まあそれでも十分黒字だからうちに悪影響はないよ。うちは社員待遇よくしていますので。ホワイト企業よホワイト企業。」
あまりに破格の待遇に思わず手が震える。なんせ今の商会では一般従業員の給金は月額金貨3枚と大銀貨5枚ほどだ。この国の平民の平均月収は金貨3枚に届かないので十分良い方だ。それなのにエーラは勉強しているだけで生活費は全額支給されるし、給料として金貨2枚までもらえる。
あまりにも好待遇。これが夢なんじゃないかと、嘘なんじゃないかと疑うほどだ。しかしミチナガ自身はそうは思っていない。エーラとエリーの勉強にはまた別途金がかかると考えているので、そのあたりを含めて、他の従業員から文句が出ない様に少なめの金額設定にしてある。
誰か一人を特別待遇すれば他の従業員から反発があるのは間違いない。だからあまり特別待遇にならない様に少し厳しめに設定したのだが、これでも十分喜んでくれることをミチナガは驚いているし、喜んでいる。
エーラは残りの話も聞き、二つ返事で契約書にサインした。これでエーラは正式にミチナガ商会の預かりとなった。ただ、今働いている商会はちゃんと正式な手続きでやめなくてはならない。ただ一悶着起きそうだと予想したミチナガは一つの書類を取り出した。
「もしも何かあった時はこの書類を使うと良い。俺直々の書面だから無視できない。今君のバックには俺が、ミチナガ商会がついている。自慢になるし、嫌味っぽくなるからあまり言いたくないけど、この国で俺より偉い奴はいないからエーラに害することのできる奴はいないよ。」
「そ、そんなに凄いんですか……この国の王様でも?」
「ん~…まあそうだけど、この国の王様良い人だから迷惑はかけないであげてほしいな。むやみやたらにそれ使わないでね。というか今の所辞めたらその書類返してね。悪用されると面倒だし。」
「も、もちろんです。」
商人の魔帝としては世界十指に入るミチナガ商会と敵対する様なバカはいない。そしてすでに敵対したダエーワがあんな無残な形になったのは周知の事実。たとえ魔神でもそうそう手は出さない。ましてやこの国の王程度ならば手を出せるわけがない。
契約を交わしたエーラに対しミチナガはお祝いのパーティを夜にでもしようと提案したが、エーラはエリーとちゃんと話し合って、仕事も正式に辞めてからの方が良いと断った。そもそもまだエリーはミチナガの元で働くことに対して了承していない。
まだちゃんと決まってもないのにパーティを開くのはあまりに時期尚早だ。これにはミチナガも浮かれすぎたと少し反省する。まだ夕方にもならないが、話が思いの外早く済んだので今日はここで解散だ。
「じゃあまた明日…もしくは話が長引きそうなら明後日かな?まあなるべく早くエリーにも話を通してくれると助かる。」
「はい、期待に添えるような返事ができるように善処します。」
ミチナガとエーラはその場で別れた。頭を下げてミチナガを見送るエーラは頭を下げた際に大事なことに気がついた。衣装を借りっぱなしだということをつい忘れていた。
「み、ミチナガ様!衣装が!!」
「ん?ああ、それか。似合っているからエーラにあげるよ。大事にしてくれ。それじゃあ急ぐからじゃあな!」
そういうとミチナガはどこからともなくやって来た魔動装甲車に乗り込み去って行った。エーラはというとどうしようかと頭を悩ませるが、ミチナガはくれると言ったし、今は返しようがないのでとりあえずそのまま着て行く。
ただ綺麗な格好をして街を歩いていると道ゆく人々がエーラのことを羨望の眼差しで見つめる。それに思わず喜ぶエーラは軽くスキップをしながら家路につこうとした。しかしそこで一つのことを思った。
「まだ日も暮れてないし…今の内に仕事を辞めさせてくれるように頼んでこよ。」
思い立ったが吉日だ。エーラはそのまま今勤めている商会へと向かう。エーラが商会の店先に現れると他の店員がエーラだとは気がつかずに挨拶をしてきた。いつもろくに関わろうとしないのに見た目が変わるだけで対応が全然違う。
そんなことに喜ぶエーラであったが、逆に対応が違いすぎてなかなかエーラであると打ち明けることができない。そんなしどろもどろしているエーラの元に商会長がやってきた。どうやら店員に不手際があると思ったようだ。
「申し訳ありませんお客様、うちの店員の対応が悪かったようで。何かお困りでしょうか?」
「…し、商会長……お話があります。」
「……!そ、その声エーラか!い、いったい何が!」
商会長の大声に店内がざわつく。今までまるで気がついていなかった店員もエーラのその変わりようを見て驚き、目を丸くしている。あまりの驚きに固まる商会長であったが、このままではまともな接客ができないと判断してすぐに会長室にエーラを連れて行く。
「…その声…本当にエーラなんだな?」
「はい、化粧と服装が違うだけでエーラです。それよりも商会長、お話を聞いてくれませんか?」
「わかった、わかったから少し待ってくれ……」
備え付けのポットからコップに水を注ぎ一気にあおる。さらにもう一杯飲んだところでようやく落ち着いてきたのか椅子に腰掛けてため息をついた。
「それで?話とはなんだ。」
「私この商会を辞めたいんです。商会長には幼い私を雇ってくれた恩義があるのにこんな突然やめるなんて言ってすみません。だけど私は…」
「ふざけるな!ようやく仕事だってまともにできるようになったのに、今になって辞めるだと!これまで誰のおかげで飯が食えていたと思う!誰のおかげでまともに生きていけたと思う!」
豹変したように罵詈雑言を浴びせかける商会長に対し、エーラは何も言わずに俯いていた。商会長が言っているのは事実だ。仕事はミスばかりで迷惑ばかりかけてきた。はっきり言ってお荷物だった。エーラのために無駄に仕事をしたことだって、儲けが減ったことだってあっただろう。
仕事がまともにできるようになったのはここ1~2年のことだ。その恩義を返せていないのに辞めるなんてあまりにも都合が良い。商会長が怒鳴るのだってわかる。
しかしミチナガからの誘いはこんな生活から抜け出す最初にして最後のチャンスだ。このチャンスを掴まないわけにはいかない。エーラは俯いていた顔を上げて商会長の顔をはっきりと見る。
「商会長のご恩は忘れていません。私が働き始めたら今まで迷惑をかけた分のお金は払います。だから…」
「ふざけるな…ふざけるなよ…ようやく食べごろだと思ったのに。」
「しょ、商会長?いったい何を…」
怒りに震える商会長は突如エーラに飛びかかってきた。組み伏されるエーラは商会長の重みで動くことができない。そしてエーラは組み伏された状態で商会長の顔を見て…全身に鳥肌がたった。
「お前がガキの頃から待ったんだ。育てば良い女になると思って。案の定お前は良い女になったよ。お前がここまで育つためになかなかの金を払うことになったが、良い投資だったと思ったよ。だけど…だけどお前はあの男の元へ行くだと!ふざけるな!」
「ヒッ…や、やめ……」
「もうあの男に抱かれたのか?あの男に抱かれたからあの男の元へ行くんだろ?この売女が!ふざけるな…ふざけるな!」
「み、ミチナガ様はそんなことしな…」
「まだ抱かれていないのか?これから抱かれるのか!それならあの男よりも先にお前をめちゃくちゃにしてやる!」
商会長はエーラを雇った時から今日という日が来ることだけを待っていた。近頃エーラが感じていた不快感は紛れもなく事実であった。
「わ、私もですか…でも私なんて…お役に立てるかどうか。エリーの足を引っ張ることになるかも…」
「そんな即戦力にとは考えていないよ。エリーだってしばらくは絵の勉強をしないと。お姉ちゃんも色々勉強してやりたいことを探せば良い。うちはいつだって人材不足だからね。ってそういえばまだ名前聞いてなかった!これは失礼したな。名前はなんていうの?」
「エーラです。でも本当に私まで良いんですか?負担になることだって…」
「エーラとエリーの2人だろ?その程度の負担はどうということない。なんせ俺は未だに赤字国家2つも抱えてんだから。まあセキヤ国の方はだいぶ赤字は少なくなってきたけどね。ああ、そんなことよりも早速この書類にサインしてもらおうかな?うちで働くことに関する契約書。」
「はい。あ…えっと……ごめんなさい。文字読めなくて…」
エーラは貧しい環境下で育ったせいで文字を読み書きすることができない。かろうじて自身の名前はかけるが、その程度だ。そして契約書の中には文字を読み書き出来ない者が騙されない様に文字を読めない者は契約できない様にする魔法がかけられていることがある。
ただ基本的にそんな契約書は高額なため使われることはない。よって契約書で騙されることもまだまだ多いらしい。ただミチナガはそんな騙す気がないため、その高額な契約書を用意している。その契約書で契約を交わす際には読み聞かせれば問題ないので、ミチナガは契約内容を読み上げていく。
「…ってことでここまでが基本的な規則事項で、契約内容は3年間はミチナガ商会の元で勉学をしながら時折実地研修も行う。ただし、本人からの申し出とこちらの許可が下りれば3年経つ前にでも正式採用が可能。3年間の間の生活費は全額こちらで負担して、特別給金として月額金貨2枚を支給する。」
「ちょ、ちょっと待ってください!契約内容があまりにも良すぎて…今までだって月に金貨1枚ももらったことないのに…」
「あ、そうなの?でもうちの従業員は基本月に金貨8枚とか10枚とか渡しているからな。そこと比べたらかなり低いよ?まあ生活費も負担するから実質…金貨5枚くらいかな?まあそれでも十分黒字だからうちに悪影響はないよ。うちは社員待遇よくしていますので。ホワイト企業よホワイト企業。」
あまりに破格の待遇に思わず手が震える。なんせ今の商会では一般従業員の給金は月額金貨3枚と大銀貨5枚ほどだ。この国の平民の平均月収は金貨3枚に届かないので十分良い方だ。それなのにエーラは勉強しているだけで生活費は全額支給されるし、給料として金貨2枚までもらえる。
あまりにも好待遇。これが夢なんじゃないかと、嘘なんじゃないかと疑うほどだ。しかしミチナガ自身はそうは思っていない。エーラとエリーの勉強にはまた別途金がかかると考えているので、そのあたりを含めて、他の従業員から文句が出ない様に少なめの金額設定にしてある。
誰か一人を特別待遇すれば他の従業員から反発があるのは間違いない。だからあまり特別待遇にならない様に少し厳しめに設定したのだが、これでも十分喜んでくれることをミチナガは驚いているし、喜んでいる。
エーラは残りの話も聞き、二つ返事で契約書にサインした。これでエーラは正式にミチナガ商会の預かりとなった。ただ、今働いている商会はちゃんと正式な手続きでやめなくてはならない。ただ一悶着起きそうだと予想したミチナガは一つの書類を取り出した。
「もしも何かあった時はこの書類を使うと良い。俺直々の書面だから無視できない。今君のバックには俺が、ミチナガ商会がついている。自慢になるし、嫌味っぽくなるからあまり言いたくないけど、この国で俺より偉い奴はいないからエーラに害することのできる奴はいないよ。」
「そ、そんなに凄いんですか……この国の王様でも?」
「ん~…まあそうだけど、この国の王様良い人だから迷惑はかけないであげてほしいな。むやみやたらにそれ使わないでね。というか今の所辞めたらその書類返してね。悪用されると面倒だし。」
「も、もちろんです。」
商人の魔帝としては世界十指に入るミチナガ商会と敵対する様なバカはいない。そしてすでに敵対したダエーワがあんな無残な形になったのは周知の事実。たとえ魔神でもそうそう手は出さない。ましてやこの国の王程度ならば手を出せるわけがない。
契約を交わしたエーラに対しミチナガはお祝いのパーティを夜にでもしようと提案したが、エーラはエリーとちゃんと話し合って、仕事も正式に辞めてからの方が良いと断った。そもそもまだエリーはミチナガの元で働くことに対して了承していない。
まだちゃんと決まってもないのにパーティを開くのはあまりに時期尚早だ。これにはミチナガも浮かれすぎたと少し反省する。まだ夕方にもならないが、話が思いの外早く済んだので今日はここで解散だ。
「じゃあまた明日…もしくは話が長引きそうなら明後日かな?まあなるべく早くエリーにも話を通してくれると助かる。」
「はい、期待に添えるような返事ができるように善処します。」
ミチナガとエーラはその場で別れた。頭を下げてミチナガを見送るエーラは頭を下げた際に大事なことに気がついた。衣装を借りっぱなしだということをつい忘れていた。
「み、ミチナガ様!衣装が!!」
「ん?ああ、それか。似合っているからエーラにあげるよ。大事にしてくれ。それじゃあ急ぐからじゃあな!」
そういうとミチナガはどこからともなくやって来た魔動装甲車に乗り込み去って行った。エーラはというとどうしようかと頭を悩ませるが、ミチナガはくれると言ったし、今は返しようがないのでとりあえずそのまま着て行く。
ただ綺麗な格好をして街を歩いていると道ゆく人々がエーラのことを羨望の眼差しで見つめる。それに思わず喜ぶエーラは軽くスキップをしながら家路につこうとした。しかしそこで一つのことを思った。
「まだ日も暮れてないし…今の内に仕事を辞めさせてくれるように頼んでこよ。」
思い立ったが吉日だ。エーラはそのまま今勤めている商会へと向かう。エーラが商会の店先に現れると他の店員がエーラだとは気がつかずに挨拶をしてきた。いつもろくに関わろうとしないのに見た目が変わるだけで対応が全然違う。
そんなことに喜ぶエーラであったが、逆に対応が違いすぎてなかなかエーラであると打ち明けることができない。そんなしどろもどろしているエーラの元に商会長がやってきた。どうやら店員に不手際があると思ったようだ。
「申し訳ありませんお客様、うちの店員の対応が悪かったようで。何かお困りでしょうか?」
「…し、商会長……お話があります。」
「……!そ、その声エーラか!い、いったい何が!」
商会長の大声に店内がざわつく。今までまるで気がついていなかった店員もエーラのその変わりようを見て驚き、目を丸くしている。あまりの驚きに固まる商会長であったが、このままではまともな接客ができないと判断してすぐに会長室にエーラを連れて行く。
「…その声…本当にエーラなんだな?」
「はい、化粧と服装が違うだけでエーラです。それよりも商会長、お話を聞いてくれませんか?」
「わかった、わかったから少し待ってくれ……」
備え付けのポットからコップに水を注ぎ一気にあおる。さらにもう一杯飲んだところでようやく落ち着いてきたのか椅子に腰掛けてため息をついた。
「それで?話とはなんだ。」
「私この商会を辞めたいんです。商会長には幼い私を雇ってくれた恩義があるのにこんな突然やめるなんて言ってすみません。だけど私は…」
「ふざけるな!ようやく仕事だってまともにできるようになったのに、今になって辞めるだと!これまで誰のおかげで飯が食えていたと思う!誰のおかげでまともに生きていけたと思う!」
豹変したように罵詈雑言を浴びせかける商会長に対し、エーラは何も言わずに俯いていた。商会長が言っているのは事実だ。仕事はミスばかりで迷惑ばかりかけてきた。はっきり言ってお荷物だった。エーラのために無駄に仕事をしたことだって、儲けが減ったことだってあっただろう。
仕事がまともにできるようになったのはここ1~2年のことだ。その恩義を返せていないのに辞めるなんてあまりにも都合が良い。商会長が怒鳴るのだってわかる。
しかしミチナガからの誘いはこんな生活から抜け出す最初にして最後のチャンスだ。このチャンスを掴まないわけにはいかない。エーラは俯いていた顔を上げて商会長の顔をはっきりと見る。
「商会長のご恩は忘れていません。私が働き始めたら今まで迷惑をかけた分のお金は払います。だから…」
「ふざけるな…ふざけるなよ…ようやく食べごろだと思ったのに。」
「しょ、商会長?いったい何を…」
怒りに震える商会長は突如エーラに飛びかかってきた。組み伏されるエーラは商会長の重みで動くことができない。そしてエーラは組み伏された状態で商会長の顔を見て…全身に鳥肌がたった。
「お前がガキの頃から待ったんだ。育てば良い女になると思って。案の定お前は良い女になったよ。お前がここまで育つためになかなかの金を払うことになったが、良い投資だったと思ったよ。だけど…だけどお前はあの男の元へ行くだと!ふざけるな!」
「ヒッ…や、やめ……」
「もうあの男に抱かれたのか?あの男に抱かれたからあの男の元へ行くんだろ?この売女が!ふざけるな…ふざけるな!」
「み、ミチナガ様はそんなことしな…」
「まだ抱かれていないのか?これから抱かれるのか!それならあの男よりも先にお前をめちゃくちゃにしてやる!」
商会長はエーラを雇った時から今日という日が来ることだけを待っていた。近頃エーラが感じていた不快感は紛れもなく事実であった。
9
あなたにおすすめの小説
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる