511 / 572
第492話 二人の終わり
しおりを挟む
「ふんふふ~ん…出来た!どう?どう?」
「ん?おお、よーく書けてんじゃねぇか。みんなで行った湖か。」
「そう!あそこで食べたお肉にお魚は美味しかったなぁ…また7人で行きたいね!」
小さな小屋の中。もう何年も使われていないと思われる小屋の中で十本指のキュウとベビーはゆっくりと休んでいる。各地に分散した十本指たちは常に活動しているのではなく、移動係のクラウンが来るまではこのように休んでいることが多い。
すでにキュウとベビーはこの地での死者の蘇生を終わらせている。ただ復活させた死者の数は少ない。死者が著しく多いような地点には見張りがいるため、なかなか活動がうまく行かないらしい。
そのため退屈な作業が多く、まだ子供であるキュウは退屈しのぎにお絵かきをしている。そしてその絵を見たベビーはしばらく考えたのちに、神妙な顔つきになった。
「忘れるなキュウ。俺たちは十本指。10人からなる部隊だ。そして俺らの上には右腕と左腕がいる。俺たちは12人だ。いいな?12人なんだよ。」
「でも……ううん、そうだね。僕たちは全部で12人。ちょっと書き足しておくね。」
反論しそうになったキュウであったが、すぐに受け入れると絵にもう5人書き足していく。そして絵を書き足し終えると目の前にフラフラとよろめくクラウンの姿があった。
「よう…お待たせ……」
「どうしたのクラウン!少し座って!大変だ…休まないと…」
「心配するなキュウ。クラウン、お前がそんな状況ってことはうまくいったんだな?」
「ああ…勇者王は協力的だったよ。持って行ってくれ。」
ベビーはクラウンの手を握る。すると握った手から光り輝く何かがクラウンからベビーの体へと移っていく。その輝きはしばらくベビーの体を発光させたが、すぐに消えた。
「キュウ、お前の分もあるから受け取ってくれ。」
「う、うん。」
キュウもベビーと同様にクラウンから光り輝く何かを受け取る。するとクラウンはホッとため息をついて寝転んだ。
「ギリギリまで受け取ったから危なかったぜ。危うく失神するところだ。ひとまず落ち着いた。サンキューな。」
「感謝するのはこっちだぜクラウン。お前はよく働いているよ。…で、もういっちょ働いてくれや。これだけの力があれば…結構なことができるぜ。」
「人使い荒いなぁ。…目星はつけてある。だが危険だぞ。見張りが多い。」
「それでもやる価値はあるんだろ?だったらやらせろ。」
「オーケー、それじゃあキュウも行くぞ。」
クラウンはベビーとキュウの手を握り転移する。小屋の中はまるで人など最初からいなかったかのように静かになった。
クラウンたちが転移して来たのは平原だ。風の心地よい清々しい気持ちになるのどかな平原。ピクニックに来たら最高の立地だろう。しかし目的はまるで違う。
「100年戦争、その前の征服時代でもこの地は戦場になることが多かった。かなりの人間がこの地で死んだ。もっと前はここに国があったらしいぞ。」
「完璧だな。じゃあここで復活させておくからまた時間になったら来てくれや。」
「はいはい、それじゃあ頼んだよ。」
「あ、待ってクラウン!」
すぐに転移しようとしたクラウンをキュウは呼び止めた。そして先ほどまで書いていた絵を手渡す。
「覚えてる?みんなで行った湖。みんなすぐお酒飲むから大変だったね。」
「ああ…最高に楽しかった……12人…そうか…そうだな。12人全員で行った最高の思い出だ。…もらっていいのか?」
「うん。クラウンはなんでも大事にしてくれるでしょ?」
「なんでもじゃねぇよ。大事なもんだけだ。それじゃあな。」
クラウンは絵を懐にしまうとすぐに消え去った。転移する前、いつも飄々としているクラウンとは思えない表情をしていた。しかしそれは同じ仲間である十本指にとってはそこまで珍しい光景では無いようであった。
「キュウ!それじゃあ始めるぞ。」
「はーい。」
クラウンがいなくなるとすぐに死者復活の作業に取り掛かる。キュウとベビーは両手を地面に当ててゆっくりと死者の魂を感じ取る。一つ、二つ。ほんのわずかにしか感じ取れない魂も一つ見つければそのまま連鎖的に見つけられる。
そして見つけた魂たちを次々に復活させて行く。その数は100を超え、1000を超える。そして瞬く間に穏やかな平原は死者の軍勢に満ち溢れた。
「ここは本当に当たりみたいだな。まだまだ大量にいるぞ。」
「もう少し範囲広げてみない?そうしたらもっともっと解放できるよ。僕たちなら…!」
地面から手を離し上体をあげるキュウ。その瞬間、キュウの上半身に風穴があいた。綺麗にえぐり取られたその穴からは背後の景色が見えるほどであった。
「キュウ!!」
すぐにキュウに覆いかぶさるベビー。しかしベビーの体にもどこからか魔法が飛んで来て肉体を削り取る。ベビーは一瞬攻撃が来た方を見ると人影らしきものが見えた。
「くそ…見られていたのか……おい、キュウ!しっかりしろ。」
「へへ…痛いのは……慣れているよ……だけど…手が動かないんだ……ベビー…お願い…」
「くっ…ああ。もちろんだ。無駄死にはさせねぇ。それに…一人にゃさせねぇよ。」
キュウの身体にあいた風穴は肺を抉り取っている。もう長くは無いだろう。だからこそベビーは行動に移した。キュウの首からネックレスを取る。そこには二本のミイラ化した指がつけられていた。
あまりにも悪趣味なネックレス。しかしそんなことはどうでも良い。ベビーはその二本の指をもぎ取るとキュウの口の中に押し込んだ。そしてベビー自身も同じように自分のネックレスから同じように指をもぎ取るとそのままその指を飲み込んだ。
「へへ…悪いなクラウン。どうせだったら最後に酒でも飲みかわせばよかったぜ。……聞け!暗殺者ども!!俺の名はベビー!十本指のベビー様だ!!そしてこいつはキュウ!よく見てやがれ!俺たちはこの世界を変えるぞ!!俺たちはこの世界を奪い返してやるぞぉぉ!!」
ベビーとキュウの身体が輝く。その瞬間、大量の死者が蘇って来た。その数は数十万や数百万では効かない。数を数えることもできないほど大量の死者たちがあの世から蘇って来た。そして地上を死者たちが埋め尽くした頃にはベビーとキュウの姿はどこにも見当たらなかった。
「この地でも大量の死者が蘇ってしまいましたか…この数は危険です。撤退しましょう。」
「そうだな。ミチナガ様には申し訳ないことをした。せっかく事前に情報を得て待機していたというのに逃してしまうとは…我ら蛍火衆一生の不覚……」
「どうかなされましたか?」
「いや…何かこう…奴らに一撃与えたような気がしたのだが……少し疲れているのかもしれない。」
「一度戻り報告と休息をしましょう。私もなんだかおかしな感覚がしていて…」
「そうするか。では撤退するぞ。」
蛍火衆の男は音のない笛を鳴らす。すると音が聞こえぬはずなのにその笛の音を聞いた他の仲間たちがすぐさま撤退して行く。
「ん?おお、よーく書けてんじゃねぇか。みんなで行った湖か。」
「そう!あそこで食べたお肉にお魚は美味しかったなぁ…また7人で行きたいね!」
小さな小屋の中。もう何年も使われていないと思われる小屋の中で十本指のキュウとベビーはゆっくりと休んでいる。各地に分散した十本指たちは常に活動しているのではなく、移動係のクラウンが来るまではこのように休んでいることが多い。
すでにキュウとベビーはこの地での死者の蘇生を終わらせている。ただ復活させた死者の数は少ない。死者が著しく多いような地点には見張りがいるため、なかなか活動がうまく行かないらしい。
そのため退屈な作業が多く、まだ子供であるキュウは退屈しのぎにお絵かきをしている。そしてその絵を見たベビーはしばらく考えたのちに、神妙な顔つきになった。
「忘れるなキュウ。俺たちは十本指。10人からなる部隊だ。そして俺らの上には右腕と左腕がいる。俺たちは12人だ。いいな?12人なんだよ。」
「でも……ううん、そうだね。僕たちは全部で12人。ちょっと書き足しておくね。」
反論しそうになったキュウであったが、すぐに受け入れると絵にもう5人書き足していく。そして絵を書き足し終えると目の前にフラフラとよろめくクラウンの姿があった。
「よう…お待たせ……」
「どうしたのクラウン!少し座って!大変だ…休まないと…」
「心配するなキュウ。クラウン、お前がそんな状況ってことはうまくいったんだな?」
「ああ…勇者王は協力的だったよ。持って行ってくれ。」
ベビーはクラウンの手を握る。すると握った手から光り輝く何かがクラウンからベビーの体へと移っていく。その輝きはしばらくベビーの体を発光させたが、すぐに消えた。
「キュウ、お前の分もあるから受け取ってくれ。」
「う、うん。」
キュウもベビーと同様にクラウンから光り輝く何かを受け取る。するとクラウンはホッとため息をついて寝転んだ。
「ギリギリまで受け取ったから危なかったぜ。危うく失神するところだ。ひとまず落ち着いた。サンキューな。」
「感謝するのはこっちだぜクラウン。お前はよく働いているよ。…で、もういっちょ働いてくれや。これだけの力があれば…結構なことができるぜ。」
「人使い荒いなぁ。…目星はつけてある。だが危険だぞ。見張りが多い。」
「それでもやる価値はあるんだろ?だったらやらせろ。」
「オーケー、それじゃあキュウも行くぞ。」
クラウンはベビーとキュウの手を握り転移する。小屋の中はまるで人など最初からいなかったかのように静かになった。
クラウンたちが転移して来たのは平原だ。風の心地よい清々しい気持ちになるのどかな平原。ピクニックに来たら最高の立地だろう。しかし目的はまるで違う。
「100年戦争、その前の征服時代でもこの地は戦場になることが多かった。かなりの人間がこの地で死んだ。もっと前はここに国があったらしいぞ。」
「完璧だな。じゃあここで復活させておくからまた時間になったら来てくれや。」
「はいはい、それじゃあ頼んだよ。」
「あ、待ってクラウン!」
すぐに転移しようとしたクラウンをキュウは呼び止めた。そして先ほどまで書いていた絵を手渡す。
「覚えてる?みんなで行った湖。みんなすぐお酒飲むから大変だったね。」
「ああ…最高に楽しかった……12人…そうか…そうだな。12人全員で行った最高の思い出だ。…もらっていいのか?」
「うん。クラウンはなんでも大事にしてくれるでしょ?」
「なんでもじゃねぇよ。大事なもんだけだ。それじゃあな。」
クラウンは絵を懐にしまうとすぐに消え去った。転移する前、いつも飄々としているクラウンとは思えない表情をしていた。しかしそれは同じ仲間である十本指にとってはそこまで珍しい光景では無いようであった。
「キュウ!それじゃあ始めるぞ。」
「はーい。」
クラウンがいなくなるとすぐに死者復活の作業に取り掛かる。キュウとベビーは両手を地面に当ててゆっくりと死者の魂を感じ取る。一つ、二つ。ほんのわずかにしか感じ取れない魂も一つ見つければそのまま連鎖的に見つけられる。
そして見つけた魂たちを次々に復活させて行く。その数は100を超え、1000を超える。そして瞬く間に穏やかな平原は死者の軍勢に満ち溢れた。
「ここは本当に当たりみたいだな。まだまだ大量にいるぞ。」
「もう少し範囲広げてみない?そうしたらもっともっと解放できるよ。僕たちなら…!」
地面から手を離し上体をあげるキュウ。その瞬間、キュウの上半身に風穴があいた。綺麗にえぐり取られたその穴からは背後の景色が見えるほどであった。
「キュウ!!」
すぐにキュウに覆いかぶさるベビー。しかしベビーの体にもどこからか魔法が飛んで来て肉体を削り取る。ベビーは一瞬攻撃が来た方を見ると人影らしきものが見えた。
「くそ…見られていたのか……おい、キュウ!しっかりしろ。」
「へへ…痛いのは……慣れているよ……だけど…手が動かないんだ……ベビー…お願い…」
「くっ…ああ。もちろんだ。無駄死にはさせねぇ。それに…一人にゃさせねぇよ。」
キュウの身体にあいた風穴は肺を抉り取っている。もう長くは無いだろう。だからこそベビーは行動に移した。キュウの首からネックレスを取る。そこには二本のミイラ化した指がつけられていた。
あまりにも悪趣味なネックレス。しかしそんなことはどうでも良い。ベビーはその二本の指をもぎ取るとキュウの口の中に押し込んだ。そしてベビー自身も同じように自分のネックレスから同じように指をもぎ取るとそのままその指を飲み込んだ。
「へへ…悪いなクラウン。どうせだったら最後に酒でも飲みかわせばよかったぜ。……聞け!暗殺者ども!!俺の名はベビー!十本指のベビー様だ!!そしてこいつはキュウ!よく見てやがれ!俺たちはこの世界を変えるぞ!!俺たちはこの世界を奪い返してやるぞぉぉ!!」
ベビーとキュウの身体が輝く。その瞬間、大量の死者が蘇って来た。その数は数十万や数百万では効かない。数を数えることもできないほど大量の死者たちがあの世から蘇って来た。そして地上を死者たちが埋め尽くした頃にはベビーとキュウの姿はどこにも見当たらなかった。
「この地でも大量の死者が蘇ってしまいましたか…この数は危険です。撤退しましょう。」
「そうだな。ミチナガ様には申し訳ないことをした。せっかく事前に情報を得て待機していたというのに逃してしまうとは…我ら蛍火衆一生の不覚……」
「どうかなされましたか?」
「いや…何かこう…奴らに一撃与えたような気がしたのだが……少し疲れているのかもしれない。」
「一度戻り報告と休息をしましょう。私もなんだかおかしな感覚がしていて…」
「そうするか。では撤退するぞ。」
蛍火衆の男は音のない笛を鳴らす。すると音が聞こえぬはずなのにその笛の音を聞いた他の仲間たちがすぐさま撤退して行く。
5
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる