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第一話 シロイオリ
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教わったラーメン屋で昼食を済ませ、戻ったホテル。
ロビーで会った支配人と共に離れへ戻り、ホテル内に仕掛けられていた呪物の影響はほぼ消えている事、残っていた思念も全て消して回ったことを報告をする。
「後はここについてですが、アシスタントの星と芳桐が、今朝教えていただいた大槌さんの所と、そこで紹介された先へ今調査に行ってまして」
権堂の言葉に、そうですかと相槌を打った支配人は、夕飯提供のタイミングを確認すると通常の仕事へと戻って行った。
そうして2人だけが残った離れの中、室内の様子を覗い多少表情の強張った理久に、どうしたのかと権堂が問いかける。
「室内に変異は無いです。ただ、どうしてか朝よりも少し気配が濃くなっている気がします」
言った理久に、権堂はふむと唸って顎を手で擦ると、チラリと寝室へ目を向ける。
「こっちより、あっちなんだよな」
「はい」
問いかけに理久は頷き、同じく寝室を向いた。
「主室側は、改装した際に元の白壁を壊して増築したって話だったので、それも有るのかもしれないですね」
昨夜視えた光景は、四方を漆喰壁に囲まれた蔵だった。
それに思念が残っているというのであれば、原型を残す寝室に気配が強く感じるのも頷ける。実際に初めから、理久は寝室に残る漆喰の白壁を気にしてた。であれば、視るべきは寝室だろう。
「・・・もう一回、呼び出してみるか」
「え?」
呟きに振り返った理久の腕を、権堂が掴む。
「あいつらが帰ってくるまで、ぼーっとしてたってしょうがねぇだろ。今までより気配が濃くなってるんだったら、昨日より簡単に出てくるかもしれねぇ」
出てくれば捉える事もできるかもしれないと、権堂は理久を寝室に引っ張って行く。
「ご、権堂さん!?」
ホテル内を点検して歩いている間に清掃に入ってくれていたのか、整えられたベッドルームへ足を踏み入れた瞬間、理久がビクリと身を震わせた。
「どうした?」
言った権堂の腕に力がこもり引き寄せられた理久の体は、権堂の腕の中へ抱き込まれる。
「もしかして、もう感じてんのか?」
そのまま、権堂の太い両腕で抱きしめられ身じろいだ理久は、「言い方」と眉を顰めながらも
「まるで、監視されているみたいです」
小さな声で返した。
襖が開け放たれている今、主室から寝室への境に壁は無い。だがその二間を区切っている段差を、踏み込んだ途端に感じたのは強烈な程の視線。
「理久、良いな?」
あくまでも仕事だ。プライベートで抱き合うのとは違う。
ただのフリであって、最後までする訳ではない。
昨夜、権堂から言われた言葉を脳内で反芻して、微かに痛む胸に蓋をする。
「演技なんて、できませんよ・・・」
小さく溜息を吐いた理久が呟く。
「大丈夫だ」
それへ笑みを零した権堂の掌が、宥めるように理久の背を撫で、肩を撫で、俯いていた顔を仰向けるように頬へ触れる。
「お前はただ感じてろ」
言った唇が、理久の唇へ柔らかに触れる。
「ふ・・・」
ピクリと肩を跳ねさせた理久の手が、縋るように権堂の胸を掴んだ。
ロビーで会った支配人と共に離れへ戻り、ホテル内に仕掛けられていた呪物の影響はほぼ消えている事、残っていた思念も全て消して回ったことを報告をする。
「後はここについてですが、アシスタントの星と芳桐が、今朝教えていただいた大槌さんの所と、そこで紹介された先へ今調査に行ってまして」
権堂の言葉に、そうですかと相槌を打った支配人は、夕飯提供のタイミングを確認すると通常の仕事へと戻って行った。
そうして2人だけが残った離れの中、室内の様子を覗い多少表情の強張った理久に、どうしたのかと権堂が問いかける。
「室内に変異は無いです。ただ、どうしてか朝よりも少し気配が濃くなっている気がします」
言った理久に、権堂はふむと唸って顎を手で擦ると、チラリと寝室へ目を向ける。
「こっちより、あっちなんだよな」
「はい」
問いかけに理久は頷き、同じく寝室を向いた。
「主室側は、改装した際に元の白壁を壊して増築したって話だったので、それも有るのかもしれないですね」
昨夜視えた光景は、四方を漆喰壁に囲まれた蔵だった。
それに思念が残っているというのであれば、原型を残す寝室に気配が強く感じるのも頷ける。実際に初めから、理久は寝室に残る漆喰の白壁を気にしてた。であれば、視るべきは寝室だろう。
「・・・もう一回、呼び出してみるか」
「え?」
呟きに振り返った理久の腕を、権堂が掴む。
「あいつらが帰ってくるまで、ぼーっとしてたってしょうがねぇだろ。今までより気配が濃くなってるんだったら、昨日より簡単に出てくるかもしれねぇ」
出てくれば捉える事もできるかもしれないと、権堂は理久を寝室に引っ張って行く。
「ご、権堂さん!?」
ホテル内を点検して歩いている間に清掃に入ってくれていたのか、整えられたベッドルームへ足を踏み入れた瞬間、理久がビクリと身を震わせた。
「どうした?」
言った権堂の腕に力がこもり引き寄せられた理久の体は、権堂の腕の中へ抱き込まれる。
「もしかして、もう感じてんのか?」
そのまま、権堂の太い両腕で抱きしめられ身じろいだ理久は、「言い方」と眉を顰めながらも
「まるで、監視されているみたいです」
小さな声で返した。
襖が開け放たれている今、主室から寝室への境に壁は無い。だがその二間を区切っている段差を、踏み込んだ途端に感じたのは強烈な程の視線。
「理久、良いな?」
あくまでも仕事だ。プライベートで抱き合うのとは違う。
ただのフリであって、最後までする訳ではない。
昨夜、権堂から言われた言葉を脳内で反芻して、微かに痛む胸に蓋をする。
「演技なんて、できませんよ・・・」
小さく溜息を吐いた理久が呟く。
「大丈夫だ」
それへ笑みを零した権堂の掌が、宥めるように理久の背を撫で、肩を撫で、俯いていた顔を仰向けるように頬へ触れる。
「お前はただ感じてろ」
言った唇が、理久の唇へ柔らかに触れる。
「ふ・・・」
ピクリと肩を跳ねさせた理久の手が、縋るように権堂の胸を掴んだ。
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