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第2章
白痴-7-
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ハートフル事業所に着いた。
Doodle検索で見た時よりも、安っぽい感じがする。ここが本当に、福祉事業所なのだろうか。いや、福祉を口にしていい事業所ではないのだろう。
チャイムを鳴らす。
ピンポン
今回の訪問の先頭は僕だ。
「はい~、どちら様で?」
中高年女性の柔らかい声がした。
「ルカ福祉器具、の田山です。代表の篠崎様とアポイントでお伺い致しました。」
「どうぞ」と案内されながら、広いとは言えない事業所の内部に招き入れられた。
応接室にて待たされることになった。
先生は内部を、調査資料と照らし合わせてチェックしている。
この調査資料が、そのままではないにしても後で監督機関を動かす材料になるそうだ。
出されたお茶を飲みながら、僕は緊張をほぐす。
応接室のドアが開いた。
そこには人の良さそうな、少し小柄な男性が立っている。
「どうも、ハートフル事業所の篠崎です。本日はよろしくお願いいたします。」
ビジネス。お決まりの定型句。
僕は福祉器具を扱っている風に一通りの話をした。うんうん、頷きながら疑ってはいないようだった。
建前を済ませて、先生のヒアリングタイムだ。
「私の知人が近くに住んでいて、事業所に興味があるようでして、よろしければ事業所の雰囲気を見させて頂いてもよろしいですか?利用されてる方の様子も見れたらと思いまして。」
「ああ、そうですか。それはありがたいことで。ぜひ、見ていってください。」
正直、僕は拍子抜けした。
篠崎は、わるい人には見えなかったし、やりとりの中でいかにも悪人みたいな態度がなく腰の低い話し方をする人だったからだ。
先生と篠崎が事業所内を見ている横で、僕はふと気がつく。
あの"桜と鯨の絵"を書く女の子が、チラシを折っていた。
こういう福祉事業所では、軽作業がよく行われるが、彼女や他の利用者も軽作業に従事していた。
彼女は顔をあげると、僕に気がついたようだったが、すぐ元の作業に戻った。
僕の目にはこの事業所の、虐待だとかそういう悪いことの姿を見つけることはできなかった。
利用者は黙々と作業をしている方や、時おり癇癪を起こしてる人や、同じところを行ったり来たり歩いてる人もいた。
こういう障害を持っている方の居場所、それがハートフル事業所なんだろう。
福祉施設は、のびのびとしているところやキッチリしてるところ、態様は様々。
かつて、福祉が障害者を除け者の避難所のようになっていたこの国では、大きな改正が行われ、障害者が健常者の中で暮らせるように、溶け込めるようにと進められてきた。
そのカタチの帰結は、まだ発展途上で、福祉については後進国。
よく見ているとわかるが、ここの現場のスタッフは当たらず触らずの会話や接し方しかしていない。
悪ではないが、それが善のようにも思えない。そう思った。
Doodle検索で見た時よりも、安っぽい感じがする。ここが本当に、福祉事業所なのだろうか。いや、福祉を口にしていい事業所ではないのだろう。
チャイムを鳴らす。
ピンポン
今回の訪問の先頭は僕だ。
「はい~、どちら様で?」
中高年女性の柔らかい声がした。
「ルカ福祉器具、の田山です。代表の篠崎様とアポイントでお伺い致しました。」
「どうぞ」と案内されながら、広いとは言えない事業所の内部に招き入れられた。
応接室にて待たされることになった。
先生は内部を、調査資料と照らし合わせてチェックしている。
この調査資料が、そのままではないにしても後で監督機関を動かす材料になるそうだ。
出されたお茶を飲みながら、僕は緊張をほぐす。
応接室のドアが開いた。
そこには人の良さそうな、少し小柄な男性が立っている。
「どうも、ハートフル事業所の篠崎です。本日はよろしくお願いいたします。」
ビジネス。お決まりの定型句。
僕は福祉器具を扱っている風に一通りの話をした。うんうん、頷きながら疑ってはいないようだった。
建前を済ませて、先生のヒアリングタイムだ。
「私の知人が近くに住んでいて、事業所に興味があるようでして、よろしければ事業所の雰囲気を見させて頂いてもよろしいですか?利用されてる方の様子も見れたらと思いまして。」
「ああ、そうですか。それはありがたいことで。ぜひ、見ていってください。」
正直、僕は拍子抜けした。
篠崎は、わるい人には見えなかったし、やりとりの中でいかにも悪人みたいな態度がなく腰の低い話し方をする人だったからだ。
先生と篠崎が事業所内を見ている横で、僕はふと気がつく。
あの"桜と鯨の絵"を書く女の子が、チラシを折っていた。
こういう福祉事業所では、軽作業がよく行われるが、彼女や他の利用者も軽作業に従事していた。
彼女は顔をあげると、僕に気がついたようだったが、すぐ元の作業に戻った。
僕の目にはこの事業所の、虐待だとかそういう悪いことの姿を見つけることはできなかった。
利用者は黙々と作業をしている方や、時おり癇癪を起こしてる人や、同じところを行ったり来たり歩いてる人もいた。
こういう障害を持っている方の居場所、それがハートフル事業所なんだろう。
福祉施設は、のびのびとしているところやキッチリしてるところ、態様は様々。
かつて、福祉が障害者を除け者の避難所のようになっていたこの国では、大きな改正が行われ、障害者が健常者の中で暮らせるように、溶け込めるようにと進められてきた。
そのカタチの帰結は、まだ発展途上で、福祉については後進国。
よく見ているとわかるが、ここの現場のスタッフは当たらず触らずの会話や接し方しかしていない。
悪ではないが、それが善のようにも思えない。そう思った。
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