異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第二章―彷徨うジョナサン―

2−9・レディスちゃん

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―――キュウカ島―――

城内――

 ロザリアに連れられ、ウィンダ街の司祭チハヤが挨拶に来た。そして友人のカディアと娘のレディスも挨拶に来たのだが……
 何とカディア親子は人魚族だった。そして、ビショビショの美女、カディアが僕に近付く……

「あ、あのぉ……」
「はい……」
「ご主人様ですかぁ?」

きゅん♡

 上目遣いで胸の谷間を強調してくる美女が『ご主人様』と呼んでくる。ここは天国なのでは無いかと疑う。

「そうだよ、カディ――カハッ!?」

ゴンッ!

ロザリアの拳が僕の腹を貫いた。

「たわけ。何が『そうだよ』じゃ。お主はご主人様じゃなかろうが」
「いてぇ……」
「フフ、この子は人魚族の生き残りのカディア親子。ウィンダ街で一緒に生活していたのですが世間の目が厳しくこちらで預かって頂けないかと思い、ロザリア様を頼って参りました」
「おにぃたん、レディスたちにいたいことしない?」
「そうね、この方は大丈夫そうね」
「えへへ。おにぃたん、いいこ」



もうレディスちゃん食べちゃいたい。

いや、いかん。ロザリアの怒りに触れたら次はパンチでは済まないだろう……

「話はわかりました。しかしここは島の中央……島とはいえ、海までは距離が結構ありますよ?人魚族でしたら海に近い方が……」
「大丈夫です。水でも川でも、この子達は生きていけますので」
「達?この子達?」
「うむ。カディアを筆頭に百人くらいじゃの」
「ひゃ……百人!?人魚族ってそんなにいるのか」
「おにぃたん……だめ?」
「いいでちゅ……大丈夫だ。任せなさい」
「わぁい!」

 永遠にレディスちゃんとこのやり取りをしていたいが、話が先に進まないのでロザリアがいない時に続きをしよう。

「ついでじゃが、わしはチハヤを送って行ってそのまま、マイア城に住もうと思うのじゃが良いかな?」
「あぁ、ロザリアがそれで良いのなら。空き家にしとくとバナナ街で暴動が起きそうだしね」
「あぁ、バナナ街はわしが統治しておこう。さて、桃矢、お礼と言っちゃなんだがお主にこれを渡しておく」
「これは?」
「レーンコンの指輪じゃ。妖精族に伝わる秘宝じゃ。持っておくが良い。さて、最後の一仕事をしようかいの」
「それでは桃矢様、カディア達をお願い致します」
「ちます」

 チハヤが深々と頭を下げ、ロザリアと共に行ってしまった。
 しかし、少し疲れた。部屋に帰って休もうか。早紀の元へはそれから行こう。僕は部屋へと帰り、横になりウトウトとしていた。

―――数十分後

『ボエェェェェェェェェル!!!』

 聞いた事のない雄叫びに慌ててベッドから起き上がり、窓を開ける!

バタンッ!!

「何事だっ!?」

魔物かっ!?
思い出したくない光景が脳裏をかすめる。窓の外には一面に真っ黒い壁がある!

「……え……何だコレ?」
「あっ!桃矢様!ご機嫌ようっ!」
「うむ。さぁゆけ!鯨王ホエールキングよ!」
「ピィィィィ!」

 チハヤが手を振り、ロザリアとクジラに乗って飛んでいる。

……全長二百メートルはあろうか。かわいい鳴き声を上げ、その巨大な体を揺らしながらゆっくりと飛んでいく。

「桃矢っ!!アレは何っ!?」

 早紀達が窓の下で悲鳴を上げているのが見えた。逃げ回るエルフ達の姿も見える。

「うん……おっきいクジラ……だね」
「見ればわかるわよっ!説明しなさいっ!!」
「う……うん……」

皆に一から事情を説明し、人魚のカディア達を紹介した。

◆◇◆◇◆

翌日―――

朝食を取りながらまったりしていると……

「桃矢様!大変です!街の東に!!」
「何事だっ!」

ガタンッ!

見回りをしていたエルフが慌ててやってくる。

「早く!来てください!!」
「すぐ行くっ!」

眼下に見えて来たのは、街の東側。城門の上を走りながらペローネ達と合流する。

「桃矢様!何事ですか!」
「僕もわからない!エルフに呼ばれて……」
「もう!朝から何なのよ!舞!早く!」
「早紀ちゃん!早いぃ!愛ちゃん!行くわよ!」
「うん!ねぇさん!」

舞と愛は手を繋ぎ、融合してマイアになり羽ばたく!

「うわぁ……そういう使い方……」
「早紀ちゃん!お先にぃ!」

マイアは空を飛び街の東側に降りて行く。

「はぁはぁはぁはぁ……魔物はどこに……はぁはぁ」

僕が東門に到着する頃には皆集まり、眼下を見て固まっている。

「桃矢……あなたいったい何を……」
「何って何だ?」
「あれ……え?どういう……」
「だから何が!?」

早紀が指差す先に目を向ける。

なんということでしょう!!

 昨日まで無かったはずの川が眼下に広がり、その先には遠く海までは繋がってるであろうまっすぐな青い道が出来ています!
 これはまるで匠が作り出した絵画のような景色!
 そして街の東側には広大な川に繋がる一筋の小川が流れ、そこには広い湖があるではないですか!
 これは人魚達も大喜びですね!まだまだ匠の小技が光ま――

「何……この湖と川……」
「ロザリアの仕業だな。昨日のクジラはこういう事か……」

空には、親指を立てるロザリアの姿が浮かんで見えた気がした……

「あっ!おにぃたん!レディスと泳ぎまちぇんかぁ!」
「はぁい!今いきまちゅ――」
「ピキッ!このぉロリコンッ……!!」
「さ、早紀!?ちょ!押したら危なっ!?」
「いっぺん死んでこいやぁぁぁ!!」
「い、いや!早紀さんっ!?ホギャァァァ!!」

ポッキ……

「こうして、桃矢は全治一ヶ月の大怪我をしましたとさ。めでたしめでたし!」
「早紀ちゃんは……オニです……」

ちゃんちゃん!
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